名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20181112

2018-11-12 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


つぶれにくい受け方は?
A 55同歩 B 65歩 C 57金

第2問


ちょっとまずそうに見えましたが、これで形勢を保っています。
A 58歩 B 66角 C 55角

第3問


攻めの手筋です。
A 52歩 B 53歩 C 62銀

第4問


ここは考えどころです。寄せ合いで勝ちにするためには?
A 64竜 B 57金 C 58飛

第5問


ここからは詰将棋です。
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大山将棋研究(1067);四間飛車に右64銀急戦(塚田泰明)

2018-11-12 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181112
平成3年1月、塚田泰明先生と第50期A級順位戦です。

大山先生の四間飛車に塚田先生は右64銀急戦です。(これが得意なのです。)

5筋の歩もついて、複雑に攻めました。

57金に7筋を攻め

金を寄ります。昔は「箱入り娘」と呼ばれた囲いです。

銀をぶつけ

金をかわされてもさらにぶつけます。

が飛車をかわされてちょっと失敗かも。

角の取り合いならばまあまあです。

63飛成が生じているので、先の42金寄が失敗している感じではあるのですが

と金を使えば有望に見えます。

しかし66角に48銀では と金を失うので失敗です。仕方なかったのかなあ。

両取りに角を打って

桂を取ればまあまあなのですが、歩を垂らされました。

77飛成として、と金で金をはがされるのでは形勢不利です。代わりに1つ前の図で45馬くらいだったか。金を打って81竜では金損です。

歩を打って粘りますが

金損のままです。ここで48竜から

36桂をねらって

勝負になったか。

先手玉は2手すきです。

大山先生は58飛を打ってから角を取りましたが

先手玉は詰めろ。でもこう進めたということは

後手玉に詰みがありそうです。桂は2枚あるので、金をはがして

竜を捨て

45角の筋ですか。問題なく詰みました。

塚田先生の攻め方がどうだったかということにはなるのですが、後手番だということを考慮すればまあまあの仕掛けなのでしょう。大山先生は結構素直に受けていて、52歩~51歩成が実現して有利になりました。なんだかさわやかで、大山先生らしくない将棋のような気もしますが、振り飛車快勝の将棋です。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1991/08/16 9:00:00
棋戦:順位戦
戦型:四間飛車
持ち時間:6時間
場所:東京「将棋会館」
手合割:平手  
先手:大山康晴
後手:塚田泰明
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 6二銀(71)
5 7八銀(79)
6 5二金(61)
7 6七銀(78)
8 8四歩(83)
9 6八飛(28)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5四歩(53)
15 2八玉(38)
16 8五歩(84)
17 7七角(88)
18 7四歩(73)
19 3八銀(39)
20 1四歩(13)
21 1六歩(17)
22 5三銀(62)
23 5八金(69)
24 9四歩(93)
25 9六歩(97)
26 6四銀(53)
27 7八飛(68)
28 7五歩(74)
29 5六歩(57)
30 5五歩(54)
31 5七金(58)
32 7六歩(75)
33 同 銀(67)
34 7二飛(82)
35 6七銀(76)
36 7六歩打
37 5九角(77)
38 4二金(52)
39 9七香(99)
40 8六歩(85)
41 同 歩(87)
42 5六歩(55)
43 同 金(57)
44 5五銀(64)
45 4五金(56)
46 6六銀(55)
47 同 銀(67)
48 同 角(22)
49 6八飛(78)
50 5八歩打
51 6六飛(68)
52 5九歩成(58)
53 同 金(49)
54 7七歩成(76)
55 6三飛成(66)
56 7三飛(72)
57 6一龍(63)
58 6七と(77)
59 7七歩打
60 5七と(67)
61 6六角打
62 4八銀打
63 同 金(59)
64 同 と(57)
65 同 角(66)
66 5六角打
67 5四金(45)
68 8九角成(56)
69 5二歩打
70 7七飛成(73)
71 5一歩成(52)
72 同 金(41)
73 同 龍(61)
74 4一金打
75 8一龍(51)
76 9八馬(89)
77 5三金打
78 7一歩打
79 8二龍(81)
80 5二歩打
81 4二金(53)
82 同 銀(31)
83 5五金(54)
84 7八龍(77)
85 3九銀打
86 8八馬(98)
87 5六金(55)
88 4八龍(78)
89 同 銀(39)
90 6四角打
91 8四龍(82)
92 3六桂打
93 3九玉(28)
94 2八金打
95 4九玉(39)
96 4八桂成(36)
97 同 玉(49)
98 7八馬(88)
99 5八飛打
100 6七馬(78)
101 6四龍(84)
102 3八金(28)
103 同 玉(48)
104 5八馬(67)
105 2四桂打
106 2二玉(32)
107 3二金打
108 同 金(41)
109 同 桂成(24)
110 同 玉(22)
111 2四桂打
112 同 歩(23)
113 2三銀打
114 同 玉(32)
115 3四龍(64)
116 同 玉(23)
117 4五角打
118 3三玉(34)
119 2三金打
120 投了
まで119手で先手の勝ち


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20181112今日の一手(その783);2つのねらいを防ぐ

2018-11-12 | 今日の一手

20181112今日の一手

7月28日の名南将棋大会から、KさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

戦いの始まりは相振り飛車の(見ていないのですが多分)こういう形から

77角成同桂44角67金33桂46歩

36歩同歩15歩

端を攻める部分定跡です。15歩同歩36歩のほうがまぎれが少なかったのではないかと思うのですが。
15同歩ならば17歩同香(同銀は同角成同香18銀以下攻める)25桂16香17歩

19銀に15香同香18歩成同銀17歩

で後手よしとされています。杉本先生の「相振り革命」をご参照ください。
ただし昔から疑問に思っていたのですが、19歩18歩成同歩

これは銀と香歩4の交換で難しいというよりも先手よしだと思います。後手がもう1歩あれば17歩で有利ですが。
(先手が47歩型ならば15香の前に34飛で後手よしです。)

さて実戦は15歩を取らずに45歩としました。

(だから15歩同歩36歩のほうがまぎれが少ない。)45同銀同銀同桂35銀(36飛もあるか)

35同角同歩37歩成同桂同桂成同銀47歩

これが取れなくて後手が指しやすくなったのかも。58金45桂に銀を逃げるほうが難しいのですが、36角と打ちました。しかし49銀

があったので36角は悪手です。
後手も44銀と応じたのが問題図です。

44銀は悪手ではないけれど少し疑問です。

☆ 形勢判断をします。
銀歩歩と角の交換で、後手に持ち歩がありますが先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は86飛と持ち駒角桂で3枚。
後手の攻め駒は26飛45桂と持ち駒銀で3枚。(44銀と打ったので攻め駒が減っていますね。)

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
36角は反撃を見た受けだったのですが、49銀がありました。問題図でも49銀がありますね。それ以上に厳しい手を用意するか、この筋を避けるか、どちらかが必要です。
また37桂成と取られると(歩を除いて)銀銀と角桂の交換で駒得が消えていきます。とられないようにするか、取られても代償が欲しいです。
2つのことを考えなければいけないので難しいです。持ち駒があり、86飛の横利きもあるので手は広いですから、いろいろ考えてみましょう。


× 46歩は

37桂成同玉を催促したのですが、49銀同玉37桂成

詰めろ角取りなのでだめでしょう。


× 実戦は64歩で

36角の利きを生かしつつ、反撃をねらいました。これならば49銀の方は同玉37桂成63歩成同金同角成同玉96角

先手玉は詰めろでも、後手の応手も難しいです。74角同角同歩64歩62玉59玉・・・形勢互角でしょうか。

ですが49銀ではなく37桂成同玉45銀打

が攻防の手になりました。先の44銀が生きていますね。


× 84歩でも37桂成同玉45銀打

こちらも手抜かれてまずいです。(49銀のほうは勝負になりますが。)


× 急いで64桂と捨てると

64同歩に46歩と催促しても(37桂成とはできないので催促とは言えないですが)25桂

桂を足されて困っています。後手の攻め駒が増えたので失敗です。

46銀と逃げても

26歩同歩同飛45銀35銀27歩46桂

やはり渡した桂を使われます。


○ 46銀とかわすのが自然な手で

49銀と37桂成の両方に対応していますね。37銀と強攻してきたら、37同銀同桂成同玉45銀打25銀

角を取らせても頑張るか、25銀を打たずに47角35銀64歩

(64同歩には76桂)と反撃するか、どちらも良い勝負です。先手の駒得というよりは、後手の攻め駒が3枚にしかならないので受けやすい(/攻め合いにしやすい)のです。

後手がゆっくり攻めるなら34歩と合わせて

44銀を使うわけですが、45銀35銀47角46歩56角

26歩同歩同飛39桂

先手から見ると危なさそうですが、後手の攻めも細いです。

他には26歩と合わせて

飛車を切ろうという順ですが、47玉27歩成25歩

21飛27角25飛28歩

47歩を払ってしまえば飛車切りもそんなに怖くないです。


× 26銀とかわすのは

26同飛同歩37銀

47玉には46歩が利きます。


× 28銀は

16歩18歩(取り込みに挨拶しないといけなくなっている)26歩同歩同飛27歩36飛同飛37歩

47玉には14角(か29角か)、飛車を切られて面白くないです。

と言って先ほどのように26歩に47玉としても

27歩成25歩46歩

46同玉には28と が詰めろになります。48玉26と

で後手優勢。


△ 残りは47歩を払う手で、47玉は

37桂成同玉45銀打に48桂

ここに桂を打てるようになっています。36銀同桂ならば両取りですね。21飛ならば64歩同歩76桂

反撃に転じます。46銀打38玉36銀同桂35銀

64桂71玉52桂成同金44桂62金63歩

これは逆転しているでしょう。後手に工夫があるかもしれませんが、先手もまあまあ指せそうな感じがします。


△か× 47金は

37桂成同金45銀打に33角

と返せます。

しかし58銀が難物で

64桂同歩と捨てて、56金47銀成同玉

25桂45金37桂成同玉25銀

うまくいきません。


☆ まとめ

寄せ合いを考えて64歩や84歩は、37桂成同玉45銀打。後手は駒得(というか駒損を解消)しつつ攻防の手を指せます。

受ける方も自然な手から考えるべきです。後手には2つのねらいがあって、両方防いでいるのですから46銀が自然ですね。「桂先の銀定跡なり」です。

47歩を払ってしまうのもプラスの手です。同時に49銀の攻め筋を避けています。37桂成同玉45銀打に48桂を用意していました。

相手に2つの攻め筋を見られていると受けにくいのですが、同時に防ぐ手があるのならば好手の可能性が高いと言えます。

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