以前John Betts氏からAri't Hart氏へ贈られたF.E. Thomas竿を入手して以来、米国竿との縁が出来てしまいましたが、また一本拙宅の米国竿が増えてしまいました。F.E. Thomas Special 8'です。
F.E.Thomas竿ですが、錦織則政氏の「The History of Bamboo Fly Rods」によると謎多き竿とのことでアクションは振って見ないと解らないと言われているそうですが、HardyのMarvel 7'6''のアクションで8'の竿を探している中、medium slowアクションのF.E. Thomas竿に出会い入手に至ったもの。
1934年製の竿とのことですが、竿は巻きも塗りも再生され、多分コルクも新品に交換されたため、新品同様のコンディション。
ガイドは8フィートの長さに11個が配置され、ミドルセクションのトップガイドはフェルールに隣接して配置されております。これはHardyには見られない米国竿の特徴。
F.E. Thomas竿の特徴の一つであるグリップ直上の飾り巻き。3-7-3-1の巻きが赤と黄の糸で為されております。
トップガイドはF.E. Thomas竿の特徴である片足を竹に乗せた独特のものが使われております。
バットのストリッピングガイドは瑪瑙入りのもの。
スネークガイドはEnglish snake guideと米国で呼ばれるもの。Hardyですっかり体に馴染んでいるものですが、写真下のLeonard竿のスネークガイドとは巻きの方向が違っております。
バットにはF.E.Thomas Special
Bangor, MEの刻印が入ります。
そして34との刻印。これを持って1934年製とされております。
ちょっと残念なのがこのバットのリールフィッティングの部分。手持ちのHardy製のリールではフットの先端部分しか入りません。
しかし実釣には問題はありません。
さて、Marvelに似たアクションなのかどうか?ですが、Kaizerの一番細いシルクライン(多分4番以下の重さ)を乗せると正にMarvelと同じようにシルクラインは飛んでいき、小さな鱒がかかれば竿はミドルセクションまで曲がり魚を寄せられます。日本の渓流でドライ、ウェット、ニンフと使うのに適した8'竿でMarvelと同様のアクションの竿は使うに楽しく、これからも多くの出番があることでしょう。
赤が目に鮮やかな養沢の風景。もう2021年の釣りも終了です。