思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

ノルマンディーRisle川釣行・Le Roy Moulin(2017年6月9日〜10日)

2017-06-12 22:58:18 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe

先月に引き続きノルマンディーのチョークストリームRisle(リール)川へ釣りに行ってきました。
パリのオルリー空港は日本の皆さんには馴染みがないかと思いますが、シャルル・ド・ゴール空港よりもパリ市内に近く、また、ノルマンディーに車で行くにも便利。チュニスエアはエール・フランスと違いオルリー発着なので、チュニスエアを選択。夜8時ちょっと前にオルリー空港からレンタカーで出発、夜10時過ぎにGlos sur Risleにある宿Le Roy Moulinへ到着です。
この宿は敷地内を流れる太い流れとその支流のRisle川の釣魚権を持っていて、そこで釣りを出来るのは宿泊者のみ。マダムは仏・英・独が出来る事もあり、仏、英、伊、米、豪、等等からの宿泊実績がある宿。過去、小生の前にも日本人のご夫婦が宿泊した事があるとマダムから聞きました。

今回は日本式で言う3階の部屋。写真で見ると一番左上の窓のある部屋です。

宿の前の芝生を越えればそこはRisle川の太い流れ。夕刻にはここでもたまに大きなライズがありました。

さて、6月9日の釣りですが、日中はライズなし。羽化も前回5月よりも少なく、どうしたのかと聞いたら、数日前に激しい雷雨があり川の状況が大分変わってしまったとの話。こういう逆境は過去も何回か経験してますので、諦観し、その状況でなにが出来るか考える事にしました。支流の方では日中ニンフに二回出たのですが、何と途中で二匹とも逃げられるという失態。

そこで夕方、上流の太い流れの方に行き運試ししました。Spent Gnat (死んだメイフライのスピナー)が流れてきたり、メイフライのダンが水面を流れたりと期待させられましたが、結論より言えばライズなし。
6月9日は結局一匹も釣れずに撃沈でした。
その日は夜10時半くらいから朝2時まで夕食。他に客がいなかったのでマダムと二人で赤ワインと地元名産カルバドスを楽しみ過ぎ大分夜更かししてしまいました。

翌6月10日は昼から支流の方で釣りを開始。水面では羽化も見られず、当然ライズもなし。しかも、週末でもあり上流からカヤックツアーの客が流れてくるという最悪のコンディション。そこで誠に不本意ながら、ニンフを投入する事にしました。使ったのはGrey Goose。グースクイルのファイバー4〜5本とゴールドワイヤだけというシンプルな毛針。それを結び、リーダーには先端を除きグリースを塗って水面に浮かぶ様にし、毛針を投げた後はリーダーの動きを注視します。

そうすると、写真右側の木の下の影になっている水面を流れるリーダーに動きがあり、合わせると魚がかかりました。「やった」と今度は逃がさない様に慎重に取り込んだのは何と虹鱒。放流魚は一匹も入れていないとマダムは言ってましたので、虹鱒もRisle川で既に定着しているという事でしょう。
因に、Risleを英米人は「リスル」と発音するけれど、Ris-leと分けて「リール」と発音する事、また昔は綴りが異なっていて、Ryleだった事もある事、宿の名前 Le Roy MoulinのRoy(王)は今の綴りのRoiとは違うけど昔の綴りのままな事、同じ様なLe Royを付けた名前が近所に多くあるので、昔は王様の通る道筋に当たっていたのではないかと思われる事、等等、どうでもいいのでしょうが、興味あるお話をマダムから伺いました。

それからライズを求め午後上流から下流まで歩きましたが、何も起こらず、一旦宿に戻り休息後夜7時から最下流の堰の下の流れで釣る事にしました。そこは背後に高い草と木があるため投げるのが非常に煩わしいところですが、何とか毛針を投げて流すと、川藻の上の水面に鱒の頭が出て丁度流していた10番のGrey Dusterを咥えました。大きなサイズのGrey Dusterはメイフライのイミテーションとしてもっと手の込んだパターンがダメでも威力を発揮すると聞いたので使った次第。
その魚、鈎がかりした後即川藻の中に逃げ込み、結局リーダーも川藻に巻き付いて魚を取り込む目処もなくなりました。仕方なく力任せに引っ張りティペットの接続部分が切れて取りあえず釣りに戻る事が出来ましたが、川藻に逃げ込む事を忘れていたのは私の完全な失態です。
多分今回の一番大きな鱒(頭が結構大きく見えたので)を失ったショックから立ち上がれないまま、French Partridge May Flyを結びより上流に投げると水面が割れ毛針を咥えました。合わせるとこれはブラウントラウトの引き。今回は慎重にやり取りして釣り上げたのが上の鱒です。

今回もオーストリアに比べれば貧果になりましたが、チョークストリームでクラッシックな釣りをするという経験に感謝です。宿に戻れば宿の大型犬ルルがお出迎え。

大型犬に飛びつかれると結構大変ですが、お転婆のルルは全く構わず飛びついてくるのでした。
尚、犬嫌いの宿泊者が居ればルルは部屋に閉じ込めておくそうですので、心配無用です。
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Lock's Fancy

2017-06-04 19:03:40 | 毛針/Flies
John Waller Hillsの著した「A Summer on the Test」にLock's Fancyというドライ・フライが出て来ます。例えば、1924年4月30日にHillsはKennet川で00番のLock's Fancyを使っております。

この毛針は今インターネットで検索しても出て来ません。しかも名前にはどのような毛針か判断する材料がありません。そこで、A.C. Williamsのパターンブックの古典「A dictionary of trout flies」を見ると、Lunn's Particularの一つ前に記載されており、ペイル・ウォータリーズの最高のイミテーションの一つとあります。
材料は:

Body: Pale primrose silk, ribbed with fine gold wire (ボディ:プリムローズシルクにゴールドワイヤで段巻き)
Hackle and Whisks: Pale honey dun cock(ハックルとテイル:薄いハニーダン・コック)
Wings: Light starling(ウィング:明るいスターリング)
Hook: 14 to 16(鈎14〜16番)

ラマダンで何もする事がない今日、昔のHuchinson鈎にLock's Fancyを巻いてみる事にしました。

Primrose silkは昔の英国のもの。新しくても1940年代のものと思われます。最近まで作られていたゴッサマー・シルクと比べると切れ易く慎重にワックスを塗り余り強く引っ張りすぎない様に気を付けます。

スターリングは何時ものようにダブル・ウィング。いいハックルを使った毛針が一回使っただけでウィングが壊れてしまうのは忍びなく出来るだけ長く使える毛針にしようとの思いからです。

小さなHuchinsonの000番鈎(17番程度)にウィングを乗せます。自然にウィングは開きますが、一度だけ八の字巻きをしておきます。

テイル、ゴールドワイヤを付けシルク糸をそのままボディにしゴールドワイヤをウィングの後ろで切ります。

薄いハニーダンのハックル。Paleというのはリスト(羽の芯の部分)が薄いブルーダンになっているという事と解釈し、それに合いそうなハニーダンを選びました。

ハックルはヘッドからテイルに向かって巻いて行き、ウィングの後ろで巻き止め余分をカット。シルクはハックルの間を何巻かしながらヘッドみ戻します。小さい毛針なので、それ程ハックルを巻けません。前後合わせて6巻き程度です。

ヘッドでウィップフィニッシュでシルクを切りヘッドセメントを落として完成。Primroseのシルクの上に載せましたが、ワックスの色等で元のシルクとは多少色が違っております。

10円玉と1ユーロ硬貨と比較した毛針の大きさ。老眼オジサンにはこれがもう限界です。
ノルマンディーの鱒か、オーストリアのグレイリングに使おうと思います。
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