思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Faszination Fliegenfischen

2014-11-30 14:36:17 | その他の話題/Other Topics
以前紹介致しましたGebetsroither Stil(ゲベーツロイター流)或はÖsterreichischer Stil(オーストリア流)のキャスティングですが、1992年にHans-Ruedi Hebeisen氏が出版したFaszination Fliegenfischenというフライフィッシング解説本のキャスティング部分もそのGebetsroither Stilで解説されていることを再発見致しました。

HRH氏については既にグムンドナー・トラウンのところで触れてますが、Hans Gebetsroither、Charles Ritzと親交を結んだ、スイス出身の元キャスティングチャンピオンでチューリヒで釣具店を経営する他、キャスティングスクール等を開催しております。1942年生まれですので今年72歳になられます。




HRH氏。今から22年前の写真でしょうか。


キャスティングの部分。


ゲベーツロイター流は腕ではなく肩で投げるキャスティング。そのため、世界で一般的に行われているやり方とは違う点があります。まずグリップはインデックスフィンガーグリップ。これは通常のキャスティングではダメとされているグリップですが、ゲベーツロイター流では決定的な意味を持ちます。強い肩を使うこの投げ方でサムオントップを使うとバックキャストで竿が倒れてしまいますが、インデックスフィンガーグリップでは体の構造上竿が倒れる事はありません。1時で竿はストップします。
腕ですが、体の軸から45度程度広げると解説されております。


キャスティング距離が短ければ早いテンポで力を入れず、距離が長い場合はゆっくりと間を取って腕の移動距離を長く取り、力を入れるところではしっかり力を入れてキャスティングすべしとしております。


スタートに際し6つのルールとし:
①竿を体の軸から45度で動かす。
②竿を持つ手は額より低く胸よりも高いゾーンで動かす。
③リールは常にキャスティングする方向を向く。
④竿を前後に振る際はしっかりとストップをかける。
⑤バックキャストをフォワードキャストより力を入れて行う。
⑥手ではなく竿先が毛針を飛ばす事を忘れない事。力ではなくエレガントに竿を振る事。


肘の動き方ですが、バックキャストでは半月を描き、フォワードキャストでは直線的になります。

今釣りの読書でハウツー物は読まないですが、昔買った本をたまに読み直してみるのも良いものです。
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会津大川釣行(11月22日&23日)

2014-11-23 22:17:05 | 釣行記/Fishing Trips
11月最後の連休となった11月22日会津大川に行って参りました。
気温も上がるとの予報に片道4時間の鉄路の旅を面倒に思う怠け心も克服し、最寄り駅を05:49分出発しました。
それから4時間弱後の09:45会津田島駅に到着。そこから歩いてこめや釣具店へ伺い、遊魚券を購入しました。川には10時ちょっと過ぎに到着し、手早く準備をして川へ降ります。橋のところは既に大勢の釣り人がおりまた川の上流の赤岩周辺にも釣り人が何人もいます。そこで広く空いている橋の下流へ向かいました。

水はかなり減水し、魚の姿も見えません。釣り人の姿が見えない訳です。


それでも流れと水深のある所を探してドライフライを投げて行きます。当日の水温は10度。ドライでは厳しいとは思いますが、Frank Elder氏のHackleで巻いた毛針で釣り上げたいのでウェットフライはお預けです。


その中でも流れが強くその向こうに深く水が動かないところがありました。
毛針ですが、最初から全く替えずにFrank Elder氏のハニーダンNo.123を使ったドライフライを使いました。


釣りを始めて一時間半くらい、上記の場所に投げたドライフライがスッと引き込まれました。
「かかった!!」合わせをくれるとPhantom 9'を伝わって手応えが手に伝わってきます。昨年は魚とのやり取りに相当な時間と体力を使いましたので身構えましたが、然程引きは強くなく魚を寄せる事に成功しました。愛用のSharpe'sのTelescopicタモに魚を誘導して、ほら捕まえた!!


魚は35cm。大きさだけで見るとノルマンディーの魚と同じ大きさかな?


Phantom 9'にFrank Elder氏のハックルNo. 123(ハニーダン)で作った14番のドライフライ。自分のイメージ通りの釣りが出来てもう満足。


その後上流の橋の近くに戻ります。常々思うのですが、釣り人は何故直に水に入りたがるのか?まずは足下を見ないと。会津大川の橋の下流では右岸が深くなっていて魚が泳ぎに来るのですが、無思慮な釣り人が立ちこむせいで魚をわざわざ散らしています。昨日も魚が泳ぎに来ているのを発見しました。私のいる場所から5mも離れてません。出来るだけ動きを止めます。魚は水面下で口を動かしてます。何か食べているようですが微細過ぎて私には分かりません。PT、Killer Bug等ニンフ系は完全に無視されました。ではどうするか?ここはNorth Country Fliesの出番です。まずはパートリッジアンドオレンジを流しますが、魚の心に多少の動揺があったのみで結果が出ません。それでも心の動揺だけで十分。次にスナイプアンドパープルを結び魚の上流に投げ込みます。このスナイプアンドパープルは14番。肉眼では見えません。そこで魚の動きを注視します。
多分毛針が魚の近くを通過しているよね、と思われた時、魚が数回白い口の中を見せました。反射的に合わせをくれると、竿先がギュっと引き込まれ魚が逃げます。やったかかった。慎重にやり取りして愛用のタモに収まったのは45cmの虹鱒でした。


もう2時を回り、釣りはもういいかと、上流を見に行きます。結果人が多く竿を出す気にならなったのですが、それも良し。納竿して駅に戻る事にしました。


今日は宿が空いていたら泊まるのもいいかと思い、駅のそばの宿に空室を聞くと有りとの事。一泊することとしました。


夜は駅から近い居酒屋さんで一杯です。国権酒造の純米吟醸酒てふが良いというので生ビール二杯の後に頂きます。300mlを2本。釣りの疲れと相まって心地よく酔いました。




11月23日は生憎曇って時々雨が降る天気。それでもライズする魚に昔オーストリアはムーラウでグレーリング釣りで使ったスナイプアンドパープルを流し込むと、コツンと手応え。すかさず合わせると虹鱒がかかりました。慎重にやり取りして、35cmの魚がSharpe'sのタモに収まりました。




12時30分まで粘りましたが、ばらした魚があったものの一匹で終了。寒くて戦意喪失したので、東京に帰る事にしました。


帰り際昨年もお会いした監視員の老人が来てました。わざわざ東京から電車で来るというのは聞いた事がナイっぺ。とおっしゃってました。さすがに今年はもう行く事もないでしょう。会津田島の皆様ありがとうございました。
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Frank Elder's Hackle (その3)

2014-11-16 15:50:05 | ハックル/Hackles
老眼で手元が見づらくなっても、日中の明るい日差しが照らすところでは何故かより良く見えます。
そこで、日差しに恵まれたこの週末、Frank Elder氏のハックルを使って更に毛針を巻く事にしました。
47番のハックルから薄いハニーダンの毛針を巻いて見ます。


スターリングのプライマリークイルのペアを用意します。因にこのバイスは1981年に購入したもの。当時は机に固定するバイスが普通で、台座付きのものは安定しないとか、余り評価されていなかったのですが、お小遣いも無いし断然台座付きの方が便利と思い購入しました。それ以来毛針巻きは全てこのバイスを使っております。


スプライト鈎にゴッサマーシルクで下巻き。ワックスを良くかける事を忘れずに。


スターリングクイルのペア夫々から片方2片ずつクイルを取ります。


それを合わせてピンセットでつまみます。ここまでは老眼で目が見えなくともそれ程面倒な作業ではなく、すぐに作業終了です。


ここからが面倒なプロセスですが、ピンセットで纏めたクイルを鈎の上に置きシルクで巻き止めます。この際ウィングはご覧の通りフォワードポジションで止めます。


ウィングの前後をキチンと巻き止めると、クイルのカーブで自然にダブルウィングのスターリングが左右に分かれます。しかし、一回は8の字巻きをしておきましょう。


テイルを巻き止めます。


そしてピーコッククイルをロウソクで擦って緑のハールを落としたものを結びます。消しゴムで擦ってハールを取り除く方法が良く紹介されておりますが、私はロウソクで擦ります。そうするとクイルが強くなるような感じがするからです。


ピーコッククイルを巻き止め、ボディ完成です。


そこに、いよいよハックルを巻きます。ハックルの表面が毛針の前を向く様にします。日本で通常行われている方法と逆ですが、そうしないとハックルがテイルに向かって傘を描いてくれません。


ハックルをアイからテイルに向かい巻いて行き、ウィングの後ろで数回巻いた後シルクで固定します。その後シルクでアイまで巻き戻して行きます。ハーフヒッチでヘッドを作ります。


完成直後の毛針。その後ヘッドセメントでヘッドを固めます。


後ろから見るとこんな感じです。




ハックルとそれを使った毛針。


先週以来作った毛針。Frank Elder氏のハックルの内、左からNo. 123、No. 37、No. 47、No. 51です。


(拡大:クリック)


No. 123とNo. 37。


(拡大:クリック)


No. 47とNo. 51。


(拡大:クリック)


No. 51。


(拡大:クリック)


No. 47。


(拡大:クリック)


No. 37。


(拡大:クリック)


No. 123。


(拡大:クリック)

夫々の色の違いがお分かりになると思います。
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Frank Elder's Hackle (その2)

2014-11-09 19:03:05 | ハックル/Hackles
Old English Game Cockのハックルを集めてもそれで毛針を巻き釣りに使わなければ釣り師とは言えません。
この曇り空の週末、Frank Elder氏のハックルよりHoney Dun(ハニーダン)のハックルが取れる37番(Aグレード)と123番(Cグレード)のケープのハックルを使い毛針を巻きました。


左が123番、右が37番。


(拡大:クリック)


ボディはピーコッククイルを使い、ウィングはスターリングのダブルウィングです。縷々書いておりますが、ダブルウィングにする事でデリケートなスターリングクイルが丈夫になり、かつ、巻き易くもなります。一つの毛針に4片のスリップを使うのでスターリングクイルの消費が多くなるのが玉に瑕。


(拡大:クリック)


37番のハックルはPale honey dun with pale honey tip(リストは薄いブルーダン、バーブは薄いハニー)。巻いた毛針も薄めの色のハックルです。


(拡大:クリック)


123番のハックルはPale honey dun with medium honey tip(リストは薄いブルーダン、バーブはミディアムのハニー)。巻いた毛針は37番で巻いた毛針に比べ濃い色合いです。


(拡大:クリック)


長く固いハックルはドライフライを高く浮かせます。ダンは元々6本の足で水面に乗り(浮くのではない)流れますが、高く浮かぶドライフライはダンの形態を良く模写している事でしょう。


(拡大:クリック)

この毛針巻くのは簡単なのですが、何せ老眼が進行して見えません。眼鏡を外して、近眼のため手元がまだ見える左目だけで見ながら巻いたりと、一つ一つの作業にとても時間がかかります。一時間でたったの2本。これでは何時まで経っても集めたハックルを使い切れそうにないですね。
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Frank Elder's Hackle (その1)

2014-11-03 16:48:56 | ハックル/Hackles
先月は半月程出張に出ており、釣りのシーズンを棒に振ってしまいました。
その留守中、Janeさんに注文していたFrank Elder氏のハックルが2つ届きました。Off Colourとなっておりましたが、Honey Dunのもの、それとSpeckled Blue Dunです。
ストーブリーグになると、どうしても物の話題になります。ここ昨年来ハックルに関しては幸運も手伝いOld English Game Cockを味わう豊かな生活が出来ているので、来年に向けてシーズン中は中々巻けなかった毛針をコツコツ巻いていこうと思います。


暇に任せた三連休、昔、Dr. Baigentが自分の膨大なハックルコレクションを使ってハックル見本を集めた本を作ったのに習い、ハックルマウントを作ってみました。




(拡大:クリック)

左上の枠内には1940年代の英国ハックルからの見本を入れました。左から順にDun(1., 2.)、Blue Dun(3.)、Honey Dun(4., 5.)、Rusty Dun(6.)です。




(拡大:クリック)

左下の枠内にはFrank Elder氏のハックルから見本を入れました。Honey Dun (1., 2., 3.)、Rusty Dun (4., 5.)、Speckled Blue Dun(6.)です。




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右下の枠内に入れたのはOff ColourのDark Blue Dunに金色が浮かんだものと東京で買ったHoney Dunです。




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白い背景にすると黒い背景とは違う色調が出ます。これは左上の枠内のもの。




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これは左下の枠内のもの。




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右下の枠内のものです。





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光を当てたものです。左上枠内のもの。





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左下枠内のもの。




(拡大:クリック)
右下の枠内のものです。




(拡大:クリック)




(拡大:クリック)




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ハックルの色で釣果に違いがあるのか?と言われると、私の経験から違いがあるように思います。ピーコッククイルのボディー、スターリングのウィングでハックルの色だけが違うドライフライをこれまで巻きため、実戦に投入して来ましたが、その経験より言えば、Honey Dun、特に、左上の枠内の4. (5.は非常に美しいのですがもったいなくて余り使ってません。。。)、左下の枠内の1.は、魚を釣り上げた数のみならず、鈎を伸ばされたり、大物に逃げられたりと、大物に食われる確率が高いように感じてます。ハックルの特徴のなせる技もありますが、使っている私自身が美しいHoney Dunを使うとより釣れるように感じていることもあるのでしょう。
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