思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Hardy Fibalite Perfection 10'3'' #6 3pcs

2023-08-27 01:25:20 | Hardy

Hardyのグラスファイバー竿で有名所はJET等だと思いますが、グラファイト竿が出てきている時にも製造されていたFibalite Perfectionの中の10'3"の竿を前回ロンドン訪問時入手しました。Fred Buller Drifter 11'を入手以来、竹竿以外では二本目の竿。
James Leighton Hardy氏著"The House the Hardy Brothers built"によれば、Fibalite Perfectionは1980年にカタログ入りしておりますが、後述の通り私の竿は1979年製のものです。全部で7'2"から10'6"の長さに至る11タイプがありますが、その内10タイプはPerfection伝統の2ピース竿。唯一の例外が私が入手した10'3"の3ピース竿。

上は全体像。

グラス竿の口径の大きく太いブランクが竹竿やグラファイト竿と比べると異様に思えます。更にフェルールのキャップが竹竿と異なり竿尻側に着くのも異様。

トップリングはプラスチックライン用に竹竿に取り付けられたものと同様。Fred Buller Drifter 11'のようにFujiのセラミックガイドとは異なります。

竿の銘は#6 Fibalit Perfection

と続きます。60年代から竹竿で見られ70年代に続く大柄で踊るような字体とは多少違うように見えます。パラコナの銘入れとは別の担当の方がいたのでしょうか。

長さはキリのいい10'6"ではなく10'3"。竿のデザインからそうなったのでしょう。

シリアルナンバーはL/Q。これは1979年11月製造と読み取れます。1979年のカタログには載らず、1980年のカタログから掲載されたので、The Houseの記述になったのでしょうか。。。

リールシートはFred Buller Drifterに相似した樹脂製。尚、竿の重さは5oz。これは竹竿であればDeLuxe 8'と同じくらいの重さです。10'台の竹竿、Gold Medalは7oz台の重さですので、それに比べればかなりの軽量。
この竿のアクションですが、伝統的な英国竿のアクションとでもいうべきもので、竹竿で言えばPerfectionやGold Medalと似たようなもの。グラファイト竿の硬さはなくさすがグラスファイバーという感じ。

先日、短い夏休みを取り再度携帯が通じない山中のEtrachsee湖畔の宿に宿泊。命の洗濯をして参りました。その際本竿を持参し実釣で試しました。

10'を超える竿なので、ボートからの釣りに使います。

使ったラインがプラスチックの#5だったので竿にはちょっと軽すぎたのですが、投げる感覚はHardyのPalakonaの伝統の延長線上にあるもの。

ゆったりと竿に力を伝えてやればラインがきちんと飛んでいき、着水した毛鉤をイワナが襲うといういつもの釣りを楽しめました。

紫外線下でのハックルの色

2023-08-14 22:08:25 | ハックル/Hackles

2021年10月24日の投稿で、鱒は哺乳類と異なり紫外線を見ることが出来ること、また、紫外線下でハックルは人間が通常感知するのと違う色をしている可能性につき指摘致しましたが、モロッコに来てから巻いたハックルドライフライが紫外線の下でどんな色合いになるのかちょっと見てみました。
左上から、英国はOlly's Hackleのブルーダン(2021年9月26日記事参照)、真ん中上はフランスのcoq de peche correziensのgris cendre rouille(ハニー・ダン)(2019年3月16日記事参照)、右上は長野県のハックル(2023年7月22日記事参照)、左下は古い英国のジンジャー、右下はFrank Elder氏のラスティー・ダンです(2023年7月22日記事参照)。
モロッコの陽光が降り注ぐ拙宅のダイニングではハックルは夫々上の写真のように見えます。Olly's Hackleはほぼホワイトに見え隣のフランスハックルはハニー色です。

上の写真は暗い部屋で紫外線ライトを照射したもの。各毛鉤の位置は変わっておりません。
ここでは左上のOlly's Hackleは赤紫色になり、一方、フランスハックルは青白い色を発しております。左下のジンジャーは白に赤紫。Frank Elder氏のハックルは赤紫色が主な感じ。

長野県のハックルが一つ前の写真では見えないので、上の写真で見てみると、長野県のハックルは赤紫色がうっすらと出ております。一方、Frank Eder氏のハックルは一つ前の写真の赤紫から青白い色も放つように変化しております。フランスハックルは変わらず青白く光っております。
紫外線を見ることの出来る鱒にこれらの毛鉤がどのように写り、また、それが鱒の捕食行動に何らかの影響を及ぼすのかどうかは分かりませんが、個人的にはハニー色に見えるフランスハックルが青白く輝いていることが意外でした。一方、ホワイトに見えるOlly's Hackleは、紫外線を当てると赤紫になり、ホワイトではないブルーダンであることが判ります。
実際釣り場で実験したいところは山々ですが、モロッコで唯一行けそうなTalamboteは観光客でごった返しかつ暑く、これ以上の考察が出来る状況ではありません。。。