思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

丸沼釣行(2019年8月23日〜24日)

2019-08-25 16:26:39 | 釣行記/Fishing Trips

この週末、群馬県は片品村の丸沼へ行ってまいりました。
8月23日、北千住発06:42のリバティ日光で東武日光へ行き、そこでレンタカーを借りました。実は日本でレンタカーを借りるのは初めてでしかも久しぶり過ぎて慣れない左側通行に右ハンドル。初レンタカーは日産のデイズという軽自動車。東武日光駅をおっかなびっくり09:00前には出発、まずは中禅寺湖方面へ走ります。
いろは坂を非力なエンジンで登り、中禅寺湖に到着そこから更に湯川が望める湯滝の駐車場へ。
本当はここで湯川を釣ることも考えていたのですが、如何せん、お腹の調子が悪く、まずは未知の丸沼への到着を優先、湯川での釣りは断念します。取り敢えず湯滝を見物に行くと、その雄大な滝の下には竹竿を振る釣り人。私の見ている中、40cmは優に超える結構な大物虹鱒を釣り上げられ、即座にリリースされておりました。

湯滝。写真では伝えられない雄大さを伝えられないのがもどかしい。

湯滝から湯川に向かう木製遊歩道。次回は是非。

湯滝の駐車場で一服した後はいざ、丸沼へ。出発後は登り道を金精峠までひたすら登ります。西園寺公一氏の「釣魚迷」に、昭和の初め、錚々たる紳士達が金精峠を超え丸沼に通った話が載っておりましたが、当時は本当の難儀な道中だったものが、今は立派な車道が続いております。金精峠を超えて下り坂を暫く走ると菅沼が現れ、それを過ぎて走ると丸沼温泉環湖荘への道標があり、右折します。丸沼に佇む温泉旅館。その標高は1430メートル。奇しくも、オーストリア・シュタイヤーマルク州ムーラウ(Murau)近くのエトラッハゼー(Etrachsee)(爆釣の湖)とほぼ同じ標高。

丸沼の紹介看板が湖畔への入り口にありました。

気温も下界の暑さからはかなり差があり清涼な爽快さ。山々も何となくオーストリアの僻地の湖を彷彿とさせます。
到着後、ボートを借りて早速釣りを開始。竿はLRH Dry Wet 9'3''。以前ノルマンディーのチョークストリーム、リール(Risle)川に連れて行ったこの竿はチュニジアに持参しすぐフェルールがスレッド共々取れてしまい、昨年機会を見つけて帰京した際、つるや釣具店さんで修理、再ラッピングをしてもらったもの。ノルマンディーの強風の中でのドライフライ釣りでは、この竿の胴調子は多少厳しいものがありましたが、力を入れなくても竿に任せれば糸が出て行ってくれるこの英国竿のアクションは何とも興趣に溢れます。

8月23日午後、ボートをいくら漕いで見回っても魚の姿は見えず、時折跳ねもありますが、小魚か何かのもの。宿の反対側に位置する一番遠いダムまで行き、引き返します。

色々な入り江にシルクラインを伸ばしてやりますが、水温は20度以上。魚は水深の深いところに行ってしまったようで、シンキングラインにヘビーウェイトのフライでなければ釣りにならないようです。竹竿にシルクライン、条件があれば英国・アイルランド風のロッホ流釣りでもとの目論見は木っ端微塵に粉砕され、現実の厳しさを突きつけられたのでした。

23日は余りの反応の無さに足先もダレてしまっているのが判ります。
金曜日は結局ボウズ。宿で良い湯を浴び、美味しい夕食を堪能し、早々に床に着きました。

翌24日も厳しく、全然魚のアタリが無く、日曜日は早朝出発して湯川で釣りでもするかな、と考えていた午後3時、漸くある入り江で魚を発見。湖上に大量に浮かぶトンボに似た毛針は無く、かつ、トンボを食べているか判らないので、困った時のシルバー・サルタン頼みと14番の黒い毛針を結び、その魚の進行方向へ投げ込みます。
糸フケを取ってさあアタリをとるぞと思った瞬間ガツンと来たので手首を返すと、竿が曲がり糸が出ます。長く苦しい時間を過ごした後の待望の魚信に多少慎重にやり取りし、愛用のテレスコピックタモに入った魚は尺も無い虹鱒さんでした。

腹は何を食べているのか、パンパンに張ってます。トンボか他の陸生昆虫でしょうか。

このSaltounという毛針は、黒いボディにスターリングのウィングというシンプルなものですが、オーストリアのグレイリング釣りで厳しい時に効果を発揮する等、最後の保険のような毛針。今回もこの毛針に救われました。

近影です。

夏の丸沼の厳しさは、エトラッハゼーに比べるととんでもないものがあり、心が折れそうな長い時間を過ごしましたが、取り敢えず一匹釣れたのでまずは良しでした。ここには幸田露伴、井伏鱒二、そして開高健が訪れ、特に開高は10数回訪れて釣りに明け暮れたそうです。虹鱒の泳ぐ水槽があるニジマス風呂は開高もお気に入りだった由。往時の釣りと同じ釣りが今も出来るのか私には判りませんが、初めての場所に行き、そこで釣りをして、その土地の言われを知る。それもまた楽しやと思いました次第。
日曜は湯川によらず東武日光へ直行。午後1時過ぎには帰宅出来ました。途中の山道・いろは坂は結構緊張しました。やはり自分で運転しない釣りに慣れてしまっているのでしょうか。これからは鉄道プラスレンタカーで射程を伸ばそうかと思っております。
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養沢釣行(2019年8月10日)

2019-08-11 20:16:05 | 釣行記/Fishing Trips

三連休の初日、帰国してから初めての養沢に行ってきました。
電車の時間が多少変化し、以前は5時36分だったのが、今は5時32分に最寄り駅出発。登戸で南武線に乗り換え立川へ行き、そこで武蔵五日市線に乗り換え6時58分に武蔵五日市駅に到着。そこで上養沢行きのバスに飛び乗り、養沢の事務所に7時30分前に到着。

事務所に到着する前のバスの車内。

連日暑い日が続いていますが、当日も朝から日差しが強く、釣り人も少ないのか、普段なら7時30分くらいにくれば二桁なのが、4番目の入渓です。

暑い中準備をして川上に向かって歩きますが、汗が吹き出し偏光グラスを外して拭いてもすぐその後から吹き出してきます。遠藤前から入渓しましたが、暑さと汗で釣りに集中するどころではありません。帰国後に巻いたフランス・ハックルのドライフライにハーディー・マーベル7'6''で虹鱒をかけますが、水温も20度を超え魚の活性も低いのでしょう、後が全然続きません。ポンプ小屋で日差しがある場所の釣りは諦め、その上流に入りました。

上流でも汗は絶えず吹き出し、帽子、シャツはびしょ濡れ。ポツポツ虹鱒を釣りますが、気が遠くなりそうな暑さに、釣りに来て失敗したかなと多少後悔。

そう言えばと思い出したのが、堰堤。上流の堰堤なら涼しいかと思い堰堤前に佇むと、霧雨のような水に気温も低く汗もそれまでが嘘のように引いて行きます。
滝壺のプールには魚が水面近くに泳ぐ姿が見られ、川の他の場所より条件は良さそうです。
霧で偏光グラスが濡れて見えにくいですが、ドライフライを浮かべると今までよりも反応良く大型ヤマメも虹鱒も泣き尺ですがマーベルを引き絞ってくれました。

27cmのヤマメ。毛針の中でも、前回会津大川で大型虹鱒をかけたハニー・ダンのハックルのもの、ラスティー・ダンのものへの反応が良く、全体に白っぽいハニーへの反応は今ひとつでした。日陰ですと、ダン系統の毛ばりは遠目で見難く、何だかボンヤリした感じがあるのですが、日が差すところではそれが印象的に煌めきます。それがまた釣れそうな感じを与えてくれました。

7月の虹鱒に続きヤマメに遊んでもらったフランス・ハックルの毛針。多少ヨレてますが、未だ活躍してくれるのではないかと期待しております。

堰堤での釣りも12時までで止め、遠藤前で水分を補給、ゆっくり歩いて事務所に戻り漸く一息つきました。冒頭の写真は事務所のテレビの下にあるものですが、右の養沢創始者のブレイクモア氏が持つのが左のハーディー・マーベル7'6''。今回私が使ったマーベルと一緒の50年代製の様です。もう少し涼しくなったら、ブレイクモア氏も愛用したマーベルを持ってまた養沢に出向こうかと思います。
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