名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20181116

2018-11-16 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


88歩を取りたいのです。
A 88飛 B 66角 C 83角

第2問


両取りですが。
A 54歩 B 47銀打 C 58飛

第3問


ここが急所です。
A 55角 B 26桂 C 35歩

最後は後手番淡路先生の手を考えます。

第4問


35桂は好手のようでしたが。
A 35同角成 B 66角成 C 68角成


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(1071);中飛車に加藤流袖飛車(淡路仁茂)

2018-11-16 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181116
平成3年9月、淡路仁茂先生と第25回早指し選手権です。

大山先生の中飛車で、玉頭位取りを拒否しました。

淡路先生は袖飛車で

桂を跳ねるのは加藤(一二三)流の急戦です。

8筋を突き捨てて65歩、

角を交換して、77同桂66歩同銀76飛67金86飛というのがねらいの順です。

大山先生は金で取りましたが、88歩は(同飛65桂があるので)取れません。

飛車を追って角を打ちあってから88歩を払いました。

淡路先生は桂を跳ね、銀を出て力をためます。

大山先生は飛車の詰めろをかけ

淡路先生は暴れていきます。

桂交換から75銀が利いて、飛車は助かりました。

飛車を追われたところで76歩は応手がいろいろありますが

銀交換で飛車を逃げることになりました。さて大山先生は3歩得(珍しい)ですが金銀が離れています。

その金銀がつながって、少し指せるか。

淡路先生は46桂39金を入れて飛車を取り

飛車を打って成桂を作ればまあまあのようですが

大山先生の77角も好打です。

33桂と跳ねさせ、桂頭をねらいます。

76銀は痛いですが、角を打って

34歩が入りました。

淡路先生は王手で桂を逃げ、角筋を止めます。66同角を竜で取って

先手玉を追うのですが

大山先生の35桂は攻防で良さそうな手ですね。でも後手に持ち駒がないので66金を逃げる手や、33銀を決めてしまうのもありそうでした。

淡路先生の68角成が詰めろ。桂を打たせて66角成、さらに66角成で金を取って逆転したようです。(ということは前の35桂がどうだったかという話になるのですが。)

金を打てば攻防になり

34歩は残っているものの、玉頭が手厚くなっていきます。

大山先生は51金引で催促されて、馬を取り

二枚角で再びの寄せをねらいます。

でも59飛と守られて、成桂を取れたけれど角が働きにくくなりました。

淡路先生の36銀の活用が利いて

手順に先手玉を薄くして、31金は脱出路を作った手です。

大山先生は後手玉に迫ったものの、まだ詰めろではありません。

67銀で必至。後手玉は詰みません。

早指しということを考えると、良い勝負で面白い将棋です。加藤流の急戦は優秀な戦法で、今ならば升田幸三賞をもらえるくらいなのですが、66歩と止める中飛車を指されないので見ることがないです。
終わってみれば146手、不倒流が制しましたが、大山先生の中段玉も楽しめます。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1991/09/07 9:00:00
棋戦:早指戦
戦型:中飛車
持ち時間:10分
場所:東京都「芝公園スタジオ」
手合割:平手  
先手:大山康晴
後手:淡路仁茂
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 6八銀(79)
6 6二銀(71)
7 5八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 5六歩(57)
14 5二金(61)
15 6七銀(68)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 5三銀(62)
19 4八銀(39)
20 4二銀(31)
21 3六歩(37)
22 8五歩(84)
23 7七角(88)
24 7四歩(73)
25 7八金(69)
26 6四歩(63)
27 4六歩(47)
28 7二飛(82)
29 4七銀(48)
30 7五歩(74)
31 同 歩(76)
32 同 飛(72)
33 2八玉(38)
34 7三桂(81)
35 3八金(49)
36 7四飛(75)
37 7六歩打
38 8六歩(85)
39 同 歩(87)
40 6五歩(64)
41 同 歩(66)
42 7七角成(22)
43 同 金(78)
44 8八歩打
45 7五歩(76)
46 9四飛(74)
47 6六角打
48 4四角打
49 8八飛(58)
50 6五桂(73)
51 7八金(77)
52 6四銀(53)
53 8五歩(86)
54 5五歩(54)
55 9六歩(97)
56 5六歩(55)
57 同 銀(47)
58 8七歩打
59 9八飛(88)
60 7七歩打
61 同 桂(89)
62 同 桂成(65)
63 同 金(78)
64 7五銀(64)
65 4四角(66)
66 同 飛(94)
67 4五歩(46)
68 5四飛(44)
69 5五歩打
70 7六歩打
71 同 銀(67)
72 同 銀(75)
73 同 金(77)
74 5三飛(54)
75 6五金(76)
76 8九角打
77 4七銀打
78 4六桂打
79 3九金(38)
80 9八角成(89)
81 同 香(99)
82 6八飛打
83 3七玉(28)
84 5八桂成(46)
85 5四歩(55)
86 8三飛(53)
87 7七角打
88 6九飛成(68)
89 3八金(39)
90 3三桂(21)
91 3五歩(36)
92 7六銀打
93 5五角打
94 7七銀(76)
95 同 角(55)
96 8五飛(83)
97 3四歩(35)
98 2五桂(33)
99 2六玉(37)
100 6六歩打
101 同 角(77)
102 同 龍(69)
103 同 金(65)
104 5九角打
105 2五玉(26)
106 5七角打
107 3五桂打
108 6八角成(59)
109 4六桂打
110 6六角成(57)
111 6一飛打
112 2四金打
113 3六玉(25)
114 5六馬(66)
115 同 銀(47)
116 2五銀打
117 3七玉(36)
118 3五金(24)
119 4七銀(56)
120 5一金(52)
121 6八飛成(61)
122 同 成桂(58)
123 6六角打
124 5五桂打
125 7七角打
126 5九飛打
127 6八角(77)
128 2九飛成(59)
129 7五歩打
130 3六銀(25)
131 4八玉(37)
132 4七銀成(36)
133 同 金(38)
134 同 桂成(55)
135 同 玉(48)
136 2七龍(29)
137 3七桂打
138 3一金(41)
139 3三銀打
140 4一玉(32)
141 5三桂打
142 5二玉(41)
143 7四銀打
144 6七銀打
145 4二銀成(33)
146 同 金(51)
147 投了
まで146手で後手の勝ち




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20181116今日の一手(その785);駒損の代償

2018-11-16 | 今日の一手

20181116今日の一手

7月28日の名南将棋大会から、SさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得で竜を作っていますから駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は51竜45桂に66角を加えるかどうか。今は角筋を止められています。2枚か3枚です。
後手の攻め駒はありません。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
先手は歩得で竜を作ったのですが、41金で殺される形です。移動するところはないので取られそうなのです。
駒損しないで竜を助けるか
代償を得るか
が達成できればまずまずでしょう。後手の44角が消えれば55角で王手飛車になりますね。だから何かありそうな感じのする局面です。


○ すぐに竜を切るならば42竜で

52竜、81竜、21竜ではうまくいきません。一番大きな金を取るものでしょう。42同金に54金

角を逃げれば55角で王手飛車ですね。92飛44金同歩55角44歩までは進むでしょう。そこで64角打

が53桂成(か42角成同飛53桂成)と91角成を見た好手です。54金打91角成同飛同角成45歩

桂と香歩の交換で馬を作りました。たいした得でもない(形勢は互角に近い)ですが、後手玉の囲いが乱れていますね。56香の味が良く、46歩同馬45歩82馬(37馬は25桂を利かされる)44金72飛32金53香成

42成香をねらって先手有利です。


○ 軽い好手は53桂成です。

53同角は55角で優勢。53同銀71竜52飛81竜

これは91香も取れますし、93角成からゆっくり指せば負けがないです。

後手としては53同金として

71竜83飛72竜63飛81竜61飛

香を守るほうが優りますが、飛車と交換しなければ先手有利は間違いないです。

41金がややこしそうですが

41同竜同銀54成桂でも悪くはないです。まあ71竜92飛(83飛は62成桂)81竜53角55角

これも駒損しないで竜を助けた図です。


○ 53桂不成とすれば

41金を防いでいます。後手に選択肢を与えるのですが、71竜83飛72竜~81竜よりも速い手というのはあまりないです。86歩は71竜で無効、56歩には同歩。結局は53同銀か53同金になるのでしょう。


△ 実戦は77桂として

左桂も攻め駒に使います。41金同竜同銀65桂

53桂左成を受けられないので86歩同歩同飛53桂左成・・・という進行は互角です。


△ 56歩とすれば角を使えます。

56同歩ならば44角同歩71角。

これは簡単に勝てそうです。

やはり後手は41金で

41同竜同銀55角同角同歩

駒損なのですが、後手は歩切れです。86歩にも54歩が効いて(王手飛車ねらい)44角86歩99角成53歩成86飛87歩83飛51金

と金は金か銀と交換できるでしょう。すると飛香と金銀の交換くらい。61角もあるので先手が指せそうです。


○ じっと77角としておいて

41金同竜同銀53桂成

33角54成桂42銀55成桂

飛と金歩歩の交換で好位置に成桂があります。駒損ではありません。飛車を打ち込まれても捕獲できるので先手有利です。45歩~44歩をねらいます。


× 77銀だと

86歩のほうは受けているのですが、41金同竜同銀53桂成69飛

88金ではばからしいので、打たなければ駒損になります。


☆ まとめ

駒損しないで竜を助けるならば53桂成あるいは53桂不成という手段がありました。形勢有利の時は何か手があるものです。

代償を得るならば、77角が落ち着いた手で、飛車を渡した後のことを考えています。金+成桂ならば竜を失ってもまだまだ指せます。
56歩だと駒損なのですが、歩を突き出していって と金ができます。実現するのが少し先ですが(その分読まねばならない)、成桂よりも と金のほうが良いです(が後手にも手段が生じています)。

ここでの指し手によって先の展開が変わってしまうのですが、もともとは先手有利でしたから何か手はあるはず。
軽い好手(53桂成)を学ぶのも良いですし、成桂を作って悪くない(77角)という大局観を学ぶのもよいでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする