名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20181123

2018-11-23 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


こう指すのが部分定跡というか、こう指せるように駒組みしておくものです。
A 66角 B 45歩 C 86角

第2問


逆転をねらうには?
A 59金 B 15歩 C 33銀

第3問


困ったようですが。
A 13歩成 B 53銀 C 52同飛成

第4問

投了図以下の詰みを読んでください。
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大山将棋研究(1078);四間飛車に天守閣美濃(大野八一雄)

2018-11-23 | 大山将棋研究

今日の棋譜20181123
平成3年10月、大野八一雄先生と第9回全日本プロです。

大山先生の四間飛車に大野先生は天守閣美濃です。

流行の四枚美濃ではなく、高美濃にして

引き角から8筋を攻めます。

77角成82飛成67馬62竜では先手よし。85歩と謝って

8筋を角歩で守り合う形になりました。

大山先生は4筋を攻め

桂交換をしてから、再び45歩で攻めます。

大野先生は55桂を打って受けるのですが、この桂はタダで取る展開にはならないのです。シンプルに55同銀同歩同角84飛91角成87歩成48飛、と進めてどうか。

大山先生は46金とかわしたので、4筋が収まりました。(44歩に55金同歩同角というのはありそう。)

64歩に同歩同角65歩67桂成というのがあるので64歩を取りにくい、こういう時は58金がバランスなのですね。65歩に同銀と取れるようにしたと。でも先手玉が薄くなりました。

73桂を跳ねられ角を追われると75角しかなくて

角交換は必然です。

73角は大山先生の好きそうな角ですが

66歩の突き出しが悩ましいです。66同飛に88角や97桂成は怖くないとは思うのですが。

68歩と謝って、61飛に65桂を打つというのはかなりの利かされです。85飛がまわるまで我慢でしょう。

でも45歩に55金、桂と交換するのでは我慢が無駄になったのではないでしょうか。

53桂不成と使いたかったということなのですが

角飛の取り合いで

銀も取れるからほぼ銀桂得です。ただし先手玉が薄くなっているので食いつかれました。

受けはなさそうなので、3段目の飛車を生かして端攻め。

端を詰めて13銀をねらえますが、まだ駒が足りません。51成桂と捨てるのはスピードアップの手筋ではありますが

85飛~82飛成の2手かかるのでは負けでもおかしくはないです。とりあえずは詰めろ。

大野先生の52金打がポカでした。63飛の利きを止めるのが正しくて、43に何か打っておくか、歩合いならば受けられたのですが、

竜を切られてとん死でした。22金から清算して4筋に歩を打てるのでちょうど詰みます。


「桂先の銀定跡なり」というのですが、銀頭に桂を打つと(か跳ねるとか)桂馬が歩で殺されにくいというのが裏定跡なんでしょうか。56手目55桂を結局は取る将棋になるのです。
大山先生は駒得を過信して敗勢になったのですが、最後に救われました。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1991/10/17 9:00:00
棋戦:全日本プロトーナメント
戦型:四間飛車
持ち時間:3時間
場所:東京「将棋会館」
手合割:平手  
先手:大山康晴
後手:大野八一雄
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 5四歩(53)
9 4八玉(59)
10 4二玉(51)
11 3八玉(48)
12 3二玉(42)
13 2八玉(38)
14 5二金(61)
15 3八銀(39)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 2四歩(23)
19 6七銀(78)
20 2三玉(32)
21 5八金(69)
22 3二銀(31)
23 4六歩(47)
24 7四歩(73)
25 3六歩(37)
26 8五歩(84)
27 7七角(88)
28 4四歩(43)
29 4七金(58)
30 4三金(52)
31 2六歩(27)
32 3一角(22)
33 6五歩(66)
34 3三桂(21)
35 3七桂(29)
36 8六歩(85)
37 同 歩(87)
38 同 角(31)
39 8八飛(68)
40 8五歩打
41 6六角(77)
42 5三角(86)
43 5六銀(67)
44 8六歩(85)
45 8四歩打
46 1二玉(23)
47 4五歩(46)
48 同 歩(44)
49 同 桂(37)
50 同 桂(33)
51 同 銀(56)
52 4四歩打
53 5六銀(45)
54 5一銀(62)
55 4五歩打
56 5五桂打
57 4六金(47)
58 4五歩(44)
59 同 金(46)
60 4四歩打
61 4六金(45)
62 6四歩(63)
63 5八金(49)
64 6五歩(64)
65 同 銀(56)
66 7三桂(81)
67 7四銀(65)
68 6五歩打
69 7五角(66)
70 同 角(53)
71 同 歩(76)
72 8四飛(82)
73 8五歩打
74 同 桂(73)
75 7三角打
76 8一飛(84)
77 8六飛(88)
78 6六歩(65)
79 6八歩打
80 6一飛(81)
81 6五桂打
82 4五歩(44)
83 5五金(46)
84 同 歩(54)
85 4四歩打
86 同 金(43)
87 5三桂(65)
88 6二銀(51)
89 6一桂成(53)
90 7三銀(62)
91 同 銀(74)
92 5六歩(55)
93 6三飛打
94 4六角打
95 3七桂打
96 5七歩成(56)
97 1五歩(16)
98 2二玉(12)
99 1四歩(15)
100 1六歩打
101 同 香(19)
102 1二歩打
103 5一成桂(61)
104 同 金(41)
105 8五飛(86)
106 5八と(57)
107 8二飛成(85)
108 5二金打
109 同 龍(82)
110 同 金(51)
111 1三銀打
112 投了
まで111手で先手の勝ち

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大山将棋問題集 20181122

2018-11-22 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


この場合はどうかと思う手順ですが、こういう手筋もあります。
A 72銀 B 92銀 C 84同銀

第2問


これは悪いと見ての勝負手でしょう。
A 42同飛 B 52飛 C 65歩

第3問


詰めろ逃れは?
A 96銀 B 85金 C 71桂

第4問


怪しく59角を打たれました。
A 76桂 B 86玉 C 57桂成
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大山将棋研究(1077);四間飛車に玉頭位取り(内藤国雄)

2018-11-22 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181122
平成3年10月、内藤国雄先生と第50期A級順位戦です。

大山先生の四間飛車に、内藤先生は角筋を止めました。6筋か7筋の位を取りたいというわけです。

大山先生は位取り拒否もできたのですが、順位戦なので大事を取って玉頭位取りは許しました。

内藤先生は8筋の歩を交換し

大山先生は84歩を打たせたということは

後で銀を取り返す手筋。ただし得だとは思えませんが。

内藤先生は端を取り込みました。

大山先生は93歩成は構わないと7筋の歩を交換し、金を寄せます。

結局92歩と謝るのですが、駆け引きはうまくいった感じがします。

少し駒組みで中央の争いに変わります。内藤先生としては35歩同歩36銀も気になるので

54歩と動けば46歩同歩54歩。

45歩同銀とぶつかって53銀。どちらが読み勝っているのでしょうか。

53飛には52銀不成42飛を決めてから45銀と取ります。これならば52飛とは取られにくいだろうというわけで(53銀のままならば53飛かも)

45飛には銀を打って飛車が捕獲できるのですね。

大山先生は銀と刺し違えずに、飛車を捨てて65歩~66歩

歩を成り捨てて香を取ってみると、駒損ですが攻め駒の数が違います。

この香打ちは玉を逃げ出せばそんなに厳しくないのですが、後手玉の入玉が見えてきます。

内藤先生はちょっと危険ですが87歩から香を取るほうを選びました。先手玉も危ないです。

これで後手玉を捕まえ切れるか。

82金を取れたけれど、この銀打ちを取れません。

玉頭戦は大山先生が制しました。

59角はうっちゃりねらいの手なのですが、大山先生は堂々と86玉~77銀と攻めて

桂馬のお代わり。これで優勢でしょう。

金を打つのは安全策で

59角を取れば後手玉も安全になります。

56角を打って

74銀を取ったのが詰めろ。

以下も派手な手順が続くのですが、大山先生の入玉が確定して、先手玉を捕まえて終わりです。

内藤先生は飛車を取ったところでは駒得が大きいので相入玉ねらいならば有利だったでしょう。捕まえられると思ったら捕まえ切れませんでした。粘性質ではないので相入玉なんて嫌いなのでしょう。大山先生は玉の移動で逆転しました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1991/10/10 9:00:00
棋戦:順位戦
戦型:四間飛車
持ち時間:6時間
場所:大阪「関西将棋会館」
手合割:平手  
先手:内藤國雄
後手:大山康晴
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 4八銀(39)
4 4四歩(43)
5 6八玉(59)
6 3二銀(31)
7 7八玉(68)
8 4二飛(82)
9 5六歩(57)
10 6二玉(51)
11 9六歩(97)
12 9四歩(93)
13 6八銀(79)
14 7二玉(62)
15 5七銀(48)
16 4三銀(32)
17 6六歩(67)
18 5四銀(43)
19 6七銀(68)
20 5二金(41)
21 5八金(49)
22 8二玉(72)
23 7五歩(76)
24 6四歩(63)
25 7六銀(67)
26 6三金(52)
27 7七角(88)
28 7二銀(71)
29 8六歩(87)
30 8四歩(83)
31 8五歩(86)
32 同 歩(84)
33 同 銀(76)
34 8三銀(72)
35 8四歩打
36 同 銀(83)
37 同 銀(85)
38 8三歩打
39 5五歩(56)
40 4三銀(54)
41 9五歩(96)
42 8四歩(83)
43 9四歩(95)
44 7四歩(73)
45 同 歩(75)
46 同 金(63)
47 6七金(58)
48 7五歩打
49 5九角(77)
50 9二歩打
51 5六銀(57)
52 7二金(61)
53 3六歩(37)
54 1四歩(13)
55 3七角(59)
56 4五歩(44)
57 6八金(69)
58 4四銀(43)
59 5四歩(55)
60 4六歩(45)
61 同 歩(47)
62 5四歩(53)
63 4五歩(46)
64 同 銀(44)
65 5三銀打
66 4三飛(42)
67 5二銀(53)
68 4二飛(43)
69 4五銀(56)
70 同 飛(42)
71 4六歩打
72 4二飛(45)
73 4三銀打
74 6五歩(64)
75 4二銀(43)
76 6六歩(65)
77 5七金(67)
78 6七歩成(66)
79 同 金(68)
80 9九角成(22)
81 6一飛打
82 8六香打
83 8三歩打
84 同 玉(82)
85 8七歩打
86 同 香成(86)
87 同 玉(78)
88 8九馬(99)
89 8一飛成(61)
90 8二金(72)
91 9五桂打
92 9四玉(83)
93 8二龍(81)
94 9六銀打
95 7七玉(87)
96 6五桂打
97 6八玉(77)
98 9五玉(94)
99 5九角(37)
100 8六玉(95)
101 6三銀(52)
102 7七銀打
103 5八玉(68)
104 5七桂成(65)
105 同 金(67)
106 6五桂打
107 7四銀(63)
108 6八金打
109 4七玉(58)
110 5七桂成(65)
111 同 玉(47)
112 5九金(68)
113 8四龍(82)
114 8五歩打
115 4七玉(57)
116 5六角打
117 3七玉(47)
118 4七金打
119 2六玉(37)
120 7四角(56)
121 8七歩打
122 同 銀(96)
123 1六歩(17)
124 5六角(74)
125 5七歩打
126 6七角成(56)
127 9四龍(84)
128 4八歩打
129 9七金打
130 7六玉(86)
131 8七金(97)
132 同 玉(76)
133 9八銀打
134 同 馬(89)
135 7九桂打
136 8八玉(87)
137 6七桂(79)
138 8九馬(98)
139 6五角打
140 5七金(47)
141 8七金打
142 7八玉(88)
143 8五龍(94)
144 7六銀打
145 同 金(87)
146 同 歩(75)
147 同 龍(85)
148 8六歩打
149 6六銀打
150 6八銀打
151 6九歩打
152 6七金(57)
153 5六角(65)
154 5七金打
155 6八歩(69)
156 5六金(57)
157 6七歩(68)
158 6六金(56)
159 同 歩(67)
160 6七銀打
161 7三龍(76)
162 2四歩(23)
163 5七金打
164 7六歩打
165 4五銀打
166 6八銀(67)
167 4七金(57)
168 7九玉(78)
169 5六歩打
170 6九角打
171 4八金(47)
172 2五金打
173 3七玉(26)
174 3五歩(34)
175 4七桂打
176 3六歩(35)
177 同 銀(45)
178 3五歩打
179 2五銀(36)
180 同 歩(24)
181 3六歩打
182 5六馬(89)
183 5七歩打
184 4五桂打
185 投了
まで184手で後手の勝ち



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20181122今日の一手(その788);損得の評価

2018-11-22 | 今日の一手

20181122今日の一手

7月28日の名南将棋大会から、YさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
始めのほうから見てみます。

戦後逆ですが、後手(実際は先手)の石田流を目指した序盤です。56歩には44歩が必要だというのはひところの常識だったのですが、構わずに32飛もあるみたいです。
22角成同銀65角があるのですが25角。

実際は戦後逆なので26歩をついていないのです。25から角を打って43角成のほうを防がれました。83角成47角成は馬の位置が違うので後手もちです。
55歩72銀は先手の角のほうが不安定か。26歩64歩

26歩に47角成は43角成でまあまあ。ここで83角成47角成は後手が指しやすくなりそうです。
25歩65歩と取り合って63角

72銀45角成57角

先手が馬を作れば、後手も馬を作ろうとします。ここで77桂が少し頑張った手で、66歩としたのが問題図です。

☆ 形勢判断をします。
先手が馬を作っている分だけ駒得です。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は45馬1枚。
後手の攻め駒は57角1枚。

総合すれば先手が指しやすいです。

☆ 大局観として
先手が馬を作っている分だけ得なのですが、後手も馬を作れそうです。先手が妥協か妥当かが問題ですが、馬を作らせれば互角なのでしょう。
序盤で乱戦になっていますが、互いに攻め駒が少ないので駒組みに戻る可能性が高いです。よって少しでも駒得にするか、玉をしっかり囲えるとか、攻め駒をうまく配置できるとか、形勢判断の3つの要素のどれかで上回れば指しやすいから有利になっていきます。
まずわかりやすいのは駒得ですから、駒得を目指す/駒損しない というのが目標です。


△か× 66同歩が自然ですが

66同角成78銀76馬

先手ももち歩があるから今はカウントしないのですが、1歩取られているというのは後で響きます。主張は左桂を跳ねているということなのですが、桂馬を使う攻めも見えません。
局面をおさめるわけにはいかないので、攻め味をみせつつ駒組みしていくというのが難しいので(24歩同歩同飛が権利なのでそんなに悪くはないが)、この図では不満です。


○ 68銀が実戦の手で

67歩成57銀同と

ここですでに間違っています。角と銀歩の交換で馬 と金の作り合いです。一見駒得のようですが、57と は先手玉に近く、金か銀と交換されると思ってください。すると角と銀銀(か金銀)の二枚換えで駒損になるのです。
駒損になりそうなので代償が必要です。75角67と65桂

という順に期待したのですが、強く54銀と打たれたら両取りで、54同馬同歩53桂不成52金右41桂成同玉

桂歩と金の交換で と金を作られています。やはり駒損ですし、57桂や77角で駒損広がりますから先手不利でした。

実戦では44銀

こちらから守備的に打たれました。馬を切るのでは前の図と似ています。46馬52金左48玉62玉24歩同歩同飛23歩28銀63銀68歩77と66角76と(長い手順ですが図面だけ見ればよいです)

角を切ることになり、44角同歩82銀64歩81銀成65歩91成銀

駒割りだけは保ちましたが、91成銀と 76と(66と と寄せて使いました)の差が大きく、後手有利です。
駒損で長い戦いになると、だんだん不利になっていくものです。

正しいのは68銀67歩成に同銀

と金のほうを払います。角が死なないように94角成の一手。24歩同歩同飛

として、23歩(は打たない方が良いが)ならば同馬ではなくて、84飛同歩64歩62歩65桂52金左58銀(あるいは55馬)

飛と馬の交換で先手の駒得、飛車の打ち込みだけ気にしておけばよいです。(89飛55馬87飛成には82歩か82角がある。)これは先手が指しやすくなる変化でした。


○ 78銀でも

67歩成同銀で同じことです。


× 68金だと

67歩成に同金とはできません。57金同と

金銀の違いですが、先手玉が薄くなるので実戦の進行よりも先手が損をしています。


× 48銀として

67歩成57銀同と

というのも先手が得をしていないです。


× 48金でも

67歩成57金同と はやはりだめですね。


△ 58玉は考えられて

67歩成同玉84角成24歩同歩同飛62飛

65歩66歩78玉94馬

94同飛同歩68銀

66歩が嫌な感じはしますが、後で取り払うことはできるでしょう。ならば悪くはないです。先手が指しやすいのかも。


△ 68飛は変な感じですが

67歩成同飛は少し得か。68同角成には同金か同玉か。36歩同歩44歩~36飛もあるけれどたいしたことはないです。後手の手がよくわかりませんが、形勢は互角です。


△ 55歩で馬を使って受けると

44歩(突くことはできる)56馬67歩成同馬84角成

24歩同歩同飛62飛65歩

こうなると44飛があるので、後手の44歩が得かどうかはよくわかりません。42飛から駒組みで

先手の馬が使いやすくなったのですが、後手も美濃囲いに囲いやすくなっています。形勢互角です。


× 無視して65桂は攻めの手ですが

67歩成53桂不成66角成

桂を渡しても57桂があり、と金を作っているだけ後手の駒得です。


☆ まとめ
駒の損得の計算も、成駒ができると考えにくいかもしれません。

実戦で勝敗を分けたのは、この図が先手の駒損だと気づけるかどうかです。
成駒の価値は、と金>成香>成桂>成銀 まではわかりますね。成ってしまえば同じとはいえ、それ以外の戦力が違います。成っていないほうの相手の駒と比較して、と金VS歩、成香VS香、成桂VS桂、成銀VS銀 という構図があるはず。
竜や馬の価値がどうかというのがまた難しいのですが、平均的には竜≧馬>と金 だと思います。しかし と金の位置によって(移動するには足が遅いので)と金を作れば竜を作るよりも価値が高いことがあります。あるいは攻め駒が増えるからという付加価値を考えるほうがわかりやすいかもしれません。

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大山将棋問題集 20181121

2018-11-21 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


攻めを急がない方が良いです。
A 44歩 B 46銀 C 37桂

第2問


守るか攻めるかの分かれ目です。
A 65銀 B 77金 C 53桂成

第3問


詰めろです。受け方は?
A 78金 B 77銀 C 97角


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大山将棋研究(1076);四間飛車に中央位取り(佐藤大五郎)

2018-11-21 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181121
平成3年9月、佐藤大五郎先生と第32期王位戦です。

佐藤先生のマキ割り流四間飛車で、大山先生は居飛車を選択し、中央位取りです。

大山先生は端の位も取り、急戦の形です。マキ割り流は攻めっ気が強いので、早く囲って1歩交換です。

65銀とぶつけるわけではなく、早めに高美濃で73桂を跳ねています。大山先生は3筋の歩を交換し

銀二枚で圧力をかけます。急戦でもこういう指し方をするほうがよいというか、桂を跳ねて45歩から攻めるというだけではつぶせません。

佐藤先生は自分から動く手がないので、玉を固めて待ちます。

大山先生が動きました。44歩を打ち、44同銀に

34飛。

45銀同桂と桂をさばけば半分成功です。佐藤先生は駒損を気にせず56銀で反撃、催促します。33桂不成46飛21桂成は良い勝負か。

大山先生は角を取らずに43歩同飛54銀。飛車をぶつけられて

交換して41飛は自然な応酬です。佐藤先生は角取りを無視して86歩?26飛は何かまずかったということですね。金を渡せないので53桂成がちょっと困るということでしょうか。53同角同銀成同金54歩63金44角とか。
それで佐藤先生は86歩同歩87歩同玉49飛をねらったということか。

大山先生は角を取りました。86歩や57歩を利かされましたが、飛車だけならば大丈夫です。

銀をぶつけられたところで反撃に出ます。84歩から

53桂成。

佐藤先生は駒損がひどくなるだけなので、銀も捨ててしまいました。

75銀桂を取って打てば詰めろです。

97角の受けに68桂成。68同金86歩は怖いです。

大山先生は75銀を角で取りました。佐藤先生は85飛の王手。

銀合いに76金と捨て

角を取りましたがここまで。88飛成か89飛成で詰めろですが、83歩から攻められて竜を引くようではだめだということですか。

佐藤先生の誤算は尻金で詰む形にしてしまったということでしょう。暴れたけれど駒損が大きすぎました。派手な攻めで見ているには面白いです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1991/09/30 9:00:00
棋戦:王位戦
戦型:四間飛車
持ち時間:4時間
場所:東京「将棋会館」
手合割:平手  
先手:大山康晴
後手:佐藤大五郎
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 5七銀(48)
16 5二金(41)
17 5五歩(56)
18 7二銀(71)
19 6八銀(79)
20 6四歩(63)
21 5六銀(57)
22 7四歩(73)
23 9六歩(97)
24 6三金(52)
25 3六歩(37)
26 4三銀(32)
27 9五歩(96)
28 1二香(11)
29 4六歩(47)
30 4一飛(42)
31 5七銀(68)
32 5四歩(53)
33 同 歩(55)
34 同 銀(43)
35 5五歩打
36 4三銀(54)
37 6八金(69)
38 7三桂(81)
39 2五歩(26)
40 3三角(22)
41 3八飛(28)
42 8四歩(83)
43 3五歩(36)
44 同 歩(34)
45 同 飛(38)
46 3四歩打
47 3六飛(35)
48 8三銀(72)
49 4五歩(46)
50 7二金(61)
51 4六銀(57)
52 4五歩(44)
53 同 銀(56)
54 8五歩(84)
55 3七桂(29)
56 6二金(63)
57 1六歩(17)
58 1四歩(13)
59 4四歩打
60 同 銀(43)
61 3四飛(36)
62 4五銀(44)
63 同 桂(37)
64 5六銀打
65 4三歩打
66 同 飛(41)
67 5四銀打
68 4四飛(43)
69 同 飛(34)
70 同 角(33)
71 4一飛打
72 8六歩(85)
73 4四飛成(41)
74 8七歩成(86)
75 同 玉(78)
76 8六歩打
77 7八玉(87)
78 5七歩打
79 5九金(58)
80 6五銀(56)
81 8四歩打
82 同 銀(83)
83 5三桂成(45)
84 8七歩成(86)
85 同 玉(78)
86 7六銀(65)
87 同 玉(87)
88 5三金(62)
89 同 龍(44)
90 7五銀(84)
91 8七玉(76)
92 7六桂打
93 9七角(88)
94 6八桂成(76)
95 7五角(97)
96 8五飛打
97 8六銀打
98 7六金打
99 同 玉(87)
100 7五歩(74)
101 同 銀(86)
102 投了
まで101手で先手の勝ち



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大山将棋問題集 20181120

2018-11-20 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


少し駒得ですが、と金つくりで焦らされます。どう受けましょうか。
A 56飛 B 54角 C 24角

第2問


どの受けでも悪くはないですが、最小の受けで攻めに転じました。
A 52同飛 B 62歩 C 42銀

第3問


こういう時の手筋です。
A 73銀 B 92玉 C 55歩

第4問


竜を逃げるのでは面白くないです。
A 88同竜 B 78銀 C 78角
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大山将棋研究(1075);四間飛車に居飛車穴熊(小林宏)

2018-11-20 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181120
平成3年9月、小林宏先生と第9回全日本プロです。

大山先生の四間飛車に小林先生は居飛車穴熊です。

57銀のまま3筋を攻めました。

大山先生は45歩から受けたので、結局銀は66へ出ることになり

四枚穴熊です。大山先生は中央へ飛車をまわり

45歩は取られましたが飛車をさばきます。

小林先生は2筋を攻めました。

35銀には角を切り

飛車を成ります。穴熊だからという強襲でしたが、21桂にひもがついているので13角~36歩と応じられては不利でしょう。

大山先生は馬を作り

竜取りで45桂を取ろうとします。

桂を取る前に85桂を利かせたのですが

黙って45桂を取るほうが良かったのではないかと思います。美濃囲いが薄い感じがしますよね。

銀をはがされることになり

56馬は大きいけれど、これは困っているのか?

でも62歩が結構堅いのですね。飛車を取られても馬と金金の二枚換えがあります。

46角には55歩が大切な手で

馬を追われた時に

45馬が角取りになります。先手を取って四枚で攻めれば簡単に寄せられそうです。

小林先生は自陣飛車を打って粘りますが、しがみつかれて

清算して飛車取りは痛いです。

駒損で受けるというのは通常はだめなのですが、トータルでは駒損ではないですね。ならば難しいのかも。

またも55角が当たりになるというのが痛いから、逆転はしていません。

大山先生の68金は急ぎすぎかも。

王手で馬を抜かれてもいいのか?

結局は桂銀の交換だから悪くはないですね。飛車取りは飛車取りで返し

なんだか同じような攻防を繰り返しているのですが、少しずつ駒得は広がっています。

馬を追われていますが、このタイミングで馬を切り

受け駒がないのでやっと投了となりました。

小林先生は悪いながらかなり粘った(50手は粘りと攻めが続きます)のですが届きませんでした。大山先生にはもう少しすっきりした寄せ方があるような気がするのですが、どうやら悪い手というのはなさそうです。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1991/09/26 9:00:00
棋戦:全日本プロトーナメント
戦型:四間飛車
持ち時間:3時間
場所:東京「将棋会館」
手合割:平手  
先手:小林宏
後手:大山康晴
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5七銀(48)
14 4三銀(32)
15 7七角(88)
16 8二玉(72)
17 8八玉(78)
18 7二銀(71)
19 9八香(99)
20 5二金(41)
21 9九玉(88)
22 6四歩(63)
23 8八銀(79)
24 7四歩(73)
25 7九金(69)
26 9四歩(93)
27 5九金(49)
28 6三金(52)
29 2五歩(26)
30 3三角(22)
31 6九金(59)
32 8四歩(83)
33 3六歩(37)
34 9五歩(94)
35 7八金(69)
36 7三桂(81)
37 6八角(77)
38 5四歩(53)
39 1六歩(17)
40 1四歩(13)
41 3五歩(36)
42 4五歩(44)
43 3八飛(28)
44 3二飛(42)
45 6六銀(57)
46 3五歩(34)
47 同 飛(38)
48 6五歩(64)
49 7七銀(66)
50 5五歩(54)
51 同 歩(56)
52 5二飛(32)
53 3七桂(29)
54 3四歩打
55 4五飛(35)
56 4四銀(43)
57 4六飛(45)
58 5五飛(52)
59 5六歩打
60 5一飛(55)
61 2四歩(25)
62 同 歩(23)
63 2二歩打
64 同 角(33)
65 2六飛(46)
66 3五銀(44)
67 同 角(68)
68 同 歩(34)
69 2四飛(26)
70 1三角(22)
71 2三飛成(24)
72 3六歩(35)
73 4五桂(37)
74 2二歩打
75 3二龍(23)
76 5七角成(13)
77 3四歩打
78 5四角打
79 4二龍(32)
80 4一歩打
81 2二龍(42)
82 8五桂(73)
83 8六銀(77)
84 6六歩(65)
85 同 歩(67)
86 4五角(54)
87 8五銀(86)
88 同 歩(84)
89 8四桂打
90 5六馬(57)
91 7二桂成(84)
92 同 金(61)
93 5二銀打
94 6二歩打
95 5一銀(52)
96 7八馬(56)
97 同 金(79)
98 同 角成(45)
99 4六角打
100 5五歩打
101 同 角(46)
102 7三桂打
103 7九銀打
104 4五馬(78)
105 5六歩打
106 6七桂打
107 6八銀(79)
108 7八銀打
109 7七飛打
110 7九金打
111 同 銀(68)
112 同 桂成(67)
113 同 銀(88)
114 同 銀(78)
115 同 飛(77)
116 6八銀打
117 7八金打
118 7九銀成(68)
119 同 金(78)
120 4九飛打
121 8八銀打
122 5六馬(45)
123 8四桂打
124 7一金(72)
125 5二龍(22)
126 6八金打
127 7三角成(55)
128 同 金(63)
129 5六龍(52)
130 7九金(68)
131 同 銀(88)
132 同 飛成(49)
133 8八銀打
134 7八角打
135 7九銀(88)
136 5六角成(78)
137 8八角打
138 5九飛打
139 6五桂打
140 6三金(73)
141 5七歩打
142 6七馬(56)
143 7八金打
144 3四馬(67)
145 3一飛打
146 7八馬(34)
147 同 銀(79)
148 6八金打
149 2三角打
150 7九銀打
151 投了
まで150手で後手の勝ち

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20181120今日の一手(その787);激しい順を読む

2018-11-20 | 今日の一手

20181120今日の一手

7月28日の名南将棋大会から、TさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
少し前から見てみると

角交換四間飛車で桂頭を攻められ、さらに自陣角を打たれたというピンチでした。しかし24歩同歩同飛36歩同銀46角に42歩

がぴったり利くので、飛車先交換ができたのです。
23歩を打ってもらえば

ちょっと指しやすい感じです。

実戦は65角を打って

33金とかわされると、この角打ちは外れだったということになったはずですが、43歩だったので24飛36歩

というのが問題図です。

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損ですが、持ち歩があるので損得なしと見ます。
玉の堅さは後手のほうがしっかりしています。
先手の攻め駒は24飛65角の2枚。ただし角の利きは歩で止まっています。
後手の攻め駒は64角2枚。これも利きは歩で止まっていますが。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
先手は玉が堅くないというか銀冠へ移行する途中での戦いになってしまいました。代わりに飛車を使えているのでバランスはとれています。
互いに動こうとして駒がぶつかり始めたところで、ここでの指し手が優劣を分けそうです。
まずは激しい順から考えてみましょう。飛車の働きで優っているので、65角も働く変化になれば先手よしになりそうです。


○ 44飛が一番激しいでしょう。これが65角を打った時のねらいのはず。

44同歩32角成37歩成41馬47と同金

桂金交換で馬を作っていますから先手の駒得です。47金が離れているのが嫌ですが、後手は左桂が取り残されているのですから、まあまあ(21桂と47金の交換よりも良い)です。
38飛58金打55桂48金引39飛成59金引

丁寧に指せば少し有利というくらいです。

後手としては44飛に37歩成でしょう。

34飛47と32飛成58と41竜69と

ここまで取り合うと先手玉が薄すぎます。

飛車を取らずに58同金として

51飛43角成はうれしいので、52銀でしょう。95歩

から攻める(95同歩93歩同香95桂94香93歩)か、22歩から駒を取りに行くかというところで、桂損でも少し先手が指しやすいです。後手としては大駒の働きが悪い(攻め駒として働いていない)のです。


△ 34飛ならば

37歩成32飛成47と41竜58と同金

先ほどの取り合いと比べると、44銀を取っていないけれど41飛を取れています。このほうが駒得ですね。

後手としては32金を取らせるわけにいかず、33桂

と守るのでしょう。36飛21飛25歩42金

強く指すならば34歩25桂45桂

の跳ね違えですが、45同銀同歩37桂成

は後手有利。

先手としては88玉

で待って、25桂同桂同飛31飛成52金左78金29飛成

駒の損得も無く、玉の堅さも同程度、形勢互角です。
85歩~84歩という展開になれば65角が働くので理想です。


△ 実戦は36同銀で

取り込みを利かされたという図です。46角44飛37角成

ここで47銀44歩32角成51飛

43歩としたいけれど、47馬同金38飛があるから、42金くらいで互角。というはずでした。

ところが38歩

馬取りです。36馬と取ってみろと言いました。34飛14馬

は大失敗の図だったはずですが、こう進まずに19馬49飛

桂香と銀の二枚換えで馬を作られているから、これも失敗の図です。それでも35銀から2,3筋を攻めて勝負になったのですが、終盤のミスで後手Nさんの勝ちに終わりました。


× 他には桂を逃げる手くらいです。45桂は

45同銀同歩19角成

桂香と銀の二枚換えで馬を作られて駒損です。43歩23歩43歩成24歩52と同金32角成

攻めはあるのでまだ指せるのですが、飛車を逃げられる(61飛)と飛桂香と金銀の交換ではちょっと悪いです。


△ 25桂ならば

37歩成34飛47と32飛成58と同金

竜を作っていますが銀損です。悪そうに見えるのですが、42金22竜46角32歩

と金を作り21桂をとれば結構指せそうです。41飛が使えないならばなんとかなるのですね。


☆ まとめ

駒を取り合う激しい順を読むのは大変なのですが(あとで並べてみると簡単なことに気が付いてあきれる)、読む順番としては最初のねらいが通るかどうかです。65角を働かせるためには、ねらい通りに44飛を考えます。

タイミングとしては
すぐさま44飛か、36同銀44飛か。激しい方から読むほうがまぎれが少ないということもあります。一直線の変化は長いけれど枝葉が少なく、少し手を戻すと枝葉ができて広く読まねばなりません。

もう一つは34飛とする変化で、これも25桂37歩成の時に34飛とするのも考えられます。激しさ背は劣るので、後手としては32金取りを受けるか、取り合うかという選択肢があって、読み合いが複雑です。

いずれにせよ感覚だけでは選べない(失敗がひどい)ので、こういう形にしてしまったら仕方ないです。感覚派の意見としては、玉を囲いきるまでに手数をかけすぎているのではないかと思えます。





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