思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

英国のハックル(ベイジェント博士のハックル)

2019-10-22 14:26:55 | ハックル/Hackles

Dr. Baigent (ベイジェント博士)は以前本ブログでも取り上げた、長いコックハックルを使い鱒の跳ねを誘う毛針、Baigent Brownを始めとする一連の毛針を作り上げられた方ですが、博士はそうした毛針に使うためのハックルを農家に委託する等して自ら作り上げた逸話でも有名です。
ハックル研究のバイブル、Frank Elder氏のThe Book of the Hackleには、Elder氏がベイジェント博士の娘さんが亡き父親から受け継いだハックルの数々を鑑賞した際の感想が記されております。
そのベイジェント博士のハックルの一部を写した写真というのが、上のもの。特に上の段の右側のダン系色のハックルは魅力的で釣れそうな感じが漂います。
ハックルの中心部、リストが透明感のあるダン(ブルーダン)。ベイジェント博士はブルーの色を出すためにオールドイングリッシュゲーム(OEG)の雄鶏にブルーアンダルシアの雌鶏を頻繁に掛け合わせたと言われておりますが、写真でみる限り、私の手元にあるOEGのブルーの色は出ておらず、Frank Elder氏のハックルのブルーと同じスチール(鋼)色のブルーの様です。

これもベイジェント博士のハックル。Frank Elder氏の著書では、色は素晴らしいが、形は今ひとつ、と評された様に、日本から来た「ヨコハマ」の血が入らないためか、細い矢の様な形では無い、昔ながらの英国の鶏のハックルの形が出ております。
ハックルの機能的な良し悪しは、形、ハックルのバーブ(ファイバー)の長さ、バーブの密度、等でパラメーターがある程度確立しておりますが、色に関してはハックルの裏側の色が白くない、という以外は、英国伝統の色の分類以外何らかの指標はありません。その中でも、ダン系色のハックルはその色を余り主張しない透明感の成せる技か、私の狭い経験の中でもドライフライに使った場合、魚が釣れる可能性が高いと感じております。

中々無いダン系の色でも、特に難しいのがブルーダン。満足出来るものは本当に、本当に有りません。
コメント (4)
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会津大川釣行(2019年10月11日)

2019-10-12 10:50:53 | 釣行記/Fishing Trips

まとまった休みの取れなかった今年、夏休み消化のため休暇を取得した10月11日、台風直撃の前の最後の釣り機会と思い会津大川へ行ってまいりました。

北千住を6時42分に出発するリバティ号で会津田島へ。昔はこの時間の電車は予約出来ない電車でしたので、連休時などは3時間超を過ごす座席の確保が大変だったのですが、今は数日前にインターネットで座席予約をして払込めば完了。非常に便利になりました。

雨の東京を出て約3時間。うつらうつらしていると会津に入ります。日光は雨混じりでしたが会津は晴れ間が覗き、雨の中の釣りを覚悟して来た身には嬉しい状況。会津田島駅に到着は9時43分。それからこめや釣り具店まで歩き入漁券を購入、そこから踏切を越えて丹藤橋へ目指し歩き、橋の下で準備を整え今回は最上流の堰堤に向かいます。wanaka87様がSaltounで良い釣りをされたと言う情報に触発され、何時もは何故か橋の下流から始めるところを今回は上流を目指したのでした。

最上流の堰堤の下に水が深く溜まっている場所が幾つかあり観察すると、ユラユラと魚の姿が見えます。そこで、今回持参したぺゾン・エ・ミシェルのサン・ルイ(St.Louis) 8'1''にハーディー製のぺゾン・エ・ミシェル スーパーパラボリックリール76(76mmですので3インチ)、DT5Fの道具立てにリード・フライのSaltoun、ドロッパーにRamsbottom's Favouriteをつけ魚の上流へ投げ込みます。

何投かしても上手く流れないのか魚の位置に変化はありませんが、その後の数投、魚がスッと下流に動き頭を動かしたところで合わせると、鈎掛かり。短竿のSt.Louisをギュンと曲げてラインを引っ張られます。障害物の多い場所でラインをやるのは致命的。そこで多少乱暴ですが4Xを信頼して魚と力比べ。テレスコピックのタモに魚を入れることに成功。魚は40cmの虹鱒で、口にはSaltounがしっかりと掛かっておりました。釣りを開始したのが10時30分。11時前には一匹釣り上げ、会津まで来てのボウズを免れる幸先の良いスタート。

そこから今日はウェットフライでの釣り下りと決め、下流の川幅の広がった場所へ毛針を流して行きます。急な流れがゆるい流れに合流する場所の上流からダウンクロスで毛針を投げ入れると、ラインが伸びきるところでゴンと手元にアタリ。間髪入れずに合わせ魚がジャンプ。

使い慣れたハーディーの長竿と違い、短竿。且つティップの長い全体にハリのあるぺゾン・エ・ミシェル竿。ハーディー竿の魚とのやり取りの安心感は残念ながらぺゾン・エ・ミシェル竿には多少欠けており、川幅の広さもあるので無理はせずラインを巻いては、再度持って行かれるを繰り返し、只々鈎が外れないよう慎重にやり取りすることに努めました。漸く寄って来た魚を慎重にタモに導くと、この虹鱒はRamsbottom's Fabouriteをしっかりと咥えておりました。45cmとファイト振りに比べると小型でしたが、12時前までに2匹と、遠出をして来た身には嬉しい釣果。

当日は金曜に拘らず他にも釣り人が来ていて上流から釣り上がる方がいたのですが、じゃぶじゃぶ川の中を歩いて来ます。観察するとそれで数匹見えていた魚がサッと散ってしまい2匹目を釣った後の釣りは警戒心の上がった魚との対峙となってしまいました。常日頃思うのですが、何故、皆さん水の中に入ろうとするのでしょうか?丸沼でも我先に腹まで水に入ってますが、後ろに問題がないのであれば出来るだけ水には入らずラインを伸ばした方が魚は警戒せず岸辺まで来るので釣り人には有利なのですが。。。台風の影響を避けるため、15時会津田島発のリバティで帰ろうと決めていたので、釣りは14時まで。3時間半の間で、2匹釣りタイムアップ。上がった時には会津大川も厚い雲に覆われようとしておりました。

汗をかきかき駅に到着。切符を買って14時30分に何時ものヴォーノさんへ駆け込み、塩チャーシュー麺を注文。豚肉の滋味を味わい釣りの空腹を癒しました。
自宅には19時に帰宅。自宅を5時37分に出てから3時間半のため遠距離を往復した、毎度の会津大川日帰り釣行となりました。

昨日使ったRamsbottom's FavouriteとSaltoun。

英国の毛針をまとめた毛針のバイブル、A. Courtney Williams氏のA Dictionary of Trout Fliesは、Ramsbottom's Favouriteをスコットランドとウェールズのシートラウト釣りの達人Ramsbottom氏の作で、非常に有効な毛針であるとしております。2年前この毛針で会津大川で51cmの虹鱒を釣り、その前にもオーストリアで良い思いをしているので、お気に入りの鈎です。また、Saltounはオーストリア、ドイツ、日本での経験から非常に有効な毛針として信頼しているもの。今回はこの2つを同時に使うという釣りでしたが、またまた良い思い出を作ってくれた事に感謝です。
8'1''の張りのあるぺゾン・エ・ミシェル竿で虹鱒のファイトに苦戦したのですが、7'6''のハーディーのマーベル(Marvel)だったらどうだったかな?案外あのペナペナ竿の方が魚を早く弱らせるのでは?と夢想する、台風をこれから迎える暗鬱な東京の午前です。
コメント (10)
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