思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

今年初めての養沢(3月23日)

2013-03-24 12:41:39 | 釣行記/Fishing Trips
寒い冬から3月に入り一気に暖かくなり、桜も開花した週の週末、今年初めての釣りをしに養沢に行って参りました。
いつも通り5時36分発の小田急線に乗ります。東北沢から世田谷代田までの地下化がまさに始まった当日という事で、どんなものだろうかと思っておりましたが、東北沢手前から地下に潜り、通り過ぎる駅は何となく東京メトロの駅のような雰囲気です。下北沢駅ではテレビカメラもウロウロしたお祭り騒ぎでした。
その後、登戸で乗り換え立川で乗り換え、武蔵五日市でバスに乗り、7時30分くらいに養沢に到着致しました。
真新しい事務所にはストーブが焚かれ、昨年の仮事務所を経て、以前の事務所より良くなった事に何となく嬉しくなりました。
今年初めての釣りはドライフライのみ、ティッペットは4Xと決め、Phantom 9'を持参しました。

真新しい事務所のテラスで道具を仕立てます。太陽が降り注ぎ一見ドライフライには良さそうな雰囲気ですが、未だ春が一杯に広がっているような状況ではなく、日陰では植物も枯れた色で冬が頑固に居座っている様です。

Phantomを担いで取りあえず上流を目指し歩きます。川の水は何時もよりかなり少なく、淵では流れ込みだけに水の動きが見られるような感じで、一見してドライフライには厳しい状況である事が分かります。
午前中は、松葉、遠藤商店前、神社下、高橋と釣り歩きましたが、魚は底に沈んだままで、ウェイテッドニンフ以外では中々無理そうです。John Waller Hillsの"A Summer on the Test"に、John Worlidgeが1669年の著書"Systema Agriculturae"に書き記したという"...the Trout that lied upon the Fin in such strong Currents,....."という表現があり、著者もその表現を高く評価しておりますが、将に胸びれに乗ったという感じで流れに泳いでいるやる気のある魚は、残念な事に、あまり見られませんでした。
そんな中でも、時々魚のアタリがあるのですが、中々乗りません。濃いグレーに見えるスピナーが低く群舞しています。捕まえていないので正確でないでしょうが、フックサイズで12番程もありそうです。
という事で、最初はIron Blue、その後Kite's Imperialとグレー系のフライを使いましたが、最初にヒットしたのは実際に飛んでいる虫とは違い、Tup's Indispensableでした。

午後は松葉より下流で釣ってみます。
養沢センターの近くの流れに入り、川岸の縁で深さがあり水の動きがある所がありました。Tup'sが着水し、流れに乗るとアタリ。合わせるとPhantomの竿先がグッと曲がります。魚は上流へ泳ぎ、そうはさせまいとこちらは竿の弾力と4xの糸の強さを信頼して竿をタメます。結構時間がかかりましたが、虹鱒を上げる事が出来ました。31cmの鰭がピンと張った虹鱒でした。



最後に事務所下の淵でOlive Quillで魚を掛けましたが、なんとタール・ノットが解けてしまい、逃げられました。
15時5分のバスで帰り、約2時間後に帰宅です。
さて、今年の釣りはどうなるのでしょうか。
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(英国の古いハックル)Medium honey dun & co.

2013-03-17 14:01:04 | ハックル/Hackles
東京も暖かい日差しに包まれた土曜日の午後、毛針を巻いて見ました。



使ったハックルはMedium honey dun, Pale blue dun gold tipped (pale honey dun), Blue dun, Medium golden dun, Grizzled dun (Cree)です。




これはMedium honey dunを使ったOlive dunですが、ハックルの先端がブルーになっているのが見えますでしょうか。


ハックルの真ん中(リスト)がブルーなのはこの画でお分かりと思いますが、ハックルの先端部分もブルーが入っております。普通はリストがブルーで先端はハニーなので、希少なハックルです。


ちょっと大きめのハックルを写してみます。リストにブルーが入り、先端にはまたブルーが出ていおります。光の加減で非常に透明になったり、太陽光を反射してハニーになったりします。


ハックルの先端までしっかり色が入っております。


これはMedium golden dunを使ったKite's Imperial。


これはHoneyが入ったBlue dunで巻いたSherry spinner。


これはCreeを使ったハックルフライ。Mediumのジンジャー、白、薄いジンジャーが混じった面白い色になっております。

全て透明感のある毛針になりました。
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(英国の古いハックル)Messeena Medium Golden Dun Cock & Cree

2013-03-16 12:05:58 | ハックル/Hackles
30数年前に買った沢田賢一郎氏の「フライ・ドレッシング」(1980年)を改めて読み返しますと、日本語の文献でハックルについて書かれたものの中では非常に優れた内容である事を再認識させられます。
例えばハニー・ダンについては「この色はハニーがかかったダンと思われているが、実際にはダンまたはダーク・グレーの不鮮明な模様の入ったハニーのことである。もっとも一般的なのはハニーの根本や芯にダーク・グレーやダンのしみのような模様が入っているもので、。。。」とあり、この定義で見てみれば今日本で売られているハニーダンの殆どはハニー或はジンジャーとなってしまう事でしょう。

先月入手した英国の古いハックルに"Medium Golden Dun"というものがあります。Messeenaより購入した様です。


(この封筒に入っておりました)

これはバジャーやグリーンウェルの様にリストが濃い色になっているハニーで、リストの色はレッドとジンジャーの中間色です。



このリストの色が「ダン」に当たるかどうかは悩むところです。





が、日光に当てると「Gold」に輝くハックルです。



次に"Grizzled Dun Cock"というハックルがあります。Veniardより購入した様です。

これはGrizzled Dunと書いてありますが、正しい分類ではCreeでしょう。







このハックルはジンジャー、白、黒が入ったものでハックルの先端に至るまで色がしっかりしたものです。しかしながら透明感もあり中々楽しめそうな感じです。
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ドライフライのハックルの巻き方

2013-03-09 21:58:40 | 毛針/Flies
私がフライフィッシングを始めたばかりの1980年に買ったフライタイイングの本を久しぶりに眺めてみました。
ティムコが出版した「フライ・タイイングの初歩(How to tie freshwater flies)」ケネス・E・ベイ著と「フライ・ドレッシング」沢田賢一郎著です。



ケネス・E・ベイという方は米国東海岸の方のようです。沢田さんは英国のジョン・ヴィニアード氏にフライ・タイイングを伝授されたと記載されております。そこで、一つの発見を致しました。



「How to」のドライフライの巻き方(ここではクイル・ゴードン)では、ハックルの先端を針のベントの方に向けて巻き止め、ハックルをアイに向かって巻くやり方の場合、ハックルの表がタイヤーの方に向く様に止めると記載されております。



一方、沢田さんの本では、同じくハックルをテイルからアイに向けて巻く場合、ハックルの裏をタイヤーに向けて巻き止めるとあります。





米国人のベイ氏のやり方で巻くとハックルはアイからテイルに向け傘の様な形になります。これは伝統的な英国ドライフライの巻き方、或はウェットフライのハックルの巻き方です。一方、沢田さんのやり方では反対になり今の日本で一般に行われている水面から出来るだけ離すためのハックルの巻き方となります。
米国人が英国のやり方で巻いているのに、英国人のヴィニアード氏に毛針の巻き方を伝授された沢田さんが反対の方法を行っているのです。

沢田さんはアイからテイルに向かってハックルを巻くやり方も紹介されております。このやり方で英国式にハックルを巻くと、アイ側からテイル側に向かってハックルのバーブが徐々に短くなりより奇麗な傘型になりますし、タイイングスレッドをハックルを通しながらアイまで戻して巻くためハックルが解けなくなります。

今のジェネティックハックルでは短いバーブが何センチも長く続くのでよりきれいな傘型のハックルを作る事は無理ですし、沢田氏のやり方で全く問題はないでしょうが、Old English Game Cockとかインディアンコックではちょっと格好が悪くなります。

という訳で、私はドライフライを巻く際は英国式に奇麗な傘になる事を目指して(中々奇麗な傘というのは私の不器用な指先では難しいのですが)、全てアイ側からテイル側にハックルを巻いております。
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