思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

禁漁期間中のEtrachseeでの釣り最終日(2023年10月1日)

2023-11-19 18:50:11 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe

禁漁中にもかかわらず釣りを許してくれたLandhaus Etrachseeの女将さんの好意に甘えた釣行も10月1日(日)の午前中で最後。昼からはウィーン空港までの3時間の車での旅に出発しなければなりません。
08:00からの朝食を手早く済ませ、部屋を片付け荷物をレンタカーに積み込み、宿の母屋で宿代・釣り代を全て支払いましたが、「今日(10月1日」の釣りはタダでいいわよ」とまた好意に甘えることになりました。
山の天気は快晴。とても気持ちの良い朝です。北アフリカでは見ることの出来ない緑の森林と透明な湖が心を癒してくれます。

1964年製のHardy Palakona Gold Medal 10'は塗料の進化により多少濡れてもウィーン空港からフランクフルト空港経由カサブランカ空港までの旅程で竹にダメージが残ることもあるまいと思い、最終日に使います。広い湖、且つ、水面から離れた船着場からの釣りでは長竿が使いやすく重宝します。St George 3"にDT5FのCortland Sylkを組み合わせた道具立てで湖にウエットフライを投げてやれば、Invictaに結構元気に引く虹鱒が食いつきました。

他にも体長はあっても痩せたアルプスイワナ

腹のオレンジが鮮やかなアルプスイワナ、他にも写真を撮らなかった多くのイワナ(ブルックトラウト、アルプスイワナ)が長い竹竿を曲げてくれ、今シーズン最後のオーストリアを楽しめました。

今シーズンの新たな現象として、魚が鉤がかりした後、藻に潜り込もうとすることに気づきました。上の写真は藻の塊ですが、

その中にはブルックトラウトが隠れております。この魚の様に藻の中に逃げ込んで釣られまいとする魚が増えました。これもフィッシングプレッシャーによる学習効果でしょうか。
10月1日ではありませんが、9月30日に桟橋から釣っていたら大物をかけ3Xのハリスを切られ逃げられました。この湖には70cmを超える大物も棲んでいて小物の数釣りではない釣りも楽しめそうです。次の機会があればまた挑戦したいと思います。

上の写真は宿の部屋で乾燥させているPayneの206L 9'とGold Medal 10'。日本では使いづらい竿かも知れませんが開けたオーストリアの川湖ではこのくらいの長さの竿は大変重宝致します。
オーストリア流の短い剛竿で遠投する釣りもありですが、今の私はゆったりした釣りが好きなので竿の長さがこのようになったというところです。
来シーズンはどのような釣りが出来るのでしょうか。
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Etrachbachでの釣り(2023年9月30日)

2023-10-14 00:00:00 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe

前回の釣行には小川用のペナペナ竿であるF.E.Thomas Special 8' 3pcsも持参致しました。となると当然湖の上流にある小渓Etrachbachを狙いイワナ釣りとなります。
グレイリングを釣った金曜日の翌日土曜日に曇天の中F.E.Thomasでの釣りを楽しむことに致しました。竿に合わせたのは8月時に使ったAFTM 3ではなく一番手思いAFTM 4のシルクライン。風が吹いても至近距離を正確にキャスト出来るようにとの魂胆です。そしてリールは竿のリールシートにピッタリ嵌るPflugerのMedalist。Hardyの滑らかさには全く敵いませんが、良しとしましょう。

曇天ですが、右下に人影が写っているようにトレッキングの客が多く通ります。更にその中の特に家族連れがわざわざ釣りをしているところまで近寄ってきて魚を散らしてきます。こちらも禁漁にもかかわらず釣りをするアウトローの釣り人ですので、そうした善男善女の振る舞いにも文句わ言わず、魚が散ればそれなりに釣りを継続致しました。

川は水が少なく、前回は水を湛えていた右側の釣った魚を入れておく場所は干からびております。釣りが出来る場所は限定的。

そんな状況の下、前回記事に出したオレンジボディのドライフライで釣りを開始。ここのイワナもこの毛鉤が大の好物のようで一投目からF.E.Thomas竿を胴から曲げる魚がかかります。
その後もドライフライで釣った魚の数は伸ばしましたが、流石に場荒れしてきて水面の毛鉤に反応しなくなりました。

そこでハリスの途中に輪を作りそこに枝素を結びドロッパーには上の写真のウィングにブラックバードのクイルを使ったオリジナルレシピに従ったGreenwell's Gloryを結び、リードフライには

Stuartの勧めるBlack Spiderを結びます。

この仕掛けでアップストリームに投げ込み、出来るだけ糸を張れるよう竿を操作し流してやると手元に当たりを感じイワナを釣り上げます。

アップストリームのウェットフライは私の場合、シングルフライだと本当に説明出来ない勘の類に導かれて合わせることが多く非常に難しい釣りですが、枝鉤付きの場合はそれがアンカー的に働くのかアタリが取りやすく、よりリラックスして釣りを楽しめます。
そうこうして釣りをしているとかなり重い手応えで合わせると竿がギュンと持って行かれ、すわ大物?と思ってやり取りすると、一荷でイワナがかかっておりました。取り込み途中で一匹逃げてしまいましたものの。無事上げたのが上の魚。

9月末の天候不順な天気では当然気温も低く、渓流での釣りは午後早い時間に終了。一旦引き上げ風呂に入りました。その後夕食後に暗くなったところで見る母家がこれ。Landhaus Etrachseeは9月末で営業終了。これが最後の夜となります。

再開は2024年の5月。これから長い冬を迎える山中なのでした。
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Mur川でのグレイリング釣り(2023年9月29日)

2023-10-07 20:16:28 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe

9月29日(金)は山を降り、Mur川にてドライフライでのグレイリング釣りを楽しみました。

山中で携帯の電波は届かず、インターネットも食堂のある母屋のWifiのみという人里離れた湖の畔の宿Landhaus Etrachsee。朝食は新鮮な豚肉のハム、ソーセージ、チーズ、野菜類、果物類がビュッフェで提供されそれに各種のパンで楽しめます。因みにドイツ語でWurst(ヴルスト:ソーセージ)というのは腸詰めを指す言葉で、上でソーセージと書いたものは長いウィンナーの様なものではなく、サラミのように丸く薄切りされたもの。釣りの話には無関係ながらご参考までに。

朝食の席から湖を臨みます。天気は良好。朝08:00なので未だ湖のある谷間には余り陽が差しておりません。

宿から山道を降りること30分弱、St. Lorenzenにある旅行案内所で入漁券を購入。顔馴染みになった担当者と川の状況等の話をします。今年の漁期は10月15日までですが、20日まで延長されるかも知れないとのこと。もし昔の様にハンガリーに住んでいたなら毎週通ってしまいそうです。
因みに今回ウィーン空港ではVW Poloタイプを予約したのですが、当てられたのはSkodaのKamiqというSUVぽい車。

シュコダはチェコの伝統あるメーカーですが、共産主義崩壊後VWの傘下に入り今回運転のKamiqも運転した感じは全くVWの車。チェコにはTATRAというメーカーもあり戦前から共産主義崩壊まで独自の車を作っておりましたが、90年代終わりには軍用等特殊仕様のトラックを作っておりました。今はどうなっているのか。。。

何時もの通り漁区の最上流の橋Windritsch Brückeから降りたすぐの岸でPayneの206L、9フィート三本継の竿を繋ぎ、AFTM 4のシルクラインを巻いたSt. George Jr.を取り付け、釣りを開始します。

オレンジ胴の毛鉤が水面を流れていくと水中から影が浮き上がり毛鉤を咥えます。それを合わせるとPayne竿に心地良い感触が伝わります。

余り大きな魚ではありませんが、遊んでくれたことに感謝しながら毛鉤を掴み魚体に触らずリリースします。

それから数匹川の上流部でグレイリングに遊んでもらいましたが、初夏から夏場の釣りの際と異なり後が続きません。

川は水位が下がり川を渡りながら下流の洲まで行けますので、下流へ移動してみました。その間に対岸の際に毛鉤を打ち込んで行くとグレイリングが咥え結構な大物ともやり取りしましたが、カメラを取ろうとしたところ毛鉤を外されました。。。

下流の洲に移動しそこの最下流まで移動しました。途中は川の流れが早く、そこでも釣れるのでしょうが、川の流れが弱いところの方がグレイリングが浮き上がる様を見られよりエキサイティングな釣りが出来ます。
そこでドライフライを流してやると毛鉤が流れ切りそうなところで魚の影が浮き上がり毛鉤を咥えました。それを手首で合わせると繊細なPayne竿がグインと曲がり、グレイリングが宙を舞います。ここMur川のグレイリングはニジマスの様に宙を舞うのが特徴。それまでに大物を取り逃しているので慎重にやり取りし釣り上げたのが冒頭の写真のグレイリング。40cmの魚でした。

毛鉤を外し魚の回復を確かめて浅瀬に入れてやるとゆっくりと川の中に帰って行きました。

その後もドライフライでグレイリングを何匹か釣りPayneの感触を愉しめました。

元々、Mur川ではOrange Quillが当たり毛鉤なのですが、今回は上の様なオレンジ胴の毛鉤にしかグレイリングは出て来ませんでした。ハックルの色はは余り関係ない様でした。一番下の毛鉤はオレンジ胴に昔の英国のブルーダンのヘンハックルを巻いたものですが、これはMur川ではなくEtrachseeで今回活躍したものです。
実は、Pearsall'sのGossamerシルクのオレンジが後一巻きしかなく、早急に代用品を買わないといけない状況になっております。何がいいのか判りませんが困ったものです。
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禁漁にもかかわらずの釣り(2023年9月28日)

2023-10-05 03:29:21 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe

イスラム教の祝日はイスラム暦に沿い決められますが、新月を目視することが必要で、天候や砂嵐で観察出来ないと一日ずれてしまいます。当初9月27日(水)と予測されていた今年の「預言者生誕祭」が9月28日(木)となり、モロッコで突然9月28日〜10月1日が4連休になることが判った9月22日(金)、ダメ元でEtrachseeの定宿Landhaus Etrachseeに問い合わせを入れました。
Etrachseeの禁漁期間が9月21日より始まってしまっているのですが、特別に9月28日から10月1日の間釣りをしても良いか?と問い合わせたのです。
「いつもリリースしているからそれならいいわよ」と直ぐに女主人より回答があり、急遽カサブランカとウィーンの間のLufthansa機、Europecarでレンタカーを予約、Etrachseeに行くことになりました。
Etrachseeでの釣りと、10月15日まで出来るMur川でのグレイリング釣りが目的です。

朝01:15カサブランカ発、フランクフルト乗り換えで09:45ウィーン着、そこから3時間超のドライブで14:00頃Etrachseeに到着。時速120〜150kmで運転する間、睡魔と戦うためレッドブルを飲みながら到着したそこは標高1,400mの天国でした。

因みに上は1800年頃Ferdinand Runkという画家が描いたEtrachsee。200年以上前からここでは小屋を建て牛を放牧していたのかと思うと感慨を覚えます。

部屋の鍵を受け取り荷物を部屋に入れて湖の桟橋に出かけ、Etrachseeで重宝する10フィート三本継の竹竿、Hardy Palakona Gold Medalを振ってやると、暫く誰も釣ることのなかった湖からイワナが小さな毛鉤に襲い掛かります。

冒頭の写真と上の写真のイワナはアルプスイワナ。北極海、グリーンランド、アイスランドでは巨大化した仲間が泳いでおりますが、アルプス山中では尺上が大物の平均でしょうか。

上はブルックトラウト。アルプスイワナと比べるとタイガーマークのような細かい縞模様が入り全体に緑・黄色がかった色。
禁漁期間中に釣りが出来るとは思いもかけなかったですが、この湖は個人所有で、湖に流入し、流出するEtrachbachも個人所有。女将さんがOKと言えば魚をキープしない限りシュタイヤーマルク州の漁業規則にも抵触せず釣りが出来てしまうのでした。
ここはハンガリー在住時の2002年から知って来ておりますが、20年来の知り合いの女将さんに感謝です。
初日は小手調べでイワナに遊んでもらい、その翌日はドライフライでグレイリング釣りに挑戦です。
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Payne竿でのMur川のグレイリング釣り(2023年8月21日)

2023-09-16 20:37:09 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe

先月オーストリアはEtrachseeの湖畔に泊まり釣行した際、8月21日1日だけ下界のMur川で釣りをしました。その日は10時頃釣魚券を売っているSt. Lorenzenの旅行案内所に行き日釣り券を購入、10時30分頃に釣り場に到着したのですが、チェストハイウェーダーを着用した先行者が居て川のど真ん中にウェーディングしており、彼が下流へ去って行くのを暫し待つことに致しました。その後午後その釣り人と話をする機会がありましたが、車で40分程度離れたScheiflingから来ているとのことで大型ウェットとストリーマーで大型のブラウントラウトを狙っていたとのことでした。

私は通常サイウェーダーでウェーディングは出来るだけ避ける釣りをしておりますので、何時もの岸辺からドライフライでグレイリングを狙いましたが、6月30日のようなグレイリングの果敢なアタックは見られずあまり満足の行く釣りにはなりませんでした。
Grüne Mur(英語訳:Green Mur)と言われるのが実感出来る緑の川です。

その際使ったのがPayneの206L竿。9フィート3ピースの竿ですが極めて繊細でSt. George Junior 2 9/16”にAFTM #4のシルクラインを合わせた釣りを致しました。
この竿はティップが極めて細く、全体的に軽く、同じ9フィートのHardy竿と比べるとその重量感の違いには圧倒されます。しかし、繊細なウェットフライ用の竿として開発されたものと思いますが、ティップが弱いのでキャスティングは注意が必要。ティップを使わずにバットにラインを載せるようなゆったりした動きで竿を振ってやらないとラインを伸ばすことが出来ません。この点、HardyのLRH Wet 9'3"と似ております。
この竿でグレイリングの引きを程々に楽しむことが出来ました。

この竿は1930年代の竿のようですがPayneの206を更に繊細にした206L。

グリップはシガー。典型的な古いPayneの竿ではないかと思います。

その繊細なティップが如何程かというと、一番下のPayne 206Lに対し、上の1938年製のMarvel 7'6"と一番上の1958年製Perfection 9'のティップを比べると一目瞭然。Marvelのティップよりも細いティップを持つ9フィート竿という欧州の釣りばかりやっている私には俄に信じられない竿なのです。
MarvelはHardyの竿の中ではペナペナ竿ですが、アクションは英国の伝統的な胴調子。全体的に細くグリップの中までしなる竿ですが、このPayneは流石にこの長さでのキャスティング・釣りを可能にするためにバットはMarvelアクションよりは強め。しかし全体に繊細なアクションです。
昨年ウィーンからカサブランカへの帰路二週間以上ロストした際は殆ど諦めましたが、こうやって再会した竿でグレイリングの引きを楽しめる私は幸せ者です。

イスラム教国では食べられない豚肉を食べるのも釣行の楽しみ。湖畔の宿に戻り夕食は隣接するForellenstationというレストランでSchweinerückenbratenという豚の背肉の焼き肉を地元の生ビールで賞味致しました。

脈絡ありませんが上の写真は二週間前パリからカサブランカへのエール・フランス便から英領ジブラルタルを写したもの。海に突き出した岩山がそれ。

上の写真はジブラルタル海峡。手前の欧州(スペイン)に雲の下のアフリカ(モロッコ)が迫っているのが見えます。
アフリカプレートがユーラシアプレートにぶつかり潜り込むこの地域は4,000メートル級の山があるアトラス山脈がチュニジアからモロッコを横断し、モロッコでも天然の鱒の生息出来る環境を提供しておりますが、先日の地震のような災害も起こり得る土地。程度の違いはあるものの、自然の恵みと脅威が同居する日本のようなところでもあるのです。
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オーストリアMur川釣行(2023年6月30日)

2023-07-08 21:24:40 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe

先月末オーストリアはシュタイヤーマルク州の山中エトラッハゼー(Etrachsee)に行き湖畔の宿に滞在した際、そこから約20数km離れたムーラウ(Murau)を流れるMur(ムーア)川にて釣りをして来ました。
怠けの虫が出てEtrachseeだけで釣りはいいかとも思っていたのですが、今回何とタモを忘れてしまい、初日は湖でタモなしの釣りをしたのですが、流石にタモなしてはどうしようもないと思い、翌6月30日、宿での朝食後、Murauの町に行きそこの狩猟・釣り具を扱うお店Waffen GruberにてドイツのDAM社製のタモを購入。その流れで天気も良かったので西に数km離れたSt. Lorenzenの旅行案内所でMur川のStau Bodendorf地区の釣り券を購入、釣りをすることになりました。

今回ウィーン空港で借りたVW Polo。昔私が西ベルリンで乗っていた1983年製のVW Golfと比べると今のPoloは当時のGolfよりも広く大きく力強い車です。時速150kmもすぐに出せる車でその気になればアウトバーンもサクサク走れますが、制限速度130kmを守り安全運転に徹しました。

オーストリア入りする事前の天気予報では6月30日以降は毎日雷に雨の予報でしたが、天気に恵まれ水も平水。

ところが最近の氾濫のせいか、何時も釣りをする左岸の方には砂が堆積し水に足を入れると砂に潜り中々足を抜くことが出来ません。水には足を入れず岸からだけで釣りをすることに致しました。

釣り竿入れがロストするリスクを考えてHardyのThe Traveller's Combined Fly and Spinning Rod (2023年1月14日記事参照)をスーツケースに入れてきたことから、同竿を8'10''に繋ぎ、それにどうせ天気が悪いからとシルクラインは家に置いてきてその代わりに持ってきたCortandのSylk DT5Fを巻いたSt. George 3'を組み合わせ釣りを開始。オレンジのシルクボディにゴールドワイヤ、古い英国のジンジャーハックルを巻いた簡易なハックルドライフライを15ヤード程度投げると水面にグレイリングが泳ぎ上がってきてフライを咥えます。

グレイリングのドライフライ釣りを私が好むのは、グレイリングが泳ぎ上がってきて毛鉤を咥えるまでの一部始終をゆっくり見ること出来、それがエキサイティングな点。

申し訳ないのですが、砂地で砂まみれになったグレイリング第一号を取り込み撮影、即リリース。

釣ったのはグレイリングが圧倒的なマジョリティでしたが、冒頭写真の虹鱒、そしてこの写真のブラウントラウトもドライフライに出てきました。

Traveller's Rodですが、10''のグリップに2'のピース4つの5ピース竿ですので、重いのは否めないものの、その調子はまさにGold Medalの胴調子。投げること、魚とやりとりすることのトータルバランスが良い竿です。
そして上が今回一番大きかった39cmのグレイリング。DAMのタモに入れるまでかなり手こずりました。

いつ見ても不思議なのですが、水から上げてみるとウグイのように見えるグレイリングも、水中では緑、紫、黄色、青と様々な色を帯びます。鱒の仲間であり、また、触るときゅうりの様な匂いの残る魚で、食べると美味。外来魚なので無理ですが、日本でグレイリング釣りが出来たらどんなに良いだろうかと夢想してしまいます。

その日は11:00から17:00までガッツリ釣りをして無数のグレイリングに遊んでもらい、ああ、Murauに来て良かったと心から思える日となりました。

上がその日一番実績を上げた毛鉤。天気、太陽光の調子、等色々な要素があるのでしょうが、陽光の下ではこのオレンジとジンジャーが燃えるように映え、魚にもきっとアピールしたことでしょう。
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EtrachseeとEtrachbachでの釣り(2022年8月20日・21日)

2022-09-03 17:56:36 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe

8月19日(金)から8月22日(月)の4日間を使いまたオーストリアはシュタイヤーマルク州の山中にあるEtrachsee湖畔の宿に行ってまいりました。この標高1400mの宿では携帯の電波も届かず、Wifiは宿の食堂にしかないという24時間情報に追われる現代人に取っては隔絶した環境。しかし、それを逆に慕ってか、宿にはドイツ、オーストリアから老若男女、沢山の人がやってきて一週間とか二週間滞在し、近隣でハイキングをしたりトレッキングをしたり犬と散歩をしたりと楽しんでおります。私だけが唯一の非ドイツ系外国人というシュチュエーションには元から慣れておりますが、インターナショナルな感じは無く、地元の人しか知らない感が濃厚なところです。
前回の釣行で、湖で大物が居るのは桟橋の下とその近辺というのが判りましたので今回はサイトフィッシングで狙います。
水深のある場所でのサイトフィッシングで大きな威力を発揮するのがKiller Bug。今回はこの、針に銅線で下巻きしてChadwick477ウール化繊混紡ヤーンを巻き付けただけの毛鉤がその威力を見せてくれました。

今回は一個のKiller Bugだけしか使わなかったのですが、大物をかけた後ヤーンがほつれてしまいました。

桟橋の周りをしつこく眺め、魚を発見すると、10'のHardy Palakona Gold MedalでKiller Bugを鼻先目掛けて操作、送り込みます。そうするとほぼ全ての魚は毛鉤に関心を示し、思わずパクッと咥えてしまいます。そこで合わせがすっぽ抜けなければ、10'の剛竿がミドルまでグイっと曲がるイワナがかかり、長年愛用のSharpesのテレストピックタモが活躍することになります。

前回記事の強風下の釣りは8月21日(日)でしたが、8月20日(土)は無風でしたのでサイトフィッシングが楽しめました。上は今回最大の35cmのブルックトラウト(独:Bachsaibling)。このGold Medalをグイグイ曲げて大捕物にしたデップリ太った魚でした。

その後は桟橋下から魚が顔を見せなくなったので、ボートに乗り小物釣りを愉しみます。

Gold Medalで小物をかけても面白くは無いので、

繊細なF.E. Thomas 8'も一緒に持ち込み、小物ブルックトラウトの引きを味わわせてやりました。

一方、湖の上のEtrachbachですが、8月20日・21日の両日とも午前中、朝食後部屋の掃除か完了するまでの間を見計らって釣りを致しました。

これと言って大きな魚は釣れなかったのですが、本当に久しぶりにブラウントラウト(独:Bachforelle)の子供をドライフライで釣りました。竿はLeonardのDF50かTournamentの8'。

長いことここではブラウントラウトにお目にかかっていなかったので、絶滅を心配しておりましたが、子供がいるということはどこかで親が産卵し子供が孵っている証拠。嬉しい発見です。

8月21日の午前中は雨。それでもドライフライに出た魚はF.E.Thomas Special 8'を満月に曲げてくれ、愉しめました。このF.E.Thomas竿は軽いラインを使うよりもAFTM4程度のラインを使い近距離のドライフライ釣りをすると竿をより曲げられラインコントロールもやりやすくなります。同じ8'のLeonard竿がトーナメント系の竿であるのと好対照です。

更に、前日と同じブラウントラウトがドライフライを咥えました。

8月終わりの山中はもうすっかり秋の気配。食べられるのか判りませんがキノコが沢山出ておりました。「釣魚迷」で勘蔵じいさんが秘中の秘にしている奥日光の舞茸の話を思い出します。

宿泊棟の様子。部屋数は9室で小規模。私の部屋は何故かいつも同じ3階の9号室。荷物を持って3階に行けないお年寄りも多い中、身軽な私は大丈夫と思われているのでしょう。

今回使ったFiat 500C。カブリオレだとトランクの間口が非常に狭くスーツケースの出し入れに難儀しました。私はFiat 500が好きなのですが、レンタカー屋さんにハッチバックが無いようでしたら、VWのPoloにしなければならないかもと思いました。Fiat Pandaも良い車ですが、ウィーン空港では借りられません。残念です。因みに隣は今は無きRover。古い車ですが、非常に良い状態の車でした。古い竹竿を愛好しているとこういうところにも目が行ってしまいます。
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Mur川でのグレイリング釣り(7月11日)

2022-08-15 12:00:00 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe

前回オーストリア釣行の最終日7月11日(月)。この日は夕方ウィーン空港発の予定。逆算すると安心して釣りが出来るのは13時まで。しかしながらMur川の釣り券を未だ購入出来ていなかったため、観光案内所が開く9時に即購入し釣りをすると3時間程度の勝負。

釣り券を購入し川に着いたのは10時ちょっと前。今回借りたVW Poloを駐車し兎に角準備を致します。

今日使うのは前日使ったのと同じHardy LRH Dry Wet。オールラウンドな竿で悪コンディション下でも頼りになります。

というのも、前日の雨でMur川に流れ込む小川からは茶色の泥水が流れ込み、

いつもの釣り場を茶色に染めております。これではMur川のハイライトであるドライフライの釣りは臨むべくもありません。

そこで下流へ行きそこから出来る範囲でアップストリームに毛鉤を打ち込みグレイリングを狙うことにしました。

カサブランカで巻いてきたKamasan鉤にOlly's Hackleのペイルブルーダンのハックルの簡単な毛鉤を4Xの先に付けLRH Dry Wetで上流を狙って投げると、最初の一投でグレイリングがライズ、毛鉤を咥えました。それを見て合わせるとバッチリ鉤がかり。

LRH Dry Wetは柔な竿ではないのですが、それでも中々魚を寄せることが出来ません。

愛用のSharpe'sのテレスコピックタモに漸く収まったのは38cmのグレイリングでした。
私に取ってのMur川の釣りのハイライトはグレイリングのドライフライでの釣り。毛鉤がドラグフリーで流れて行くと水底からグレイリングがゆっくりと浮き上がってきて毛鉤を加えるその一部始終が見える釣りです。

これが38cmのグレイリングを釣り上げた毛鉤。Olly's Hackleを巻いた何の変哲も無い毛鉤。しかしながらこの激安ハックルはきちんとしたブルーダンの色が出ていて且つ良く釣れます。より高価で希少なハックルを使わなくとも良いので助かります。

釣りの一番最初で大物を上げた後はチンピラ・チビッ子だけしか釣れません。川の増水・濁りとコンディションの悪さが恨めしいですが、私の過去のMur川釣行はこのような逆境が多々あったので余り気にもならなくなりました。

小さなグレイリングを何匹か釣り上げると既に12時を回っており、もはやこれまでと上がります。
13時にはMurauの街中のガソリンスタンドで給油。16時前にはウィーン空港に到着。19時ちょっとのフライトでフランクフルトへ飛び、そこで乗り換えてカサブランカへ。空港に到着すると竿がロストになってしまい暫くの間LRH Dry Wetとは永遠の別れと覚悟しておりました。
山上の渓流と湖。そして下界の川での釣り。20年来の付き合いのMurau。悪コンディションでも楽しめる釣りが必ず出来る私の馴染みの釣り場です。
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雨のEtrachbach(2022年7月10日)

2022-08-10 03:29:29 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe

7月10日(日)は早朝から大粒の雨が降り頻る生憎の天気。宿の女将さんが「本当に今日釣りに行くの?」と問いかける中、「何時もこんな天気で慣れてますから」と答え、雨具を着込み湖上流の渓流Etrachbachへ向かいました。
ここは登山ハイキングの客も多く、前日には釣りをしているところに子供がやってきて、わざわざ魚のいる淵に石を投げて魚を追い散らすという散々な目に会いましたが、このような雨ではそうした不埒な輩も殆どいません。雨で体が冷えますがウェットフライで魚を狙います。

竿は前日午後と同じLRH Dry Wet 9'3''。リールは前日の物よりひと回り大きいPerfect Spitfire 3 1/8。それにCortland SylkのDT5Fを巻き込んであります。雨の中シルクラインで釣るのはラインに良くないので、プラスチックラインの中でも口径の小さいSylkを選んだもの。竿との相性も良くウェットフライに食いつくイワナのアタリを良く拾います。

何匹も釣れたのですが、前日同様ブルックトラウトばかり。アルプスイワナよどこえ行った?と思っていたらブルックトラウトとは違うイワナがかかりました。
一番右の魚は他のものより色が薄くなっております。

そのイワナがこれ。ブルックトラウトの様な虎縞がヒレや胴体に出ておらず、もう少しすると青黒く、腹は赤くなるアルプスイワナ。
とりあえず絶滅した訳ではなさそうなので一安心。雨が多少上った昼過ぎで渓流の釣りは終わり。

湖畔を宿の方に向かって歩くと牛が道路上で待ち構えております。

昔のEtrachseeをご存知の方には見慣れぬ風景ですが、この4年の間に桟橋が拡張され、寝転んで日向ぼっこが出来るようになっておりました。また、下を見ると大きなイワナが桟橋の下にサッと隠れます。50cmを遥かに超える個体も見え、湖で一番大物が潜むのは桟橋の下であることを確信しました。
大きめの魚を見つけたのでKiller Bugを口元にコントロールしてやると、パクりと咥えたのですが、アワセはすっぽ抜け、魚は隠れてしまいました。
ここでKiller Budで更にイワナを何匹か釣ってその日の釣りは終了。最終日7月11日(月)の午前中だけが残る釣りのチャンスですが、一体どうなってしまうのでしょうか。
(続く)
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Etrachseeの釣り(2022年7月9日)

2022-08-06 19:30:24 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe

前々回アップロードした7月9日午前中のEtrachbachに続き、同日の午後は湖にボートを浮かべての釣りを楽しみました。
この日は天気も良く、上の写真の通り湖畔の宿を食堂の上に広がる空は澄んだ青色。

チュニジア在住時の2018年から気づいたのですが、以前多くいた虹鱒は全然姿を見せず、また、同じイワナでもアルプス・イワナは釣れず、ブルック・トラウトばかりしか釣れません。これはRamsbottom's Favouriteを咥えたイワナ。

竿は当日午前中に使用のPayne 206 9'から、LRH Dry Wet 9'3''に変更。それにKaizerのシルクラインNo.2を合わせます。リールはHardy Perfect Spitfire 2'7/8。特別復刻版をハンガリー在住時に英国から購入したもので、もう20年弱使っているリール。2015年のMur川の事故でリールのプレートが少々歪んでおりますが、実釣には何ら問題ありません。

湖には沢山の羽虫が飛んでおりその中の一匹がボートに落ちてきたので見るとトビケラ。毛鉤の選り好みが殆ど無いEtrachseeのイワナ達ですが、多少なりとも似たような毛鉤を使って見ましょう。

これは古い英国のブルーダン・ヘンハックルをオレンジシルクボディに巻いたものに来たイワナ。これくらいのサイズの魚は幾らでも釣れる湖で流石に飽きますが、中々モロッコ国内の釣り場にアクセス出来ない私の心の充電になってくれた魚達です。
前回記事に追記しましたが、ロストした竿三本は7月30日カサブランカ空港で無事回収出来ました。本当に良かったと胸を撫で下ろしました。。。
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