思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

フランスのハックル(coq de pêche corréziens続編)

2019-03-23 10:55:13 | ハックル/Hackles

前回に続き、今回はフランス・ハックルのより色の濃いものの詳細を載せたいと思います。
gris cendreé fuméとgris fuméです。


gris cendreé fumé。英語に逐語訳すればgrey ash smoked。英国のハックル色の分類に従えばRusty Dun。Rusty DunはHoney Dun共々Blue Dunの親戚。基本はBlue Dunのハックルのバーブ部分に錆色が乗ったものと言う事になります。


黒い背景で見ると良くお分かりのように、ハックルのリストは透明感のあるグレイかかった色。バーブには金色と茶色のピグメントが乗り全体として錆色を示しております。これは全体の左半分のアップ。


これは全体の右半分のアップ。


白い背景にするとこの透明感とバーブの色の対照が際立ちます。


ハックルの軸は極めて濃い黒〜インキ色。リストは透明。バーブの先端は茶色と金色。


左から2枚のハックルは典型という感じのものです。


白と黒の背景で見るとハックルが背景の色の関係でどの様に見えるのかが良く分かると思います。


gris fuméは英語逐語訳ではgrey smoked。英国の分類ではDark Rusty Dun。


gris cendreé fuméよりもより色が濃く、春先のカゲロウやIron Blue等を模すのに使えそうです。


一番右側のハックルは透明感が強く魅力的。


白い背景に変えてみます。


gris cendreé fuméよりも多少色が濃い感じでしょうか。


黒い背景で透明感が際立った右端のハックルはダークブルーと金属色に変わっております。


白黒の背景でのハックル近影。

フランスのこれらハックルは基本生きた鶏から一本一本手で抜かれ、鶏は何年か分かりませんが、生き続けながらそのハックルを供給致します。これらの鶏を飼っている養鶏家はコストの面から、最高の鶏のみを生かし、それ以外の鶏のみをハックルケープにしている様です。19世紀〜20世紀初の文献では、年を経った鶏のハックルの方が良いとしているものがありますが、基本的に1年鶏のハックルも2年以降の鶏のハックルも変わりは無いとFrank Elder氏は養鶏家としての経験から反論しております。いずれにせよ、良いハックルを産出する鶏は中々現れないので、殺さずに出来るだけ希少なハックルを取るのは合理的。フランス中部の片田舎で産出される、これらハックルがこれからも入手可能である事を節に祈ります。
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フランスのハックル(coq de pêche corréziens)

2019-03-16 13:25:54 | ハックル/Hackles

フランスのLimousin鶏の血統でドライフライのハックル用に特別に飼育された鶏coq de pêche (釣り用雄鶏)のハックルを扱っているフランスの釣具店を見つけ、郵便事情が芳しくないチュニジアではなく日本の住所に送付してもらいましたが、それを数日前入手致しました。
実物を見ずに注文し、また、coq de pêcheの品質等も分からないままだったもので、不安はありましたが、実物を手にとって見て納得致しました。
ハックルの機能面、透明感に溢れた色の面、どちらから見ても素晴らしいハックルです。
今回入手したのは、gris cendré ruillé (英直訳 grey ash rust→honey dun)、gris clair (英直訳 grey clear→honey)、gris cendré fumé (英直訳 grey ash smoked→rusty dun)、gris fumé (grey smoked→dark rusty dun)の4種類。フックサイズ12/14番用です。仏語で鉤はhameçon。従い、表記はH12/14となります。
これは、ARDENTPECHE (www.ardentflyfishing.com)という釣具店より入手したものです。現時点では残念ながら、H12/14のハックルは私の注文もあったためか品切れが多くなっておりますが、関心がある方はお店の連絡先を記録しておいても良いかと思います。
以下、実物のハックルをご覧下さい。

これはgris cendré ruillé。ハックルの軸がグレイ色、バーブの先端は黄金色

これは向かって左側5つのハックル。

これは向かって右側5つのハックル。

同じハックルを同じ並び順で白い背景に並べます。

これは向かって左側5つのハックル。

これは向かって右側5つのハックル。
非常に透明感に溢れたハックルである事が見て取れると思います。

白と黒の背景で見ると透明感と色が良くお分かりになると思います。

次は、gris clairのハックル。ハックルの軸が薄いグレイになっていて、light honey dunと分類出来るものも含め、honeyのハックル。

これは向かって左側5つのハックル。

これは向かって右側5つのハックル。

白い背景で同じハックルを並べて見ます。

左側5つのハックル。

右側5つのハックル。

白黒の背景で見ると、消え入る透明感とハニーの色がお分かりになると思います。
欧州でも、商業メディアが伝えるのは、Whiting等の米国ジェネティックばかりです。しかし、それに負けず、本物を求める釣り人のために透明感に溢れた素晴らしいハックルを育てている人達がいるフランスの深さを見る思いです。日本の釣り雑誌にこういう情報が載る日がいつか来るのでしょうか?正直なところ、日本のメディアの毛針釣り人士は米国の事しか知らない人達ばかりの様な印象ですので、期待薄とは思っておりますが。。。
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ドライフライのハックルの真実(米国ハックルの歴史)

2019-02-28 18:55:36 | ハックル/Hackles
20世紀末から市場を席巻するアメリカのジェネティック・ハックル。ネックであってもサドルと同じ様な長さのハックル。バーブは短く超小型ドライフライを巻く事が出来、更に色々な色のハックルを安定的に産出します。
そのジェネティック・ハックルの源流にキャッツキルのフライタイヤーHarry Darbeeが果たした大きな役割は良く知られております。
Darbeeの前にも同じフライタイヤーのReuben CrossはLeghorn種の鶏を育て彼の必要とするハックルを調達していたそうですが、やはりフライタイヤーとして安定的に各種ハックルを入手するためにもDarbeeは自宅の裏でハックル用の養鶏を始めたのでした。

彼は最初、米国産のBarred Rock種と言う、所謂グリズリーのハックルに覆われた鶏とOld English Game、更にブルーの色を出すためにBlue Andalusiaを掛け合わせる事からスタート。そこから多分ブルーダンだと思いますが、ダン色の雄鶏が育つと、その雄鶏一羽に様々な色の雌鶏を掛け合わせる「ショットガン・メソッド」と彼が呼ぶやり方でハックルの改良に取り組んでいったと言います。
戦前・戦中・戦後と続くDarbeeの努力により、様々な色を持つ長いハックルがキャッツキルの地に誕生したのでした。

更にDarbeeは極めて気前良く彼の育てた鶏の卵を好事家に分け与えました。私は正確な時期を知りませんが、ミネソタの弁護士Andy MinerもDarbeeから卵を入手した一人。Minerは他にも英国人のキャプテンJohn Evansが戦前育てた鶏を受け継いだChip Staufferから入手した鶏とDarbeeの鶏を掛け合わせ、私は見た事がありませんが、素晴らしいと評されるハックルを作り上げたそうです。
そのMinerはハックルを飽くまで自家消費しかしなかったそうですが、Darbee同様大らかに彼の鶏の卵を分け与え、Metz、Keough、Hebert、Collins、Bob's Hackle等現在に残るジェネティク・ハックルの源になったのでした。
こうした、ダン系色のハックルを求めた養鶏家がいる一方、西部で、グリズリーハックルに特化し1965年養鶏を開始したのがHoffman。努力によりハックルケープは大きく、長いハックルを持つ鶏を育種した彼は1989年に彼のビジネスをWhitingに売却します。
その後、Whitingは1997年Hebertを買収し、東海岸のダン系色の鶏の血筋も手に入れ、アメリカン・ハックルの血筋を彼の下に統合したのでした。
その辺りの流れを上の図に簡単に纏めて見ましたので参照下さい。四角い枠の色は血筋毎に分けて見ました。

さて、上の写真ですが、これはHarry Darbeeが1966年、欧州に送った彼のハックルの見本。ダン系色で透明感に溢れた魅力的なハックルの数々。長さは、今日フランスで育てられているLimousin種のCoq de pecheの物程度で、ドライフライを巻くには十分過ぎる程。前回触れたオリジナルのDarbeeハックルが好事家の間で珍重されるのも非常に良く判る出来栄えです。
このハックルで止まってくれていれば、と思うのですが、何故かしら、現在入手出来るジェネティックは透明感を軽視しているとしか思えず、その点が残念です。
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ドライフライのハックルの真実(天然ハックルの色割合)

2019-02-17 21:03:56 | ハックル/Hackles
毛針に使うハックルで一番優先されるもの。ダンを模したドライフライであれば水面に高く乗るための固くて密にバーブが生えたハックルが機能面で重要でしょうし、ウェットフライであれば、ヘン、或いはソフトフェザーの鶏のハックルの柔らかさが重要かも知れません。しかし、それにも増してハックルの色を選ぶのが毛針を巻く際にまず最初に釣り人が行う事だと思います。以前、数あるフライ・パターンをキチンと巻くために英国の伝統的なハックルの色の呼び方を基本にした15のハックルの色の区分を載せました。シングルカラーでは、ホワイト、クリーム、ジンジャー、レッド、ブラック。バイ・カラーでは、バジャー、イエロー・バジャー、ファーネス。バードでは、クックー、クリール、グリッズル。ダンでは、ダン、ブルーダン、ラスティーダン、ハニーダン。その他左記どれにも当て嵌まらないものはオフ・カラーとした分類です。ファーネスにはコッキー・ボンデュも含む等、更なる細分化も出来ますが、取り敢えず、フライパターンを間違いなく後世に伝えていくための色の区分です。


しかし、ブルーダン、ハニーダンは殆ど見ることが出来ませんし、レッド(茶色)はどこでもお目にかかる事が出来ます。また、最近はブラックを見ることが難しくなっております。ブルーアンダルシア、白色レグホン等、鶏の種類と色が一体化しているものは別にして、通常の鶏のハックルの色の割合はどんなものなのでしょうか。
ハックル研究のバイブル、The Book of the Hackleの108ページに1936年よりハックル商を営んできたSam Harris氏が寄稿した、1970年代以前英国が中国から買っていたハックルケープの色の割合の概数が載っておりますので、下記ご紹介致します:

Red: 26% (上の写真の様な茶色のハックルを英国の伝統的な呼び方ではレッドと言う)
Light Red: 6%
Chocolate: 2%
Ginger: 4%
Pale Ginger: 1%
Black/Red (not furnace): 12%
Furnace, Cochy Bondhu,
Greenwell: 3%
Cree: 12%
Grizzled: 4%
Badger: 4%
Light Sussex: 4%
Natural Black: 2%
Nondescript: 6%
White, Cream: 9%
Rejects: 4.9%
Duns: 0.1%
--------------------------------
Total: 100%


最初の写真は、当方が以前入手した戦前から戦中にかけての英国のお医者さんの毛針用マテリアル・コレクションの中で見つけた手製のハックル見本。上の写真は更にその一部で、レッドの中でもブラックがリストや基部、先端に乗ったもの。


ゲーム・コック。ハックルの形がそれ以外のものに比べ良い。

上で紹介のハックル色のざっくりした統計では、色の濃淡はあるものの、レッドで46%、クリー(とありますが、これはクックーでは?)12%、ホワイト、クリームが9%、後は数%程で、ダン系統に到っては0.1%しか有りません。つまり自然の鶏のハックル色は、ご先祖であるジャングル・フォウルの色、レッドが圧倒的で後は米国で言うグリズリーとホワイトが続くと言うもの。これは自然の鶏のハックル色なので、毛針用に飼われる鶏の場合とは必ずしも当てはまらないでしょうが、釣り人が珍重するハックルは極めて少数の鶏からしか取れない事が見て取れます。


これはレッド以外のハックルの見本。


Pale Blue Cockのブルーのリストとハニーの色は中々お目にかかれないもの。


但し、色は良いのですが、シェイプとバーブの硬さがドライフライ用としては今ひとつ。Frank Elder氏がBaigent博士のハックルを「色は素晴らしいがシェイプと硬さがダメ」と評した事が思い出されます。


Cream。ペイル・ジンジャーが先端に乗っております。


White Furnace。これは基本分類ではオフ・カラーでしょうが、芯黒・先黒の面白いもの。


これもWhite Furnaceと記載されているもの。これはイレギュラーなバジャーと分類しても良いかも知れません。


Sam Harris氏の語るハックル・ビジネスの過去の発展はとても興味深く、更に現在でも世界のフェザー・ダウン業界を仕切るポーランド・ユダヤ系の人達が如何にその地位を築いたか等、以前ハンガリーにいた際、国際フェザー・ダウンビジネスの一端を知る機会を得た事もあり、なる程というお話もあります。
さて、Harris氏曰く、戦前の英国のハックルケープの供給源は鶏肉市場で、市場では鶏のケープを鈍いナイフで切り裂き、ケープの裏には新聞紙を貼って色に関係なく一枚1ペニー程度で投げ売りしていたそうです。


このジンジャー・ハックルケープの裏側には正に新聞紙が貼られ、鶏肉市場からやってきた事が分かります。


これは、同じ様に新聞紙を裏に貼ったハックル・ケープですが、米国ジェネティック・ハックル全てを遡ると行き着く、元祖Harry Darbee氏の作ったハックル・ケープ(私は所有しておりません、念のため)。Darbee氏のオリジナル・ハックル・ケープは米国では好事家が血眼になって探すそうですが、オリジナルである事の裏書きがこの新聞紙。Darbee氏は英国人と同様にケープを処理していたのでした。
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ドライフライのハックルの真実(日本鶏の貢献)

2019-02-10 13:24:01 | ハックル/Hackles
ハックルに関するほぼ唯一の専門書、 Frank Elder氏の「The Book of the Hackle」で著者は、オールドイングリッシュゲーム(OEG)の長所は、ハックルの色として知られる全ての色がOEGから得られる事としております。また、OEGは素晴らしいハックルを産出する事もあればどうしようもない品質のハックルを生み出す事もあるとしております。
そのElder氏がハックルのための養鶏を始めて当初の悩みは彼のOEGでは彼が理想とする槍の様な形のハックルを実現出来ない事でした。その時、Elder氏は1922年のFishing Gazette誌に寄稿した記事で、Thomas Hughes氏がYokohama(ヨコハマ)という鶏に言及しているのに出会います。そして、アバディーンのMr. McEwan氏からヨコハマのペアを入手し、OEGと交配。即、ストークに比べバーブの短い、理想に近い形のハックルを得ております。OEGの耳は赤、ヨコハマの耳は白なのだそうですが、以後、Elder氏のOEGはいくらOEGの血を濃くしていっても、耳は白いままであったとしております。
一方、ヨコハマのハックルの硬さはOEGに比し柔らかく、それを改善するためにRed Jungle Fowlとも交配をしております。このRed Jungle Fowlは鶏のご先祖のJungle Fowlの近縁。硬くかつ形の良いハックルを持つという機能面では理想的なハックルの鶏なのですが、一番の欠点はハックルの裏がチョークの様に白い事。この色のリスクを取りElder氏はRed Jungle Fowlの血もOEGに取り入れ、ハックルの機能面の品質向上と彼の求める色の発現に成功したそうです。

この「ヨコハマ」。日英独仏語情報を漁ってみると、幕末1864年に日本から尾の長い鶏が最初に欧州に輸出され、パリのJardin Zoologique d’Acclimatationに到着、輸出港の名前を取って「ヨコハマ」と名付けられ、その後、ドイツに1869年導入。品種改良の結果白地に赤の体色を持つ「ヨコハマ」という品種として確立されております。元々日本から輸出された鶏についての情報は不明で、尾長鶏だったのか、他の鶏だったのかハッキリしておりません。
一方、その動きとは別に、1878年日本からドイツに初めて「尾長鶏」が輸出され、欧州の地で根付かせるためにドイツのHugo du Roi氏により、OEGと交配され、そこから「フェニックス(Phoenix)」という尾の長い様々な色を持つ品種が作り出されました。
この「ヨコハマ」と「フェニックス」はドイツでは夫々別の品種として峻別されておりますが、英国では日本にルーツを持つ尾の長い鶏を全て「ヨコハマ」と呼んでおり、「ヨコハマ」と「フェニックス」を一緒にしているそうです。

上は「フェニックス」ですが、Elder氏は著書で、彼の「ヨコハマ」はOEGのBrown-breasted Redに似ていたとしておりますので、尾長鶏とOEGを交配した「フェニックス」がElder氏のハックルに入った血統ではないかと推測致します。
また、フランスのcoq de pecheの養鶏家のインタビュー記事では、ハックルの品質を向上させるために「尾長鶏」と交配したと記述されておりました。「尾長鶏」の日本からの輸出は長い事禁止されておりますので、養鶏家の言う「尾長鶏」は欧州にいる日本原産の血を持った鶏、多分「フェニックス」を交配したのではないでしょうか。

以前作ったハックルカラーの標本。

上はシングルカラーのハックルの標本ですが、4番目、5番目の戦前・戦中のOEGハックルの幅広三角形に比べ、左端のKeoughのハックルの長さは全くの別物。今のWhitingは更に長さを増し、殆ど鶏とは思えないハックルとなっておりますが、どうも世界中のドライフライ用ハックルの品種改良には日本原産の鶏の血が使われている様なのです。
軍鶏のハックルの色のバリエーションがOEGと同じくらいあるのかは分かりませんが、軍鶏と尾長鶏系統の血を交配させるとジェネティックハックルの様なものが出来るかも知れません。ドライフライ・ハックルへの知られざる日本の貢献。実際の釣りにはどうでも良い話なれど、東洋と西洋の毛針の交流とも重ね合う様な、ロマンを感じてしまいました。

数日前の寒波と嵐が嘘の様な今日のチュニス。バルコニーから臨む地中海は碧く穏やか。気温は19度と素晴らしい日曜の天気です。
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ドライフライのハックルの真実(フランスのハックル)

2019-02-04 19:08:11 | ハックル/Hackles

Whiting等の米国のジェネティックハックルはドライフライハックルのスタンダードであると日本のみならず英、仏、独の釣り雑誌で広く取り扱われております。しかし、ジェネティックハックルの欠点である大きい鉤に合うサイズのハックルが少ない事(そもそも12番や14番は大きな鉤ではないと思うのですが)、ハックルの裏が白く、表面の発色は良くても透明感に欠ける事、等、納得出来ない点があるため、オールドイングリッシュコック(OEG)、インド・中国鶏と過去見てきましたが、他にも日本では殆ど知られていないものの、長く釣り人に支持されてきたハックルがあります。
以前、スペインのレオン鶏(パルド及びインディオ鶏)を紹介致しましたが、フランスにもリムザン鶏というドライフライ用のハックルが取れる鶏が存在するのです。

このリムザン鶏を更に毛鉤のハックル用に育種したものがcoq de pêche (コック・ドゥ・ペッシュ/釣りの鶏:毛鉤用の鶏)と呼ばれ、何人もの養鶏家に飼われており、フランスの中央部旧リムザン地方、今のCorreze県のNeuvicという町では毎年5月1日にcoq de pecheの品評会が開催されている程。

これはcoq de pecheのハックルですが、リストが透明のブルーダン、バーブは金色と極めて魅力的なハニーダン。

これは透明感に溢れるダークブルーダン。

これはライトダン。透明感に溢れます。
このハックルの入手には仏語のやり取りが必要なのと、かなりの田舎である現地の養鶏家は零細事業家であり、支払いはフランスで伝統的に使われている小切手でないとダメという事で、日本で手に入れるのは極めてハードルが高いのが難点です。
現在、入手ルートを開拓中ですので、入手出来ましたらいつか報告させて頂きたいと思います。
さて、coq de pêcheのハックルを見て頂くと、米国ジェネティック程ではないものの、どれもインド鶏等と比較し長くなっている事が見て取れると思います。

上は1886年に発表されたFrederic Halfordの「Floating flies and how to dress them」ですが、ここで描かれているハックルはcoq de pêcheのハックルやFrank Elder氏のOEG比べ短く三角形になっております。この絵をよく見てもらうとバーブが先端に行くに従い極端に短く描かれと実物とは非常に乖離した空想の産物である事が判るのですが、いずれにせよ、当時のハックルの長さはかなり短かったのではと思われます。

上のハックルは、私の持っている1942年のOEGのハックル。短くずんぐりした形です。

一方、上はFrank Elder氏が育てたOEGのハックル。多分、Frank Elder氏が亡くなる直前の1970年代のものと推測しますが、1942年のハックルに比べ長く槍の様な形となっております。
一体全体、OEGとcoq de pêcheのハックルの長さが増している背景には何があったのでしょうか?
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Hans Gebetsroither (ハンス・ゲベーツロイター)について

2019-01-27 09:28:11 | その他の話題/Other Topics

日本から遠い北アフリカに住んでいても、電子版で日本の書籍をダウンロード出来る便利な時代になったものです。ペゾン・エ・ミシェル (Pezon et Michel)竿の記事があるのが気になり久しぶりに日本の釣り雑誌をダウンロード購入致しました。
実物の竹竿、その他グラス竿、等を実際に投げてみて批評する、素晴らしい内容の記事でありましたが、非常に残念なのが欧州の人名・固有名詞の校閲が出来ていないところが多々ある点。

シャルル・リッツ(Charles Ritz)は流石に、チャールズ・リッツとは書かないですが、ピエール・クールズボーと書くのは全く頂けません。Pierre CREUSEVAULTですので、「CREU」を「クール」とクを長く伸ばす発音になる筈がない事、直ぐお分かりになると思います。正しくはVの音も反映するならば、「ピエール・クルーズヴォー(もっと凝ると「クリューズヴォー」。。。ここまでくると日本語に無い仏語母音をどう表記するかの問題に当たります)」となる筈。Vは日本語では頻繁にBの音で表記されるので、クルーズボーでもまあ、良しでしょう。
そして、「クールズヴォー」以上に眉を顰めなければならないのが、日本の釣りジャーナリズム関係者がオーストリアの有名釣り師、Hans Gebetsroitherを「ハンス・ゲーベツロイター」と表記し続ける事。


Gebetsroitherを分解すると、Gebet-s-roither。Gebetはドイツ語の「お祈り」。Roitherははっきりとした定義は見えませんが、南ドイツ方言で梯子の様な木組みの物の様です。発音は有名な通信社Reutersと一緒の「ロイター」となります。「お祈りするための台」という様な語感になるのでしょうか。さて、問題のGebet。この発音は「ゲベート」です。動詞のbeten(祈る)、或いは、語源的に動詞のbieten(提供する)の過去分詞形を元にした名詞であるGebet (betenは不規則動詞で過去分詞はgebetenとなります)。ご参考までですが、上の写真は昨年12月24日の北ドイツの改革派教会のミサのプログラム。その一番下にGebetとあります。ドイツ語過去分詞の語頭にくるgeにアクセントは無く、それ以降の母音にアクセントが来ます。ドイツ語名詞のアクセントは「大体」第一母音に来ると思ったどなたかが、geを語頭に持つ単語の発音を間違えて、Gebetsroitherを「ゲーベツロイター」と記載し、その間違いが根強く続いているというのが多分真相なのでしょう。私が確認した限りでは、1980年代の「フライの雑誌」に「ゲーベツロイター」という記載があります。日本語版のリッツのA Fly Fisher's Lifeは目を通した事がないので、そこでの記載は分かりません。いずれにしましても、ドイツ語の初歩を知っていたら避けられるこの間違い。日本の釣りジャーナリズムの質の向上を願います。

そのゲベーツロイターですが、1903年2月3日にトラウン湖(Traunsee:トラウン・ゼーであり、トラウン・ジーではありません。因みにトラウンの当時有名だったSeeforelle(湖鱒)もゼーフォレレであり、ジーフォレルではありません。。。)の畔に生まれ、1986年12月13日にグムンデンで亡くなっております。

小学校を卒業後、靴作りの修行に赴き、ウィーンの製靴マイスターとして生まれ故郷に帰って来ますが、第一次大戦後の混乱、米国の大恐慌、オーストリアのクレディタンシュタルトの破綻という不況の中、地方では靴作りで生計を立てられず、兼業手工業者として、グムンドナー・トラウン(Gmundner Traun)川を中心に釣り客の釣った魚を担ぎながら同行する仕事(Lagelträger: Lagel担ぎ)としての仕事を始めます。Lagelというのは上の写真にある木製の魚を生きたまま入れる容器。
その時代に英国人Dr. Duncan(ダンカン博士)、シャルル・リッツと知り合う事になりました。ダンカン博士は1931年にグムンドナー・トラウン川の漁業権を取得しますが、その際、博士が管理人に選んだのがゲベーツロイターでした。そして1932年、ゲベーツロイターは本業の方を辞め、川の管理人の仕事に注力する事になり、1938/1939年には二回の水棲生物の生態に関する講習を受けたのち受けた試験で漁業マイスターの称号を得ます。その後1939年〜45年の第二次大戦で昇進が遅れますが、1967年には上級漁業マイスターとなります。


ゲベーツロイターは強い短竿を使い、肩を使った投法の創始者としてオーストリア、ドイツ語圏のみならずフランスを含めた大陸欧州の毛針釣りに今も影響を残しております。その生涯はグムンドナー・トラウン川を訪れる釣り人が必ず宿泊した、Frau Hoeplinger(ヘープリンガー夫人)が女将を務めるHotel Marienbrücke (ホテル・マリーエンブリュッケ)と分かち難く結びつき、今も、マリーエンブリュッケの前庭に残る彼の記念碑がそれを顕彰するのでした。

ハンス・ゲベーツロイターの記念碑。右はゲベーツロイターの弟子でフライキャスティング遠投競技の世界チャンピオンになったスイスのリュディ・ヘーバイゼン(Ruedi Hebeisen)氏。
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Hardy Palakona H.E. Accuracy 8' (E94366 1954年製)

2019-01-05 17:30:37 | Hardy Palakona

新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお描い致します。
今回は昨年のオーストリアはムーア川(Mur)でも投入したH.E. Accuracyを紹介したいと思います。
現在自宅に居らずHardyの詳細資料が参照出来ませんため帰宅後内容を修正しようと思いますが、この竿は元々トーナメント競技の正確性を競う部門のためにHardyが開発したもので、それをライトウェイトのドライフライ竿としてカタログに載せたもの。1950年代始めの戦後の混乱が多少なりとも収まった時代、輸出用ではなく英国国内市場向けにHardyが製品の販売を再開出来た時代にほんの短い間(確か3年間程度)製造・販売された竿です。
上の写真がそのスペシフィケーションを全て語っておりますが、長さは8フィート、製造番号はE94366、ハンドルはコルク、リールフィッティングは竿尻のキャップとリング、ジョイントはサクションで、リングはスネーク。このような米国竿と同じような軽量化を図った結果、重量は4オンス4ドラムとなっております。因みにリングは米国で言うガイドの事。米語と英語には一般語でも違いが有りますが、釣り用語でも少なくとも昔は違いが有りました。但し、少なくとも1990年代までは米国の影響は有ったにせよ英国或いは欧州大陸風の物言いや釣りの格好というものが残っていたのですが、21世紀に入ると欧州の毛針釣りも米国流にベースボールキャップを被る人達が圧倒的な多数になっているので、今は英語でもガイドと言うかも知れません。。。

さて、ハンドル(これは米語でグリップ)から見てみると段巻きも無く特段特徴の無い普通の竿。

中間部も特段大きな特徴は見えません。

トップリングは瑪瑙が入っておりザラザラのシルクラインの使用を前提にした設計になっております。リングの総数は8個です。

しかし、ハンドルはオールコルクでありますので調整は効きますが、私の手で基本遊びがない短さです。

リールフィッティングにアジャスタブル・リングとあるリングには製造番号が刻印されております。

バットキャップにはMade by Hardy's Englandの刻印。

ハンドル上部のインスクリプションは50年代の気負いの無い書体でH.E. Accuracy Palakona...と記載されております。

ラッピングは黒。通常のHardyの竿の様に二色を使う事も無く、競技用に徹した様な仕上げです。

同じ50年代製造、8フィートのPerfectionと並べて見ます。リングはどちらも8個。多少ズレはありますが、両方とも同じ様な場所にリングが配置されております。

ハンドルではPerfectionの方が長く作られ、汎用モデルである事を示しております。

ハンドルの上部以降の比較。H.E.Accuracyはバット部分がPerfectionよりも太くしかも軽く感じます。以前紹介のLRHモデル同様に松材とダブルビルトされているのではと推測致します。

トップ部になると両方とも同じ様な太さ。つまりH.E. Accuracyの方が竿全体のテーパーがキツくなっております。

然るに、テーパーの設計の違いもさることながらリングに大きな違いがあります。H.E. Accuracyのリングは軽量化を狙ったスネークですが、スネークを使った他のモデルのものと比べ一回り大型で太いスネークリングが使用されているのです。Perfectionのフルオープンブリッジと比べても引けを取らない大きさです。

トップ部分は太さ、リングとも両者収斂という感じで大きな違いはありません。
さて、H.E. Accuracyのアクションですが、パワフルなトップアクションという感じで、Perfectionの様な胴まで届きそうなユッタリとしたアクションとは違います。正確性競技用の竿だけあってトップは曲げ易く実戦でも15ヤードくらい先の場所を狙って毛針を置くのは朝飯前という感じで重宝しますし、また、手に持って非常に軽く感じます。
然し乍ら、パワフルな竿なので、小型のドライフライを使ったグレイリングの釣りでは魚をかけた後に慎重なやりとりをしないと外されそうな感じであり、虹鱒やフラウントラウト釣りの方が向いているというのが個人的な感想です。
また、実釣時には以前PhoenixのDT6だったものをコーティングを全て取り亜麻仁油のみで再生したもの、大体AFTM 5くらいのものを使いました。Perfection 8'はAFTMで言えば4程度が適正と思いますので、perfectionよりもH.E. Accuracyは強い竿ですが、それでも竹竿の包容力の広さもあり、AFTM 4でも十分使いこなせる竿と思います。
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ドライフライのハックルの真実(日本のハックル)

2018-12-09 13:35:09 | ハックル/Hackles
現在、世界中を席巻する米国のジェネティックハックル。日本もその例に洩れず、近頃はインド・中国等からの安価なハックルの入荷も細り、過去に業者が輸入した在庫の範囲内でしか入手が出来なくなっていると、以前関係者に伺った事があります。
ジェネティックハックルの存在を否定する為に記事を書いている訳ではないので、その点誤解をされない様にお願いしたいのですが、ジェネティックハックル礼賛の記事が商業誌を中心に溢れる中、そもそもドライフライにとってのコックハックルの役割と、それを果たす為に必要とされる機能、要素を、ハックルの専門書と先人が残したハックルの現物、更に、今日でも何とか入手可能なインド・中国ハックルを例に取り上げ考察して来ましたが、今回は日本で作り上げられた素晴らしいドライフライハックルにつき触れさせて頂きます。

前世紀末、小平高久氏が作り上げられたコック・ハックルをClub of Hardy JapanのK氏の大変なご好意で頂いた事を思い出し、収蔵ハックルの中を探して見つけました。

極小ハックルを除いたハックルを並べたものが上の写真です。

下の3つがハニー系のハックル。真ん中のものは写真では見えにくいですが、リスト(ハックルの軸周りの内側)が色を全く感じさせないペイル・ハニーダン。

上の方のハックルはラスティー・ダンのハックルです。

黒い背景では錆色が強く自己主張を致します。

同じハックルを白い背景で並べたもの。

ハニー系のハックルは色を失い、影は映し出すものの、透明の中にハニーの残滓を残すだけとなります。

黒地の背景ではあれほど自己主張をした錆色は、白地の背景ではその鳴りを潜め、影はクッキリと投影しますが透明感に溢れたハックルとなります。

ラスティ・ダンの中の一枚を取り出して見ます。テーブルを背景にすると、スピナーのウィングの様な透明感。しかし、光を浴びるとキラリと光る生命感を持ち合わせております。

黒地を背景にすると錆色がクッキリと自己主張いたします。

白地を背景にすれば、インキ色の軸とハックルの周縁部以外が透明で、背景が透けて見えるのが判ります。

ハックルのバーブはオールド・イングリッシュ・ゲーム・コック(OEG)のものよりも短く、今風のドライフライを巻くのに適しております。

これは、ペイル・ハニーダン。色を殆ど感じさせないもの。

黒地の背景ではハニーが自己主張を見せます。写真では見えにくいですが、リストは本当にほぼ透明。

白地の背景では透明になります。
私は小平氏とは一切面識がありませんので、確たる事は何も申し上げられませんが、ネットに載る氏のインタビューによると、氏が海外旅行で入手した中国ハックルの中に魚がいつも毛針を飲み込みよく釣れるハックルがあり、それをきっかけにハックルの研究と鶏の育種を始められた由。試行錯誤の中から開発されたのが、これらハックルの様ですが、Frank Elder氏の残したハックルに比較して全く遜色が無いどころか、透明感ではそれを上回るハックルもあります。
小平氏が今もハックルを作られていらっしゃるか全く存じませんが、これらこそOEGをも凌駕する世界に誇れるハックル。日本の伝統的な毛針釣りでは透明感のある軍鶏の蓑毛を珍重して毛針に使ってこられたそうですが、そういう軍鶏を育種して来た伝統も日本にはあります。ジェネティックの席巻で失われつつある、透明感に溢れるハックルを小平氏の例の様に日本で誰か作って頂けると良いのですが。。。但し、データによると、自然界ではダン系の色は1000羽に1羽しか出ないそうですので、全くのゼロスタートですと、この色を出すには何万羽も飼わなければいけません。餌代もかかりますので、見込みの無い鶏は最初の羽が生えるくらいのところで処分していかないと物凄いコストが生じます。ドライフライハックルの開発は左様に根気、非妥協的態度、コストがかかるものなのですね。とても思いつきで出来る事ではありません。皆様に感謝してハックルを使って行きたいと思います。
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ドライフライのハックルの真実(形状)

2018-12-01 15:27:04 | ハックル/Hackles

水面に6本の脚でミズスマシの様に乗るダンを表現する場合、バーブが硬くてコシがあり、ツヤツヤし太陽の光に反応して煌めく透明感のあるハックル が一番適していると昔の識者は述べてきました(水面に張り付くスピナーの場合は低く水に乗るハックルが良いと思いますが、ここではひとまず議論しません)。硬いバーブとなると、バーブの長さが長くなるに従いコシが無くなって行くのは世の習い。従い、ハックルの全長に比較し短いバーブを持ったハックルが良いとされてきました。その際、昔の識者が一つの基準にしたのが、鶏のご先祖様であるジャングル・コックのハックルとそのバーブ。上の絵は''The Book of the Hackle''のハックルの形状についての絵を私が模写したものですが、真ん中のハックルの形状がジャングル・コックのハックルの形状に一番近いもの。ハックルのバーブの長さが長いのが一番下のハックルで全体的に長細い楕円形。真ん中のものが、槍の先の様な形のハックルで、バーブの長さは下のものよりもハックル全体に比較し短くなっております。一番上はバーブの長さがハックル全長に比較し更に短くなっており、ハックル基部を除くと細長い形状。ジェネティックハックルはそれが更に非常に伸びたものと認識して良いと思います。
Frank Elder氏の著書''The Book of the Hackle''の中で、氏は真ん中の形状のハックルが自分の一番好きなハックルとしております。
因みに、右のバーブを広げた形状を見て頂ければ見て取れる様に、ハックルのバーブは基部から先端にかけ、その長さに余り差はありません。長辺三角形の様なハックルの形から、バーブは先端になればなるほど短くなるのでは?と思われるかも知れませんがさにあらず。その理由は、バーブはハックルの軸から90度に伸びているのではなく、より鋭角に伸びているからです。実際のハックルを観察頂ければそれがお分かりになる事でしょう。
ここで、実際のハックルの形状を見てみます。

これはFrank Elder氏が育てたOEGのRusty Dun。51番となってますが、番号が若い程、色は別として、ハックルの品質が高いとしております。これは確かBクラスのケープです。

形状は私の下手な模写の真ん中のハックルよりも槍の穂先が長くシャープになっております。透明感も申し分ありません。

背景を黒くすると、穂先の錆色、基部の金色が自己主張をします。

背景を白にすると、ハックル中心部(リスト)は色を失い、ハックルの軸は濃い青色のインキ色。透明感の中に錆色と金色がさりげなく浮かぶ感じになります。


上のケープは相模大野のバートンさんで数年前購入したチャイニーズコックケープ。

チャイニーズなので、ジャネティックハックルの4分の1から5分の1程の値段でしたが、透明感に溢れたハックル。光を当てるとツヤツヤに光ります。その形状は私の模写では一番下のものに近く、ハックル全長に比較しバーブが長い事が見て取れます。

暗い背景ではバーブが金色に強く自己主張します。

しかし、明るい背景では一転して透明感が増し、透明な中にキラッキラと金色が輝くハックル。非常に魅力的なハックルです。


このケープはサワダより以前購入したインドケープ。

透明感も持ち合わせるハックルです。

暗い背景ではバーブの自己主張が強い。より色が濃いハックルです。

明るい背景では、前のハックルの様な透明感はありません。かといって、このハックルがダメというわけではありません。単にバーブの色が濃いため、透明感ではチャイニーズハックルに及ばなかったという事ではないでしょうか。

これはサワダでまた以前購入したロードアイランドレッドのハックル。インドハックルですので、本当のR.I.R.ではありません。

レッドですが、イエローが強いものとは違い、ブラッドレッド的な色。透明感もありランズ・パティキュラーを作るには適当なハックルです。

暗い背景ですと、レッドが強力に自己主張します。

明るい背景でも、元々濃いレッドのハックルなので透明感という表現で言えるかハックルの儚さはさほどなく、いつでも強く自己主張するハックルです。

チャイニーズ、インディアンのコックハックルの形状をドライフライ用に飼育されたOEGとの比較で見ましたが、ハックルバーブが長いため、ハックルの形状は楕円形が強いものになってます。しかし、個々のハックルの「透明感」がWhitingのハックルよりも強い事がお分かりになると思います。透明感のあるハックルであれば、ドライフライのゲイプの1.5倍以上巻いても鱒には全く気にならない筈。また、ウィングをハックルで表そうとしたら、「ウィングの長さと同じ長さのハックルを使う」必要があります。毛針をシルエットだけにして、本物の虫のシルエットと比較すれば理解出来ることでしょう。ジェネティクハックルは、ミッジを巻くのには適しておりますが、普通の大きさのカゲロウのウイングまでを模すハックルフライを作るには適当な長さのバーブが足りず、また、大きなハックルになると透明感に問題が出てきます。今回例に載せたハックルを纏った毛針は、水面上で太陽光の透過する際、その透明感で本物のダンの様に光の輝きを帯び、水面にそれを反映する事でより生命をイミテーション出来るハックルであると思います。
ですので、皆さんにはジェネティックハックルだけではなく、インド、中国のハックルもドライフライを巻くのに適しているのではないですか、と、お伺いしたいところです。
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