思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

裏切らないEtrachsee (2016年6月18日・19日釣行)

2016-06-21 17:57:57 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
先月はフランスでまたも不本意な結果になり心に開いた穴が塞がらないラマダンの日々を過ごしておりました。しきりに思い出されるのはハンガリー時代に通ったオーストリアの川と湖。チョークストリームのFischa、大型鱒が竿を引き絞るダイナミックなWienerbruckのダム湖。世界的に有名なGmundner Traun。でも、地元の人との交流を含め一番なじみ深いのがMurauとそこを流れるMur川と標高1,400mのEtrachsee。
チュニスからウィーンにはチュニスエアの直行便があるのですが、生憎火・木・日の週三便。週末では行けない。。。。と思っていたら良い事を思いつきました。
土曜日チュニス発深夜02:15のルフトハンザ便でフランクフルト経由ウィーンに08:10着、帰りはチュニスエアの日曜18:50発の便で帰れば週末釣行出来るではないか!!
同じエアラインでないので値段は張りますが、チュニジアディナールの最近の下落で日本円換算6万円程。他レンタカー代、宿代、等等かかりますが、心の病を抱えてラマダンのチュニスにいるより遥かにマシ。思い立ったが吉日で航空券を予約し、馴染みの宿Hotel zum Brauhausに連絡し部屋を確保、レンタカーを予約し6月17日深夜チュニス空港に向かいました。
最近の難民問題で、チュニスからの到着便はフランクフルトでは全員バスに乗せられ離れたターミナルに送られます。乗り継ぎ時間は一時間しかないのでパスポートコントロール含め時間がかかり過ぎるとウィーン便を乗り過ごす可能性があると心配しましたが。全て予定通りに進み、朝8時過ぎにウィーン空港に到着します。しかし、夜の間は殆ど眠る事が出来ず、3時間の運転がちょっと心配。
しかし、過去10年以上通った道は体が忘れず、なんだかんだで11時30分には宿に着いてしまいました。残念な事に期待していたMur川はここ数日の雨で茶色の濁流。土日では全く釣りになりません。そこで、昼食後Etrachseeに向かいました。


湖畔の宿について、女将さんを探し釣券を二日分購入します。ボートはビジターの場合一時間6ユーロとなってますが、「常連さんはタダでいいわよ」。最後にボート代をお支払いしたのは2003年だったでしょうか。。。このEtrachseeには流れ込みと流れ出しのEtrachbachという小渓流があり、釣券にはその渓流での釣りも含まれております。そこでEtrachbachの上流を試してみる事にしました。
湖の流れ込みは長い草が生えていて流れも緩やか。そこでアルプスイワナがライズしているのを発見。
Rusty Dun(ラスティー・ダン)のハックルにフェザントテイルのボディをゴールドワイヤーで補強した14番のハックルフライを結び、1930年代のマーベルとカイザーシルクラインの一番(AFTM 3〜4番程度)で毛針を流れに乗せます。


Rusty Dunは中々見難いのですが、水に高く乗ってくれて見失う事はありません。そうやって毛針が流れてくると、「バシャ」と魚が毛針をひったくり、すかさず合わせます。マーベルの竿先がギュッと曲がり魚の抵抗が手元に伝わります。これは鱒の感触。コイ科の魚のものではありません。1930年代のマーベルは胴調子ながらも一本筋が入ったような竿で頼もしいですが、竿先は余り曲げない様にしなければなりません。もう相当なお爺さんですので、そこは慎重さが求められます。シャープのテレスコピックタモに収まったのは色も鮮やかなイワナでした。


ただ、魚を放してからちょっと上流を見ると「Fischen verboten」の標識があるではないですが。湖の北端は小魚を保護するため禁漁になっているのですが、渓流のこの部分も禁漁なのでしょうか?慌てて渓流を上流に溯行します。
水が多く中々毛針を流せる場所がなかったのですが、岸に砂利を盛った場所で流れが緩やかなところがありました。そこでその緩やかな水面にドライフライを投げ込むと、


毛針が数メートル流れ、


魚がバシャっと毛針を咥えます。年寄りのマーベルを労りつつ、タモに魚を誘導すると、これも色鮮やかなイワナでした。


これ以上写真は撮りませんでしたが、この小さな場所だけで10匹以上イワナを釣り、心の穴はすっかり埋まって凝固剤も入ってすっかり修復。


渓流は他に釣りが出来る場所が今回はなかったので、歩いて湖に戻ります。途中でベンチに座りながら7'6''のマーベルで水面に毛針を運ぶと、これまたイワナが毛針にアタックします。


その後、竿をCC de France 9'に替え、ボートに乗り込みイワナを釣って行きます。空は青く、空気は新鮮。緑が目に鮮やかで砂色が目立つチュニスとは全く違う風景を楽しみました。


今年のヨーロッパは気候が不順。さっき迄の青空がどこかに姿を消して雲が広がり雨が振り出し、雷の音がしてきました。時計は既に5時を回っているので、ここで納竿。宿に帰る事にしました。


今回借りたプジョー2008に乗り宿に帰る途中の20数kmの間、睡魔が襲い結構ひやひやの運転でした。その後宿で絞り立てのビール、地元の火酒Zirbelschnapsを飲んでご機嫌で部屋に戻りました。

翌日日曜日は遥々ブダペストから来られたTさんと一緒にEtrachseeへ向かい午前中イワナを釣って宿に戻り昼食を摂り、ウィーン空港に戻りました。Mur川での釣りは出来ませんでしたが、他は全て予定通りの週末釣行でした。
どんなコンディションでも決して裏切らないEtrachsee。爆釣の湖は昔から変わらず健在です。
それにしても弾丸釣行は疲れます。チュニスに戻って来てから飛行機乗りっぱなしと運転の後遺症が出て、足はむくむし、体は重く頭も回転せず、すっかり老眼のオジサンである事を痛感させられました。。。。
コメント (4)
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フランスRisle(リール)川釣行(2016年5月28日)

2016-06-04 19:00:23 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
先週末、フランスは北部ノルマンディー地方のRisle(リール)川に釣りに行ってきました。
下はチュニスエアが発着するパリ・オルリー空港で買い求めたPeche Mouche誌。仏でフライフィッシングのNo.1専門誌と自ら謳っておる雑誌です。今月号の特集はMai, que la fete commence ! (5月、宴が始まる!)とある通り、メイフライの釣り。メイフライとはエフェメラ・ダニカ、エフェメラ・ヴルガータ、日本ではモンカゲロウの釣り。記事の中で、メイフライの時期に外してはならない漁区として、最初にAndelle川のRadepont地区、次にRisle川のCornevilleとConde地区と載ってました。これは帰路買い求めたので釣りをしている時にはこの情報は全く念頭になかったのですが。。。。因に、Andelle川のRadepont、Risle川のAclou漁区はCharles Ritz (シャルル・リッツ)が自分がデザインしたPezon et Michelの竿を担いでメイフライの時期通った場所です。

さて、一昨年、昨年はパリからRouen(ルーアン)まで電車で移動し、Rouenからレンタカーを使ったのですが、今回はオルリー空港から直接レンタカーでPont Audemer (ポントードゥメール)に行く事にしました。パリの外周道路をちゃんとクリアしてA13の高速に乗れるかどうか、ドキドキしましたが、Tom Tomのナビでそんな心配もクリア。スポーツ用品店のDecathlonで入漁料を支払い、宿に到着出来ました。宿は一昨年泊まったPont Audemer郊外のLe petit coq aux champs。非常に手の込んだ食事を出すオーベルジュです。中高年カップルばかりのところに、年齢では負けてはいませんが、東洋人の男一人。ここは食事とワインそして当地の名物カルヴァドスに集中して楽しむ事にしました。

翌朝、朝食後Risle川はConde地区のNo Killエリアに向かいます。竿はW.F.Hardy 8'6''。飛行機釣行で竿をキャビンに持ち込まなければならないため9'二本継の竿は中々持って行けないのです。

これはノルマンディーでもこの地域Eure(ユール)県の釣り場ガイド。その中には

Corneville、Condeの地図も記載されております。

そして、そこには地元Pont Audemerの名前を冠した有名な毛針La Pont-Audemerの写真も載っております。

さて、No Killエリアですが、事前の天気予報と違い霧雨どころかドピーカンの好天。気温もグングン上昇し牧草からは蒸気が上がり、汗が噴き出します。川面には何の動きもなく、鏡のよう。ドライフライを何回か投げましたが、ライズがないのでどうしようもありません。ニンフを投げても反応ゼロ。

この絵に描いたような川ですが、牧場の中を流れるためか岸は鉄条網が設置されており、水面に肉薄出来る場所は案外ありません。鱒も釣り人に散々痛めつけられて5月の下旬には相当警戒心が強くなっているに違い有りません。

ならば、場所を変えようと出かけたのがBrionne。ここはCornevilleから14~5kmRisle川を上流に行ったところ。そこにある小さな川La Mordoux (ラ・モルドゥ)を試してみます。



この川小さいのですが、予想を裏切り地元の釣り人が結構入っております。彼らの道具はスピニングにルアーでも何故か3m以上はありそうな長竿でのスピニング。なんだか良くわからない地元独特の釣り方のようです。

私の道具立てはMarvel 7'6''。それでドライフライを投げて行きますが、ここも全くライズなし。暑さと相まって、心が折れる予感がします。

そうこうしているとにわかに黒雲がモクモクとわき上がり、空を覆って行きます。これは雷雨になると、一目散に退散し、車に逃げ込み、Brionneの街のCafeでしばし休息、渇きを癒しました。
さて、ここまでで、一回のアタリもありません。昨年の様にボウズに終わるのでしょうか?そこで、またCornevilleに戻る事にしました。

昨年入漁した場所に車を止めると、牛が一斉に寄って来ます。

柵から頭を伸ばしてよだれを垂らしながら舌を伸ばします。全く仕様のない奴らです。

その牛から離れて直ぐの場所に小川があったので、ドライフライはTup's Indispensableを流してみます。
すると、パシャっと流れる毛針を魚が襲い、合わせをくれるとしっかりかかりました。漸くの一匹。待望の鱒でしょうか。小さな相手でもMarvelですので、引きを楽しむ事が出来ます。とタモに寄って来たのは。。。

一昨年同様にコイ科の魚でした。。。。まあ、それでもチュニジアからわざわざ北仏までやってきてボウズになる事だけは何とか免れました。

その後、Risle川のNo Killエリアに戻りますと、何やら定期的に結構大きなライズがあるではありませんか。但し、魚の居場所は対岸の木の近く。こちら側からはまず届かないのと、届いても直ぐドラグがかかる場所。逆にそういうところだから魚もライズしているのかも。

そうこうしているうちに夜8時を回ります。すると川面にダンがポツポツと姿を現し始めました。光の関係でそう見えるのか、黒っぽい羽にボディのダンで結構な大きさがあるようです。毛針サイズでは12番はあるのではないでしょうか。

そんな毛針は持ってないので、16番でスターリングの羽を持ったOrange Quillを結び川に投げます。川ではライズリングが徐々に広がり、漸く釣りが出来る雰囲気になってきました。何度もOrange Quillを流していると、毛針へのライズ。合わせをくれましたが、魚は乗らず毛針だけが帰ってきました。夕闇も徐々に濃くなり夜10時。もう納竿しましょう。今年も貧果のRisle川釣行となってしまいました。宿での食事は既に無理。宿での料理に比べるべきもないマックのドライブスルーがあったのでそこでビックマックを買い宿に帰りました。

翌日はまだ時間があったのですが、昨日の暑さでシャツが汗臭くなり、また面倒になったので釣りはせずにパリに帰る事にしました。途中Pont Audemerの街中をぶらついて、その後、パリへ出発。

Rouen手前の高速道路サービスエリアで一休み。パリまでまだ100km以上あります。

飛行機は19:50発。時間がありあまるので時速120km程度でゆるりと走ります。

パリとPont Audemerの間では高速道路の料金所が5カ所くらいあり、その度に数ユーロ支払いが必要。現金払いが出来ないところでもクレジットカードを差し込むとOKで、何とか切り抜けられました。前はPeugeot 406。今から20年以上前、ドイツはデュッセルドルフに居た頃、ドイツ車ではなく、こともあろうにフランス車のPeugeot 405を新車で購入し愛車にしていたのでなんだか懐かしいです。
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