思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

伸ばされた鈎(10月26日養沢釣行)

2013-10-27 15:15:57 | 釣行記/Fishing Trips
昨日、台風が迫り来る中、早朝より養沢に行ってきました。
土砂降りの雨だったら当然行く訳ありませんが、一昨日の晩の段階での予報では、あきる野市の雨は弱雨との事で、また、昨日の早朝の拙宅から駅までの天気も曇りはしていても雨は降っていなかったからです。

ともあれ、養沢で午前中から午後2時過ぎまで濡れ鼠になって釣りをしましたが、最後の最後、松葉でドライで大物を掛けたものの、数分に及ぶやり取りの中、鈎を伸ばされて逃げられてしまいました。


伸ばされたのは、ハニー・ダンを巻いたタップス・インディスペンサブル。Spriteのwide gape up eyeに巻いたこの毛針です。


登戸から乗り換えた南武線が立川に着く前から雨が降り始め、武蔵五日市から養沢毛針釣り場事務所までのバスの中でも雨。




事務所に着いて話を伺うと、先に年配の釣り人が二人来られていたが、事務所で朝食を摂られて様子を見た結果、釣りを断念して帰られたとの事。どうしますかと問われたので、二時間もかけて来たのですから釣りをさせて頂きますと答え、支払いを済ませました。


もらったバッジは何と一番。養沢にはもう何年も来てますが、一番になったのは本当に初めてです。


川は大増水しているので、釣りになるのは水の流れが緩いところだけ。事務所を出てまずは松葉を目指しました。


松葉も大増水でしたが、やはり岸よりには水の流れが弱いところが出来ております。そこへアップストリームでタップスを投げ着水させます。
二投目で水中から素早い影が水面の毛針に飛びかかります。すかさず合わせると山女魚でした。


ドライフライでその後二匹上げましたが、反応が無くなったので、取りあえず場所替えです。上流に向かって歩くと、平和橋の上流も、増水で釣りになりそうになく、遠藤前を通り過ぎ、ポンプ小屋は普段より相当の増水ですが、そのフラットな地形から十分釣りになりそうでした。


普段より1m弱は水が多そうです。


ポンプ小屋前でまたタップスを投げ、山女魚・虹鱒5匹を釣ります。魚は結構水面に興味を示し、思ったよりも反応は良かったのですが、さすがに仲間が釣られている様を見てドライでは反応しなくなりました。それならば、得意のウェットで、と、激流と穏やかな流れの境で毛針がターンする様演出すると手元に「コツコツ」とアタリ。すかさず合わせ虹鱒を釣ります。ウェットで数は数えなかったのですが、かなり虹鱒を釣り上げる事が出来ました。


雨は昼を過ぎても止まず、雨合羽として着て来た80年代から愛用のBarbourのSolway Zipperの蝋引きコートも浸透し首から肩にかけ体を濡らします。風も吹きかなり体温を奪われ寒さを感じます。もうポンプ小屋に見切りをつけ、木の子屋さんで温かいソバを頂き体を温めます。


15時5分のバスで帰る事にし、昼食後事務所へ帰る道すがらの松葉へ再度入渓。タップスを投げてみると。。。。また虹鱒が出ました。
その虹鱒を水に返し、タップスの水気を飛ばし油をつけもう一回投げます。急流と緩流の境を毛針が流れて行くと、水中から大きな頭がぬっと出て毛針を咥えました。思わず合わせを入れるとPhantom 9'の竿先がグッと引き込まれます。これは大物、気をつけてかからないとと思い余分な糸を一所懸命巻き取ります。と、魚は水面上に大きくジャンプ。これはいつもより大きい。果たして何センチ?とにかく急流に入られると4Xでも切られてしまう、と、竹竿の弾力を信じて力で相手を止めます。それでもいつもより早い流れで魚は中々出てきません。どれくらいでしょうか。漸く緩い流れに身を横たえそうになったところで、相手は予想外の遁走を試み走りました。止めた、と思ったその瞬間、張っていた糸はあっという間にその力を失い、気の抜けた糸が帰ってきました。くそ、逃げられた。。。。残念。毛針を見ようと手元に戻すと、鈎が引っ張られているではないですか。きっと最後の遁走で伸ばされてしまったのでしょう。養沢でSpriteの鈎を伸ばす奴がいるなんて、ちょっと愉快な気もしました。




釣りを終え、バスを待つ頃には晴れ間がのぞき、Heavy weightのSolway Zipperではちょっと暑いかなという天気になりました。もう今年の養沢は終わりです。また来年までお別れです。


爽やかに晴れ渡った今日、ずぶ濡れになったバッグ、雨具等を干し今年の釣りの片付けをします。
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(英国の古いハックル)Cream Cock & Ginger Cock

2013-10-20 16:30:06 | ハックル/Hackles
昨日は養沢に行って参りました。雨は朝降った後は殆どありませんでしたが、先週の台風のせいで水量が多くまた一日曇った天気で鱒に飛んでいるドライフライを煌めきで印象づける事も難しく、ドライフライでは結局4匹しか釣る事が出来ず、不本意ながらニンフを多用してしまいました。ただし、大増水した養沢上の大石の流れ込みの巻き返しに溜まる非常にアプローチし難い鱒を急な流れを間に挟みながら、本来なら得意なウェットフライで仕留める事が出来、その点得る事のある釣りになりました。
今日は朝から雨。何も出来ないので、ハックルをまた見てみる事にしました。
Cream Cockです。



紙の小箱にギッシリ詰まったハックル。小箱の蓋にはCream Cock Thos Waddinton Hebden 1943と手書きで記載されております。Thos Waddintonはハックルの供給元、そこから1943年に購入したものと思われます。


クリームとあるので全部同じ多少黄色のヒントのある白色のハックルかと思うとさに非ず。


リストは当然クリームですがファイバーは透明度が高まり、また金色かかっています。


明るい光の下ではその存在感を主張し、


暗いところでは存在感を消す透明なハックルになります。


来シーズンはこれでPale Watery等の毛針を結んでみましょう。


Ginger Cockという小箱もありました。
これもThos Waddintonから購入したもののようですが、購入年は書いてありません。

ジンジャーというと、黄色っぽいイメージがありますが、これは明るいRed(茶色)という色調のハックル。




リストを離れファイバーに移ると透明になり、ファイバーの先端にはまた色が入ります。




そこに光を当てると透明に見える部分が煌めき、中々良い感じです。

もう釣りシーズンも終わり。これからは来シーズンを心待ちにしながら釣りの周辺物を彷徨うストーブリーグが始まります。
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英国マテリアルとの出会い

2013-10-14 17:43:47 | 毛針/Flies
出会いは不思議なもの。会った時はそうとは分からないのですが、後から振り返ると何やら定められ、まるで必然であったような出会いというものも、長い年月生きているとあるものです。

Albert Partridge wide gape up eye hookが後1本しかなくなってしまったのが、そもそもの発端でした。
インターネットという便利なものがあるこの世の中。早速、ネットを探しますが、何回チェックしても世界中のどこにも同じような針は見つかりません。Sealey等も探しましたがありませんでした。最も、針の探索はその後Sprite Hookにたどり着きましたが。。。。と、そのSprite Hookも英国からの便りでは、製造者が引退し、そのビジネスを受け継ぐ者がいないので既に生産中止とか。

針が無ければ、古いドライフライを探せば良いと思いつきました。別にたいした毛針でなくとも、針さえ良ければマテリアルをむしり取れば良いのです。Charles RitzのA Fly Fisher's Lifeにも、英国の針が入手出来なく成った戦時中のパリで釣具店の閉店・在庫整理の際、英国の良い針を使った毛針を兎に角探したというエピソードがあったのを思い出したのです。そこで英国の付き合いのあるアンティーク商に古い毛針はないかと問い合わせを入れてみました。

毛針は今手元にないが、気をつけて見てみるとの返事があり、その後暫く忘れていたところ、英国の某所で引退したお医者さんの残した古いマテリアルがあるが興味ないかとそのアンティーク商より連絡がありました。


皮のマテリアルボックスにキチンと整理されて収納されたマテリアルの数々。ハックルケープ、ハックル、ゴッサマーのタイイングシルク、ダビング材、クイル、馬素、えさ釣り用の針等々。古い物は1910年代、新しいものでも1950年代の前半の記載が入ったマテリアルの数々でした。

マテリアルの内容について確認するため、アンティーク商と何回かやり取りをします。アンティーク商は竿、リールの事は良くわかっていてもハックル等マテリアルは良くわかっていないので写真も送ってもらい慎重にチェックします。そしてここまでやったら後は結果がどうであれ受け入れようと思い、注文を入れました。


残念ながら、アップアイのドライフライ針は手に入れる事は叶いませんでしたが、その替わり、もう手に入れる事がほぼ不可能な素晴らしいハックルの数々を手に入れる事が出来たのです。

Partridgeの針探しが、古いOld English Game Cockのハックルにたどり着く。遠くはなれた英国の釣り人の残した宝物が東京の拙宅に今あるこの不思議な縁に感慨を覚えます。
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養沢釣行(2013年9月21日、10月6日)

2013-10-06 20:59:32 | 釣行記/Fishing Trips
今年の釣りシーズンももうそろそろ終わりを迎える季節です。
そこで今日養沢に行ってきました。


昨日の雨のせいか、水量は多く、海入道より入渓したのですがなかなか厳しい状況が続き、養沢センター上流のバーベキュー場の手前のフラットな流れてようやく一匹。毛針はTup'sのBlue DunとHoney Dunのダブルハックルにしたもの。
その後、松葉へ移動し、30cmを越える太った虹鱒とその他二匹を追加しました。
今日の竿はHardy Continental Special 8'4''。Pezon et MichelのPPPシリーズの様にStaggeredの竿で、投げるフィーリングも似ております。


その後更に上流に向かいますが、どこも人が入っていて入れず、ポンプ小屋に入渓。普段はそんなに魚のついている場所ではないのですが、今日は増水のせいでかなり魚が入っておりました。




Tup'sで二匹、その後ドライでは出なくなったので、ウェットで更に二匹。それも効かなくなり、Pheasant Tailを上流にピッチングして七匹。やはり、残念ですが、釣り上げるだけならニンフに限ります。


この写真の右下に紐のようなものが写っていますが、よく見ると形がはっきりしておらず、一部透明になっており不思議な絵になってます。丁度このポンプ小屋でアップストリームの釣りをしている際、左の視界の外を何か黒く長い物が素早く横切ったように見えたのですが、なにやらそれを連想し不気味です。


これは前回、9月21日の写真。晴天。宝沢の合流点の上流です。


その更に少し上流の比較的フラットな流れでは山女魚がTup'sを加えてくれました。竿はPhantom 9'。ドライフライ竿として今一番好きな竿かも知れません。


今年も養沢だけの釣行になりそうです。
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