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思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

House of Hardy 1995年カタログ

2025-01-05 11:07:54 | Hardy

新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。
年末に家の整理をしていたところ、長い間行方不明だった1995年のHouse of Hardyのカタログを見つけました。

川に立ち込む釣り人の後ろ姿を表紙にしたカタログです。中々ストイックな感じです。

カタログはフライ竿の紹介から始ります。最初はUltralite Fly Rods。カーボン製の先調子竿で当時HardyがUltralite Disc Reel、Ultralite Fly Lineと合わせるとパーフェクトとして宣伝しておりました。
そのHardy一押しの竿の次に来るのがSplit-Bamboo Fly Rods。写真はPalakona Split-Bamboo 8' #6とありますが、他に7' #4、7'6'' #5もラインアップされております。全て2pcsでスペアトップが付きます。

サクション・ジョイント、スネークリング、クリムゾンタイイングにスカーレットティッピング、木製ストッパーと詳細説明が写真付きであり購買欲をそそります。

今はどうなっているのか全く存じませんが、当時は更にカスタムメイドで竹竿の注文を取っておりました。CC de France、Marvel、Phantom、その他の往年の銘竿を注文したり、自分のスペックで竿を作ってもらうことが出来たのです。

竿の長さ、ライン重量、継ぎ数、コルクハンドルの長さと形状、リールフィッティングの指定、タイイングの指定、スペアトップの有無、更にインスクリプションを指示出来ました。

そこで、1995年7月、当時住んでいたドイツからスコットランドを一週間車で回りAlnwickまで足を伸ばしHardy本社のミュージアムを訪問した際、そこにいた社員の方に竹竿のカスタムメイドの注文を尋ねたところ承諾頂き、CC de Franceの調子で8' #5、2pcsでスペアトップ付き、リールフィッティングはローズウッドではなくコルクにし、インスクリプションは製造年月とFor 私の名前と指定し注文しました。

これがその竿。皮でアルミチューブを覆ったロッドケースも注文してドイツに送られたのは1995年9月。ドイツの代理店を介さずに注文を受けてしまったことで面倒なことが起こった様ですが、Hardyが整理を付け、ドイツの代理店に支払う形で決着。結果ドイツの代理店経由で注文するよりもかなり割安で入手してしまいました。因みに2ヶ月くらいで竹竿が出来たことに驚かれる向きもあるかも知れませんが、Hardyの竹竿はマシンメイド。手刀で竹に負荷をかけることなくノコギリで竹を切断しヤスリで切片の加工を行います。個人ビルダーの竿を至上と思う方が多いと思いますが、竹にかける負荷の少なさを考えるとマスプロメーカーのマシンメイドが竹竿の耐久性の点で最善。それはHardyやLeonardの竿が破損せず今日に至るまで数多く残されていることに現れております。

同じカタログに掲載のSovereign Reels、Ultralite Disc Reelsはドイツで入手しております。

Sovereign Reelの5/6/7はエッセンのAngel-Schallbruchで購入。

Ultraliteの5と6はケルンのAngel Geesで購入。

Ultraliteは最初に市場に投入されたモデルでシリアルナンバー入りの限定品。
今年であれから30年経つと思うと感慨無量です。

Hardy Fibalite Perfection 10'3'' #6 3pcs

2023-08-27 01:25:20 | Hardy

Hardyのグラスファイバー竿で有名所はJET等だと思いますが、グラファイト竿が出てきている時にも製造されていたFibalite Perfectionの中の10'3"の竿を前回ロンドン訪問時入手しました。Fred Buller Drifter 11'を入手以来、竹竿以外では二本目の竿。
James Leighton Hardy氏著"The House the Hardy Brothers built"によれば、Fibalite Perfectionは1980年にカタログ入りしておりますが、後述の通り私の竿は1979年製のものです。全部で7'2"から10'6"の長さに至る11タイプがありますが、その内10タイプはPerfection伝統の2ピース竿。唯一の例外が私が入手した10'3"の3ピース竿。

上は全体像。

グラス竿の口径の大きく太いブランクが竹竿やグラファイト竿と比べると異様に思えます。更にフェルールのキャップが竹竿と異なり竿尻側に着くのも異様。

トップリングはプラスチックライン用に竹竿に取り付けられたものと同様。Fred Buller Drifter 11'のようにFujiのセラミックガイドとは異なります。

竿の銘は#6 Fibalit Perfection

と続きます。60年代から竹竿で見られ70年代に続く大柄で踊るような字体とは多少違うように見えます。パラコナの銘入れとは別の担当の方がいたのでしょうか。

長さはキリのいい10'6"ではなく10'3"。竿のデザインからそうなったのでしょう。

シリアルナンバーはL/Q。これは1979年11月製造と読み取れます。1979年のカタログには載らず、1980年のカタログから掲載されたので、The Houseの記述になったのでしょうか。。。

リールシートはFred Buller Drifterに相似した樹脂製。尚、竿の重さは5oz。これは竹竿であればDeLuxe 8'と同じくらいの重さです。10'台の竹竿、Gold Medalは7oz台の重さですので、それに比べればかなりの軽量。
この竿のアクションですが、伝統的な英国竿のアクションとでもいうべきもので、竹竿で言えばPerfectionやGold Medalと似たようなもの。グラファイト竿の硬さはなくさすがグラスファイバーという感じ。

先日、短い夏休みを取り再度携帯が通じない山中のEtrachsee湖畔の宿に宿泊。命の洗濯をして参りました。その際本竿を持参し実釣で試しました。

10'を超える竿なので、ボートからの釣りに使います。

使ったラインがプラスチックの#5だったので竿にはちょっと軽すぎたのですが、投げる感覚はHardyのPalakonaの伝統の延長線上にあるもの。

ゆったりと竿に力を伝えてやればラインがきちんと飛んでいき、着水した毛鉤をイワナが襲うといういつもの釣りを楽しめました。

Hardy Fred Buller Graphite Drifter 11' #5

2023-07-04 03:48:00 | Hardy

このブログを始めてから15年近く経っておりますが、今回初めてカーボングラファイト竿について投稿致します。

Hardyのカーボンロッド、Fred Buller Graphite Drifter 11' #5がそれです。
竹竿一筋の私がこの竿に興味を持ったのは、ブログを拝見しているyugawaski様やブログ「悠々気ままな時間」等で日本では極めて稀な竿であり、その調子は極めて独特なもので普通のキャスティングは困難或いは不可能、手首に極めて負荷がかかる。。。にもかかわらず釣趣に溢れた釣りが楽しめて大きな魚も相手に出来る11フィートの長竿という議論がされていたことに発します。
それで探してみたところ、英国で発見し、ボンドが今のように対円で高騰を見せる前のタイミングで入手出来、ロンドンからモロッコに持ち帰ったもの。

私が入手したこの竿はHVとあるので1981年7月製の竿。外見は何の変哲もない3ピースのグラファイトロッド。ただ、馴染みのパラコナ竿と違うのはトップとエンドのリングがセラミック入りのものであること。

竿尻にはボタンが付きますが、リールシートにはプラスチック製の部品があてがわれパラコナの様な高級感は少なく実用モットーなデザイン。

黒いグラファイト素材の上に#5 Fred Buller Graphite Drifterと記銘されております。

11フィートでAFTM 5というのは当時主流だったとは思えない組み合わせ。今ならユーロニンフとかに長尺でライトライン用の竿もありますので珍しくもないのでしょうが。

竿には11'とあり、11フィートの長竿であることを示しております。

HV8730とあるのはHV=1981年7月として、8730番目の竿という意味?いくらなんでもそんなに竿の生産量は無かったのではないかと想像致します。。。

この竿は英国の著名釣り師であるFred Buller氏がスコットランドやアイルランドで盛んなLoch Fishing用に開発したもの。つまりボートを使い風にある程度流されるDrift Fishing用の竿です。この竿を試すとすれば欧州で私が知っているのは一ヶ所。オーストリアはシュタイヤーマルク州の山中標高1400mにあるEtrachsee(エトラッハゼー)。先週イスラム教の祭日犠牲祭で連休となったところを利用しそこに行ってきました。

ボートから長竿を出して釣りを致します。因みに私が使って感じたことは、手首が破壊される様な程胴調子の長竿ではなく、トップは柔らかいものの調子はグラファイトらしくそれ程胴調子ではない、というもの。この竿よりもGold Medal 10'の方が下手をすれば手首がオシャカになりそうです。
キャスティングについては、トップが柔らかい故に前後に振り回すキャスティングには難があり、ボートよりラインを水から引き上げ、ラインの重さと水面張力を使って前に投げるウェットフライキャスティングを念頭にした竿と思います。実はこの調子に似たHardyの竿にLRH Wet 9'3''がありこれもフォルスキャストをする様に設計されていない竿。その経験があったのでFred Bullerにも余り違和感は感じませんでした。

爆釣の湖と謳われただけありイワナがバシバシ食いついてくるのですが、昨年に比べ今年は魚のサイズも上がり環境が良くなっているような感じです。

また、昨年全然見られなかった虹鱒も出てきてくれてその健在なところをアピールしておりました。

ボートから降りた後、フォルスキャストを加えたキャスティングで桟橋より釣りを致しましたが、今この湖で圧倒的なマジョリティであるブルックトラウトの他に、アルプスイワナも釣ることが出来、その数の回復に期待するところです。

釣りの後は地元Murau(ムーラウ)が誇るMurauer Bier(ムーラウァー・ビア)を湖畔の茶屋で賞味。朝01:15発の飛行機でフランクフルト経由ウィーンへ飛んで10:00ちょっと前に到着、そこからレンタカーを3時間飛ばし260kmを走破したどりついた後、釣りに勤しんだもう若くないオジサンは今回このビール二杯で沈没し早々に湖畔の宿で爆睡したのでした。

Hardy Trout Fisher Bag生産中止?

2013-09-23 16:38:38 | Hardy
もう釣りにベストを着る事がなくなって何年経ちますか、17年くらいでしょうか。

20世紀の終わりから愛用しているHardy Trout Fisher Bagの肩掛けをとめる留め具の皮カバーが破れてしまいました。私の釣行では、バックには釣りの小道具、そしてバック前面のネットには飲み物とおにぎりを入れるのがここ数年の通例。総重量は量った事はありませんが、3~4kgはあるかもしれません。釣行中は水に濡れたり夏の日差しに焼かれたりでキャンバス地はすっかり白くなってきましたが、皮部分も大分ガタがきていたようです。

このバックの皮ストラップもクラックが入っております。
オリジナルのTrout Fisher Bagの留め具は茶色の皮カバーに止められているだけで、その皮カバーが破れてしまえばバック本体を支える事は出来ません。Hardyに送って直してもらうとシーズン中はもう使えません。そこで、代々木上原駅の修理店に修理を依頼しました。




夏の暑い中待つ事10日弱。修理されて手元に戻って来たのは一回り頑丈になったバック。留め具を覆う皮カバーに丸い鋲が打ち付けられているのが見えると思いますが、オリジナルではこの鋲は皮の部分のみに止められておりましたが、修理後はキャンバス地も一緒に打ち付けられており、皮カバーが釣行中に破れても留め具が使えなくなる恐れはもうありません。





一方、背中から臀部にいつも付いているバックの背面はBarbourジャケットのワックスや水分・汗を吸い込んでシワシワになっておりますが、よく見ると上の部分が少し破れております。この部分も後数年経ったら修理に出さなければならないかも知れません。

ところで、こんな事があったためHardyのWeb Pageを見てみましたが、どうもTrout Fisher Bagは生産中止になっているようです。1930年代から作られている伝統的なスタイルのバックがもう生産されていないとはビックリしました。

Hardy Trout Fisher Bag

2012-02-05 02:07:43 | Hardy
ハーディーは竹竿、リールの他、釣に必要な様々な物を製造・販売しております(した?)。皆様にはお馴染みとは思いますが、今回は私の愛用しているTrout Fisher Bagを紹介致したく。



私のバッグは1998年初、今は残念ながらもうありませんが、ロンドンはペル・メルのハーディーで購入したものです。ハーディーの釣用バックの中でも大型のこのバッグですが、カンバス布のバックで縁、可動部分には革をあてがっております。ショルダーストラップは取り外し可能で、これは英国の別の老舗Bradyの釣用バックとは異なります。最大の特徴は前面に網を配置した事で、これは釣った魚を入れる魚籠の役目を果たします。Trout Fisher Bagの網は余裕を持たせてあり魚籠の役目を十分に果たす事が出来ますが、例えば英国Barbourのバックで網を付けたタイプ等は、網とバック本体に余裕がある様には見えず、装飾以外の目的には使えそうもありません。







バックの内部には大型のポケットが二つあります。私は向かって左側にリーダーワレット、水温計、プリーストを入れ、右側にはハサミの類を入れております。毛鉤箱、ナイロン糸、グリース等の小物はメイン・コンパートメントに収納しております。



網を張ったゲーム・ポケットとでも言える部分。最近は使っておりませんが、釣った魚を持ち帰る場合、通気性の良い薄い布袋に魚を入れ、この網ポケットに入れておりました。魚も重いので精々2匹も入れたら持ち運びが大変です。



ショルダー・ストラップはバック側面の金具で取り付けます。長さは調整可能です。



右肩にショルダー・ストラップを掛け、左腰にバックを置くと手前に来る部分(バックの右側面)には金属製のリングが二つ配されております。ここには折り畳み式のタモを付けるための物で、背中からぶら下げるテニスラケット・タモは想定されておりません。



私が持ち歩く釣用道具です。グリース、ナイロン等の小物は写真上に見えるフィンランド航空からもらった布袋に纏めて入れております。

必要な物を即座に取り出せるという機能性では釣用ベストが一番です。しかし、バックを使っていると、毛鉤の交換等は別に瞬時に出来なくとも大した問題でない事に気付きます。やせ我慢で言えば、ゆっくりする事で落ち着けるというところでしょうか。



余り複数で釣りに行く機会が無いので自分の釣姿の写真はあまり有りませんが、下の写真は2005年9月のオーストリアはEtrachseeでの釣姿です。アルプスイワナをSharpeのタモに納めるところ。



竿はPerfection 9'。



Sharpeのテレスコピックのタモは非常に使い勝手が良くお気に入りです。

Hardy's Collectors' Guide

2011-08-06 03:39:56 | Hardy
素晴らしい本が出版されました。
ハーディーの生み出した毛鉤釣具の数々の実写、X線分析、当時のAnglers' Guideの紹介分を載せたハーディー愛好家にとっての決定版ガイドと言えるものです。





今週、会社の帰り銀座線に乗り、閉店時間間際のつるや釣具店で購入しました。一寸お値段が張りますが、是非手にとって頂きたく思います。詳細はつるや釣具店のHPで確認下さい。