思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Greenwell's Glory

2014-01-18 15:29:20 | 毛針/Flies
Halfordの本等を読み先人の知恵に触れた後は、それを自分の釣りに生かす事を考える番。南向きの部屋で冬の暖かい日差しを感じながら今年一番の毛針を巻く事にしました。
巻くのはGreenwell's Gloryです。
ウェットフライで欧州・日本の魚を数々釣って来たこの毛針は、ドライフライでもその威力を発揮します。英国の釣りの本では、暗い色のカゲロウにはGreenwell's Glory、明るい色にはTup's Indispensableの二種類のドライフライがあればそれで何とかなると書いているものもある程です。この毛針に使われるハックルはレッドに黒のリストが入ったファーネス。レッドのハックルは一般に固く、水面から高く浮く必要のあるダンにはもってこいの材料でもあります。


材料を用意します。ハックルは上述のファーネス。ウィングはスナイプ、それにゴールドワイヤーと何時も使っているPearsall's Gossamer Silkです。シルクにはワックスを良くかけておきます。


まず、左右揃ったスターリングのクイルから左右夫々より二片ずつクイルを切り取ります。




左右夫々の二片を重ね、ダブルウィングにします。これで多少の事では壊れない丈夫なスターリングのクイルとなります。


それをピンセットで揃え、


アップアイフックに取り付けます。フックはSprite up eyeの14番。


ウィングを取り付けたらフックシャンクをベントへ巻き進め、テイルを取り付け、ゴールドワイヤーを付け、ワックスを効かせたタイイングシルクでボディを作り、ゴールドワイヤーでリブを作ります。


ウィングは八の字巻きで左右にV型に分けておきます。


コックハックルを一枚選び取り付けます。


ハックルを取り付けたところ。


ハックルをウィングの後ろで止めた後、アイに向かって巻き戻し、ヘッドを作った後、ウィップフィニッシュ。シルクを切ったら出来上がりです。


冬の日差しにかざして輝きを見ます。








上記の説明だけでは簡単そうなのですが、何せ目がよく見えず、ほんの数年前まででしたら15分仕事なのが、たっぷり30分もかかってしまいました。また出来上がっても果たしてその出来上がりが良く見えません。こんな事では集めたフライドレッシングの材料を一生かかっても使い切れないかも知れません。

Floating flies and how to dress them

2014-01-10 22:09:42 | 毛針/Flies
Frederic M. HalfordのFloating Flies and how to dress them(浮かぶ毛針とその巻き方 1886年)はアイ付きの鈎を使ったドライフライの巻き方とそのパターンを纏めたベストセラーです。以前スターリングのクイルを二重にしアイ側にクイルの先端が出る様に結ぶウィングの付け方を紹介しましたが、それが絵になって紹介されておりますので、ちょっと載せてみます。



ハックルは裏側を表に向けアイより右に先端が向く様に取り付けます。




そして、ハックルを鈎先に向け巻いていき、タイイングシルクでウィングの後ろに留め、タイイングシルクはそのハックルをアイに向けて巻いていき、最後にヘッドを作ります。

そうすればクラッシックなドライフライの出来上がりです。

Etrachseeの牛

2014-01-04 17:52:27 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
オーストリアはシュタイヤーマルク州の山間の街Murau(ムーラウ)はハンガリーの首都ブダペストより500km以上離れておりますが、週末の釣り、冬のスキー、と良く訪れた思い出に残る街です。
Mur川の釣りの他、更に車で30分程度山へ登って行くとEtrachsee(エトラッハゼー)という湖があり、その湖畔の宿でチケットを買えば、一介の旅人でもフライフィッシングで虹鱒、ブラウントラウト、アルプスイワナを釣る事が出来ます。



宿にはボートが4隻ほどあり、基本はそのボートから釣るのですが、一カ所後ろが開けた牧草地になっている場所があり、そこからでしたら岸からも釣りをする事が出来ます。ただ、遠浅になっているので満足のいくサイズの魚を釣るにはコンスタントに20ヤードは毛針を投げる必要があります。



さて、問題はその牧草地。牧草地と言えば当然牛が放されている訳で、場合により興味津々の牛が近くに寄って来て釣りを妨害されます。上の写真では、牛が岸に来ない様に縄が張ってあるので大丈夫でしたが、そうでない場合もこれありでした。



私は牛の事を知らないので何と言う種類の牛か分からないのですが、この写真のような薄茶色と白色の二色を身にまとった、ちょっととぼけた顔の牛がムーラウ周辺では多い様でした。





牛の妨害に負けずに毛針を投げる事が出来れば、20~15ヤード岸から離れたかけあがり部分でちょっと大きなアルプスイワナがウェットフライにアタックしてきます。写真は最終モデルのPerfection 9'にSpitfire Perfect。

Etrachseeの宿、Landhaus Etrachseeの詳細はwww.etrachsee.atでご覧下さい。女将さんと夏場居た若い娘さんの写真も未だ健在です。

Pezon et Michel Soie Naturelle Luxor(ペゾン・エ・ミシェルのシルクライン)

2014-01-03 11:41:45 | Fishing Tackles
Pezon et Michelは言わずと知れたその昔一世を風靡した仏の竹竿メーカー。Charles RITZが開発に力を入れたPPPシリーズ等、皆さん良くご存知の通り。そのPezon et MichelはHardyがCoronaを提供していた様に、Luxorブランドのシルクラインを出しておりました。
HardyのCoronaを作っていたのがKingfisherを作っていたCumberlandだった様に、昔、パリのLa maison de la moucheの前のオーナーに「Pezon et Michelのシルクラインを作っていたのはベルギーのKaizerだった」と聞いた事があったのですが、やはりその通りでした。


上はDTではなくてレベルラインですが、Pezon et Michelが出していたLuxorラインの箱です。竹竿と同様にParabolicの文字を冠したこのライン、中を見ると

縞の入った茶色のラインにそれを纏める4つのリボン。どうもどこかで見た様な、と思うと将にKaizerのリボンと同じ。となると、50~60年代のFario ClubにはKaizerの2番(AFTMで言うと4~5~6番?)を合わせるのが正解となるのでしょうか。

Fischa-Dagnitzの鱒

2014-01-02 19:27:42 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
新年明けましておめでとうございます。

昨年は年頭にあたり旧年に増して釣りに行くとの抱負を述べましたが、全くもって抱負倒れになってしまいました。今年もそうなる気配が濃厚ですが、昨年の会津田島の様に新たな釣りの開拓にも勤しみたいと思います。


この写真は2005年5月16日に、オーストリアはウィーン郊外のチョークストリームFischa川は、Fischa-Dagnitzと呼ばれる漁区で釣った鱒のもの。竿はPerfection 9'、リールはPerfect Spitfire、シルクラインはKaizer No.2 (AFTM 4-5)、タモはSharpe's、バスバックはTrout & Salmon誌の付録品。