思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Hardy Princess Reel

2013-08-11 19:20:25 | Hardy Reel
Princessリールはライトウェイトシリーズの中の一つです。
導入されたのは1953年。以後中断はありましたが、現在も新品で入手出来るものと思います。
ライトウェイトシリーズ中、現在では最大の大きさ。私はDT6Fのプラスチックラインをバッキング付きで巻き込んで使っております。
但し、導入当初はGreen Princessという名前で3''、3''1/4、3''1/2の3つのサイズがあり、色はグリーン、リールフット等は金色が使われたとの事。これは販売を増やすためには色を明るくすべきとのコンサルタントの意見を取り入れたそうですが、販売は逆に計画を大幅に下回り、結果1959年には一度製造を中止されました。ところが、その頃人気だったリザーバーでの釣りに大型のリールが適当なため、3''1/2のサイズで1962年に再導入されました。色は他のライトウェイトシリーズと同じガンメタルにシルバーでした。


私のPrincessは茶色に金の配色。何時かは覚えてないのですが、90年代の後半、限定モデルで販売されていたものをたまたま購入した様に思います。




Princessの刻印。






スプールにはScientific Anglersのシールが貼ってありますが、今巻かれているのは確か釣具屋さんで誰も買わないからとタダで貰ったFenwickのDT6Fの筈。


Princessは英国の特許を二つ取ったリールです。一つは1951年2月13日に与えられたBritish Patent 687539。これは2つのトングを夫々使うために動かすか動かさないかで左右両巻きに変換出来るというもの。写真では向かって左が効いているのに対し、右は効いておりません。これは右巻きです。
もう一つは、1949年に出願されたBritish Patent658472で、異物が入らない様にラッチカバーに加えた改良です。
これら2つの特許は1963年まで全てのライトウェイトシリーズに導入されました。


最近は全く使う機会が無いのですが、滞欧中は大型の竿を使う機会が今よりも多くあったので出動回数も多かったものです。
写真は、ウィーンから車で2時間弱程のWienerbruckダム湖でのもの。2007年10月13日撮影のもの。禁漁直前のものです。


以前載せた基準竿としてハーディー本社に保管されてきたPhantom 10'にPrincessを合わせて使いました。


その日はもう晩秋の気配が漂い、ブラウントラウトが主に相手をしてくれました。


ボートからインレットを見るともう冬が迫っている様です。


釣った鱒から一番大きなものを持ち帰りオーブンで焼いて頂きました。

今年は欧州も相当に気温が上がったようで、オーストリアでも40度を越えたと報道されております。その前は洪水もあり、釣り場は、はて、今どうなっているのでしょうか。ハンガリーでは40度からマイナス30度までを経験しましたが、東京の夏はいや、堪えますね。

毛針を巻いて釣りに行く(8月4日養沢釣行)

2013-08-04 19:10:04 | 釣行記/Fishing Trips
Tup's Indispensableは昔から良く使う毛針の一つです。
オリジナルのレシピには、今となっては手に入り難いマテリアルがこれでもかと出てきます。雄羊の睾丸の毛、金色が厚くまだらに乗っているBlue Dun、或は、Brassy Dun、他にも生まれる前のシールの毛、等等、どうするのという物ばかり(レモン色のコッカスパニエルの毛はなんとか手に入りそうですが)。
これまでは代用品で賄ってきましたが、英国のマテリアルを入手した事でオリジナルに少し近づく事が出来ました。


英国の古いマテリアルの中にはTup'sダビング、モヘアがあり、また、前回紹介のRusty Dunと名付けられた金色が厚くまだらに乗ったハックルもあります。


Tup'sを巻いて、釣りに行く事にしました。


Tup'sダビングの中から、黄色っぽい羊毛、普通の羊毛をつまみ出し、それにモヘアを一本だけ加えダビングボディを作り、Rusty Dunのハックルを取り付けます。


ハックルを巻き、ウィップフィニッシュ。私は昔から素手でウィップフィニッシュをしております。


出来上がった毛針。


左がRusty Dunのハックル、右が金色がかったBlue Dunをハックルに使ったもの。実際釣り場で使うと結構見え方が違います。


いつも通り、5時36分の小田急線に乗り、登戸で南武線乗り換え、立川で五日市線に乗り換え7時くらいに武蔵五日市到着、上養沢行きのバスに乗り、7時30分頃養沢到着です。今日は19番、結構人が入っております。


ドライフライのみの釣りなので、テンポ良く遡上します。海入道から入渓し、直ぐに虹鱒を掛けました。養沢センターの近くでは結構良型の虹鱒も出ました。


バーベキュー場の手前に位置するプールに下流からアップストリームでTup'sを投げると山女魚がばさっと出ました。


この虹鱒はBlue DunハックルのTup'sを咥えてます。


夏の時期、暑い盛りの昼は魚は口を使いませんので午前中で釣りはほぼ終了。木の小屋さんで昼食です。ビールも頼んで既にゲームセット状態。


今日の竿はWF Hardy 8'6''。リールはSpitfireのPerfect。

Rusty DunとBlue Dunの効果ですが、場所(光の関係?)によりどちらがより効くというような感じでした。暗い場所ではBlue Dun系が良く、明るいところはその反対という感じが今日の総括です。