思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Mur川、今年もありがとう(2015年10月17日)

2015-10-17 16:46:00 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
Murauがその名を馳せるのは圧倒的に冬のスキーと思います。しかし、夏も家族連れなどが自然に触れるため多く訪れるようです。特に、今年はギリシャ債務問題でユーロ紙幣が現地で引き出せなくなったり、チュニジアの観光客を狙ったテロなどで遠隔地に行くのを敬遠した人たちが平年より多くMurauを訪れたと宿の女将さんから伺いました。


そして、地元の観光案内所には釣りのパンフレットも置いてあり、一見の釣り人でも釣りに必要な情報がコンパクトに纏まっております。Steiermark州は、Gmundner TraunのあるOberoesterreich州と同様に釣り免許が不要ですので、外国人にとってもありがたいところです。


最終日の今日、10時ちょっと前にStau Bodendorfの最上流Wandritschbruecke(ヴァンドリッチュブリュッケ)に到着。今日はHardy Marvelを使うことにしました。リールはPerfect最後期型3 1/8、Cortland Sylk DT4Fが巻き込んであります。


相変わらずの増水ですが、濁りは相当薄くなっておりました。


左岸の木が生える川岸に沿い水の流れが緩くなっているところが見えると思います。増水の川の中心部ではライズも期待出来ず、今日も過日同様に川の緩みに潜む魚を狙うことにしました。


橋を渡り、草の茂る坂を下り釣り場に向かいます。


気温は5度。日が射していないのでHeavy WeightのSolway Zipperを着て、その下にセーターを着込むと丁度良い寒さ。水が落ち着いていれば寒くともグレイリングが水面の羽虫にライズをする心ときめく光景が見られるのですが、今回は本当に残念です。10時過ぎから釣りを開始しますが、ドライフライは全く期待出来ず、ニンフを使うことにします。距離を投げる必要がないのでMarvel 7'6''でも何とかなります。釣りを開始して早々、アタリがあり、合わせると虹鱒の引きがあったのですが、逃げられ、その後も3匹かけたのですが、逃げられました。


そこで、ひと呼吸おくために毛針を交換。Grey Gooseを結びます。そして、上流の緩やかな溜まりになっているところに投げ入れると、リーダーが引かれます。Marvelのティップを気遣いながら合わせると竿先がグッと曲がりそれがミドルセクションまで曲げてきます。既に何匹か失っているので心の余裕がなく、竿の曲がりを写真に写すこと能わずですが、釣れたのは色白なブラウントラウトでした。


最終日も魚が釣れて、本当にホットしました。釣れたのは11時20分程。危ないところでした。


そんなことをしていると、蒸気機関車が走ってくるではありませんか。不意をつかれたため煙しか写真に収められませんでした。


そして、12時。ウィーンへの帰着時間から逆算し、試合終了です。Wandritschbrueckeの詳細があるのを発見しました。


この橋も今年は見納め。来年もまた会うことが出来るでしょうか。


釣りが終わった午後になると天気が良くなり青空が広がりました。今回は運がなかった訳ですが、それでも相手をしてくれたMur川の魚に感謝し、また来年もMur、そして爆釣の湖の異名を取るEtrachseeに来れるように期待します。(Etrachseeは9月中旬で禁漁になっております)
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Mur釣行(2015年10月16日)

2015-10-16 17:12:01 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
コーヒー牛乳の濁流と化したMur川を前にアタリすらなく惨敗した昨日。今日の天気は昨日にも増して険悪な雨となりました。それでも、釣り券三日分を購入し、かつ、釣りに行かなければ一体何をしたら良いのか全く頭に浮かばないMurauという立地。背水の陣です。気持ちは萎えておりますが、雨の中釣りに出発することと致しました。


Fiat 500Xは宿の前に停めております。


宿の向かって右隣はMurauer Bierの醸造所。1495年から続くオーストリアでも古い醸造所です。


昨日と同じ、Stau Bodendorfの最上流の橋にやって参りました。雨の中、釣り支度をする気力が湧かず、まず状況の偵察に出かけます。川の右岸には


春から秋にかけては自転車道、冬の積雪時にはクロスカントリースキーのルートになる散歩道があります。


その道に沿って下流に向けて散歩です。


川の水を見ると、水量は相変わらずの多さですが、昨日のコーヒー牛乳色から多少濁りが薄くなり所により水面下の石も見えるようになっております。これにはずいぶん勇気づけられます。


2km程下流には対岸へ渡れる橋があり、その橋のたもとには昨日昼食を摂ったSteiermarkで一番古い宿への道案内がありました。


多少勇気をもらって上流に取って返します。


何時もの釣り場ですが、心持ち昨日よりは濁りが薄いかな、と思えます。


さて、今日はこの雨ですので、竹竿には休暇を出しました。それでは釣りが出来ない?実は、先日の一時帰国時にグラスロッドを購入したのでした。未だ何ら見当も付いていないのですが、いつかチュニジアの内水面でコイ科の魚、パーチ等を相手に毛針釣りをしたいと思い、また、海での利用可能性も考え、ティムコの7'9''のグラスロッドを手に入れた訳です。
このグラスロッド、竹竿に感覚が近いという宣伝文句ではありますが、カーボングラファイトに比べれば確かに竹竿に近いものの、やはり別物です。ティップが柔らかく出来ているのもありますが、竹竿のソリッドな感覚がなく、空疎なペナペナ感が拭えません。


雨の中、釣りを開始したのは11時過ぎ。アタリは一向に無く、BarbourのSolway Zipperをだんだん水の寒気が貫いてきます。時は既に14時を回り、そろそろ上がるかなと気弱な虫が頭を持ち上げます。でも最後まで諦めないぞと自分に喝を入れ、また上流に毛針を振込みますと、待望のアタリです。思わず合わせると生き物の躍動感がペナペナのティップを通じて伝わってきます。濁った水面を通じ見えた魚はグレイリング。慎重に取り込みました。これで、わざわざMurauまで来てのボウズは免れることが出来ました。


未だ小さいグレイリングですが、このグラスロッドは結構曲がってくれました。


その後直ぐ虹鱒をかけ最後の取り込みのところで逃げられました。その後アタリは途絶え、再度当たりのスイッチが入ったのは15時になってからでした。写真ではうまく映っておりませんが、色白で非常に薄いピンクのかかった奇麗な虹鱒が釣れました。


その直後にはチビ虹鱒も釣れました。


その後もチビが釣れたり、かけても取り込みに失敗したりとありましたが、流石に雨でずぶ濡れなので、16時には撤退の決断を致しました。明日は最終日。しかも午前中しかありません。天気がどうなるか非常に気になります。天は私を見放したもうのでしょうか。。。


今日はボウズではなかったので、Murauer Bierの生ビールが殊の外美味しいです。明日の夜はウィーン。明後日はチュニスです。
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Mur釣行(2015年10月15日)

2015-10-15 16:56:43 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
今オーストリアのムーラウ(Murau)に来ております。今年の10月14日はイスラム暦(ヒジュラ)の新年、また偶然10月15日のフランス軍撤退記念日の祝日が重なりチュニジアは連休となりましたため、一日休みを足し、馴染みのオーストリアでの釣りを企てた次第です。


ウィーンのSixtではOpelのAstraクラスを予約したのですが、出て来ましたのはFiat500X。これはFiat500よりも遥かに大きな4ドアハッチバックでかなり大型の車。長距離の走行には向いております。ただ、慣れない車なので、ハンドブレーキではなかったり、ワイパーの使い方が最初分からなかったりと、ちょっと手こずりました。
ウィーンでは雨。非常にいやな予感がしましたが、昨日のムーラウまでの道のりは激しい雨。Mur川も大増水です。


取りあえず、大型ニンフも使えるWF Hardy 8'6''にSpitfire Perfect、Cortland SylkのDT5Fを組み立てます。


さて、そのMur川ですが、Gruene Mur(緑のムーア)と讃えられる緑色に澄んだ川の姿は数日間の激しい雨のため通常より川幅が大きく広がった褐色の濁流に変わり果てておりました。


今年7月にグレイリングを次から次に釣り上げた小砂利の浅瀬も恐ろしい姿で迫って来ます。


今から8年前に当時ハンガリー日本人会釣り部の同僚Nさんと寒グレイリング釣りをした川岸もこの通り。


しかしながら、既に遥々オーストリアまでやって来て、釣り券も土曜日までの三日分を購入して退路を断った我が身には、釣りを決行するしか選択肢はありません。排水の陣で川霧の流れが緩くなった場所に大型のウェットフライ、ニンフを投入し、濁った水の中で少しでも魚の目に触れることを祈りながら緩慢なカーストを繰り返します。が、釣りを開始した10時30分から3時間頑張っても何の魚信も感じることが出来ません。水が澄んでいれば昔のように頑張れたのですが、このミルクコーヒーの圧倒的な存在感の前に、寒さで感覚の麻痺した左手を擦りながらの苦行も続けること能わず、今日は退散することに致しました。
オーストリアといえばAlmududlerという清涼飲料水の国。Zuckerfrei(sugar free)を飲みながらの苦行でした。


7月の釣行にて言及した釣行禁止の御触書。ここから上流はSchwarzenberg公の子孫の所有地になってしまいました。


今日釣りを決行したのはMur川のStau Bodendorfという区間。そのBodendorfには創業1040年というSteiermark州で一番古い宿・レストランがあります。勿論建物は11世紀のものではありません。そこで遅めの昼食を頂きました。


宿に帰って外を見ると、多少空に青色が顔を見せておりました。


但し、明日の予報は雨。今日よりも多く雨が降りそうです。特に悪い行いをしているとの心当たりはないものの、運に見放された今回ムーラウ訪問となっております。


兎に角も、濡れた竹竿はすぐに水気を拭いて乾かしましょう。


水気を取り乾いたら、Ballistol Kleverという植物から抽出した油で金属部分を奇麗にしておくのもおすすめ。この油は銃器の手入れ、食品用機械の手入れ等にも使われるもので、25年前から釣り具の手入れに使っています。日本では売っていないと思いますが、ドイツの親類が頼めば買ってくれるためありがたいことにこれまで切らしたことはありません。

明日はどうなることやら。。。。
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養沢釣行(2015年9月19日)

2015-10-03 17:22:27 | 釣行記/Fishing Trips
先月一時帰国した際、Hardy Marvelを日本から落ち帰ったと申し上げましたが、そのチュニジアに持ち帰るその竿を供に久しぶりの養沢に行って参りました。帰任予定9月20日の一日前、9月19日土曜日です。


平和橋の上流の様子。


昨年と変わらず、代々木上原駅5時36分初の小田原行き急行に乗り、登戸、立川で夫々乗り換え、7時には武蔵五日市の駅に到着、そこから小走りにバス停に向かうと上養沢行きのバスは既に来ておりました。
そのバスに揺られて20数分で養沢毛針釣り場に到着です。


8番というのは、結構人が少ないようですね。


さて、竿は7'6''のHardy Marvel 1967年製です。プラスチックのフライライン使用を前提に設計されているものなのでKaizerの1番(AFTM 3-4程度)のシルクラインは軽すぎるかと思いましたが、リールがSt. George Jr.なので、プラスチックラインの4番を巻くのは無理。1990年代からの歴戦のシルクラインを巻き込みました。


竿が短いドライフライ竿なので、使う毛針もドライフライに限定。チュニジアに来てからまだドライフライは巻いておりませんので、日本で巻きためたPartridgeのドライフライ鈎にFrank Elder氏のHoney Dunを使った毛針で楽しむことにします。
今回、重いもの、かさばるものは持参出来なかったので、ニーブーツを履いての釣り。従い、川を上流に遡行する本来のドライフライの釣りは出来ません。どうしても限られた場所での釣りにならざるを得ず、増水した水を前に苦戦です。
それでもHoney Dunを巻き込んだTup's Indispensableには虹鱒も思わず出てしまいます。また、Marvelは、こんな小さな魚でもビックリするくらい曲がるので楽しませてもらいました。


このサイズの虹鱒君がそこそこ相手をしてくれました。短い滞在でしたが、今年も養沢に来れたし、良い思い出になりました。


今回は時間がなくお邪魔出来ませんでしたが、木の小屋さん。懐かしいですね。


名糖ホモビタ牛乳。これ昭和40年代とかのものではないでしょうか。


東京に早く戻らなければならないので、13時30分くらいのバスに乗るべく、12時ちょっと過ぎには釣りを止め、管理事務所まで歩いて帰ります。


バスがやって来ました。日本にいる時何度も見た光景ですが、北アフリカからはるばる来た身には感慨深いものがありました。


今、本稿を書いているその刹那の窓から見える地中海。故郷は遠くにありて思うもの、という言葉がしみじみ心に染みます。
コメント (2)
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