先手番大山先生の手を考えます。
第1問
難しい選択です。
A 86同歩 B 73歩成 C 75角
第2問
受け切りをねらいます。
A 81飛 B 74と C 66同歩
第3問
そろそろ反撃の時期です。
A 68歩 B 24桂 C 24歩
第4問
大山先生は詰ましそこねているのですが、後手玉が詰んでいます。23手。
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
難しい選択です。
A 86同歩 B 73歩成 C 75角
第2問
受け切りをねらいます。
A 81飛 B 74と C 66同歩
第3問
そろそろ反撃の時期です。
A 68歩 B 24桂 C 24歩
第4問
大山先生は詰ましそこねているのですが、後手玉が詰んでいます。23手。
今日の棋譜20200613
昭和24年8月、高島一岐代先生と第4期A級順位戦です。
角換わりになるかもしれないオープニングですが
大山先生は中央の位を取りました。
高島先生は矢倉を目指しますが、角は42です。
大山先生も矢倉にしました。先手が欲張っている感じで、高島先生はこれを許さないように中央から反発できるような組み方にしたほうが良かったのだと思います。
大山先生はさらに欲張って4筋の歩を交換します。
高島先生は5筋の歩を交換するのですが、65銀とするのもあったでしょう。65同銀同歩54銀同金同歩64角は何とも言えませんが。
おとなしく63銀と引いて、そのまま駒組みでは作戦負けになるかもしれません。桂を跳ねる前に65歩を突きました。65同銀に64銀では取ってくれるかどうかわかりませんから、73桂56銀75歩でしょうか。1歩犠牲に1手か2手稼ごうというわけです。
大山先生は65歩を取らなかったので、高島先生は64銀の形です。
大山先生は6筋に位を取られているので、金は右側へ。玉の堅さに差が出ました。68金右のほうが現代的です。
後手の84飛は75歩をねらっていますから、角を引いて牽制します。
高島先生は桂頭が気になりますが、75歩から攻めました。でも94歩や14歩を突いておきたいところです。
角がにらんでいるので、75同歩84飛では攻めになりません。86歩同銀も無効、となればシンプルな75同銀しかないです。
当然の74歩には、76歩68銀86歩。86同歩以下をあれこれ読んでいたでしょう。86同歩同銀87歩同銀成同金86歩97金85桂98金87歩成同玉77桂成というのは後手優勢です。86同歩同銀に84歩とか82歩とか、変化が多いのですが。
大山先生は86歩を取らずに73歩成。87歩成同金までは必然として、86銀82歩は先手よしか。86歩97金に95歩と突ければ・・・仕掛けの前に94歩を突いておきたかったと書いた意味です。
いさぎよく飛を切ってしまえ、というのが高島先生らしいところです。しかし駒損をしてから66歩では、手の調子はおかしいのです。先に66歩と突き捨てられなかったかとか、さかのぼって反省するところですが。
74と と引かれて忙しくなりました。駒損がひどいですから、攻めを続けねばなりません。86歩から
78玉67歩成同銀上87歩成
87同玉86金78玉77歩成。工夫しながらの攻めですが、攻め駒は2枚だけです。
77同桂に76歩で駒を取れるように成るのですが
75銀を取られ、桂銀を取り返します。まだ駒損ですが、攻め駒は3枚になりました。
63桂を打ったというのはもったいないです。打たずに77金68銀では攻めきれないと見たのですが。とにかくこの と金が目障りだと言うことなのですが。
66銀に75桂
銀を使わせて、質駒にはできています。77金と入れば歩を打って受けるくらい。75角同角を想定して、後手の攻め駒は3枚、小駒だけというのでは心細いです。
76銀59桂78歩。79歩成は受けにくいので、攻めが切れきくくなったか。
と金ができて
引いて使えばまずまずです。
と金を寄ったところまでは良いですが、76銀を取り返すと
と金を払われて、また攻め駒は3枚位に戻ります。
どうにか桂を取る形を作って、攻めは切れなさそうです。大山先生は反撃に移りました。攻防で71飛は打ってあるので、歩頭桂から。31金は詰みますね。24同歩同歩同銀23歩同金41飛成32桂52銀と攻めるのでしょうか。後手としては駒を入手してなんとかならないかというほうがまだなにかありそうに思いますが。
高島先生は桂を取って51桂、粘ばれるかもしれませんが、駒損になる受けでは逆転しません。
金を剥がされて52銀。もう受けはなくて
攻めていくのですが、先手玉を小駒だけで追うのでは見込みがないです。51桂を取られて
75角72飛成42銀打24桂。再度の歩頭桂で
精算して23歩には41銀。22玉ならば詰まないですが
33玉は精算して詰みでした。ここまで。
「日本一の攻め」高島先生らしい将棋でしたが、仕掛けの前に工夫が必要でした。桂損でも成立しているかもしれない攻めではあったのですが。どうにかなるかもしれないと思うと、とにかく読んで結論を出そうとするのが、読みのタイプの思考方法です。私のような読みが苦手なタイプは、仕掛けの前にもう少し条件が良くならないかと考えるのですが。大山先生は、若い頃ならば読みに頼っていたと思うのですが、あまり得意ではなかったように思えます。だから一人で攻めるのは苦手です。受けの独特な感覚を磨いていったのでしょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1949/08/25
手合割:平手
先手:大山8段
後手:高島一岐代8段
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 2五歩(26)
4 3三角(22)
5 7六歩(77)
6 2二銀(31)
7 5六歩(57)
8 8四歩(83)
9 5五歩(56)
10 8五歩(84)
11 7七角(88)
12 5二金(61)
13 4八銀(39)
14 3二金(41)
15 5七銀(48)
16 4一玉(51)
17 5六銀(57)
18 4二角(33)
19 7八銀(79)
20 3三銀(22)
21 6八角(77)
22 6二銀(71)
23 7七銀(78)
24 6四歩(63)
25 4六歩(47)
26 4四歩(43)
27 4五歩(46)
28 同 歩(44)
29 同 銀(56)
30 4四歩打
31 5六銀(45)
32 6三銀(62)
33 7八金(69)
34 7四歩(73)
35 6九玉(59)
36 4三金(52)
37 7九玉(69)
38 3一玉(41)
39 3六歩(37)
40 5四歩(53)
41 同 歩(55)
42 同 銀(63)
43 5五歩打
44 6三銀(54)
45 8八玉(79)
46 2二玉(31)
47 5九角(68)
48 6五歩(64)
49 3七角(59)
50 6四銀(63)
51 5八金(49)
52 7三桂(81)
53 4七金(58)
54 8四飛(82)
55 4八角(37)
56 8一飛(84)
57 9六歩(97)
58 7五歩(74)
59 同 歩(76)
60 同 銀(64)
61 7四歩打
62 7六歩打
63 6八銀(77)
64 8六歩(85)
65 7三歩成(74)
66 8七歩成(86)
67 同 金(78)
68 同 飛成(81)
69 同 玉(88)
70 6六歩(65)
71 7四と(73)
72 8六歩打
73 7八玉(87)
74 6七歩成(66)
75 同 銀(68)
76 8七歩成(86)
77 同 玉(78)
78 8六金打
79 7八玉(87)
80 7七歩成(76)
81 同 桂(89)
82 7六歩打
83 7五と(74)
84 7七歩成(76)
85 6九玉(78)
86 6七と(77)
87 同 銀(56)
88 6三桂打
89 6六銀打
90 7五桂(63)
91 同 銀(66)
92 7七金(86)
93 6八歩打
94 7六銀打
95 5九桂打
96 7八歩打
97 5八玉(69)
98 7九歩成(78)
99 7一飛打
100 7八と(79)
101 7六銀(67)
102 6八と(78)
103 5七玉(58)
104 7六金(77)
105 6八玉(57)
106 6七歩打
107 同 桂(59)
108 7七銀打
109 5八玉(68)
110 6六歩打
111 2四桂打
112 6七歩成(66)
113 4九玉(58)
114 5一桂打
115 3二桂成(24)
116 同 玉(22)
117 5二銀打
118 6八銀成(77)
119 3八玉(49)
120 5八成銀(68)
121 3九角(48)
122 5七桂打
123 5一銀(52)
124 7五角(42)
125 7二飛成(71)
126 4二銀打
127 2四桂打
128 同 歩(23)
129 同 歩(25)
130 同 銀(33)
131 同 飛(28)
132 2三歩打
133 4一銀打
134 3三玉(32)
135 4二銀(51)
136 同 金(43)
137 同 龍(72)
138 投了
まで137手で先手の勝ち