思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

フランスのハックル(coq de pêche corréziens続編)

2019-03-23 10:55:13 | ハックル/Hackles

前回に続き、今回はフランス・ハックルのより色の濃いものの詳細を載せたいと思います。
gris cendreé fuméとgris fuméです。


gris cendreé fumé。英語に逐語訳すればgrey ash smoked。英国のハックル色の分類に従えばRusty Dun。Rusty DunはHoney Dun共々Blue Dunの親戚。基本はBlue Dunのハックルのバーブ部分に錆色が乗ったものと言う事になります。


黒い背景で見ると良くお分かりのように、ハックルのリストは透明感のあるグレイかかった色。バーブには金色と茶色のピグメントが乗り全体として錆色を示しております。これは全体の左半分のアップ。


これは全体の右半分のアップ。


白い背景にするとこの透明感とバーブの色の対照が際立ちます。


ハックルの軸は極めて濃い黒〜インキ色。リストは透明。バーブの先端は茶色と金色。


左から2枚のハックルは典型という感じのものです。


白と黒の背景で見るとハックルが背景の色の関係でどの様に見えるのかが良く分かると思います。


gris fuméは英語逐語訳ではgrey smoked。英国の分類ではDark Rusty Dun。


gris cendreé fuméよりもより色が濃く、春先のカゲロウやIron Blue等を模すのに使えそうです。


一番右側のハックルは透明感が強く魅力的。


白い背景に変えてみます。


gris cendreé fuméよりも多少色が濃い感じでしょうか。


黒い背景で透明感が際立った右端のハックルはダークブルーと金属色に変わっております。


白黒の背景でのハックル近影。

フランスのこれらハックルは基本生きた鶏から一本一本手で抜かれ、鶏は何年か分かりませんが、生き続けながらそのハックルを供給致します。これらの鶏を飼っている養鶏家はコストの面から、最高の鶏のみを生かし、それ以外の鶏のみをハックルケープにしている様です。19世紀〜20世紀初の文献では、年を経った鶏のハックルの方が良いとしているものがありますが、基本的に1年鶏のハックルも2年以降の鶏のハックルも変わりは無いとFrank Elder氏は養鶏家としての経験から反論しております。いずれにせよ、良いハックルを産出する鶏は中々現れないので、殺さずに出来るだけ希少なハックルを取るのは合理的。フランス中部の片田舎で産出される、これらハックルがこれからも入手可能である事を節に祈ります。
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フランスのハックル(coq de pêche corréziens)

2019-03-16 13:25:54 | ハックル/Hackles

フランスのLimousin鶏の血統でドライフライのハックル用に特別に飼育された鶏coq de pêche (釣り用雄鶏)のハックルを扱っているフランスの釣具店を見つけ、郵便事情が芳しくないチュニジアではなく日本の住所に送付してもらいましたが、それを数日前入手致しました。
実物を見ずに注文し、また、coq de pêcheの品質等も分からないままだったもので、不安はありましたが、実物を手にとって見て納得致しました。
ハックルの機能面、透明感に溢れた色の面、どちらから見ても素晴らしいハックルです。
今回入手したのは、gris cendré ruillé (英直訳 grey ash rust→honey dun)、gris clair (英直訳 grey clear→honey)、gris cendré fumé (英直訳 grey ash smoked→rusty dun)、gris fumé (grey smoked→dark rusty dun)の4種類。フックサイズ12/14番用です。仏語で鉤はhameçon。従い、表記はH12/14となります。
これは、ARDENTPECHE (www.ardentflyfishing.com)という釣具店より入手したものです。現時点では残念ながら、H12/14のハックルは私の注文もあったためか品切れが多くなっておりますが、関心がある方はお店の連絡先を記録しておいても良いかと思います。
以下、実物のハックルをご覧下さい。

これはgris cendré ruillé。ハックルの軸がグレイ色、バーブの先端は黄金色

これは向かって左側5つのハックル。

これは向かって右側5つのハックル。

同じハックルを同じ並び順で白い背景に並べます。

これは向かって左側5つのハックル。

これは向かって右側5つのハックル。
非常に透明感に溢れたハックルである事が見て取れると思います。

白と黒の背景で見ると透明感と色が良くお分かりになると思います。

次は、gris clairのハックル。ハックルの軸が薄いグレイになっていて、light honey dunと分類出来るものも含め、honeyのハックル。

これは向かって左側5つのハックル。

これは向かって右側5つのハックル。

白い背景で同じハックルを並べて見ます。

左側5つのハックル。

右側5つのハックル。

白黒の背景で見ると、消え入る透明感とハニーの色がお分かりになると思います。
欧州でも、商業メディアが伝えるのは、Whiting等の米国ジェネティックばかりです。しかし、それに負けず、本物を求める釣り人のために透明感に溢れた素晴らしいハックルを育てている人達がいるフランスの深さを見る思いです。日本の釣り雑誌にこういう情報が載る日がいつか来るのでしょうか?正直なところ、日本のメディアの毛針釣り人士は米国の事しか知らない人達ばかりの様な印象ですので、期待薄とは思っておりますが。。。
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