思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

WhitingとOld English Game Cockの比較

2018-08-30 16:13:58 | ハックル/Hackles
次に釣りに行く機会が有るのか無いのか分かりませんが、徒然なるままにドライフライを巻いてみました。
鉤はSneck鉤の1番(14番)。ハックルフライなのでDown Eyeです。

Frank Elder氏が70年代育てたOld English Game Cock (英国の闘鶏)のハックル。ラスティー・ダンを巻いたPheasant Tailドライフライ。

正面からハックルを見るとこの通り。

同じFrank Elder氏のハックルですが、ブラックorダークブルーダンに金色が一部乗っている物を巻いたバージョン。

正面から見るとこんな感じです。
Old English Gameのダン系のハックルの特徴はその透明感。光にかざすとキラッキラッと輝き少なくとも釣り師に対して非常にアピール致します。

一方、現代ジェネティックハックルを一手に取り仕切る感のあるWhitingのハックルでハニーダンに近いものを使い毛針を巻いてみました。

正面から見ると色がハッキリとしていてインパクトがあります。

Frank Elder氏の著書、The book of the hackleで氏はハックルの品質をファイバーの数の多さ、ファイバーの硬さ、ファイバーの色艶で測り、過去から釣魚本では著者達が昔は良いハックルがあったのに今は良いハックルは入手が難しくなってしまった、と嘆くが、昔のFly Fisher's Clubのハックルコレクション、Dr. Baigentのハックルコレクション等を参考基準に採ると、色の点では兎も角、現代のハックルの品質は昔のものより良くなっているくらいだ、と記しております。
Whitingのハックルは多分日本の高知の尾長鶏の血統を入れているのではと思いますが、ハックルが非常に長く、かつ、ファイバーが太く硬く、ドライフライを水面に高く載せるという点ではOld English Gameに比べ優っていると思います。ところがWhitingのハックルには致命的な欠陥があるが有るのも認識出来ました。


ラスティ・ダンのハックル。表面から見たもの。

ラスティ・ダンのハックル。裏面より見たもの。

金色が乗ったブラックorダークブルーダンの表面。

上記の裏面。

Whitingの表面。

Whitingの裏面。

OEGのハックルでも裏目は白っぽくなりますが、Whitingのものは残念ながらほぼ色が白。鶏の先祖、ジャングルフォウルのハックルの色はレッドなのに、裏がチョークのように白くなるという遺伝を濃厚に残している様子。
従い、毛針にして巻いて見るとその裏面の白色が目立ち全体的に白っぽくなっております。

一方、OEGは裏目の色が左程白くならないので、毛針に巻いても透明感が残ったものになります。

この色の違いが釣果をどのように左右するのでしょうか?或いは何の違いもないのでしょうか?

楽しみです。
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Etrachsee滞在(8月19日〜22日)

2018-08-25 14:47:08 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe

イスラム教の祭日「犠牲祭(Eid al Adha)」の休みを利用してまたまたオーストリアはムーラウへ行ってきました。ルフトハンザ便でチュニスからフランクフルト乗り換えでウィーンに飛んだのですが、チュニス出発が遅れ、乗り換え便に間に合わず、ウィーン到着が4時間遅れたのに追い打ちをかけ、チェックインした竿ケースがウィーンに到着せず、何故かミュンヘンにあるとの事。翌日朝ようやく竿ケースを受け取れてホッとしましたが、暗雲を感じさせる出だし。
いつもはムーラウ市内のHotel zum Brauhaus宿泊でMur川やEtrachsee(エトラッハゼー)を釣るのですが、今回は家族連れ、且つ、家内に釣りをさせるという旅。そのため、誰でも確実に釣れるEtrachseeでの釣りを中心にする事、また、車での移動の面倒さを考えて、10年振りにEtrachseeの畔にあるLandhaus Etrachsee (http://www.etrachsee.at) 3泊する事にしました。

宿は上の写真の宿泊棟の他、朝食や日中コーヒーを飲んで過ごせるJagdhaus(昔の狩猟小屋)よりなっております。想像していなかったのですが、宿は満室。我々の部屋は宿泊棟の日本式で3階の屋根裏部屋。それでも別段狭く感じる事も無く快適でした。

Etrachseeに来られた方ならご存知のこの建物がJagdhaus。

Jagdhausでの朝食時に窓の外を見ると茶色と白の牛達が斜面で草を食んでいるのが見えます。

Jagdhausの近くには宿の女将の飼い犬クロスビーが徘徊しております。
さて、今回Etrachseeに行く前にチュニスの拙宅で久しぶりに古い英国のハックルで毛針を巻いて見ました。

Med. Rusty Dun Cock, Dr. G.S. Lafferty Bradwell 1945と記載された、多分1945年に入手したラスティー・ダンのハックルと、Blue Dun Pale Cock, Messeena 1942と記載された1942年に入手したブルー・ダンのハックル。

上がラスティー・ダンの中身。

ラスティー(錆色)というよりは薄いダン色のリスト(中心部)に金色が乗っているという感じのハックル。

ブルー・ダンの中身は上。

現在はほぼ入手不能な透明度の高いブルーに所々金色が乗ったハックル。

それらのハックルを使い、スネック鉤の1番(14番)でハックルドライフライを作ってみました。ウィングが無いのでダウンアイの鉤を使います。
Etrachseeは今年の酷暑で30度を超える下界より涼しく25度程度でしたが、それでも例年この時期に比べると気温が高く、日差しがキツイ。その中、家内をボートの後ろに乗せ、漕ぎ手に徹しトローリングの釣りをさせます。

ゆっくりと漕げば、岩魚がアタック。鉤にかかります。竿は30年くらい前に買って、昔ソ連崩壊直後のシベリアでも使った9フィートのカーボン。折られても全然気にならない竿。

魚を触るのが嫌なお客さんに代わって魚を鉤から外すのはギリー(ガイド)の私の仕事。こんな様子で岩魚を数えきれない程釣ったのですが、あろう事か、竿が重くて手首が疲れるからもう休む、と、お客さんは宣言。私が常用する竹竿に比べたら重さがゼロ以下にしか感じられない竿ですが、変な所に力を入れる超初心者には重く感じられる様で、仰せの通り、釣りを中止し、岸へ戻ります。

釣りの後は、湖を一周。確かに釣り人同士で来ると、釣りしかしないためこういう事はしませんが、湖を一周して見ると色々な発見があり、2002年から知った積もりになっていたEtrachseeもまだ知らない所があったのね、と、啓蒙されました。毎回では困りますが、偶には釣りに家族を同行するのも良いかも知れません。
ギリーのお仕事を離れた自分の釣りは、また、後刻続けさせて頂きます。
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