ドイツ語圏の釣師にとり、Gmundner Traun(グムンドナー・トラウン)の響きは、英国の釣師にとってのTest、Itchen、Avon、Kennet、etc、仏国の釣師にとってのRisleの様なものかも知れません。歴史的という観点からは、日本人にとっての日光湯川にも比する事が出来るでしょうか。
外国ではトラウンとのみ言われ勝ちな、この川は、オーストリア西部、ドイツ国境近くを流れる川で、ウィーンからアウトバーンを走ると、ザルツブルクの一寸手前で下り、南に30km程下道を走ると見えてきます。
ドイツ語圏ではオーストリア・ハンガリー二重帝国時代より数多くの貴顕が毛鉤釣に訪れた川として知られてましたが、特にCharles Ritz(シャルル・リッツ)の著作により世界に広く知られる事となりました。
(A Fly Fisher's Life: Ritzの名著)
Ritzと彼の友でリバーキーパーのHans Gebetsroither(ハンス・ゲベーツロイター)が、グレイリング、鱒を夫々の道具で釣り上げる記述は今でも示唆に富むと同時にトラウン川への憧れを掻き立てます。Ritzの竿はPezon et Michelの物だったでしょうが、Gebetsroitherの竿はオーストリア派の特徴であるガチガチに固い調子の超短竿(6'以下)であった事でしょう。
尚、オーストリアではGebetsroither Stil(ゲベーツロイター流)のキャスティング教本が出版される等、そのキャスティング法はポピュラーで、Brunner氏の製作した短く強い竹竿と合わせトラウンを中心に見ることが出来ます。
(Fliegenwerfen: Fly Casting オーストリア派の教本の一つ)
(Hotel MarienbrueckeにあるHans Gebetsroitherの記念碑が教本の裏表紙を飾る)
(Ritzの定宿であったHotel Marienbrueckeの前に立つHans Gebetsroitherの石碑。向かって右はHansの弟子であったスイスのHans-Ruedi Hebeisen氏。Hebeisen氏は著名な釣り人且つ業界の著名人)
(Hotel Marienbruecke。全く旧式の釣宿。でも、夕食のクオリティは馬鹿には出来ない)
この川の川幅は30m~60mくらいだった様に記憶しております。早瀬と瀞場が適当な間隔であり、水は透明度が高い場所もあれば、緑色に見える深場もありで、変化に富んでおります。
一番の圧巻は魚の数とその大きさ。川にはブラウン・トラウト、虹鱒、グレイリングとゲームフィッシュが居ます。百年以上前には鮭と間違う様な鱒で有名だった川ですが、今も50cm~60cm以上の魚を数多く育んでいます。
ブダペストからは片道500km以上離れていますので、140km~150km/hで走っても5時間はかかりますが、それでも、この川に何度か行く機会を得ました。その時の経験では、6月の釣りが一番良さそうな印象を受けました。しかし、夏の早朝・夕方はドライフライで良く釣れるそうですし、秋も大型フライで大物を狙う事が出来るようです。
日本とは違い、欧州の川は個人が所有出来ます。このGmundner Traunは90年代から2004年まで独のRudi Heger氏(或いは彼の会社)の所有になっており、入漁料が目の玉の飛び出る値段(年券のみで数十万円)だったのですが、2005年よりFreunde der Gmundner Traun(グムンドナー・トラウン友の会)の所有になり、入漁料は正確に憶えてはおりませんが、EUR 50.00程度だった様に思います。この川にしてはお値打ちではないでしょうか。
欧州に戻って、Gmundner Traunで釣りをしたい!!
(虹鱒47cm。RitzのFario ClubにあやかったSharpeのFario 8'5''で)
(Perfection 9'に1912年チェックのPerfect 3 3/8)
(コンディションが合えば、尺以上の鱒は幾らでも釣れるという感じでした)
外国ではトラウンとのみ言われ勝ちな、この川は、オーストリア西部、ドイツ国境近くを流れる川で、ウィーンからアウトバーンを走ると、ザルツブルクの一寸手前で下り、南に30km程下道を走ると見えてきます。
ドイツ語圏ではオーストリア・ハンガリー二重帝国時代より数多くの貴顕が毛鉤釣に訪れた川として知られてましたが、特にCharles Ritz(シャルル・リッツ)の著作により世界に広く知られる事となりました。
(A Fly Fisher's Life: Ritzの名著)
Ritzと彼の友でリバーキーパーのHans Gebetsroither(ハンス・ゲベーツロイター)が、グレイリング、鱒を夫々の道具で釣り上げる記述は今でも示唆に富むと同時にトラウン川への憧れを掻き立てます。Ritzの竿はPezon et Michelの物だったでしょうが、Gebetsroitherの竿はオーストリア派の特徴であるガチガチに固い調子の超短竿(6'以下)であった事でしょう。
尚、オーストリアではGebetsroither Stil(ゲベーツロイター流)のキャスティング教本が出版される等、そのキャスティング法はポピュラーで、Brunner氏の製作した短く強い竹竿と合わせトラウンを中心に見ることが出来ます。
(Fliegenwerfen: Fly Casting オーストリア派の教本の一つ)
(Hotel MarienbrueckeにあるHans Gebetsroitherの記念碑が教本の裏表紙を飾る)
(Ritzの定宿であったHotel Marienbrueckeの前に立つHans Gebetsroitherの石碑。向かって右はHansの弟子であったスイスのHans-Ruedi Hebeisen氏。Hebeisen氏は著名な釣り人且つ業界の著名人)
(Hotel Marienbruecke。全く旧式の釣宿。でも、夕食のクオリティは馬鹿には出来ない)
この川の川幅は30m~60mくらいだった様に記憶しております。早瀬と瀞場が適当な間隔であり、水は透明度が高い場所もあれば、緑色に見える深場もありで、変化に富んでおります。
一番の圧巻は魚の数とその大きさ。川にはブラウン・トラウト、虹鱒、グレイリングとゲームフィッシュが居ます。百年以上前には鮭と間違う様な鱒で有名だった川ですが、今も50cm~60cm以上の魚を数多く育んでいます。
ブダペストからは片道500km以上離れていますので、140km~150km/hで走っても5時間はかかりますが、それでも、この川に何度か行く機会を得ました。その時の経験では、6月の釣りが一番良さそうな印象を受けました。しかし、夏の早朝・夕方はドライフライで良く釣れるそうですし、秋も大型フライで大物を狙う事が出来るようです。
日本とは違い、欧州の川は個人が所有出来ます。このGmundner Traunは90年代から2004年まで独のRudi Heger氏(或いは彼の会社)の所有になっており、入漁料が目の玉の飛び出る値段(年券のみで数十万円)だったのですが、2005年よりFreunde der Gmundner Traun(グムンドナー・トラウン友の会)の所有になり、入漁料は正確に憶えてはおりませんが、EUR 50.00程度だった様に思います。この川にしてはお値打ちではないでしょうか。
欧州に戻って、Gmundner Traunで釣りをしたい!!
(虹鱒47cm。RitzのFario ClubにあやかったSharpeのFario 8'5''で)
(Perfection 9'に1912年チェックのPerfect 3 3/8)
(コンディションが合えば、尺以上の鱒は幾らでも釣れるという感じでした)