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先月末オーストリアはシュタイヤーマルク州の山中エトラッハゼー(Etrachsee)に行き湖畔の宿に滞在した際、そこから約20数km離れたムーラウ(Murau)を流れるMur(ムーア)川にて釣りをして来ました。
怠けの虫が出てEtrachseeだけで釣りはいいかとも思っていたのですが、今回何とタモを忘れてしまい、初日は湖でタモなしの釣りをしたのですが、流石にタモなしてはどうしようもないと思い、翌6月30日、宿での朝食後、Murauの町に行きそこの狩猟・釣り具を扱うお店Waffen GruberにてドイツのDAM社製のタモを購入。その流れで天気も良かったので西に数km離れたSt. Lorenzenの旅行案内所でMur川のStau Bodendorf地区の釣り券を購入、釣りをすることになりました。
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今回ウィーン空港で借りたVW Polo。昔私が西ベルリンで乗っていた1983年製のVW Golfと比べると今のPoloは当時のGolfよりも広く大きく力強い車です。時速150kmもすぐに出せる車でその気になればアウトバーンもサクサク走れますが、制限速度130kmを守り安全運転に徹しました。
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オーストリア入りする事前の天気予報では6月30日以降は毎日雷に雨の予報でしたが、天気に恵まれ水も平水。
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ところが最近の氾濫のせいか、何時も釣りをする左岸の方には砂が堆積し水に足を入れると砂に潜り中々足を抜くことが出来ません。水には足を入れず岸からだけで釣りをすることに致しました。
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釣り竿入れがロストするリスクを考えてHardyのThe Traveller's Combined Fly and Spinning Rod (2023年1月14日記事参照)をスーツケースに入れてきたことから、同竿を8'10''に繋ぎ、それにどうせ天気が悪いからとシルクラインは家に置いてきてその代わりに持ってきたCortandのSylk DT5Fを巻いたSt. George 3'を組み合わせ釣りを開始。オレンジのシルクボディにゴールドワイヤ、古い英国のジンジャーハックルを巻いた簡易なハックルドライフライを15ヤード程度投げると水面にグレイリングが泳ぎ上がってきてフライを咥えます。
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グレイリングのドライフライ釣りを私が好むのは、グレイリングが泳ぎ上がってきて毛鉤を咥えるまでの一部始終をゆっくり見ること出来、それがエキサイティングな点。
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申し訳ないのですが、砂地で砂まみれになったグレイリング第一号を取り込み撮影、即リリース。
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釣ったのはグレイリングが圧倒的なマジョリティでしたが、冒頭写真の虹鱒、そしてこの写真のブラウントラウトもドライフライに出てきました。
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Traveller's Rodですが、10''のグリップに2'のピース4つの5ピース竿ですので、重いのは否めないものの、その調子はまさにGold Medalの胴調子。投げること、魚とやりとりすることのトータルバランスが良い竿です。
そして上が今回一番大きかった39cmのグレイリング。DAMのタモに入れるまでかなり手こずりました。
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いつ見ても不思議なのですが、水から上げてみるとウグイのように見えるグレイリングも、水中では緑、紫、黄色、青と様々な色を帯びます。鱒の仲間であり、また、触るときゅうりの様な匂いの残る魚で、食べると美味。外来魚なので無理ですが、日本でグレイリング釣りが出来たらどんなに良いだろうかと夢想してしまいます。
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その日は11:00から17:00までガッツリ釣りをして無数のグレイリングに遊んでもらい、ああ、Murauに来て良かったと心から思える日となりました。
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上がその日一番実績を上げた毛鉤。天気、太陽光の調子、等色々な要素があるのでしょうが、陽光の下ではこのオレンジとジンジャーが燃えるように映え、魚にもきっとアピールしたことでしょう。
グレイリングのドライフライフィッシング、良いですね!!
水底で定位している暗い影が、スゥっと浮き上がって水面の毛鉤に喰らいつく姿は、グレイリングならではですね。
私も久しく釣っておらず、羨ましい限りです。
スイカというかキュウリのような青い香りも懐かしく思い起こされます。
オーストリアの夏の鱒釣り、是非ご堪能下さい。
nori 拝
グレイリング、私は釣ったことがありませんが、今やカットスロートやスチールヘッドなども釣れてしまう日本の管理釣り場でも、グレイリングというのは見たことがありません。
現地で釣ってみたいです。
コメントを頂き大変ありがとうございました。
あのシャルル・リッツがドライフライでのグレイリング釣りを一番好んだというのが本当に実感できる釣りで、これが出来るMurauは北アフリカ在住の私にとっては心のオアシスです。
欧州に近いところに駐在している間は、チャンスを見つけて出来るだけ楽しもうと思っております。
コメントを頂き大変ありがとうございました。
カサブランカからフランクフルトまで3時間、そこからウィーンまで1時間20分、さらにそこからレンタカーで3時間ですが、羽田から石垣島へ飛び、そこから更に1時間20分飛行機で飛んで(台湾?上海?)更にそこから3時間車で走るという感じでしょうか。
ヤマメでもイワナでもグレイリングに比較すると出方が早いのですが、水底からゆっくり浮かび上がってくるところから心臓がドキドキし、毛鉤を観察した後、グレイリングがそれを咥えると「ヤッター」と興奮出来る釣りで西園寺公一氏も日本にグレイリングが欲しいものだと書き残しているのが良くわかる魚です。
オーストリアはグレイリング釣りには絶好ですので、機会があれば是非チャレンジ下さい。