思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

チュニスの昼下がり

2015-06-28 16:05:36 | その他の話題/Other Topics
毛針釣りとも竹竿・リールとも何の関係もないのですが、ご容赦下さい。

6月26日(金)のSousse(スース)での外国人旅行客襲撃テロは前回チュニス市郊外のBardo博物館襲撃に続く事件で、Bardo事件の影が漸く薄れかかったところで起こっただけに、衝撃も大きい事件です。私もスースとその近郊には良く行くので全くもって生々しい事件です。
これでチュニジアはとても怖いところと世界の皆さんが思われても無理はないと思います。
そんなチュニジアはチュニスの日曜日の昼下がり、La Gouletteという海の近くに行ってきました。


速度制限90km、ということは、100km以上で車が走る、二車線道路で平気で竿を振るお兄さん。何か釣れたかと尋ねましたが、「Rien, pas encore」未だ何も釣れていない、とのことでした。


周りには沢山のティーンエイジャーが釣りを楽しんでおりました。


何が釣れるのか良くわからないですが、釣り人がいる平和なチュニスが今日も続いていることは知って頂ければと思う次第です。
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Hardy Marvel 7'6'' (E49054, 1938年製)

2015-06-21 12:25:35 | Hardy Palakona
Hardy Marvelは1925年より1970年まで製造され、その後も復刻版が製造される等、Palakonaの中でも今に至る迄人気の高いモデルです。
製造当初はCC de Francen等例外を除き、殆どの鱒竿が9'以上の中で、極めて短く軽い特異な竿として導入されたのではと想像致します。


3本継で2トップ、戦前の竿ですが段巻きのないところも特異な竿です。


グリップはオールコルク。バットエンドのキャップ、リングでリールを固定します。


Wrappingはグリップ直前、フェルール前後、トップリングが緑の他は、各リングの物は透明です。これは全て緑で巻かれた60年代の物との違いです。


ミドルセクションの色が他のセクションのものと違っているのがお分かりでしょうか。


製造番号はE49054。1938年製となります。


戦前の銘。小振りな文字で60年代の大きく踊るような文字とは全然違います。




さて、上の写真二枚はミドルセクションと他のセクションの色の違いを写したものです。このミドルセクションですが、どうも比重が高い様に思われ、持ってみるとバットセクションよりもひょっとしたら重いかもしれないと思える程です。


フェルールはただ接着されているだけではなく、ピンを打ち込んであり物理的に抜けなくしてあります。ひょっとしたら別のエントリーで説明する事になるかも知れませんが、これは、非常に重要な点です。






リング周りの巻きの色です。戦後60年代のものとは違って竹色にとけ込んでおります。


さて、ここからが面白いところです。アクションは、張りのあるミドルアクションです。これだけの短竿でカースティングの際はその短いミドルセクションに主に負荷がかかる事より、ミドルセクションが強くなければすぐに折れてしまうのではないでしょうか。それが、ミドルセクションの比重の重さ、バーニッシュの違い(色の違い)に現れているように感じます。また、1950年代以降のペナペナ・アクションのMarvelとは違い、しっかり張りのあるアクションです。これは先日ロンドン近郊で拝見した1953年製のMarvel 7'6''のペナペナ・アクションとの大きな違い。1953年製のMarvelはバットセクションも良く曲がる感じでしたが、1938年製のものはバットがよりしっかりしているように思います。戦前の性能の限られた接着剤で短いセクションを絶えず曲げているとその内接着が剥離して折れてしまう可能性が心配されます。それをトップ、バットセクションよりも一段強いミドルセクションを組み合わせる事で解決したのでしょうか?それが戦後になり接着剤が強くなったためデザインを変更しバットから曲がるようなペナペナ・アクションになったのでしょうか。。。興味のあるところです。
この竿、ちょっとした縁ではるばるチュニジアまでやって来たもの。チュニスの7人の侍が8人に増えてしまいました。
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フランスRisle川再訪(完結)

2015-06-21 10:03:43 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
釣りはやはり一人で行くもの。釣りをしない家族を連れて行くものではありません。
6月7日(日)の20時にLa Belle Isle sur la Risleでの夕食を家人と約束したため、牛糞の香り高い牧場でアタリなく17時を迎えてしまった私は場所を変えるかどうかの決断を迫られました。
問題は、土地勘がないので別の場所にたどり着くためにどこに走ればいいか良くわからない事。このリスクを取る事にしました。
Conde sur Risleの世田谷区茶沢通り似の小道を南に下り、左折、D130という県道に戻ります。Gruenewald氏に貰った地図で、Pont Audemerに戻りつつ、高圧線を越えたら二つ目の小道を左折すれば良いと見当をつけ、車を走らせます。一つ目の小道らしきものを越え、前を見てみるとどうも二つ目の小道らしきものが見えます。どうも集落の共用道路のようです。ままよ、そこに車を乗り入れ走らせると小橋が見えその手前に車を止める場所があるではありませんか。ちゃんと地元の釣り団体の駐車場の看板もありました。ホッとします。



時間がないのでさっさと竿を繋ぎ、草をかき分けながら岸に向かいます。このRisle(リール)の両岸にはアザミが多く、素手で触れるとチクチクするだけでなくかぶれるので注意が必要です。



ここはNo Killエリア。下流の橋を望みます。



上流側は開けています。



水面にはライズがあります。但し、これは水面を割るものではなく、どうも水面直下のニンフを捕食するライズのようです。PTを初めウェイト無しのNorth Country Flies、ドライフライと投入しましたが、残念ながらアタリを得る事能わずでした。



ここも牛糞の香り高い牧場の脇です。




大きな牛が牧草を食べたり、川の水を飲んだりと長閑にしてますが、19時を回りゲームセットの我が身には、とてものほほんとした気分になれない光景でした。

こんな結末なら3回に分けなくとも前回で終了で良かったですね。トホホ。何れにせよ、今後どなたかがフランスに釣行される際の参考になれば幸いです。(完)
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フランスRisle川再訪(その2)

2015-06-13 10:43:08 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
Risle(リール)川はフランス北東部ノルマンディー地方を流れるチョークストリーム(石灰台地を流れる川)。山岳渓流と違い一見鏡のような水面で川幅も広く、川に入ればすぐにずぼりとはまり込んでしまいますので、基本は川岸からテレスコピックのタモを持ち釣るのが基本となります。
シャルル・リッツのA Fly Fisher's Lifeを読んで頂けるとすぐお分かりになる通り、パリからも近いこのチョークストリームにリッツは頻繁に足を運んでおります。リッツが通ったのは同じRisleでもAclouという釣り場。Pont Audemerよりは数十キロ上流のBrionneの近辺の釣り場になります。
私がそれでもPont Audemerに行ったのは、Pont Audemerという名前の毛針があるくらい、Pont Audemer近辺でも昔から毛針釣りが行われている事、それからPont Audemerの街自体がノルマンディーの小さなベネチアと別名呼ばれるくらい情緒ある街だからです。
また、同地の釣り協会(漁協)AAPPMAのサイトも充実しており、十分情報を得た上で釣りが出来るからです。

http://aappma27500.com/parcours_mouche_no_kill.htm
このAAPPMAのサイトでグレイリングを手にしているのが、前回登場のGrunewald氏


さて、前日土曜日に釣り券を入手し、Grunewald氏の知己も得て、翌6月7日の日曜La Bell Isle sur la Risleでの朝食をゆっくり済ませ、家人を宿に残しRisle川に向かいました。宿にはフィットネス、サウナ・ジャグジー、室内プールがあり、家人を宿に残しても大丈夫なのが非常にありがたいところです。
今回ルーアンでレンタカーを借りる際、昨年9月と同様に一番小さなFiat 500クラスで予約したのですが、4ドアのVW Poloを割り当ててもらいました。前回のRenault Twingoよりも大きくかっちりしたドイツ車。
その車で昨年と同じConde sur Risleの駐車場に向かいます。竿は当然Pezon et MichelのFario Club 8'5''。それにいつものSpitfire Perfectの3 1/8を合わせます。


時は11時。前日Grunewald氏に教えてもらったNo Killエリアに向かいます。日曜日なので、ウォーキングの団体、犬を連れた人々等、大勢がRisle川の近辺を散策しております。上の写真の中央の橋がNo Killエリアの一番下流。


No Killエリアの上流を望みます。
No Killエリアではライズはありません。が、大きな魚の姿が見えます。胸が高鳴ります。東京のZoffで購入した釣り人用の度付き偏光グラスを通し良く見ると体高が高く尾びれがくの字になっているのが見えました。「コイ科の魚か」。
それでも、Frank Elder氏の育てたHoney Dunを巻いたドライフライを上流に投げ入れます。Fario Clubの胴を中心に手元まで感じる事の出来るアクションでのカースティングはそれだけで楽しいものです。
しかしながら。。。。ドライフライでのハードワークは残念ながら報われず、魚を水面に寄せる事が出来ません。それなら仕方なし。Pheasant Tailを結びコイではなく鱒が来る事を祈りつつ川にピッチングして行きます。
昼なので魚もやる気がないのか、それでも全然アタリを得る事が出来ません。
そうこうしていると、下流から大きな叫び声が聞こえ始めました。何かなと見ると子供がカヌーで上流に向かってやってくるではありませんか。大声でどなりながら、川に飛び込んだり、縦横無尽の大暴れです。それでも私の釣り姿が見えたようで子供の暴虐の限りをつくした大嵐もNo Killエリア下流の橋のちょっと上流で取りあえず止まりました。
時は14時。既に報われないハードワークで疲れた心と体は、子供のエネルギーを見せつけられてすっかり戦意喪失。場所を変える事に致しました。


向かったのは昨年魚を釣ったNo Killエリアよりも下流の牧場でRisleに支流が合流する場所。そこに移動する際、とんでもない数の人たちが川辺て思い思いに過ごしているのを目の当たりにしました。これはたまらん。しかしさすがに牧場の牛糞の香りがするところには誰もいなく、一安心。
またハードワークを繰り返します。午後になり風が強くなってきました。これが良く英国のチョークストリームで言われる強風というやつでしょうか。Fario Clubのような強い竿でないと英仏海峡付近のチョークストリームでの釣りは厳しいのかも知れません。


その合流点から更に下流に移動しハードワークを繰り返しましたが。残念ながら成果はありません。時は既に17時。非情に流れます。
家人には20時に夕食と約束しているので、焦りがつのります。(続く)
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フランスRisle川再訪(その1)

2015-06-10 22:02:09 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
先週から今週にかけフランスに行って参りました。


荷物があり面倒になったのでシャルルドゴール空港からタクシーに乗りました。パリはいつ来てもいいです。

6月5日午後チュニスからパリに入り一泊。久しぶりに和食を楽しみ翌日パリからルーアン(Rouen)に列車で移動、ルーアン駅で予約してあったレンタカーに乗り、ルーアンの南郊で高速道路A13をカーン(Caen)方面に走りPont Audemer(ポントードメール)行き出口で降りPont Audemerの観光案内所を目指します。


パリ・ルーアンの間のIntercityの車中。結構混んでました。


車窓からルーアンの遠景を望んだところ。

6月6日は土曜日。事前に観光案内所は土曜日は17:30までやっているのを確認しており、到着したのは16:00前でしたので受付のアルバイトらしい高校生くらいの女の子2人に釣りのライセンスが欲しい旨伝えます。ところが、女の子達はニコニコしながら「釣りのライセンスを発行する権限がある人が今不在なのでライセンスは発行出来ません」と言うではありませんか。日曜日は観光案内所は閉まってます。あせって「どうしたらいいの?」と聞くと、「Decathlonで扱っているからそこで買って」とこれまたニコニコしながら宣います。Decathlonはフランスのスポーツ用品ディスカウント店。はてPont Audemerのどこにあるのか?「この道をこう行けばいいのよ」と多少はにかみながら案内嬢は教えてくれました。
昔ドイツでは土曜日の営業は午後2時まで。フランスですし、時代も変わったのでまだやっているとは思いましたが、大急ぎでDecathlonを探し、店の女性を捕まえて「釣りのライセンスが欲しいのですが」と聞くと、「ああ、それなら将にピッタリの専門家が居るわよ、あそこ、あそこ、マチアス!!」と叫んで、担当者に会わせてくれました。
さて、そのマチアス氏。Mathias Grunewald氏といい、ドイツ系の名前のフランス人の方で、地元釣り協会でフライフィッシングの担当をされている由。Risle(リール)川で毛針釣りをしたいのでライセンスを欲しい旨告げると親身に成って色々確認しライセンスを発行してくれました。「ドイツ、オーストリアでは釣り免許が必要だけど、フランスではお金を払うだけでOKなんですよ』、「そう言えば、今欧州でもテンカラが流行っていて、Risleのような大きな川でなく、山岳渓流で結構テンカラ釣りが人気になっているんですよ」、「名前の通り、ドイツ系で、ドイツ語も出来ますよ」とおっしゃるので、結構話が弾みました。


Pont AudemerのDecatholonの釣りコーナーの事務コーナー。Grunewald氏の仕事場。




Risle川での一週間釣券。EUR 32は欧州にしては安いです。

Decatholonで釣り券を確保し一安心。それからPont Audemer一の宿La Belle Isle sur la Risleに投宿します。これは18世紀のシャトーを宿にしたもの。美味しい食事にワイン、地元のカルバドス、他が楽しめます。お値段も結構致しますが。。。。(続く)
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