毛鉤が鱒類にどの様に認識され、捕食行動(或いは攻撃行動)に結び付いているのか、は長年釣り人の間で議論されてきたことです。ハルフォードの厳格なる模倣、それを人間の目から見た模倣は魚から見たカゲロウの姿とは違うとして非難した数々の議論。光の影響、陽光の下で見た色彩の変化、等々議論は散々出尽くした様に思えますが、一点気になっていたことがあります。
それは、魚の目には青、赤、緑の色を知覚する錐体の他に紫外線を知覚する錐体があるということ。人間とは違い虹鱒の目には紫外線が良く見えているということは科学的に証明されているので、他のサケ科の魚も紫外線が良く見えているとすると、私達が人間の目で知覚しカゲロウにそっくりと思っている毛鉤は鱒類の目から見ると一体どの様に見えているのでしょうか。
また光は水中では減衰するので、紫外線の影響はウェットフライでは然程無いかも知れませんが(例えば赤外線は水中深くまで到達しないので鯛の赤色は水中では黒っぽい保護色になっている等)、水面上にあるドライフライでは影響が大きいのではないのか?
日本でstay home(ステイ・ホーム)と過度に横文字好きな政治家により米語(英語ではstay at homeと"at"が入ります)で行動制限を強いられた中売り上げを伸ばしている通販を見ていたら紫外線ライトというものが売られているのを見つけ、900円で購入、早速実験してみました。
これはFrank Elder氏のRed Hackle。
紫外線下で見ると案外白っぽく見えるのが分かりました。
これはKeoughのWhite Hackle。1990年代初めのものです。
全ての可視光線を反射する白はここでは青っぽく見えます。
これはMetzのLight Blue Dun。
紫外線下ではリストが紫色に変化しております。但しバーブはWhiteの様に青色がかっております。
これは少し前に紹介した英国のOlly's HacklesのBlue Dun。全体に灰色がかっているもの。
紫外線下ではこのグレーが紫外線を反射し全体に紫色に変化しております。
これは1940年代の英国のHoney Dun。リストは本当の青、バーブはRed或いはRustyに見えます。
本当の青のBlue Dunのリストなのでこれは青色に浮かび上がるのは兎も角、これが面白かったのですが、人間の目にはRed〜Rustyに見えるバーブの一部が紫色に光っております。つまり、灰色の色素がバーブの中に入っている様なのです。
これは1940年代の英国のBlue Dun。
これも上のHoney Dun同様にバーブの一部が紫に光ります。
これは数年前に相模大野で購入したチャイニーズ。
紫とは言えませんが、紫外線下でところどころキラリと光ります。
これは2018年にオーストリアのムーア川でグレイリング釣りをしていた、ドイツ語の訛りから判断するにオーストリアの釣り人から貰ったニンフ。
紫外線を当てると赤い部分が強烈に光ります。しかし、紫外線を強く反射する水面の更に下に沈めるこの重りが入ったニンフが実際魚にどこまでアピールするかは怪しい感じが致します。
この実験で分かったことは、紫外線の影響を直接受けるドライフライ、特にハックルについては、人間の目にも見える青、赤、緑以外の色も考慮する必要があること、更により具体的に言うと、灰色は紫外線を反射し紫色に魚の目には見えている可能性があること、でしょうか。
カゲロウの亜成虫、ダン、の羽は人間の目には灰色〜濃い灰色に見えますが、魚の目には紫色に見えているのかも知れません。そう言うことも考えながら毛針の材料を検討するのも面白いかな、と、思った次第です。
それは、魚の目には青、赤、緑の色を知覚する錐体の他に紫外線を知覚する錐体があるということ。人間とは違い虹鱒の目には紫外線が良く見えているということは科学的に証明されているので、他のサケ科の魚も紫外線が良く見えているとすると、私達が人間の目で知覚しカゲロウにそっくりと思っている毛鉤は鱒類の目から見ると一体どの様に見えているのでしょうか。
また光は水中では減衰するので、紫外線の影響はウェットフライでは然程無いかも知れませんが(例えば赤外線は水中深くまで到達しないので鯛の赤色は水中では黒っぽい保護色になっている等)、水面上にあるドライフライでは影響が大きいのではないのか?
日本でstay home(ステイ・ホーム)と過度に横文字好きな政治家により米語(英語ではstay at homeと"at"が入ります)で行動制限を強いられた中売り上げを伸ばしている通販を見ていたら紫外線ライトというものが売られているのを見つけ、900円で購入、早速実験してみました。
これはFrank Elder氏のRed Hackle。
紫外線下で見ると案外白っぽく見えるのが分かりました。
これはKeoughのWhite Hackle。1990年代初めのものです。
全ての可視光線を反射する白はここでは青っぽく見えます。
これはMetzのLight Blue Dun。
紫外線下ではリストが紫色に変化しております。但しバーブはWhiteの様に青色がかっております。
これは少し前に紹介した英国のOlly's HacklesのBlue Dun。全体に灰色がかっているもの。
紫外線下ではこのグレーが紫外線を反射し全体に紫色に変化しております。
これは1940年代の英国のHoney Dun。リストは本当の青、バーブはRed或いはRustyに見えます。
本当の青のBlue Dunのリストなのでこれは青色に浮かび上がるのは兎も角、これが面白かったのですが、人間の目にはRed〜Rustyに見えるバーブの一部が紫色に光っております。つまり、灰色の色素がバーブの中に入っている様なのです。
これは1940年代の英国のBlue Dun。
これも上のHoney Dun同様にバーブの一部が紫に光ります。
これは数年前に相模大野で購入したチャイニーズ。
紫とは言えませんが、紫外線下でところどころキラリと光ります。
これは2018年にオーストリアのムーア川でグレイリング釣りをしていた、ドイツ語の訛りから判断するにオーストリアの釣り人から貰ったニンフ。
紫外線を当てると赤い部分が強烈に光ります。しかし、紫外線を強く反射する水面の更に下に沈めるこの重りが入ったニンフが実際魚にどこまでアピールするかは怪しい感じが致します。
この実験で分かったことは、紫外線の影響を直接受けるドライフライ、特にハックルについては、人間の目にも見える青、赤、緑以外の色も考慮する必要があること、更により具体的に言うと、灰色は紫外線を反射し紫色に魚の目には見えている可能性があること、でしょうか。
カゲロウの亜成虫、ダン、の羽は人間の目には灰色〜濃い灰色に見えますが、魚の目には紫色に見えているのかも知れません。そう言うことも考えながら毛針の材料を検討するのも面白いかな、と、思った次第です。