最適化問題に対する超高速&安定計算

大規模最適化問題、グラフ探索、機械学習やデジタルツインなどの研究のお話が中心

ERATOセミナー

2012年11月27日 01時23分13秒 | Weblog
12月12日に以下のような ERATO セミナーが開催されます。

開催日 :2012年12月12日(水曜日) 15:00-15:30
発表者 :遠藤敏夫(東京工業大学 & JST CREST)
タイトル:ポストペタスケール時代のメモリ階層の深化に対応するソフトウェア技術
開催場所:北大工学部C304 ERATOセミナ室

概要:
メモリの速度性能・容量の伸びがメニーコア化するプロセッサの伸びに追いつ
かないという、メモリウォール問題は、今後のスパコンアーキテクチャにおい
て顕著となり、科学技術計算を現状よりもさらに大規模化・精緻化する上での
障害となると考えられています。その解決を目的として、2012年10月から開始
したJST-CRESTプロジェクト「ポストペタスケール時代のメモリ階層の深化に対
応するソフトウェア技術」の概要を説明します。本プロジェクトでは、不揮発
メモリも含めた異種のメモリを混在させたスパコンアーキテクチャを想定し、
それを有効活用するコンパイラ・メモリ管理技術・応用アルゴリズムなどにま
たがった新しいソフトウェア技術の研究開発を推進します。

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開催日 :2012年12月12日(水曜日) 15:30-16:00
発表者 :佐藤仁(東京工業大学 & JST CREST)
タイトル:GPU MapReduceによる大規模グラフ処理
開催場所:北大工学部C304 ERATOセミナ室

概要:
MapReduceモデルに基づいたGIM-V(Generalized Iterative Matrix-Vector
multiplication)グラフ処理アルゴリズムを複数GPU環境へ適用した事例につい
て紹介する。東工大のTSUBAME2.0スーパーコンピュータの256ノード、768台の
GPUを用いて、2^30頂点、2^34辺のグラフに対するPageRank処理を行った結果、
87.04 ME/s (mega edges per second)を達成し、スケーラブルな性能を示すこ
とを確認した。

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開催日 :2012年12月12日(水曜日) 16:00-16:45
発表者 :安井雄一郎(中央大学 & JST CREST)
タイトル:メモリ階層構造を考慮した大規模グラフ処理の高速化
開催場所:北大工学部C304 ERATOセミナ室

概要:
本発表では基本的なグラフ処理である幅優先探索, 最短路問題, 中心性指標計
算に焦点を当てて,メモリ階層構造を考慮した高速計算について述べていく. 我々
の実装 NETAL (NETwork Analysis Library) は,2400万点5800万枝からなる全米
道路ネットワークに対する各2点間の最短路長を7.75日で,377万点1652万枝から
なる特許引用ネットワークに対する中心性指標計算を2.52時間で, 厳密計算に
成功している. また,幅優先探索性能は最新の Graph500 List において, CPU
主体の単一計算機上で最も高速かつ, 消費電力あたりの性能が最も高い.これら
を実現するために必要な計算機の特徴を捉えたアルゴリズムとデータ構造、そ
の実装方法を紹介する.

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開催日 :2012年12月12日(水曜日) 16:45-17:30
発表者 :藤澤克樹(中央大学 & JST CREST)
タイトル:大規模最適化問題に対するソフトウェア開発と高速&安定計算
--理論からスパコンまで--
開催場所:北大工学部C304 ERATOセミナ室

概要:
最適化手法とコンピュータが生まれてから60年以上の間、常に計算機、最適
化アルゴリズム共に進歩を遂げてきました。優れた理論から必ずしも優れたソ
フトウェアが生まれるとは限らないのですが、今回の講演では 1990年代半ばに
誕生した半正定値計画問題(SDP)に対する理論(主双対内点法)を題材に取って、
この理論がその後どのような経緯を辿って、ソフトウェア化 --> 一般公開
--> 高精度化 --> スパコン上で大規模並列計算へと進んで行ったのかについて
お話したいと思います。内容はSDP に関する最適化理論、定式化等から応用分
野、ソフトウェア化、大規模計算までと多岐に渡る予定です。
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