確か今から5年前、北アフリカから一時帰国した機会に相模大野のバートンさんでチャイニーズハックルを購入しました。バートンさんのブログでチャイニーズハックル入荷の記事にあった写真を見てそれが魅力的だったため足を運んで購入したものです。近年インドもチャイナもハックルが昔に比べ入手しずらくなっているようですがそうした安いハックルの中にも魅力的なハックルが埋もれているものです。
同じハックルを未だ光の弱い朝撮影したもの。
このハックル、写真では伝えられないのですが、艶があり色もはっきりしており、正にbright and sharpといったもの。
透明感も十分です。
暗い背景に置いてみると、芯が淡いグレイ、先にも同じ色が入ります。
数枚のハックルを暗い背景で見るとこんな感じですが、
明るい背景ですと先にも色が入っていることが良くお分かりになると思います。
このハックルを使い、Pheasant Tailを巻いてみました。
Pheasant Tailと言うとフランク・ソーヤーの創り出した傑作ニンフが頭に浮かびますが、それ以前にドライフライとして同じ名前の毛鉤が生み出されております。元々は英国南西部のデヴォンシャーの毛鉤だそうですが、1901年前後にPayne Collier氏が生み出したもの。
そのオリジナルレシピは:
Hackle: Honey Dun, called in the West Country, "brassy".
Body: A very dark herl of a cock pheasant's tail feather, with four turns of gold twist.
Tail: Three long herls from a saddle hackle
Hook: 14.
このオリジナルから派生したG.E.M. Skuesのレシピは:
Tying silk: Hot orange.
Hackle: Rusty or sandy dun cock, bright and sharp.
Whisks: Two or three strands of honey dun cock spade feather.
Rib: Fine gold wire.
Body: Two or three strands of rich-coloured ruddy fibres from the centre feather of a cock pheasant's tail.
Hook: 16 to 13.
暗い背景ではチャイニーズハックルが自己主張し見やすい毛鉤です。
明るい背景ですと透明感の中に金色の煌めきと根元と先端の暗い色が出ていい感じです。ところで、このハックルの長さを長すぎると感じる方も多いとは思いますが、カゲロウの羽の長さを考えてみて下さい。米国ジェネティックのハックルの長さでは14番の鉤の大きさのカゲロウの羽の長さを表現することは不可能。その場合は別途ウィングを付ける必要が出てきますが、元々ハックル・ドライフライはウィングの長さもハックルで表現するもの。ですので、このハックルの長さは必要です。
巻き上がった毛鉤。根元のグレイ色がハニーダン同様に良さそうな感じです。バジャーや芯の色の濃いジンジャーも毛鉤に巻くと根元が目立つのですがこれが何らかの効果をもたらすのでしょうか。
少なくなってきているようですが、米国ジェネティックとは違うインド、チャイナのハックルから魅力的な一枚を発掘するのも楽しいものであります。