思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Hardy Perfect Reel 3 3/8'' 1912 check

2022-05-03 02:50:58 | Hardy Reel

モロッコへやって来てからもう少しで一ヶ月が経過致します。今日はラマダン明けの連休の初日。4月30日から5月3日まで四連休となるので、本来であればモロッコ国内で釣りに行く、或いは、欧州へ飛行機で釣りに行く可能性もあったのですが、まず、モロッコ国内の鱒が棲む遠隔地へどうやって行くのか、ライセンスはどこで購入出来るのか、と言った情報が未だ集まっていないこと、また、欧州に行くのは良いのですが、モロッコは入国時に48時間以内のPCR検査陰性証明を義務付けているためどうやったら陰性証明を取得出来るのかという情報を調べる必要があること、より、この連休は無為に過ごすことになってしまいました。
そこで持参した釣り道具を見ていたら3 3/8インチのPerfect Reelが目に止まったので久し振りに手に取ってみました。
アイヴォリンのハンドルが付いたプレート部分。

軽量化と通気のための穴が開いたドラム部分。ハンドルの付いたプレートとの接続はプレートに固定されたネジの切られた軸で行いますが、1912年チェックの付いたPerfectではさらに通常とは逆に左回転で締まるようなネジが付いております。

私のPerfect Reelの瑪瑙は赤瑪瑙が使われております。巻き込んであるのはKaizer Silkの3番、AFTMですと6番強の重さ。Hardyの10'程度の強い竿に丁度良い重さです。

真鍮のリールフットは長め。それが故に1950年代等の新しい竿には装着出来ないのです。1958年製のPerfection 9'には装着出来るのですが、他は全くダメ。

1912年チェック以前のPerfect Reelのレギュレーターはブリッジ型のホルダーが装着されて脱落を防止するようになっております。これは1917年チェック以降は構造が変更されホルダーは不要となります。

逆向きに回転固定させるネジを外してリールを分解致します。

3つのパーツに分解したのがこれ。

半月状のトングがバネを圧迫し、そのバネがラチェットを更に圧迫する機構。

近寄って見ますが、まず、ドラグを一番かけない状態がこれ。

レギュレーターを回すとその直ぐ下に着く真鍮色の部品がリールのフレームから離れトングを下に押し下げます。そしてトングの先端は固定されたバネの先端を下に向けて圧迫。バネからラチェットに圧力がかかります。

最大限のドラグをかけたのがこの状態。大型魚の引きもしっかりとしたドラグと竹竿の粘りで凌ぐことが出来ます。この複雑な機構のためか、1912年チェックを持つHardy Reelはその希少性と併せ人気があり私がこのリールを入手した20年くらい前と比べても価格が高騰しております。今はとても手を出す気にはなれません。

そして、頑丈なフレームには11と77032の刻印。

このリールを使うとすれば、日本なら丸沼、オーストリアでしたら現在は釣りが出来ないようですが、以前は大型鱒が表層のウェットフライで良く釣れたWienerbruckのダム湖が頭に浮かびます。しかし、今居るのは北アフリカの西の外れモロッコはカサブランカ。Perfection 9'の竿尻のボタンの隣がハッサン2世モスク。アルジェのモスクに抜かれるまではアフリカ最大のモスクだったもの。

ラマダン明けで、吹奏楽の音楽が街を練り歩く音が聞こえるカサブランカ。港を望めはそこは大西洋。イングリッド・バーグマンとハンフリー・ボガードが演じた主人公達がドラマを繰り広げたとされるカサブランカの街です。(因みに、映画は全て米国内で撮影されておりカサブランカは名前だけ。でも、市内には映画にあやかったRick's Barという店があります)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする