思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

スペインの毛針(Mosca Ahogata)を求めて

2016-07-15 18:54:02 | 毛針/Flies
ラマダン中の6月末、スペインはカタルーニャのバルセロナへ行ってまいりました。
チュニスから実質飛行時間1時間ちょっととお手軽に行けるのです。

バルセロナ観光の定番、ガウディのサクラダ・ファミリア、

旧港のコロンブス記念塔、等観光スポットも回りましたが、今から19年前に来た際、買い求めたスペインの毛針をもう一度買いたいと思い釣具店を探しました。

どちらも海から直ぐの場所でしたが、フライフィッシングの専門店と一般の釣具店を見つけ、スペインならではの品物を購入しました。

これはMosca Ahogata。スペインの毛針です。レオン鶏の背中の羽を毟ったハックルを薄く巻いた毛針。

基本はボディの色の違いでアクセントを付けているようです。この毛針はハックルもレオン鶏のものではありませんが。

色とりどりのボディに糸で縞模様を付けております。

この毛針、透明な浮きを錘に複数個を付けてスピニングで釣るのがスペイン流のようです。Youtubeにその模様がありますのでご覧下さい:
https://www.youtube.com/watch?v=1U8MG6bSvNo
フライフィッシング専門店の方には車で3時間程度で行けるピレネー山脈を中心にした鱒釣りガイドのパンフレットが置いてありました。バルセロナからの釣り旅も面白そうです。

また、フライフィッシング専門店ではレオン鶏の羽を購入致しました。

これがフライフィッシング専門店。店内にはハーディーの古いパラコナが展示されておりました。

このお店がMosca Ahogataを購入した一般の釣具店。お店のご主人はMosca Ahogataはカタルーニャの毛針ではなくて、スペインの毛針だと力説されておりました。それでもお店には沢山Mosca Ahogataが置いてあったので、カタルーニャでもこれを使って釣りをする方が多いのでしょう。
今から19年前にどのお店でMosca Ahogataを購入したのか全く覚えておりません。ひょっとしたら、上のお店かも知れませんが、どうも違う気が致します。
尚、Mosca Ahogataは先々週のMur川でも使ってみましたが、川のコンディションが悪かったせいか何も釣る事が出来ませんでした。

Mur川釣行(2016年7月7日)

2016-07-08 20:15:45 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
渓流のグランドスラムの翌日7月7日は今回釣行の最終日。どんなに遅くとも14:00にはMurauを出発しなければなりません。
前日雨が降らなかったので、ドライフライ釣りに期待し、再度Mur川に向かいました。
川は水量が相変わらず多いものの、昨日に比べ濁りは大分無くなり期待が高まります。
時は朝10時頃。すると下流の方から汽車の音が聞こえてきました。





昨年秋にも遭遇した観光汽車です。小さなものですが、客車を引っ張り結構軽快に走っていきます。

昨日と同じ緩やかな場所で早速ドライフライを試してみますが、最初に虹鱒らしき魚がライズしたのを掛けそこねた後が全く続きません。時間も限られているため、また金玉ハーズイヤーを結び、流れの緩い場所より上流側で岸近くの流れに投入しました。上の写真の一番上流の岸近くの石の側あたりです。
すると。。。暫くしてリーダーがツッと水中に引き込まれ、反射的に合わせると竿先がグッと曲がり重い手応えが返ってきました。一瞬根がかりかとも思いましたが、その根は動き出します。今日の竿は1960年代のHardy Marvel 7'6''。30cm未満の鱒でもミドルから満月になる竿ですが、その竿がバットまで曲がり満月になります。
流石にMur川の重い流れに入り込まれたらこの魚では取り込み不能かと思い、兎に角魚を流れの緩やかなところに留めるように誘導し急いで糸をリールに巻きリールを使ってやり取りする体勢に入りました。
幸いにも魚はジャンプは余りせず水中での引っ張りっこに注力しておりました。ジャップした際に見えたのは茶色の魚。ブラウントラウトです。虹鱒と違いファイトは多少楽。そこでMarvelに余分な負荷をかけないように気を使いながら慎重にやり取りし、持参のSharpe'sのテレスコピックタモに何とか誘導し取り込みました。

魚はまるまる太って重いブラウントラウト。毛針を外し体長を計ると、豈図らんや、39cmと40cmには届きませんでした。

それでも最終日に大きな魚を釣ることが出来て幸せです。
魚を緩やかな部分で水に戻してやると、暫く姿が見えてましたが、スッと深い水底に帰って行きました。

これで昨日に続いて釣った場所から下流に移動します。そこは小砂利の川底で昨年グレイリングをドライフライで釣った場所。水量は多いのですが、濁りが取れて来ていたのでドライに期待し、16番のオレンジクイルを結びました。ハックルはハニー・ダン、ボディはグレイリングが好きそうな色という基準で決めたものです。

こちら側の岸の上には高い草と木が生えておりますので、川の半分近くまでMarvelで毛針を運ぶのは容易ではありません。しかし何とかかんとか川の真ん中までは届きませんでしたが15ヤード超くらいを投げて毛針を流すと魚が水中から浮き上がり毛針を咥えました。
グレイリング!しっかり鈎にかけやり取りします。糸をすっかり巻き込み、リールでやり取りしながら、満月のMarvelを撮影しようとカメラに手を伸ばしたところ。。。急にフッと竿先が上がり、軽くなってしまいました。痛恨のバラシ。カメラなんぞと邪心を抱いた結果です。

その後暫く時間をおき、オレンジ・クイルを新しく結び直し、再度川に毛針を置くと、また水中から魚が舞い上がり毛針を咥えました。
グレイリングです。ジャンプしますが、今回は慎重に糸の張りを失わないようにしながら、テレスコピックタモで魚を確保しました。

グレイリングは水中から出して撮影すると銀色にしか見えないのですが、水中に入れるとなんとも言えない地味ながらもちらっと極彩色も見えるという不思議な色をしております。魚を流れに戻した後はグレイリングの残り香、胡瓜或はスイカとでもいうような匂いが手に残りました。
実釣一日半でしたが、楽しめた釣りになりました。Murauにいつもながら感謝です。

渓流釣りのグランドスラム達成(2016年7月6日Mur及びEtrachbach釣行)

2016-07-06 20:12:54 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
前回Murauに釣行した際ウィーン空港にて買い求めたFliegenfischen誌(ドイツのフライフィッシング専門誌)に、毛針釣りのグランドスラムはブラウントラウト(Bachforelle)、虹鱒(Regenbogenforelle)、グレイリング(Aesche)、イワナ(Saibling)を一日で釣り上げる事という記事があり、それをやるためにオーストリアはザルツブルク近郊に釣行したとありました。
チュニジアでは、7月5日〜7日の三日間がラマダン明けの祝日となったため、三日間で再度Murauに釣行する運びになりました。

7月5日にウィーン空港着、直ぐレンタカーでMurauに向かったのですが、途中で激しい雷雨があり、釣行の行方に暗雲が垂れ込みます。
7月6日朝St. Lorenzenの観光案内所でMur川のStau BodendorfとStau St. Georgの両方で釣りが出来る券を購入し、Stau Bodendorfに向かったのですが、川の状況は写真の通り。増水し、茶色に濁っております。期待したドライフライの釣りはこれでお手上げ。昨年10月の様に、川の流れが緩くなったところでウェットフライ、ニンフでアピールする以外処置無しです。

今回のレンタカーはMini。前回のプジョー2008よりもスポーティーな感じの車ですが、マニュアルでダウンシフトしてもエンジンブレーキが全然感じられないという車。オーストリアの曲がりくねった山道ではエンジンブレーキを多々活用するのですが、この車ではフットブレーキを多用する羽目になりました。

増水でも流れが緩くなったところに移動します。そこで金玉ニンフをWF Hardy 8'6''で川の上流に投げ入れると

直に虹鱒がかかりました。他にも虹鱒をかけ魚の鼓動を手で感じる事は出来ました。

更に金玉ニンフを上流に投げ入れると、かすかなアタリがあり合わせをくれると竿先が「グッ」と水面にささります。「魚?』、そう魚です。魚は低層へ逃げようとし、それから急にジャップ、と鈎を外そうとしますが、鱒と違い抵抗には勢いが今一歩欠けております。これはグレイリングと思いましたが、案の定で、暫しの引っぱり合いの後魚はタモに収まりました。

計ると38cmのグレイリング。Mur川に来て良かった。



その後も小さなグレイリングをGreenwell's Gloryのウェットフライで釣ったりとMur川の釣りを楽しみました。





今回Mur川で釣った魚は全てこの場所からのものです。

10時から初めて既に13時30分、もう上がりましょう。因に釣りバックですが、今回はBradyのものを持参しました。HardyのTrout Fisherバックは皮のストラップが殆ど切れてしまい修理が必要な状況で、暫く戦線復帰は無理な状況です。

さて、ドライフライの釣りをしたかったので、Etrachseeに向かい、湖畔の宿で釣り券を購入し前回同様湖に流れ込むEtrachbachへ向かいます。1960年代のHardy Marvel 7'6''に竿を替え、Frank Elder氏のHoney Dun 123番を纏ったBWOの14番のドライフライを結び渓流に投げ込むと、魚が「バッシャ」と飛び出し、すかさず合わせます。Marvelは曲がり、魚は下流にダッシュ。川の流れが合わさり無理に引き抜く事は無理。慎重に魚を下流の流れが緩やかになったところに誘導しテレスコピックのタモで魚を上げると、ブラウントラウトでした。

Etrachbachで今回唯一ドライフライが出来た場所。

山は前回と違い雲が多く、強い風が吹き下ろします。

すると魚がかかりまたMarvelがギュッと曲がります。

今度上がったのはイワナでした。

ブラウントラウト一匹とイワナ二匹を浅瀬にキープし写真撮影。



渓流は釣りになる場所が一カ所しかなかったため、魚を6匹釣ったところでドライには出なくなりました。それで湖に変える事にします。湖への川の流れ込み部分は草が生い茂っております。

湖畔の宿の方へ向かう道。

前回座りながらイワナを釣ったベンチ。

その後ボートを使いドライフライで虹鱒、イワナを釣りました。
こうして、7月6日の一日で図らずも、虹鱒、グレイリング、ブラウントラウト、イワナの順でドイツ人の言うグランドスラムを達成しました。こんな事が出来るのは世界中でもアルプス地方か北極圏近く、スカンジナビア、北米の一部だけではないでしょうか。
個人的には久しぶりのグレイリングが嬉しかったですね。

1400mの山の上は曇って風が強く寒かったのですが、ちょっと下界では晴天で緑のまぶしいオーストリアの田舎が広がっておりました。