思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Sneck鈎に毛針を巻く

2017-04-23 11:06:03 | 毛針/Flies
英国の古い鈎を入手したので、次の釣行に備え毛針を巻く事にしました。
とは言っても老眼が進行し近くが全く見えない事と仕事帰りの夜間の作業というオジさんには大変ハードルの高い仕事。昔のように意欲一杯で次々に巻くという訳にはまいりません。

それでも一週間コツコツやって、全部で21鈎巻きためました。

Orange Quillは12鈎。実際のハッチに関わり無くオーストリアのMur川のグレイリングにはこのオレンジ、否、水に濡れるとダークブラウンか?の鈎が良く効くのです。サイズはSneckの1番(14番)。但し、ゲイプはAlbert PartridgeのWide Gape鈎の16番くらい。グレイリングのおちょぼ口にも十分吸い込まれる大きさです。

Tup's Indispensableは2鈎。

Kite's ImperialはLarge Dark Oliveをイメージ。2鈎巻いて見ました。

それから、ドライがだめな場合、欧州でも日本でも実績のあるSnipe and Purpleも5鈎結びました。Snipeのハックルが厚めですが、釣りをしてハックルが抜けてくると更に良く効いてくると思います。尚、ドライフライはアップアイ、ウェットフライはダウンアイに結びました。

夜なべ仕事の毛針巻き。Sneck鈎をバイスに固定し、PearsallのGossamerシルク糸で下巻きします。このシルク糸は伸縮しないのでワックスを効かせて一巻きすると思う通りに材料が固定されます。

Starlingのクイルを用意します。耐久性と扱い易さを狙い二重にします。一匹かける毎にウィングが壊れたら、オールドイングリッシュゲームコックのハックルがもったいないので。

二重にしたクイル色の薄い側同士を合わせると自然にクイルウィングは広がります。

シャンクに結びますが、二重のクイルにすると強さが出て修正も容易。結構簡単に結べます。

こんな感じにウィングが乗りました。若い方には想像出来ないと思いますが、老眼で手前が見えないのでこんな簡単な作業でも神経が疲れます。

Frank Elder氏の遺されたオールドイングリッシュゲームコックのハックルを結びます。

アイから巻き始め、ウィングの後ろまでハックルを巻いたら、シルク糸でハックルの間をアイに向かって巻いていき、ウィップフィニッシュでヘッドを作って出来上がり。平日の仕事帰りの疲れた状態では2鈎を作って終わりというペースでした。
5月は忙しいので欧州に釣りに行けそうになく、断食月ラマダンで暇になる6月に向けカタツムリのペースになると思いますが毛針を巻きためたいと思います。
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Hardy Loch Leven (Special) H34617 (1960年製)

2017-04-09 14:26:11 | Hardy Palakona
Loch Levenは1929年から1939年まで製造された湖でのウエットフライ釣り用の竿。James Leighton Hardy氏の著書"The House the Hardy Brothers built"によれは、11'6、12'6の3本継の竿となります。
そのLoch Levenの名を冠した10'の2本継のパラコナ竿を英国から先日入手してしまいました。製造番号H34617ですので、1960年製。Loch Levenの後に"(Special)"と銘が入っておりますので、特注品か特別復刻版と思います。

ロンドンの宿に届けられたこの竿はグリップにプラスチックは巻かれておりませんでしたが、新品にしか見えない状態の竿です。

さすがに、10'の2本継ですので、全体像を写すのはちょっと無理です。

赤い段巻きが施されておりますが、リングのラッピングは緑のシルクでティッピングされております。この色の組み合わせは他の竿には見られないものです。
(追記)1939年製のLRH Wet 9'3''で同じ様に緑のシルクでティッピングされた赤のラッピングの例がありました。これはウェットフライ釣り用の竿独自の仕様なのでしょうか。

メタル部品は未だピカピカ。今年で57歳とは全然思えません。

フェルールはHardy独自のロックファスト。使用中にフェルールが外れる事はありません。

フルオープンブリッジ。

2本継の竿は通常は替えトップが付いて来ませんが、特別製造なのか2トップとなっております。

竿袋は流石に57年の歳月で色あせております。

銘にはLoch Leven (Special)とあります。

1960年代のパラコナ竿の銘は大振りで踊ったような手書きになりますが、これは未だ1950年代に記銘していた担当の方のマニュスクリプトのように思えます。

しかしながら、1950年代のパラコナ竿には通常見られないフックキーパーが付いております。

ピカピカの竿尻には製造番号H34617と刻印されております。

コルクグリップの上の方にはバーニッシュが広がっております。
この竿の調子ですが、ロッホスタイルの釣りの竿と言えばイージーアクションの竿と思うのですが、さにあらず。新品で未だ張りが強い事もあろうと思いますが、Gold Medalの様に胴調子でありながら、ティップのみを曲げる事も容易で、先日ご紹介したPezonのSawyer Nymphと同じ様な調子です。従い、ドライフライにもウェットフライにも今の状態であれば使えそうです。またライン番手は記載されておりませんが、AFTM 5〜6番が合うのではないかと思います。最も、竹竿の場合は許容範囲が広いので、AFTM 4でも7でも使えると思います。

さて、昔Phantom 10'の記事のところで、HardyのRod Pattern Numbers Bookに触れました。このノートはHardyが過去の同社製の竿の仕様を将来に亘って残す為に自社で保管した基準竿をリストアップしたものです。

それを広げると、1番〜25番までがサーモン竿、26番〜143番が毛針竿(鱒竿)となっております。

更に鱒竿の一番、26番はLoch Levenの10'、2本継の竿で、1969年7月3日に基準竿が登録されております。

冒頭のJames L. Hardy氏の本ではLoch Levenな11'6"、12'6"の3本継の竿となっているのですが、11'6の3本継は基準竿であるものの、10'と10'6''は2本継の竿が基準竿となっており、1939年と1969年の間に何か仕様の変更か或は特別復刻製造がされたのか、何らかのイベントがあったような雰囲気です。本竿はその確たる証人という事でしょうか。
(追記)1935年のアングラーズガイドにLoch Levenに10'と10'6''が追加されたとありました。
10'の2本継ですので、飛行機で運ぶのは追加料金がかかる可能性があり面倒そうですが、オーストリアでの釣りに連れて行ってやりたいなと妄想しております。
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養沢釣行(2017年3月17日・18日)

2017-04-01 09:34:25 | 釣行記/Fishing Trips
3月中旬、所用があり一時帰国致しました。
用事も何とか片付け、週末のチュニス帰路までの間、3月17日(金)・3月18日(土)の二日間養沢へ行って参りました。2017年の初釣りです。
未だ気温も10度程度、水温は7度と寒く、ドライフライでは出ないだろうなとは思いましたが、スーツケースに斜めに入れられる竿はHardy Marvel 7'6''三本継だけなので、それを持参。淡い期待を胸に都心から電車・バスで川へ向かいます。

3月17日は平日なので、電車のダイヤの都合上、養沢には8時半過ぎにしか到着出来なかったのですが、既に17番という番号。相当人が入っていたようです。それで、この時期でも魚の動きが期待出来そうな遠藤前を目指し歩いて行きました。

遠藤前は水が少なく流れは通常よりゆっくり。この難条件下でドライフライを投げましたが、一回魚が出たものの、痛恨の合わせ切れ。そこから先は音信不通になりましたため、スナイプ アンド パープルを結びました。この毛針、紫色のタイイングシルクのボディにスナイプのフェザーという簡単極まるものですが、水温が低い条件下、過去数々の魚を掛けてきた実績のある鈎。養沢に来る前も、ニンフを使うのは嫌なので、多分これでなければダメだろうなと思っていたものです。上の写真の鈎は魚を掛けてシルクがボロボロになったもの。

ティペットはそのままにして、リーダーにはグリースを塗り良く浮かぶようにします。毛針は唾で濡らして沈み易く下準備をした上でアップストリームに投げ込みます。光の関係で見難い場合もありますが、水面に浮かぶリーダーの動きと魚の動き、そしてblind man's sixth senseという言葉がピッタリの第六感でアタリを待ちます。写真の流れではリーダーの動きだけでアタリが良くわかり、おかげさまで沢山の虹鱒に遊んでもらいました。

翌3月18日も、都心に居てもやる事はなし、代々木上原駅まではタクシーで、そこで5時36分の小田原行き急行にのり南武線経由立川で武蔵五日市線へ乗り換え、7時半前には養沢に到着です。前日よりも陽光が暖かい中、同じ場所で同じ毛針を振ります。暖かさが気持ち良く、また、金曜日よりも人が少なかったためもあり快適な釣りになりました。

虹鱒の口の右側にはスナイプ アンド パープルがしっかりかかっております。昔の達人の様に目印のようなものは付けずに竿先の感覚とリーダーの動きを中心にアタリを取って行く技を磨くにはこの手の釣り方は多分入門し易いものではないでしょうか。流石にMarvel 7'6''の短竿では竿先の感覚でというのはフライラインの処理に難があり、養沢ではリーダーの動きでのアタリ取りが中心になりましたが。

昼過ぎには帰りのバスに乗りたいので、午前中で遠藤前の流れにお別れし、事務所下でちょっと遊ぶことにしました。

事務所下では毛針のスローリトリーブに虹鱒・山女魚がアタックしてくれ、根を詰めない気楽な釣りが出来ました。でも釣れるヤマメは全て脂ビレがちゃんと付いている魚。私は養沢の標識山女魚を未だ釣った事がありません。

そんな釣りの最中、水面にカゲロウが流されて来るのを見ました。羽化に失敗してもがいているので可哀想に思い石の上に置きます。和名でマエグロヒメフタオカゲロウ、欧州の釣り師は簡単にマーチブラウンと呼ぶカゲロウ。サイズは13番くらいでしょうか。後少ししたらドライフライで楽しめるかなと思う次第です。
欧州の釣り場は未だ未だ釣りになりませんが、4月末以降フランス・ノルマンディーだったら大丈夫かなと期待しております。
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