思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

新潟の渓へ再挑戦

2021-04-25 07:34:29 | 釣行記/Fishing Trips

東京近郊の管理釣り場を含めた渓流では枝針付きの仕掛けは使えないところが多いため、4月初めに行った新潟の渓流に再度行ってきました。早朝の新幹線で今度は燕三条駅で下車、レンタカーを借りて向かいます。レンタカーを借りる時間が予約が遅かったため09:00からとなり、新幹線は始発ではなく07:00少し過ぎで少々楽ではありますが、その分釣りをする時間は少なくなります。

今度も1930年代製のHardy Palakona De Luxe 8'に歴戦のSpitfire Perfect 2 7/8インチ。それにシルクラインを合わせます。

釣り場に着くと既に全部で8台も車が停まっており、まさかこれ全部釣り人か?と己の運の悪さに絶望ですが、ちょっと観察していると山菜採り、登山客の様子。もし釣り人が先行していても仕方ないと観念し入渓します。
上の写真のように良さそうな場所はあるのですが反応はゼロ。

時間も限られるので、上流に向かって行くと堰堤に遭遇。そう言えば今から20数年前にもこの堰堤に出会ったと感慨を覚えましたが未だに釣りにならないこの身。思い出に浸る前に今の釣りに没頭が必要。W.C. Stewartの3本鉤仕掛けで堰堤の下を探ります。
すると何だか流れるシルクラインが数秒止まるような感じがあり、竿を立てると魚の感触。アタリをくれるとかかりました。上がってきたのは山女魚。その口には真ん中のドロッパーに付けたBlack Spiderが掛かっておりました。前回紹介した正にその毛鉤です。

堰堤の上は確か水量も少ない流れだったと思いそこで引き返します。川を覗きながら歩いて行くと淵に大きな山女魚が浮かんでいるのを発見。その淵に行くには下流に行ってそこから遡行しなければなりませんが、魚を見ていて引き下がる訳にはいきません。仕掛けをドライフライ仕掛けに交換し、淵を観察。魚の姿を探しますが中々現れません。渓流ではカゲロウが飛び交っており、その多くは金色に輝くもの。そこでフランス・ハックルの蜂蜜色(Miel)を巻いたハックルフライを結びます。冒頭の毛鉤がそのドライ・フライです。

そこで、川の流れに毛鉤を乗せて流すこと数度、流れに乗り金色に輝く毛鉤に淵の底から魚がバッサリ襲いかかりました。合わせると重量感が伝わります。これが20数年前に味わった釣り。De Luxeも曲がります。上がってきたのは岩魚。色は少々薄く陽光の下で元気に飛び跳ねます。写真に綺麗に収まる気もなくですが、写真を撮って毛鉤を掴み数度振ると岩魚は元気に渓流に帰って行きました。

その後も下流を覗いて見ましたが水量が少なく魚がいそうな場所もなく竿を出しても何の反応も得られません。2時には上がらないと東京に戻る時間が遅くなるので上がりレンタカーに戻ります。年配の登山客の方々が帰り支度をされていて、何時も通りに「釣りに来れられたんですか」「何が釣れるんですか」というやり取りをして「上越は未だ釣りは出来ねんですかね?」と言われ、ああレンタカーは上越ナンバーなんだな、と、思い、言葉を濁しました。。。東京から来たと言うのは気まずい、悲しい時が未だ未だ続きます。。。
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Spider毛鉤を巻く

2021-04-18 12:10:29 | 毛針/Flies

本当は4月17日の土曜日に釣りに行きたかったのですが、東日本では生憎の天気でどこにも行けず仕舞い。
そこでW.C.Stewartのお気に入りであったスパイダー毛鉤をブラインド・アイの鉤に結んで見ることにしました。

古い英国の鉤。とは言っても19世紀のものではなく20世紀に入ってからのもの。何故アイ付きの鉤が発明された後もブラインド・アイの鉤が使われ続けたのでしょうか。当時のガット鉤素では結び目が大き過ぎたためなのか?

今回は3本鉤のウェットフライ仕掛けを想定し、ブラインド・アイに結ぶ毛鉤は短い鉤素を使ったものにします。リーダーに輪を作ってやれば枝鉤の取り付け・交換も簡単だという目論見。

取り付けてみるとこんな感じになります。鉤素の長さは10cm弱。

最初はBlack Spider。
James Baillieという方が考案したそうですが、W.C. Stewartがこの毛鉤に出会ってからこれを使わなかったことはなかったという程、効果を認めていた毛鉤。
レシピは:
Body: Brown silk, waxed.
Wings: Hackled with the black and green glossy feather from the neck of a cock starling.
という極めて単純はもの。スターリングのハックルが日本では入手が難しいかも知れませんが、不可能ではないと思います。
ちょっとソラックスが太くなっておりますが、鉤素を鉤に固定するのに二つ折りにしたりしておりますためです。

二番目はRed Spider。レシピは:
Body: Yellow waxed tying silk.
Hackle: Small feather from the outside of a landrail's wing or small red hen.

最後はDun Spider。これはアイ付きの鉤に巻いてみました。レシピは:
Body:Yellow tying silk, well waxed.
Hackle: Small dun feather from under-part of starling's wing.
W.C. Stewartは19世紀中葉のスコットランドでアップストリームのウェットフライ(枝鉤付き)を提唱し且つ今からすれば信じられないくらい鱒を釣り上げた釣り人。上の3つのスパイダー毛鉤を主に使っていたと伝わります。

輪を付けた鉤素を10本作ったので余ったものにPartridge and Orangeを巻いてみました。
但し、枝鉤付きの仕掛けでは養沢等では釣りが出来ません。どこか別の釣場に行く時までしまっておきましょう。
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2021年初釣行

2021-04-11 15:49:53 | 釣行記/Fishing Trips

4月最初の週末の暖かい日差しに恵まれた土曜日、今年の初釣行に行って参りました。
6時8分東京駅発の新幹線で向かった先は新潟。8時過ぎに到着しレンタカーを借りて目指したのは20数年前に行ったことのある小渓。ここは初夏になるとメジロアブが酷くまた蛭も居るので釣りは春先しか出来ないところ。何時ものように養沢へ行くのも人が多いので何となく憚られそれならと目指しました。

大昔に行った時は、岩魚が残雪の残る清流からドライフライにバッサリと食いついたのですが、その場所もすっかり浅くなってしまいとても魚はいそうにありません。また、林道にはスバルのSUVが一台停まっており、登山客かはたまた釣り人か、いずれにせよ幸先の良くない感じです。因みにこの写真に映る車はレンタカーで借りたスズキ・スウィフト。

昔の記憶の様に岩魚が水面上の毛針にアタックしてくることもなく、水面下の毛針に変えても何の魚信もなく、時間だけが過ぎていきます。それでも少しでも魚のいそうな深みやヘチにHardy Palakona De Luxe 8'でシルクラインを操り毛針を投入、流していくと。

水面下のPartridge & Orangeに魚が襲いかかったアタリを感じ素早く合わせると小物ながら水の中を俊敏に右に左に泳ぎ回る魚の引きをシルクライン越しに感じます。De Luxeも8'になると繊細で小物であっても竿先が曲がってくれます。そして釣り上げたのは何と背中にスレがかりした山女魚でした。岩魚の川と思っていたのですが、20数年も経つと下の本流から山女魚が上がってきたのか?或いは放流でもされたのか?

山女魚を釣ったところから釣り上がって行くと堰堤を上がって更に上流に魚の居そうな深みを発見。ここで出なかったら諦めようと思い毛針を投入、ラインを出来るだけ張りアタリを逃さないように努めます。

数投したところでリーダーが水中に引き込まれるところが見え合わせると魚の動きが竹竿に伝わってきます。ラインをリールに巻き込み小物ですがリールでやり取りすると上がって来たのは岩魚。昔の記憶にあった茶色と黄色を中心にした色彩を纏った地場の岩魚でした。

毛針を掴んで一振りすると毛針は岩魚の口から外れ、魚は水中へ帰って行きました。その後下流に戻りちょっと開けた場所で釣りをしようとしたところ右手から流れた血がロッドのグリップを真っ赤に染めているのにビックリ。右手首から出血していましたが、血が止まらず応急措置でティッシュペーパーを当て、コンビニのビニール袋で手首をできるだけ強く巻いて止血。血が止まらなのは蛭にやられたためでしょう。蛭に噛まれても麻酔成分で全く感じず、且つ血液の凝固を妨げる成分を注入するので血が止まらないのです。
もうこれで釣りはおしまい。10時ちょっと前から初めて13時過ぎのたった3時間の釣りで新潟駅を15時ちょっと過ぎに出発、東京駅には17時丁度に到着。
出血のハプニング付きの今年の釣りのスタート。これからどんな釣りが待っているのでしょうか。
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