昨日、笠間図書館に23冊の本を返し、かわりに12冊の本を借りてきました。その1冊が、標記の本です。
まったくの初心者が、プロの教える囲碁教室の生徒になり、級位者になり、そして日本棋院の発行する雑誌(週刊碁)に連載を書くまでになった作家(SF作家のようですが、私は作品を読んでません)が書いた本です。
まず碁のルールですが、ルール自体は、文章で書くと簡単なんですが、それだけでは、碁を覚えたことになりません。
私は真壁高校の教員時代、部活動が終わったあと、農場の職員室で、ストーブが消えたのもわからず、8時過ぎまで、碁を打っていたことを想い出す。強い人には、井目(9子置くこと)でもかなわない。この不思議さにとらわれて、深入りしてしまった。
この本は、全くの初心者が、碁を覚えていく様子が、本当に、丁寧に、丁寧に、これでもかというくらい丁寧に書かれていて、思わず笑いを誘う。
また、著者は、日本棋院に出入りしているのだから、当然、高段者のすごさを知っている。
私も、その凄さを知ったことがあった。笠間高校時代、スキー教室で引率でいったとき、夜は暇だったので、碁をうった。本当のへぼ碁である。そこで、わきで、眠そうに見ていた校長(教員の全国囲碁大会で10指にはいるすごい人)が、終わった途端、ムッスと起き出して、全部並べ直して、ここがいい、ここがダメと教えてくれた。
碁をうった両者は、ほとんど打った手順を覚えていない。アマでも高段者はこんなにすごいのか、びっくりした経験がある。
この先生とは、他校にいたとき、私は9子をおいて、1目差で勝った。そのとき、ちゃんと計算して、1目差で勝たしてくれたことがわかった。本当に強い人は、初心者には花を持たしてくれる。
今では、私の趣味のひとつが囲碁になっている。これから囲碁を覚えたい人には、うってつけの本である。しかし、囲碁を覚えるには、本を読んでいては、覚えられない。新井素子さんのように、仲間を作って、覚えるのが一番いい。