思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Hardy Palakona Fairchild 8' 3pcs (E74831 1950年製)

2024-08-31 10:38:41 | Hardy Palakona

HardyのFairchildは3pcsのライトロッドとしてカタログに記載され1909年から1957年まで製造されたとあります。

最初の頃は8'、9'、9'6''の長さがあり、そのアクションはEasy for Wet Fly、ウェットフライ用の柔らかいアクションとされております。

軽量化を図るためグリップはオールコルク。そこにリールフィッティングはUniversalを誂えております。

この竿の製造番号はE74831。そこから1950年製と判るのがHardy竹竿の良いところ。

リングはバットとエンドには瑪瑙を入れたものが使われ、その間は軽量化のためスネーク。米国竿は戦前からトップガイド(英国式だとエンドリング)も近代的に瑪瑙が入らない軽量化されたものが使われておりますが、Hardyの竿はプラスチックラインが普及する前のエンドリングには全て瑪瑙が使われ、ザラザラするシルクラインから竿を守っております。

Universalリールフィッティング。

プリンスオブウェールズ(英国皇太子)の紋章が入り、

更に英国王の紋章も入ります。国王と皇太子の御用達であることを示しております。

竿を巻くように記入されたインスクリプション。Fair-

ch

ildと竿の名称が記入されております。

瑪瑙入りバットリング。

スネークリング。

1950年代のPalakonaに特徴的なグリップ。フックキーパーはなくコルクの中から竹がそのまま出てくるもの。フックキーパーは不要で、竿の真ん中程のリングに毛鉤を引っ掛けリールの縁にナイロンリーダーを沿わせる様にすれば竿の長さより長いリーダーでも大丈夫です。

元々、ウェットフライ用のペナペナアクションだと思って入手したこの竿ですが、アクションが想像とは全然違い、Hardyの伝統的なミディアムアクションでドライフライも問題なくこなす竿。

養沢の様な渓流でドライフライ釣りをするのに向いております。尚、本竿のエンドリングは瑪瑙の口径が狭くプラスチックラインは使えません。またシルクラインでも塗りの厚いPhoenixもブレイデッドループを付けた先端は通りにくく、塗りの薄いKaizerのシルクラインで丁度良しです。KaizerシルクラインNo.2(4〜5番程度)を26〜7年前に購入した復刻版Bougleリールに巻きます。

流れの中層以上で泳ぐ山女魚はドライフライへの反応も良く楽しめます。

同じようにドライフライに出た山女魚。

写真の当日魚をかけたドライフライ。Tup's Indispensableで別々の種類のハニーダンのハックルを使ったもの。それにハックルフライバージョンでのGreenwell's Glory。

これは前回紹介のインドハックルのグリーンウェルとウィングの替わりにヘッドにOlly's Hackleのブルーダンを巻いたもの。ツートンカラーで見やすく視力の弱い私には重宝致しました。
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インドコックハックル

2024-08-14 20:19:28 | ハックル/Hackles

インドケープのハックルにはジェネティックハックルにない魅力を持つものがあります。

ジェネティックハックルはそもそも羽を取る目的のために飼われた鶏のハックル。小さい針により多くのドライフライを巻くために尾長鶏の血を引いた鶏の遺伝子を入れ、ハックルは長くバーブは短く進化し、一方、発色面では出せない色があったりと退化する面も出てきております。これは、ファッション用のハックルがフライタイイング需要に比べ拡大していることと何らかの関係があるのではないかと推測しているのですが。。。
インドハックルはそれとは異なりあくまでも肉を摂るために飼育された鶏からとったハックル。従いハックルは鶏本来の姿形を残し、発色は幾つかのパターンはあるにせよジェネティックにはない色彩のものも数あります。

最初の写真から上の写真までは、インドコックのもの。色の分類で言えばGreenwellというものになります。芯黒、レッドからジンジャーのバーブ、それに先端が黒くまた先も黒いハックルもあります。またその色彩パターンが小さなハックルまでビシッと入っているもの。これは唆られます。

上のハックルは、レッドなのですが、芯がクリーム、先端もクリーム、更にバーブの先もクリームというかなり珍しい組み合わせのもの。

Greenwellのハックルと比べれば些か形状は槍型から離れているのでドライフライ向きという点では一歩劣りますが、その色のコンビネーションは面白い毛鉤が巻けそうでこれもまた唆られます。

中央のハックルは芯がしっかりクリームです。

上の三枚はGreenwellのハックル。ちょっと見難いですが真ん中のものは芯黒・先黒で先端も黒。

こちらは芯白・先白・先端白のレッドハックル。
こうした珍品を運が良ければお手頃価格で手に入れられ毛鉤を巻いて楽しめるのがインドケープの魅力。日本の釣具店ではインドケープ、チャイニーズケープ等が入手困難になっている様ですが、ジェネティックにないその良さを何とか残してもらいたいものです。
因みにこれらインドケープは英国の田舎の釣具店から入手しました。円安の中でもインドケープは送料込みでもかなりお得に入手出来ます。
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養沢釣行(2024年8月11日)

2024-08-12 11:33:49 | 釣行記/Fishing Trips

久しぶりに戻った日本の今年の夏はアフリカも真っ青になる酷暑。とてもじゃないが釣りになど行けるか!というような日が続く中、3連休の中日、5月の連休中の新潟中部での釣り以来の釣りに行ってきました。
行ったのは久しぶりの養沢。

7時前には到着し、今回の釣行に持参した1992年製のGold Medal 8'に20年選手のSpitfire 3 1/8をセット、少しでも日陰がある上流に向かいます。

未だ気温が30度に達しない早朝では、ドライフライに疲れの見える虹鱒もアタックしてくれます。しかしながら8時を回るともう暑さで意識が朦朧としてきます。上着も汗で全面びしょ濡れ。もう堪らないと更に上流に移動します。

そうすると神谷堰堤が空いていたので入渓。日陰になっていることと、水飛沫で温度が低く感じられることで急速に汗が引き一息つけました。

この堰堤下に居る鱒も高水温でかなり疲れが見えますが、それでもドライフライ、その後はPhesant Tailニンフ、更にはアップストリームでのウェットフライに反応し更に何匹か追加することが出来ました。

水たまりに釣った虹鱒を入れてます。

ドライフライは幾つか試しましたがTup's Indispensableには反応なく、冒頭の写真のGrey Duster、黄色に染めたPeacok QuillにGingerのコックハックルとBlue Dunのヘンハックルを巻いたものに反応がありました。
かなり厳しいコンディションで昼過ぎに撤退しましたが、秋になるまで再訪は待った方が良さそうです。

今回、初めて車で養沢に行ってきました。電車釣行ですとどんなに早くても7:30頃到着、且つ、上流まで炎天下の中数キロ歩かねばなりませんが、車なら早朝に到着出来るし、上流への移動も楽々。こんなに楽をしていいのだろうかと罪悪感のある酷暑の釣行でした。
ただ、帰りは十里木ランドでの水遊びに向かう車のため反対車線は大渋滞。その影響と、更に中央自動車道の渋滞でマニュアル車のクラッチを踏む左足が痛くなりました。電車釣行では寝て帰れますが、その点車では楽あれば苦ありでした。
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Tup's Indispensableをブルーダンで巻く

2024-06-02 10:47:54 | ハックル/Hackles

電車釣行に必須の早起きが出来ない状況が続いており今週末も釣りに行く気力が無く過ごすことになってしまいました。
先週フランスハックルを仕分けした際、明るい色の毛鉤を巻こうと思ったので、Tup's Indispensableをフランスハックルで巻くのと同時に、オリジナルの材料に近い古い英国のブルーダンハックルでも巻こうと思い立ちました。

Tup's Indispensableは1900年頃Tivertonでタバコ店を開業していたR.S.Austinが作り出した毛鉤。それをG.E.M Skuesが毛鉤に使われた羊毛の部分から命名したもの。その材料は:
Silk: Yellow
Hackle: Blue hackle of a lighter colour and freckled thickly with gold
Body: Ram's wool, cream coloured seal's fur, lemon spaniel's fur, and a few pinches of yellow mohair
後にyellow mohairはcrimson seal's furに変更されます。
幸いな事に材料は全て揃っているので、フランスハックルで巻いたものの他に英国のOld English Gameのブルーダンでも巻いてみました。

写真の真ん中と左上がそれになります。

使ったハックルは1942年にMesseenaから入手したもの。英国のお医者さんが残したフライドレッシングの材料を私が受け継いだものになります。

写真では日光のおかげで白っぽく写っておりますが、ブルーの色に金色が載っているものです。
この天然のブルーの色は現在はほぼ入手不可能な色で米国のジェネテックハックルでも、フランスハックルでももう有りません。Frank Elder氏が残したOEGのハックルの中にもこのブルーは有りません。

この貴重なハックルで作ってみたのがこれ。鱒を釣る能力が他の毛鉤に比べて優れているのかどうかは分かりませんが、その希少な色で釣り人を釣り上げる能力は素晴らしいとは思います。
いい加減来週あたりには釣りに行きたいものです。
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フランスハックルの選別

2024-05-25 16:25:45 | ハックル/Hackles

どうも週末釣りに行こうと思っても前夜急に飲食が入り電車釣行の場合大前提となる早起きが出来ない状況が継続しております。
今日も本当は釣りに行きたかったのですが叶わず、そこで久しぶりにフランスハックルの選別をしてみようと思い立ちました。
これから夏場に向かうとカゲロウの色は明るく薄くなっていくケースが多く、そうした虫を表すにはフランスハックルのGris Claire (light gray)が適しているのではないかと想定。それを色合いで選別してみます。

ざっくり金色からハニー色が強いものを上段、ライトグレイ色のものを下段に分けます。

金色・ハニー色のものの近影はこの通り。

バーブはハニーでリストは極めて薄いグレー。ペイルハニーダンと言えなくもないかな。

ライトグレー色のものの近影。拙宅は南側と西側が全面窓のためとても明るく全体に白っぽく映るので中々写真では色を再現するのが難しいです。

バーブはこの通り。上の方のハックルとは違います。

これはハニー色が強いハックル。真ん中のハックルはペイルハニーダンと言えそうです。

これら三つのハックルもリストの色とバーブの色が違うのが分かりますでしょうか。

これもペイルハニーダン。

両端はハニー系、真ん中の二つはライトグレー系と詰め替えました。これで薄い色のカゲロウを模したドライフライを巻きたいと思います。
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新潟の小渓での釣り(2024年5月3日)

2024-05-04 16:53:24 | 釣行記/Fishing Trips

5月3日、帰国して初めての国内での釣りに行ってまいりました。
向かったのは新潟の小渓。亡くなって既に四半世紀が経つ祖父母が昔住んでいた町の山奥にある小さな渓流です。

帰国後最初の釣りは放流魚ではない天然イワナで、と思っていたのでそこに向かった訳です。対象魚は大きくないので竿はF.E.Thomas Special 8'。これはHardyのMarvel 7'6''も青ざめるペナペナ竿。それにPflugerのMedalistリールとAFTM 3のシルクライン。

で、こんな誰も知らない川に釣りにくる奇特な人はいないだろうと思ったのが大間違い。渓に降りるとそこには釣り人のものと思われる足跡があり、また、水量はごく僅か。そんな渓流をドライフライで魚がいそうなところを叩きながら上流を目指しますが、魚信はなく徒労感が徐々に心を蝕みます。
暫く行くと結構水量のある淵に行きつきました。偏光レンズを通して見ると水底に魚が居るのが判りました。
そこでウェットフライ、ニンフと手を替え品を替え攻めますが、魚が毛鉤に触れた兆候は全く無く、老眼をおして替えたり作り変えた仕掛けも無駄な作業となりました。

淵を諦め、上流に登っていくとそこには堰堤が立ちはだかります。堰堤の落ち込みには水は少なく、そこでも試してみましたが、魚の感触はゼロ。

堰堤の上に登り、更に渓を見てみましたが、今年孵化したと思われる鱒類の子がかなりいて、その中には数cmの大きでパーマークがはっきり出ているものもあり、渓が堰堤で分断されても上流部に魚が生息していることが見て取れました。
いずれにせよ、釣りになりそうも無いので、林道に上がると青木ノ滝という標識がありました。その方に向かって歩いてみましたが、渓に降りるには藪漕ぎをしなければならず、蛭が出るこの谷で無駄に動き回るのも気味が悪く、滝の見学はパスします。

標識の場所から下流に向かい林道を歩くと鳥居がありました。登山道の入り口でしょうか。

徒労感を抱えて林道を下ると、川から数メートルの林道より、田んぼへの水を取るために作られた小堰堤の下の淵に魚が数匹いるのを発見。

最後の望みとドライフライ、ニンフと投入し魚の興味を探りますが、流れが殆ど無い水面と、その下で相当警戒心の強くなっている魚を振り向かせることは出来ません。そこで、オレンジ色のシルクボディにブルーダンのヘンハックルを纏わせたソフトハックルを細いシルクラインでふわりと落とし水面直下を引いてやるとようやくイワナがそれにアタック。一匹かけF.E.Thomas竿を満月にしならせながら、数メートル上の林道に上げようとすると途中で鉤が外れバラしてしまいました。
この場所で釣れなければもう後がないので、場所を暫く休めて観察すると、ファイトの後岩陰に一斉に隠れた魚達がまた隠れ家から出てきて泳ぎ始めたので、同じようにブルーダンのヘンハックルを柔らかく動かしながら毛鉤を引いていくとイワナがもう一匹アタック。
それを今度はバラさないように慎重にやり取りしながら竿を満月にしならせ林道まで上げたのがこのイワナ。モロッコ北部でカバーを無くしたネットに納め魚体を傷つけないように気を付けます。
20cmにも満たないこのイワナが帰国後初の魚となりました。
さて、今年はどんな釣りが待っているのでしょうか。
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帰国しました。そして、アフリカ最終釣行の顛末。

2024-04-14 16:21:29 | アフリカ釣行記/Fishing Trips in Africa

昨日、二年間のモロッコ駐在より帰国致しました。
今回の駐在中、北アフリカの自然生息範囲南限のブラウントラウトを釣るために試行錯誤を繰り返し何度もモロッコ山中の田舎を探検致しましたが、最後の方は北部モロッコのAkchourを流れるTalambote川に狙いを絞り日帰り釣行を行ってきました。

その集大成として、4月6日(土)最後の釣行に出かけましたが、生憎その前の週末にモロッコを襲った激しい嵐と雨の影響が残り、大幅増水。上のダムの写真は4月6日のものですが、3月23日撮影の下のダムの写真と比べると水の量が明らかに多いのがお分かりになると思います。

このような状況下、何時もの場所に行くとそこは木々に流されたゴミが目の高さまで引っかかっており、増水の激しさを物語っておりました。

水中には魚の姿は全く見えず、絶望感しかない状況でしたが、12時から17時までキッチリ手を替え品を替え釣りを試み、アタリのアの字も無くモロッコ、アフリカ大陸での渓流釣りの幕を下ろすこととなりました。

最後の最後に喜びを味わうこともなくこれから長い道のりをカサブランカへ向かう帰路。

Akchourを出たところでレンタカーのKIA CEE'Dを止め、周りに聳え立つ奇岩を見物。このKIAは韓国車で東欧はスロバキアで生産されている車。Central Eastern Europe (中東欧)を略したCEEをそのまま名前に付けたこの車が生産開始したのは私が未だハンガリー駐在中のことでしたが、欧州製の車ですので、モロッコには無税で輸入出来ます。一方、日本製の車は17.5%の輸入関税がかけられるため、価格的に欧州車、欧州製韓国車には太刀打ち出来ません。
価格もそうですが、20年前の韓国車とは品質・乗り心地も圧倒的に進化しており、日本車と比べ全く遜色無いどころか、デザイン的には韓国車の方が評判が良いというところもありレンタカーでは地元のルノー子会社のダチアの車か韓国車か?という感じです。

韓国車の評論をするのが目的のブログでは無いので話を戻しますと、この奇岩、アフリカ大陸が欧州にぶつかっていくことによるアトラス山脈の造山活動により出来たものでしょうが、日本では見るこことの出来ない風景です。

これが見納めと思うと、寂しさが胸を吹き抜けますが、なんでも揃った日本での釣り生活の再開を思うと前向きになれた4月6日の夕刻でした。
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Talambote川釣行(2024年3月23日)

2024-03-24 20:25:34 | アフリカ釣行記/Fishing Trips in Africa

3月23日の土曜日、今シーズン初のモロッコはTalambote(タランボート)川釣行へ行ってきました。

朝07:00発のモロッコ版新幹線Al Boraqに乗るためカサブランカの始発駅Casa Voyageursへ向かいます。
実は3月12日(火)よりモロッコはラマダン月に入りました。そのため日中は皆飲食・喫煙が禁止されますが、日が沈むと日中の我慢を倍返しする勢いで家族・友人と楽しいお食事会が始まります。それが夜中中続くので、完全に昼夜逆転の生活。日中は仕事を含め何事も捗りません。
それで、朝タクシーを捕まえようとしても中々捕まらず焦りましたが、何とか相乗りでゲット。先客を下ろすため、一旦カサブランカ漁港に立ち寄り、そこから駅に無かったので通常より時間はかかりましたが出発までの時間内で駅に到着。

通常月ならばAl Boraqの一等車乗客はラウンジを使えるのですが、日が上がった後飲食が出来ないためか、ラウンジは空いておらず空いていたベンチで暫し時を過ごします。これは今回釣行に持参した一切合切を詰めたバックパック。1997年より使用しているもので普段もモロッコでの買い物で重量物を背負う時やジムに行くときの運動用具入れとして日々使っているもの。

出発時刻に近づいてきたので電車に乗り込みます。この電車はフランスのAlstom社製のTGV車両。今年はモロッコ新幹線開業から丁度5年ということだそうですが、カサブランカとタンジェ(Tanger)間約340kmを2時間10分で結ぶのは本当に便利。

09:00の列車の位置。アラビア文字で書かれているのがタンジェ。残り10分でタンジェまで走破です。タンジェの北はジブラルタル海峡。スペインのカディスやセビリア地図上に見えております。

何時もの通り、タンジェ駅から川のあるAkchourまでの約120kmを2時間半かけてレンタカーで移動。今回使ったのは最近何時も出てくルノー子会社のDaciaの車。
ラマダンのため、一般モロッコ人の観光客がまず居ない一大観光地Akchourに到着、川岸へ早速移動し竿を継ぎます。今回持参したのはHardyのThe Traveller's Combined Fly and Spinning Rod (詳細は2023年1月14日の記事参照)。それにSt. George 3"とDT6のシルクランを合わせます。

何時ものところに行ったのですが、前回・前々回と違い水量が多く川に降り立つことは不可能。でも、写真の水面の右奥の方には水面近くまで尺には届かない大きさに見える鱒が水面直下で何かを食べているのが見えます。
ライズはしていないので色々とウェットフライを取っ替え引っ替え試しましたが、下流からの何時もの強風にも煽られ背後の木にも阻まれ中々魚のところに毛鉤を流すのが難しくその内魚も見えなくなりました。

その後はラマダンで観光客が少なくなったのを幸いに更に上流に移動します。

この写真では写ってませんが、この写真の右側に当たるところにダムの放水路があり、その急流を跨ぐようにブラックボディにシルバーワイヤーを巻きつけ、ブラックハックル・テイルを纏っただけのWilliam's Favouriteを流すと手応え。無意識にすかさず合わせれば生息域南限のアフリカネイティブのブラウントラウトが抵抗します。
肩から掛けた釣りバックの網の部分に米国製のステンレスの網枠が捻れてコンパクトに収まるタモを入れていたのですが、鱒がかかったところでタモの柄を引っ張ったところ皮製の収納部分が川に飛んで行き流され、タモに収まった鱒も目の近くから出血しており、撮影することなくリリース。
大きさを測っていないのですが、鱒は日本でのレギュラーサイズの24・25cmくらいの大きさに感じました。

皮の入れ物が無くなったタモ。どうしましょう。。。

その後、地元のお兄さん達が入れ替わり立ち替わり後ろからやってきて声を掛けられましたが、その中の一人がこの川で釣ったブラウントラウトの写真をスマホで見せてくれました。ダムの上流・下流でスピニングをしている様ですが鱒が10匹くらい釣り上げられ並べられている映像を見せながら、「オレたち許可なしで釣っているよ」と言ってます。このTalambote川は2024年・2025年のレギュレーションではNo Kill、つまりキャッチ・アンド・リリースのみ許可された川になったのですが、地元の人達には全く関係がないのでしょう。。。
その彼らに「お前は許可持っているのか?」と聞かれたので「je suis autorisé」というと大いに感心しておりました。

夕刻になるとそうした地元のアウトローな人達が川縁の灌木を切って火をかけ、スピニングで釣りを始めます。写真の彼が釣り人ですが、その場所に陣取りながら2m弱下の水面でその前に私が1時間以上鱒を狙っていたのでした。William's Favouriteを流していたら川底に結構な型の鱒が見えて更にその鱒が毛鉤を追ってきたので粘ったのですが、その後Dunkeldを流しピックアップする時にライズして、と、かなり熱くさせられました。
が、竿を振っていると違和感。

良く見るとグリップから見て2番目と3番目の竹のピースを繋ぐフェルールが3番目の竹から外れてしまっておりました。そこでフェルールを外そうとしましたが、今度はそれが取れず、結局写真の様にフェルールが抜けないまま竹のピースからフェルールを外し撤退したのでした。
このコンパクトな竹竿は結構重宝するのですが、日本に帰ったら修理に出さなければなりません。。。
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2024年初釣り(1月4日箱根早川)

2024-01-07 16:41:42 | 釣行記/Fishing Trips

年末年始に一時帰国した機会を利用し、1月4日箱根早川に行って参りました。

自宅から電車で二時間程度で鱒のいる川に行けるとはなんと幸せなことでしょうか。1月4日の仕事始めの日、仕事や学校に向かう人達と別の方向に早朝電車に乗り向かい風祭駅に07:05到着。そこから歩いてローソンで釣魚券を購入、早川に向かいました。
持参したのはPezon et MichelのSawyer Nymph 8'10''。東京の自宅に残した竿の中で適当な長さがあり、通勤電車に乗っても余り長すぎないものという観点で選んだもの。その竿にSt. George 3''を合わせました。

冬の早朝の寒さの中、日の差し込まない川に入ります。1月4日だというのにやはり人気の釣り場には人が多く、入る場所を探すと以前も入った堰堤が空いていたのでそこに入りました。

ウェットフライのアップストリームでRamsbottom's Favouriteから始めConnemara Black、Silver March Brown、Invicta、Greenwell's Glory、Partridge & Orange、等々試しますが、今回はウンともスンとも何ら反応なく、寒さの中、心まで折れそうな状況です。

そう言えば今日使っているのはSawyerの名前を冠した竿。ということもあってかなくてか、釣れない時の奥の手のニンフに変えます。
最初はKiller Bugですが魚が見えない状況では、流し終わるところでスッと引き上げるInduced Takeを試しても効来ません。Pheasant Tail 14番に変え、白泡の中でリーダーが見えないため、更に奥の手のヤーン目印を付けて白泡をアップストリームに流すと、目印を通じリーダーが不自然に動いたところで合わせをくれると魚の感触。Sawyer Nymphを何度か曲げてくれたのは40cmの銀色の虹鱒でした。冒頭の写真はその鱒が咥えたPheasant Tail鉤。

魚を釣ったのは10時過ぎですが、その後は全く続かず昼前にはもう上がることにしました。

新春の柔らかい日差しを浴びた風祭駅。今年は一体どのような釣りを出来るのでしょうか?
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Thoughts on the LRH Dry-Wet fly rod

2023-11-26 22:30:15 | Hardy Palakona


Upon the latest comment to the article "Hardy L.R.H. Dry Wet 9'3" (E90785, 1953年製) dated 23.Aug.2014" I would like to express my thoughts on this rod as follows.

1. Lightness:
Among Hardy Palakona rods, this model is one of the lightest split cane rods, for it is constructed by double-built method; combining hard and steely cane on the surface of the rod with light pine in the core of the rod.
According to the "Angler's Guide", it weights 5 1/2 ozs approximately. Comparing with 9'6" Gold Medal, 3pcs weighting 6 3/4 ozs described in the same issue of the Angler's Guide, you can easily have an image of the unique lightness of the rod.

2. Balance:
I do not know exactly what effects at most for one to feel a rod "top heavy". I heard that American rods reduce its weight of the top section to avoid the rods to become "top heavy". The picture above shows the top sections of LRH Dry-Wet 9'3" and Payne 206L 9'. From top to bottom: LRH Dry-Wet (Top for Dry Fly Fishing), LRH Dry-Wet (Top for Wet Fly Fishing) and Payne 206L. Very fine top section of Payne 206L distinguishes itself from those of LRH Dry-Wet.
The Payne rod is quite lighter at hand compared with LRH Dry-Wet, but without top sections of both rods, I do not feel much difference in the weight of both rods. Probably practical and durable top of LRH Dry-Wet, or Hardy Palakona rods in general, make one feel that those rods are top heavy towards the quite light feel in hand given by American rods.

Angler's Guide proudly presents the balance of LRH Dry-Wet as:

"The balance of the rods is so perfectly distributed that the user has a feeling of confidence and pleasure quite unique; and in practice it will be found that they deliver the fly true to aim."

-------

"The 'L.R.H.' 'Palakona' rods are the result of exhaustive experiments on the part of Mr L.R.Hardy, covering a long period of patient testing, comparison and adjustment. They are, Mr Hardy declares, the finest fishing rods for their purpose that he has ever handled."

--------

"The total weight of the completely assembled outfit is:

9-ft 3-in 'Dry-Wet' rod 5ozs 8drms approx.
'Lightweight' Reel 3ozs 10drms approx.
30yds No.3 Corona 1oz 7drms approx.
20yds 18 lbs B/S silk backing
Total 10ozs 9drms approx."

As far as I fished with the rod, with my Hardy Spitfire Perfect 3 1/8 Reel, LRH Dry-Wet is quite light in hand and it will not cause any fatigue on me during a day long fishing. Sorry I am too used to fish with Hardy Palakonas, especially with long rods such as 10' Gold Medal, to give fair judgement for modern anglers. I, however, can recommend to use this rod as long and light version of Palakona to enjoy your fishing at rivers and lakes for trouts.

Tight Lines!/Petri Heil!
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