先手番金高先生の手を考えます。
第1問
これで逆転です。
A 65歩 B 45桂 C 46銀
第2問
後手玉に即詰みがあります。23手。
先手番金高先生の手を考えます。
第1問
これで逆転です。
A 65歩 B 45桂 C 46銀
第2問
後手玉に即詰みがあります。23手。
今日の棋譜20200625
昭和25年1月、金高清吉先生と夕刊朝日(の棋戦)です。
金高先生の中央位取りです。
8筋は金を上がって守るという戦型はこの頃に流行ったのですが、横歩を取って指しやすいからすたれたのでしょう。
金高先生は66角~58飛。力戦中飛車です。大山先生は飛を引いてひねり飛車のようにして指すのが優秀(でそう指した将棋もある)なのですが
玉は左に囲います。
金高先生の77銀~87金というのは力強い指し方です。
大山先生の飛は左へ、金高先生の玉は左へ移動します。
大山先生は角を追って6筋に位を取り
飛は6筋へ。歩の内側に飛を持っていけば一安心です。
金高先生は金角が前に出ていきます。
飛は2筋に戻し、35歩。35同歩に24歩同歩23歩同玉35角33角では少し無理なので、35同歩に17角~35金~24歩同歩同金くらいでしょうか。
大山先生は35歩を取らなかったので金高先生は48角。
2筋の歩を切ります。大山先生は23歩を打てば常識的ですが
45歩56金(45同金とされたら33桂34金では怖いと思いますが)13角。
35歩を払ってしまいます。
互いに飛先を角の利きで歩を打って止める形になりました。ここでは金銀の配置が違うので、後手の作戦勝ちです。
しかも大山先生の飛は一段目を移動できます。44角が不安定なのが課題ですが
4筋は明け渡して
角を逃げて
64へ。これも好位置です。
金高先生は24歩同飛25歩。25同桂は26飛ですね。あれ?25同飛は後手有利です。
大山先生は「最初のチャンスは見送る」と言っていますが、若いころはどうでしょうか。互いに見落としていたのかも。21飛に26飛で、形勢は互角に近づきました。
金高先生の35歩同歩44歩というのは指しすぎでしょう。後手玉頭ではありますが、すぐに飛当たりになりそうですから。
34銀とかわされて66歩。66同歩には65歩でしょうが、怖いところです。
大山先生は86歩同銀47歩同銀85歩、決めるだけ決めて
桂を跳ねたのですが
金高先生は33歩同金45桂。桂の跳ね違えが中央に向かえばほぼ有利です。ここでは後手が37桂成とは指しにくいし、金取りと53歩成があります。うまくカウンターが決まりました。
大山先生は54歩を払いましたが、金をはがされて
55歩。63銀65歩42角43金・・・というのは先手が押し切るでしょう。
ということで55同銀を選びましたが65歩。
56銀に64歩47銀成ならば、というところですが56同飛とされて角取りと52飛成が残っています。
55歩に金高先生の66角が格好良い手、ですが45金という粘りの手があったようです。これは手順前後で、64歩56歩66角が正しい手順でした。
大山先生は半分形つくりで75桂。角を取られますが
先手玉も危ない形です。
先手玉はまだ詰まないし、金を取る余裕もありそうですが、金高先生はここから即詰みを選びます。読めますか?
45桂(同銀42角34玉33金のほうが難しく見えるが)23玉32角から
13玉14角成から追いかけて詰みでした。
大山先生の作戦勝ちで有利に進めていたはずですが、桂の跳ね違えをうっかりしました。自玉頭でのミスは敗勢につながります。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1950/01/15
手合割:平手
先手:金高清吉7段
後手:大山8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 5五歩(56)
6 8六歩(85)
7 同 歩(87)
8 同 飛(82)
9 7八金(69)
10 7六飛(86)
11 6六角(88)
12 1四歩(13)
13 5八飛(28)
14 4二玉(51)
15 8八銀(79)
16 3二玉(42)
17 7七銀(88)
18 7四飛(76)
19 1六歩(17)
20 4二銀(31)
21 8七金(78)
22 4四飛(74)
23 3八金(49)
24 7四歩(73)
25 6九玉(59)
26 7三桂(81)
27 7八玉(69)
28 6四歩(63)
29 3六歩(37)
30 6五歩(64)
31 4八角(66)
32 7二金(61)
33 2六歩(27)
34 3四歩(33)
35 3七金(38)
36 6四飛(44)
37 4六金(37)
38 4四歩(43)
39 2五歩(26)
40 6一飛(64)
41 2六角(48)
42 4三銀(42)
43 2八飛(58)
44 6二銀(71)
45 3五歩(36)
46 8一飛(61)
47 4八角(26)
48 4二金(41)
49 2四歩(25)
50 同 歩(23)
51 同 飛(28)
52 4五歩(44)
53 5六金(46)
54 1三角(22)
55 2八飛(24)
56 3五角(13)
57 8四歩打
58 3三桂(21)
59 3六歩打
60 4四角(35)
61 3七桂(29)
62 2六歩打
63 4六歩(47)
64 2一飛(81)
65 3八銀(39)
66 5四歩(53)
67 4五歩(46)
68 5三角(44)
69 8三歩成(84)
70 同 金(72)
71 5四歩(55)
72 6四角(53)
73 2四歩打
74 同 飛(21)
75 2五歩打
76 2一飛(24)
77 2六飛(28)
78 6三銀(62)
79 3五歩(36)
80 同 歩(34)
81 4四歩(45)
82 3四銀(43)
83 6六歩(67)
84 8六歩打
85 同 銀(77)
86 4七歩打
87 同 銀(38)
88 8五歩打
89 7七銀(86)
90 2五桂(33)
91 3三歩打
92 同 金(42)
93 4五桂(37)
94 5四銀(63)
95 3三桂成(45)
96 同 玉(32)
97 5五歩打
98 同 銀(54)
99 6五歩(66)
100 5六銀(55)
101 同 飛(26)
102 5五歩打
103 6六角(48)
104 7五桂打
105 6四歩(65)
106 6七金打
107 8八玉(78)
108 8七桂成(75)
109 同 玉(88)
110 8六金打
111 同 銀(77)
112 同 歩(85)
113 同 玉(87)
114 6六金(67)
115 4五桂打
116 2三玉(33)
117 3二角打
118 1三玉(23)
119 1四角成(32)
120 同 玉(13)
121 1五歩(16)
122 2三玉(14)
123 2四歩打
124 1二玉(23)
125 1三金打
126 同 玉(12)
127 1四歩(15)
128 投了
まで127手で先手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
どうにか攻めをつなげます。
A 73角 B 92角 C 69角
第2問
丁寧に受けます。
A 32金 B 41飛 C 33銀
第3問
小技を使って攻めていきます。
A 67銀 B 66歩 C 57歩成
第4問
好手で寄せていきます。
A 95歩 B 82香 C 98成桂
今日の棋譜20200624
昭和25年1月、板谷四郎先生と東西対抗勝継戦です。
角換わりの出だしが多いのは流行が進んでいる証拠です。
この頃の大山先生は角換わりを避けます。先手に飛先の歩の交換を許すのですが
中央位取りか雁木か早繰り銀をみています。
板谷先生はそれらを回避して、1手損ですが角を交換して駒組です。自分だけ持ち歩があるのが主張です。
大山先生は早繰り銀ですが
86歩同歩同銀と攻めようとすると、先手に持ち歩があるので86歩には75歩87歩成83歩同飛65角で敗勢になります。なので64銀と引いて駒組です。
互いに矢倉に入り、大山先生は55銀でけん制しました。56歩66銀同銀39角48飛同角成同金というのは、角銀と飛の交換とはいえ、飛を打ち込んで駒を取り返せるので後手有利。
よって板谷先生の67金右は自然です。大山先生は自陣角を打ちます。
56歩にも45歩。手は続きそうですね。ただ45同歩46歩55歩47歩成44銀と直線的に攻められたら、後手陣はもっていたかどうか。
板谷先生は57金と受けて46歩の取り込みには
58銀56銀46金。かわす感じの受け方を選びました。
45歩に56金同銀同角。先手がわずかに駒損ですが、後手の56角が働くかどうかです。
67金~56歩で角の利きを止め
55歩に35歩。この攻めが案外にうるさくて
35同歩に71角から馬を作ったところでは先手もちでしょう。
馬を引けば先手玉がずいぶん堅く見えます。
大山先生は38歩と垂らしたのですが、38同飛56歩28飛38歩という展開もあったでしょう。本譜は板谷先生が24歩と合わせたのですが、おそらく疑問手です。(ここからでも合流できるのですが)37桂または17桂~24歩同歩25歩同歩同桂と進むのが理想で、おそらくそうなったのではないかと思います。
24同歩同馬23歩51馬というのは甘いのです。と金を作られて忙しくなりました。
24歩同歩23歩
23同金61馬42飛51銀。これが一本道で、先手の攻めがうまく続いているように見えるのですが、攻めているのは馬銀と飛だけです。
飛は取れますが、取ると銀当たりになるので良い攻めではないです。
催促されたら飛を取るしかなく
飛を打って
銀にひもを付けつつ戦います。
銀を使えば
大山先生は金をかわしていき
板谷先生は桂を取れました。
難しくなったようですが、先手の桂香も取られるでしょう。
歩を垂らされると飛を捕獲されるので
逃げておきます。
桂を打てば駒を取れそうです。
大山先生は角を捨てて銀を取り
玉を立てば、入玉は確定的です。ということであとは先手玉が入玉できるかどうか。
大山先生はゆっくり攻めていき
割打ち
金を取って、58同飛は67桂成で寄り筋です。
板谷先生は仕方なく65飛~85飛。上に逃げだせるかどうか。入れば駒数は足りそうです。
37馬の利きもあり、簡単に上部開拓できないのが苦しいところ。飛を成り
玉を上に逃げだそうとしますが、下から駒を拾われます。
この局面で何か良い手はないかと考えてみるのですが、94歩が最善ではないかと。
91成桂は自然なのですが、82香を打たれました。82同竜上同馬同竜は98飛を打たれます。
香を取れないのではだめでしょう。強引に駒をはがされ
銀を打たれて
数を足して受けるのですが、またはがされます。
駒得でも上を押さえられて
ゆっくり寄せられて、逃げようがありません。まだ長いですが
ここまで。
互いに桂馬が参加しない攻めは単調です。大山先生の攻めは少し無理ですが、板谷先生の反撃が間違っていました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1950/01/03
手合割:平手
先手:板谷四郎7段
後手:大山8段
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 3二金(41)
5 7六歩(77)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 8八銀(79)
10 4一玉(51)
11 2四歩(25)
12 同 歩(23)
13 同 飛(28)
14 2三歩打
15 2八飛(24)
16 6二銀(71)
17 7八金(69)
18 7四歩(73)
19 4八銀(39)
20 5四歩(53)
21 4六歩(47)
22 5三銀(62)
23 2二角成(77)
24 同 銀(31)
25 7七銀(88)
26 3三銀(22)
27 4七銀(48)
28 6四銀(53)
29 5八金(49)
30 7五歩(74)
31 同 歩(76)
32 同 銀(64)
33 7六歩打
34 6四銀(75)
35 6六歩(67)
36 4四歩(43)
37 6九玉(59)
38 5二金(61)
39 3六歩(37)
40 4三金(52)
41 7九玉(69)
42 3一玉(41)
43 8八玉(79)
44 2二玉(31)
45 9六歩(97)
46 9四歩(93)
47 1六歩(17)
48 5五銀(64)
49 6七金(58)
50 9二角打
51 5六歩(57)
52 4五歩(44)
53 5七金(67)
54 4六歩(45)
55 5八銀(47)
56 5六銀(55)
57 4六金(57)
58 4五歩打
59 5六金(46)
60 同 角(92)
61 6七金(78)
62 9二角(56)
63 5六歩打
64 5五歩(54)
65 3五歩(36)
66 同 歩(34)
67 7一角打
68 7二飛(82)
69 3五角成(71)
70 4四銀(33)
71 6八馬(35)
72 3八歩打
73 2四歩打
74 同 歩(23)
75 同 馬(68)
76 2三歩打
77 5一馬(24)
78 3九歩成(38)
79 2四歩打
80 同 歩(23)
81 2三歩打
82 同 金(32)
83 6一馬(51)
84 4二飛(72)
85 5一銀打
86 4一飛(42)
87 5二馬(61)
88 3一金打
89 6五歩(66)
90 5三金(43)
91 4一馬(52)
92 同 金(31)
93 7二飛打
94 3三玉(22)
95 7一飛成(72)
96 5二金(53)
97 6二銀成(51)
98 4二金(52)
99 5一成銀(62)
100 3二金(41)
101 4一成銀(51)
102 4三金(42)
103 3一成銀(41)
104 4二金(32)
105 2一成銀(31)
106 4六角打
107 1八飛(28)
108 2九と(39)
109 1一成銀(21)
110 3六歩打
111 5七銀(58)
112 3七角成(46)
113 7八飛(18)
114 5六歩(55)
115 6六銀(57)
116 6四歩(63)
117 8四桂打
118 6五歩(64)
119 9二桂成(84)
120 6六歩(65)
121 同 銀(77)
122 3四玉(33)
123 8一成桂(92)
124 6五歩打
125 7七銀(66)
126 5五桂打
127 6八金(67)
128 5七歩成(56)
129 同 金(68)
130 5六歩打
131 5八金(57)
132 6九銀打
133 6八飛(78)
134 5八銀成(69)
135 6五飛(68)
136 5七歩成(56)
137 8五飛(65)
138 6七桂成(55)
139 8六銀(77)
140 1九と(29)
141 8三飛成(85)
142 7八成桂(67)
143 9七玉(88)
144 8九成桂(78)
145 9五歩(96)
146 9九成桂(89)
147 9一成桂(81)
148 8二香打
149 7二龍(83)
150 9八成桂(99)
151 9六玉(97)
152 9七金打
153 同 銀(86)
154 同 成桂(98)
155 同 玉(96)
156 8五銀打
157 8六金打
158 9六香打
159 同 金(86)
160 同 銀(85)
161 同 玉(97)
162 8五金打
163 9七玉(96)
164 8六歩打
165 7八桂打
166 8七歩成(86)
167 同 玉(97)
168 8六歩打
169 9七玉(87)
170 6七と(57)
171 3一龍(71)
172 3三金(42)
173 5二角打
174 9五金(85)
175 8三歩打
176 7七と(67)
177 8九香打
178 8五桂打
179 9八玉(97)
180 9六金(95)
181 3五歩打
182 同 玉(34)
183 4三角成(52)
184 8七歩成(86)
185 9九玉(98)
186 8八と(77)
187 同 香(89)
188 同 と(87)
189 同 玉(99)
190 9七金(96)
191 投了
まで190手で後手の勝ち
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
じり貧を避けるにはこれしかないです。
A 52飛成 B 77角 C 56飛
第2問
これが予定の攻めでした。
A 44歩 B 77角 C 21金
第3問
攻め急ぐと簡単に切れてしまいます。
A 33香 B 61角 C 66角
第4問
歩を受けられたら、この手が当然です。
A 53銀 B 62角成 C 11竜
今日の棋譜20200623
昭和25年1月、木村義雄先生と東西初手合わせ放送将棋とあります。まだラジオの時代ですし、録音でもないでしょう。正月に生放送だと思います。
今ならば中飛車になるところですが
大山先生は26歩、木村先生は角道を止めます。
大山先生は左銀のほうを66へもっていって、中飛車に。これで玉を右に囲えば、完全に陽動中飛車です。
大山先生が先攻する将棋が続きます。
木村先生は42玉でも良いのですが、金を上がるほうが間違いがないです。
大山先生も玉を囲うのかと思えば、45歩から仕掛けました。後手の手厚いところを飛角銀だけで攻めるので、無理をしているでしょう。
45同歩に54銀。木村先生の受け方は何通りかありそうですが
55歩でした。金銀交換は少し損ですが手得です。このまま中央をしっかり守れば作戦勝ちでしょう。大山先生は55角あるいは55飛とできねばおかしいのですが、55飛同角同角56飛は敗勢ですし、55角同角同飛33角も困っています。
25歩~24歩でアヤを求めます。
後手玉を23に呼んで
55角を決行しました。55同角同飛33角。飛を引くわけにもいかず(41角の攻めはあるけれど54歩など受けられて面白くない)、77角もだめです。
52飛成しかなく、52同銀31金が手になっているかどうか。
32銀に21金。21同銀は15桂32玉23金から角を取って何とかなりそう。
99角成に15桂
12玉31金
22玉42金。攻め駒は4枚なので食いついた感じはあります。ただし後手は99馬の守りがありますから、形勢不明です。
43銀左に52金。52同銀には32銀か42角で後手は受けにくそうです。
木村先生は54飛(王手)を打って、飛で金を取ります。こうなると31金の処置が難しく、後手有利に戻ったか。
41金32玉42銀。しがみつかれたようでも、放置してもそれほど厳しくは見えません。本譜は42同飛から清算して
桂は成られましたが、先手の攻め駒は3枚です。桂と銀香の交換ですから駒得。後手玉が安定すれば優勢になるでしょう。
21香と受けました。大山先生は22歩同香33角。仕方ないのでしょうが
桂を失い、攻め駒は2枚だけです。41飛も決定打になりません。すなわち木村先生は12金か12香として、香を取らせなければ完封できそうです。
32金は安全策ですが、11香を取られて少し差を詰められました。
27角は56桂の詰めろをねらっているので、先手は57銀と受けます。
46歩に13竜。合駒は手堅いけれどもったいない気もします。
42玉に66角を打たれて
47歩成同金44歩と守りますが、香を打たれて嫌な形です。
83桂に大山先生は45歩を打ち
45同馬に56銀54馬45歩。まだ細い攻めですが、しつこく迫ります。
53銀に83香成同飛46桂。逆転への雰囲気は出来てきました。
76馬44歩同銀右34桂。木村先生は51玉か52玉のほうが良かったのです。
34同銀は44角。銀を渡して受けにくくなってきます。
33歩に11竜。53銀を打たれてはいけないので
53歩を打ちましたが、54歩を打たれ
54同馬55銀54歩。また馬を引き付けてもしつこく攻められます。先手は56にあった銀を攻めに使えています。54同歩は51銀ですね。
31香に53歩成
清算して71角、ここで投了でした。合駒に54歩~53銀と攻められて受けがないです。
ラジオ放送なので持ち時間は短いでしょう。戦後は持ち時間が短くなり、やっと対応して名人復位した木村先生ですが、さらに短い将棋は慣れていません。おそらく時間に追われて受け損なってしまいました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1950/01/02
手合割:平手
先手:大山8段
後手:木村義雄名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 6八銀(79)
8 3四歩(33)
9 2六歩(27)
10 4四歩(43)
11 5七銀(68)
12 6二銀(71)
13 6六銀(57)
14 5二金(61)
15 5八飛(28)
16 4三金(52)
17 5五歩(56)
18 同 歩(54)
19 同 銀(66)
20 5二金(41)
21 4六歩(47)
22 4二銀(31)
23 4八銀(39)
24 4一玉(51)
25 4五歩(46)
26 同 歩(44)
27 5四銀(55)
28 5五歩打
29 4三銀成(54)
30 同 銀(42)
31 2五歩(26)
32 3二玉(41)
33 2四歩(25)
34 同 歩(23)
35 2三歩打
36 同 玉(32)
37 5五角(77)
38 同 角(22)
39 同 飛(58)
40 3三角打
41 5二飛成(55)
42 同 銀(43)
43 3一金打
44 3二銀打
45 2一金(31)
46 9九角成(33)
47 1五桂打
48 1二玉(23)
49 3一金(21)
50 2二玉(12)
51 4二金打
52 4三銀(32)
53 5二金(42)
54 5四飛打
55 5八金(49)
56 5二飛(54)
57 4一金(31)
58 3二玉(22)
59 4二銀打
60 同 飛(52)
61 同 金(41)
62 同 玉(32)
63 2三桂成(15)
64 2一香打
65 2二歩打
66 同 香(21)
67 3三角打
68 同 馬(99)
69 同 成桂(23)
70 同 玉(42)
71 4一飛打
72 3二金打
73 1一飛成(41)
74 2七角打
75 5七銀(48)
76 4六歩(45)
77 1三龍(11)
78 4二玉(33)
79 6六角打
80 4七歩成(46)
81 同 金(58)
82 4四歩打
83 8四香打
84 8三桂打
85 4五歩打
86 同 角成(27)
87 5六銀(57)
88 5四馬(45)
89 4五歩打
90 5三銀(62)
91 8三香成(84)
92 同 飛(82)
93 4六桂打
94 7六馬(54)
95 4四歩(45)
96 同 銀(53)
97 3四桂(46)
98 同 銀(43)
99 4四角(66)
100 3三歩打
101 1一龍(13)
102 5三歩打
103 5四歩打
104 同 馬(76)
105 5五銀(56)
106 4三馬(54)
107 5四歩打
108 3一香打
109 5三歩成(54)
110 同 馬(43)
111 同 角成(44)
112 同 玉(42)
113 7一角打
114 投了
まで113手で先手の勝ち
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
この大山先生は積極的です。
A 54同銀 B 54同飛 C 34銀
第2問
これは指しにくい手です。
A 23金 B 45歩 C 36歩
第3問
これも考えにくいです。
A 16歩 B 23金 C 34金
第4問
平凡な好手です。後手の受けに対して、派手な好手もあります。
A 43金打 B 53歩 C 68角
今日の棋譜20200622
昭和24年12月、加藤博二先生と第1期九段戦です。これが昨日の将棋のひとつ前に指されています。
大山先生も時々指すのですが、加藤先生も阪田流にするつもりだったのでしょうか?
先手が角を交換しないので真意は不明です。大山先生は中央の位を取り
中飛車に。これまでは位を取った矢倉を目指していたのですが。少し違う気がしますが、分類できないので陽動中飛車としておきます。
持久戦を目指すのではなく、銀は前に出ました。ねらいは中央突破なので
52金の受けに、5筋の歩は飛で交換しました。34銀と64飛をねらっています。
加藤先生は53金~44歩。銀ではなくて金を上がると、ここで54歩には43金寄で受けることができます。それでも44銀同銀同角同金53歩成というのはありますが、先手が無理をしている感じです。
ということで大山先生は54銀とぶつけて同金同銀。わずかに駒得です。
銀歩を打たせたのも少し得なのですが、先手の駒は動いていませんね。手損とわずかな駒得の対比です。
加藤先生は手得でも先攻することはできなさそうで、3筋の位を取りました。
大山先生が玉を左に囲うのは当然でしょう。
84角に56銀は攻めよりも受けのほうを考えているのでしょう。
33桂に28飛。加藤先生は25歩を取れますが、怖いところです。
25歩は取らずに42飛、4筋攻めを計画しました。大山先生は2筋の歩を切ります。ここで加藤先生は23金28飛24歩~32玉というのが普通の指し方で互角でした。
23銀と引く場合もあるのですが、2,3筋が薄いし、銀冠も怖く、位取りも生きないのでやや疑問でしょう。28飛に24歩を打たず、55歩。
銀を引かせて24歩と受けるのかと思ったら(67銀の前に24歩を打たれるのもある)45歩。強気ではありますが、互いの玉の堅さを考えれば疑問手でしょう。
24歩に14銀は苦心の手ですが、桂頭をねらわれました。46歩35歩47歩成34歩は後手の攻めのほうが速いですが、46歩には43歩同飛34金という返しがあります。
誤算に気が付いた加藤先生は25桂と跳ねましたが、大山先生は34金。これは
46歩に23歩成で清算して25飛というのがねらいでした。
加藤先生は金を捨てて と金を作りました。次の57と はまあまあ厳しいですが
33金と使われて、飛を逃げるしかないのでは、形勢逆転はありません。大山先生の寄せも難しそうですが
単純に43金打で良いとは。62角に95角という派手な寄せが出ました。73桂や51玉も無効なので後手は取るしかありません。
95同角に53金で詰めろ。
51玉に63金も詰めろ。4枚の寄せで上から迫っています。
52角に42銀だと攻め駒が減るのですが
飛を打って角を取れるので4枚の攻めに戻ります。駒得していく攻めは切れる心配がありません。
角を捨てて
銀を取り返して、ここまで。
加藤先生が無理な反撃をねらってしまいました。先手の4筋が薄く見えたかもしれませんが、後手の右の銀桂と角が働いていないのです。よほどの成算が無ければ考えてよい順ではありません。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1949/12/20
手合割:平手
先手:大山8段
後手:加藤博二7段
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 3二金(41)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 2二銀(31)
9 5六歩(57)
10 4一玉(51)
11 5七銀(48)
12 6二銀(71)
13 5五歩(56)
14 5一角(33)
15 5六銀(57)
16 6四歩(63)
17 5八飛(28)
18 3三銀(22)
19 4五銀(56)
20 5二金(61)
21 5四歩(55)
22 同 歩(53)
23 同 飛(58)
24 5三金(52)
25 5八飛(54)
26 4四歩(43)
27 5四銀(45)
28 同 金(53)
29 同 飛(58)
30 5三銀打
31 5八飛(54)
32 5四歩打
33 6八銀(79)
34 6三銀(62)
35 4六歩(47)
36 8四歩(83)
37 6六歩(67)
38 8五歩(84)
39 7七角(88)
40 3五歩(34)
41 6七銀(68)
42 7四歩(73)
43 7八金(69)
44 3四銀(33)
45 6九玉(59)
46 8四角(51)
47 5六銀(67)
48 3三桂(21)
49 2八飛(58)
50 4二飛(82)
51 2四歩(25)
52 同 歩(23)
53 同 飛(28)
54 2三銀(34)
55 2八飛(24)
56 5五歩(54)
57 6七銀(56)
58 4五歩(44)
59 2四歩打
60 1四銀(23)
61 3六歩(37)
62 2五桂(33)
63 3四金打
64 4六歩(45)
65 2三歩成(24)
66 同 金(32)
67 同 金(34)
68 4七歩成(46)
69 3三金(23)
70 4六飛(42)
71 4三金打
72 6二角(84)
73 9五角(77)
74 同 角(62)
75 5三金(43)
76 5一玉(41)
77 6三金(53)
78 5二角打
79 4二銀打
80 同 飛(46)
81 同 金(33)
82 同 玉(51)
83 2二飛打
84 3二銀打
85 5二金(63)
86 3三玉(42)
87 4四角打
88 同 玉(33)
89 3二飛成(22)
90 投了
まで89手で先手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
まずは基礎知識です。
A 44同銀右 B 44同金 C 44同銀左
第2問
この形では無理攻めです。
A 53同銀 B 45金 C 48歩
第3問
有利な時には自然な手が良いです。
A 66角 B 46歩 C 69銀
第4問
わかりやすい勝ちです。
A 78角 B 85香 C 86歩
今日の棋譜(2) 20200621
昭和24年12月、丸田祐三先生と第4期A級順位戦の指し直し局です。当時は順位戦の千日手は日を改めて指し直しでした。だから千日手が出現しやすかったということはあるでしょう。この将棋より前に明日並べる将棋を指しているのですが、この指し直し局を先に並べましょう。
少し前の千日手指し直しは先後そのままでした(振り駒でしょう)が、今回はどうだったでしょうか?結果としては先後入れ替えになっています。
大山先生は角換わりを避けるので、33角成とはしません。角筋を止めて
矢倉にしました。
丸田先生も矢倉です。
互いに銀を中央に持っていき
先後同型になりました。
総矢倉の先後同型になっていくというはずが、48飛73角で外れてきます。丸田先生は4筋の歩を交換されても構わないと思うのですが、73角は45歩同歩同飛44歩49飛65歩という筋で牽制しています。
大山先生は四手角
丸田先生も四手角ですが、途中下車があったので5手かけています。
この図で67金右62飛+61飛となったら先後同型ですね。確かに後手が1手損をしています。手得を活かすためには、大山先生は先攻したいのですが、一度67金右と指しておきたかったです。その時に後手が何を指すかが難しいから。
15歩同歩44歩に後手は同銀左と取るのがこの場合の形です。44同銀右が自然に見えますが、24歩同歩25歩と攻められてしまいます。
45系と跳ねれば42銀。この形が攻めにくいから、この総矢倉の先後同型はすたれました。それが現代の相矢倉で46角64角という形にならない理由です(脇システムはありますが)。総矢倉を避けて、37銀戦法、37桂戦法が考案されていきます。
ここでは微妙に形が違うのですが、大山先生は44角同金53銀と攻めます。これは無理筋。もし後手が62飛と指していたら飛取りになって成立していますね。仕掛ける前に1手待ちたかったという理由その1です。
45金と取られて同飛が仕方ない(42銀成は同飛)です。もし後手が81飛の形ならば、金を取る前に42銀成が入りますね。だから仕掛ける前に1手待ちたかったという理由その2です。
飛は空成で、角桂と金の交換、竜はできても大損です。
香は取れるので、駒損はある程度解消できるのですが。
87歩成と乱されると、後手に49飛成とさせるわけにもいいきません。48香で先手を取りますが
後手は3歩あるので連打で香を取られます。1筋の突き捨てが災いしました。45同香ともできないので
83金を打って角を取りに行きました。丸田先生は香を取って、自然に反撃できます。
84金47歩成。後手が金を取り、先手が桂を取ったとしたら、ほぼ駒の損得はないです。ただ47と を残さないように47同金同飛成68銀右では、69銀や66歩など後手の攻めが早くなります。
なので大山先生は43歩同飛52角。
42飛で後手を引いて、34角成58と、後手の攻めは確実です。先手は竜馬だけの攻めなので、43歩は打てても
52飛24歩には33金打。強く守られて
馬を切るのは仕方ないのでしょう。
23同金に41竜、これで攻めは続きそうですが
82飛に83歩は仕方のないところ。この瞬間、後手玉はゼットです。
69銀の詰めろには79金打のほうが長かったのですが、78銀不成同玉32飛くらいでしょうか。後手優勢は変わりません。88金には78角の追撃、取れば詰みです。
98玉に86歩は詰めろ。
86同銀に87歩も詰めろ。取れば詰みですし、金をかわして79角も受けがないです。
78金同銀不成、ここで投了でした。
大山先生の無理攻めです。駒損が大きい攻めは避けたほうが良いです。攻め合いの中ならば妥当だということはあるのですが。丸田先生の方は、自然な反撃で有利優勢になりました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1949/12/23
手合割:平手
先手:大山8段
後手:丸田祐三8段
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 2五歩(26)
4 3三角(22)
5 7六歩(77)
6 3二銀(31)
7 6六歩(67)
8 5四歩(53)
9 5六歩(57)
10 8四歩(83)
11 7八銀(79)
12 8五歩(84)
13 7七銀(78)
14 4二角(33)
15 7八金(69)
16 3三銀(32)
17 4八銀(39)
18 6二銀(71)
19 5七銀(48)
20 5三銀(62)
21 3六歩(37)
22 3二金(41)
23 6九玉(59)
24 4一玉(51)
25 5八金(49)
26 5二金(61)
27 7九角(88)
28 4四歩(43)
29 1六歩(17)
30 9四歩(93)
31 9六歩(97)
32 1四歩(13)
33 6八角(79)
34 7四歩(73)
35 5九角(68)
36 6四歩(63)
37 4六歩(47)
38 5一角(42)
39 7九玉(69)
40 3一玉(41)
41 4八飛(28)
42 7三角(51)
43 4九飛(48)
44 4三金(52)
45 2六角(59)
46 2二玉(31)
47 3七桂(29)
48 8四角(73)
49 4五歩(46)
50 7三桂(81)
51 8八玉(79)
52 6五歩(64)
53 1五歩(16)
54 同 歩(14)
55 4四歩(45)
56 同 銀(33)
57 4五桂(37)
58 4二銀(53)
59 4四角(26)
60 同 金(43)
61 5三銀打
62 4五金(44)
63 同 飛(49)
64 5三銀(42)
65 4一飛成(45)
66 8六歩(85)
67 9一龍(41)
68 8七歩成(86)
69 同 玉(88)
70 4二飛(82)
71 4八香打
72 4七歩打
73 同 香(48)
74 4六歩打
75 同 香(47)
76 4五歩打
77 8三金打
78 4六歩(45)
79 8四金(83)
80 4七歩成(46)
81 4三歩打
82 同 飛(42)
83 5二角打
84 4二飛(43)
85 3四角成(52)
86 5八と(47)
87 4三歩打
88 5二飛(42)
89 2四歩(25)
90 3三金打
91 2三歩成(24)
92 同 金(33)
93 同 馬(34)
94 同 金(32)
95 4一龍(91)
96 8二飛(52)
97 8三歩打
98 6九銀打
99 8八金(78)
100 7八角打
101 9八玉(87)
102 8六歩打
103 同 銀(77)
104 8七歩打
105 7八金(88)
106 同 銀(69)
107 投了
まで106手で後手の勝ち