このブログを始めてから15年近く経っておりますが、今回初めてカーボングラファイト竿について投稿致します。
Hardyのカーボンロッド、Fred Buller Graphite Drifter 11' #5がそれです。
竹竿一筋の私がこの竿に興味を持ったのは、ブログを拝見しているyugawaski様やブログ「悠々気ままな時間」等で日本では極めて稀な竿であり、その調子は極めて独特なもので普通のキャスティングは困難或いは不可能、手首に極めて負荷がかかる。。。にもかかわらず釣趣に溢れた釣りが楽しめて大きな魚も相手に出来る11フィートの長竿という議論がされていたことに発します。
それで探してみたところ、英国で発見し、ボンドが今のように対円で高騰を見せる前のタイミングで入手出来、ロンドンからモロッコに持ち帰ったもの。
私が入手したこの竿はHVとあるので1981年7月製の竿。外見は何の変哲もない3ピースのグラファイトロッド。ただ、馴染みのパラコナ竿と違うのはトップとエンドのリングがセラミック入りのものであること。
竿尻にはボタンが付きますが、リールシートにはプラスチック製の部品があてがわれパラコナの様な高級感は少なく実用モットーなデザイン。
黒いグラファイト素材の上に#5 Fred Buller Graphite Drifterと記銘されております。
11フィートでAFTM 5というのは当時主流だったとは思えない組み合わせ。今ならユーロニンフとかに長尺でライトライン用の竿もありますので珍しくもないのでしょうが。
竿には11'とあり、11フィートの長竿であることを示しております。
HV8730とあるのはHV=1981年7月として、8730番目の竿という意味?いくらなんでもそんなに竿の生産量は無かったのではないかと想像致します。。。
この竿は英国の著名釣り師であるFred Buller氏がスコットランドやアイルランドで盛んなLoch Fishing用に開発したもの。つまりボートを使い風にある程度流されるDrift Fishing用の竿です。この竿を試すとすれば欧州で私が知っているのは一ヶ所。オーストリアはシュタイヤーマルク州の山中標高1400mにあるEtrachsee(エトラッハゼー)。先週イスラム教の祭日犠牲祭で連休となったところを利用しそこに行ってきました。
ボートから長竿を出して釣りを致します。因みに私が使って感じたことは、手首が破壊される様な程胴調子の長竿ではなく、トップは柔らかいものの調子はグラファイトらしくそれ程胴調子ではない、というもの。この竿よりもGold Medal 10'の方が下手をすれば手首がオシャカになりそうです。
キャスティングについては、トップが柔らかい故に前後に振り回すキャスティングには難があり、ボートよりラインを水から引き上げ、ラインの重さと水面張力を使って前に投げるウェットフライキャスティングを念頭にした竿と思います。実はこの調子に似たHardyの竿にLRH Wet 9'3''がありこれもフォルスキャストをする様に設計されていない竿。その経験があったのでFred Bullerにも余り違和感は感じませんでした。
爆釣の湖と謳われただけありイワナがバシバシ食いついてくるのですが、昨年に比べ今年は魚のサイズも上がり環境が良くなっているような感じです。
また、昨年全然見られなかった虹鱒も出てきてくれてその健在なところをアピールしておりました。
ボートから降りた後、フォルスキャストを加えたキャスティングで桟橋より釣りを致しましたが、今この湖で圧倒的なマジョリティであるブルックトラウトの他に、アルプスイワナも釣ることが出来、その数の回復に期待するところです。
釣りの後は地元Murau(ムーラウ)が誇るMurauer Bier(ムーラウァー・ビア)を湖畔の茶屋で賞味。朝01:15発の飛行機でフランクフルト経由ウィーンへ飛んで10:00ちょっと前に到着、そこからレンタカーを3時間飛ばし260kmを走破したどりついた後、釣りに勤しんだもう若くないオジサンは今回このビール二杯で沈没し早々に湖畔の宿で爆睡したのでした。