先手番大山先生の手を考えます。
第1問
角を助けるのは案外に難しいです。
A 75角成 B 75歩 C 55銀
第2問
これで技がかかりました。
A 35歩 B 74歩 C 64歩
第3問
あわてずに攻めましょう。
A 42と B 66金 C 46桂
第4問
食いつかれたようですが。
A 18馬 B 34桂 C 59飛
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
角を助けるのは案外に難しいです。
A 75角成 B 75歩 C 55銀
第2問
これで技がかかりました。
A 35歩 B 74歩 C 64歩
第3問
あわてずに攻めましょう。
A 42と B 66金 C 46桂
第4問
食いつかれたようですが。
A 18馬 B 34桂 C 59飛
今日の棋譜20200619
昭和24年12月、塚田正夫先生と第4期A級順位戦です。
大山先生は矢倉を選びました。
塚田先生は33角から3手で84へ持っていく作戦です。
33銀が間に合って、予定通りなのですが
74歩に46角と覗かれたら、73角は仕方ないのでしょう。2手かけた角と3手かけた角の交換ならば、大山先生から角を交換するのは損ではないです。
塚田先生は角交換を拒否しました。
大山先生は中央の位を取ります。ここ何局か並べていて思うのですが、この当時は中央位取りの相矢倉は作戦勝ちという認識だったのかもしれません。
塚田先生は四手角、大山先生は3筋の歩を交換して
57へ。
ここで駒組みは終わりです。先手が作戦勝ちということはないと思います。
後手の塚田先生はここから仕掛けるのですが、端を突き合うとか、34歩を打つとか、52飛として揺さぶるとか、81飛として待つとか、5筋で1歩持つとか、なにか工夫したかったです。このまま戦いになると、銀の位置の差が出てしまいます。後手だけ右桂を使えているから攻めたくなるのはわかるのですが、先手からすぐに攻める手もないです。
65歩同歩
57角成同金75歩。75同歩でも
この66銀でも、54歩同歩同銀と攻めるのが、この仕掛けのねらいです。54同歩同銀55歩65銀同銀右同桂同銀39角58飛69銀と駒損でも攻めることはできます。
大山先生は34歩同金(34同銀は24歩同歩51角の筋で反撃する)53角。
塚田先生は55歩~62歩。馬作りを牽制します。75角成でも74歩53馬56歩~52歩とすれば馬を取れます。
大山先生は24歩同歩23歩同玉を入れて75歩。これは56歩同金52歩に74歩同銀64角成としようというわけでしたが、74歩に52歩73歩成81飛63と同歩が先手有利と言い切れたかどうか。塚田先生は角を合わせて、おとなしい対応です。
42同角成には同金とすべきだったかもしれません。22歩を打たれました。22同金は41角の筋、
22同玉でも74歩同銀52角の筋が両取りです。これで先手有利かといえば
塚田先生は65桂と捨てて角を打ち、
飛を走って
26飛、これで難しいです。大山先生の方はと金を使って攻めていくので、手はわかりやすいです。塚田先生の選択肢としては、銀を逃げずに寄せ合うことはできました。
銀を逃げていきましたが、角を打たれて
52と があるので、結局銀は剥がされます。前に63銀を逃げなければ1手くらい違っていたかも。
ここで52同銀と取ってしまうのも一案です。
そのまま42と と取られてはいけないのですが、33玉46桂の交換ははっきり後手の損です。先手有利になっています。
塚田先生は31金で角取り。でも銀を取られて角を取るわけにもいかず
42同金に63角成。
やっと攻める番がきて、45桂~57桂成はまあまあ厳しい手です。大山先生は馬を引いて後手の攻めを牽制します。
銀を剥がされても、竜を引き上げさせて38飛。攻め駒が一気に増えました。
75角成66銀に27銀。駒があちこちでぶつかっていますが
大山先生の34桂に同銀あるいは66馬同銀34銀のほうが難しかったかもしれません。飛と馬の取り合いで
桂を取られたところで、飛歩5と角金の交換は少し得、玉の堅さ、攻め駒の数とも先手が上回ります。
51角に61飛が両取りですが
角は切って54銀。18馬も働いています。
32銀に46桂
上から押さえつけて攻めていくので切れる心配がありません。
順当に押しつぶして
馬を使えばここまで。
塚田先生が細い攻めを選択してしまった、というのは終盤型の読みを得意とするタイプにはよくあるのですが、難しい中盤ではありました。駒得の大山先生がずいぶんよく見えるかもしれませんが、相矢倉では攻めていればなんとかなることも多いです。激しく寄せ合えば、後手にも勝機があったと思います。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1949/12/06
手合割:平手
先手:大山8段
後手:塚田正夫前名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 3二金(41)
7 5六歩(57)
8 8五歩(84)
9 2六歩(27)
10 4一玉(51)
11 2五歩(26)
12 3三角(22)
13 7八金(69)
14 2二銀(31)
15 4八銀(39)
16 5一角(33)
17 7九角(88)
18 3三銀(22)
19 6六歩(67)
20 7四歩(73)
21 4六角(79)
22 7三角(51)
23 3六歩(37)
24 6二銀(71)
25 5八金(49)
26 6四歩(63)
27 5七銀(48)
28 5二金(61)
29 5五歩(56)
30 6三銀(62)
31 6九玉(59)
32 4四歩(43)
33 5六銀(57)
34 8四角(73)
35 3五歩(36)
36 同 歩(34)
37 同 角(46)
38 4三金(52)
39 5七角(35)
40 3一玉(41)
41 7九玉(69)
42 7三桂(81)
43 6七金(58)
44 2二玉(31)
45 8八玉(79)
46 6五歩(64)
47 同 歩(66)
48 5七角成(84)
49 同 金(67)
50 7五歩(74)
51 6六銀(77)
52 5四歩(53)
53 3四歩打
54 同 金(43)
55 5三角打
56 5五歩(54)
57 6七銀(56)
58 6二歩打
59 2四歩(25)
60 同 歩(23)
61 2三歩打
62 同 玉(22)
63 7五歩(76)
64 4二角打
65 同 角成(53)
66 同 銀(33)
67 2二歩打
68 8六歩(85)
69 同 歩(87)
70 2二玉(23)
71 7四歩(75)
72 6五桂(73)
73 同 銀(66)
74 3九角打
75 5八飛(28)
76 8六飛(82)
77 8七歩打
78 2六飛(86)
79 7三歩成(74)
80 5二銀(63)
81 6二と(73)
82 4三銀(52)
83 2三歩打
84 同 玉(22)
85 4一角打
86 2九飛成(26)
87 5二と(62)
88 3三玉(23)
89 4六桂打
90 3一金(32)
91 4二と(52)
92 同 金(31)
93 6三角成(41)
94 4五桂打
95 6六金(57)
96 5七桂成(45)
97 1八馬(63)
98 6七成桂(57)
99 同 金(66)
100 2五龍(29)
101 3八飛(58)
102 7五角成(39)
103 6六銀打
104 2七銀打
105 3四桂(46)
106 3八銀(27)
107 7五銀(66)
108 3四龍(25)
109 5一角打
110 6一飛打
111 4二角成(51)
112 同 玉(33)
113 5四銀(65)
114 3二銀(43)
115 4六桂打
116 3七龍(34)
117 3四金打
118 1二角打
119 4三金打
120 3一玉(42)
121 3二金(43)
122 同 玉(31)
123 4三銀成(54)
124 2二玉(32)
125 3三銀打
126 同 桂(21)
127 同 成銀(43)
128 3一玉(22)
129 5四馬(18)
130 投了
まで129手で先手の勝ち