名南将棋大会ブログ 名古屋

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20181120今日の一手(その787);激しい順を読む

2018-11-20 | 今日の一手

20181120今日の一手

7月28日の名南将棋大会から、TさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
少し前から見てみると

角交換四間飛車で桂頭を攻められ、さらに自陣角を打たれたというピンチでした。しかし24歩同歩同飛36歩同銀46角に42歩

がぴったり利くので、飛車先交換ができたのです。
23歩を打ってもらえば

ちょっと指しやすい感じです。

実戦は65角を打って

33金とかわされると、この角打ちは外れだったということになったはずですが、43歩だったので24飛36歩

というのが問題図です。

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損ですが、持ち歩があるので損得なしと見ます。
玉の堅さは後手のほうがしっかりしています。
先手の攻め駒は24飛65角の2枚。ただし角の利きは歩で止まっています。
後手の攻め駒は64角2枚。これも利きは歩で止まっていますが。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
先手は玉が堅くないというか銀冠へ移行する途中での戦いになってしまいました。代わりに飛車を使えているのでバランスはとれています。
互いに動こうとして駒がぶつかり始めたところで、ここでの指し手が優劣を分けそうです。
まずは激しい順から考えてみましょう。飛車の働きで優っているので、65角も働く変化になれば先手よしになりそうです。


○ 44飛が一番激しいでしょう。これが65角を打った時のねらいのはず。

44同歩32角成37歩成41馬47と同金

桂金交換で馬を作っていますから先手の駒得です。47金が離れているのが嫌ですが、後手は左桂が取り残されているのですから、まあまあ(21桂と47金の交換よりも良い)です。
38飛58金打55桂48金引39飛成59金引

丁寧に指せば少し有利というくらいです。

後手としては44飛に37歩成でしょう。

34飛47と32飛成58と41竜69と

ここまで取り合うと先手玉が薄すぎます。

飛車を取らずに58同金として

51飛43角成はうれしいので、52銀でしょう。95歩

から攻める(95同歩93歩同香95桂94香93歩)か、22歩から駒を取りに行くかというところで、桂損でも少し先手が指しやすいです。後手としては大駒の働きが悪い(攻め駒として働いていない)のです。


△ 34飛ならば

37歩成32飛成47と41竜58と同金

先ほどの取り合いと比べると、44銀を取っていないけれど41飛を取れています。このほうが駒得ですね。

後手としては32金を取らせるわけにいかず、33桂

と守るのでしょう。36飛21飛25歩42金

強く指すならば34歩25桂45桂

の跳ね違えですが、45同銀同歩37桂成

は後手有利。

先手としては88玉

で待って、25桂同桂同飛31飛成52金左78金29飛成

駒の損得も無く、玉の堅さも同程度、形勢互角です。
85歩~84歩という展開になれば65角が働くので理想です。


△ 実戦は36同銀で

取り込みを利かされたという図です。46角44飛37角成

ここで47銀44歩32角成51飛

43歩としたいけれど、47馬同金38飛があるから、42金くらいで互角。というはずでした。

ところが38歩

馬取りです。36馬と取ってみろと言いました。34飛14馬

は大失敗の図だったはずですが、こう進まずに19馬49飛

桂香と銀の二枚換えで馬を作られているから、これも失敗の図です。それでも35銀から2,3筋を攻めて勝負になったのですが、終盤のミスで後手Nさんの勝ちに終わりました。


× 他には桂を逃げる手くらいです。45桂は

45同銀同歩19角成

桂香と銀の二枚換えで馬を作られて駒損です。43歩23歩43歩成24歩52と同金32角成

攻めはあるのでまだ指せるのですが、飛車を逃げられる(61飛)と飛桂香と金銀の交換ではちょっと悪いです。


△ 25桂ならば

37歩成34飛47と32飛成58と同金

竜を作っていますが銀損です。悪そうに見えるのですが、42金22竜46角32歩

と金を作り21桂をとれば結構指せそうです。41飛が使えないならばなんとかなるのですね。


☆ まとめ

駒を取り合う激しい順を読むのは大変なのですが(あとで並べてみると簡単なことに気が付いてあきれる)、読む順番としては最初のねらいが通るかどうかです。65角を働かせるためには、ねらい通りに44飛を考えます。

タイミングとしては
すぐさま44飛か、36同銀44飛か。激しい方から読むほうがまぎれが少ないということもあります。一直線の変化は長いけれど枝葉が少なく、少し手を戻すと枝葉ができて広く読まねばなりません。

もう一つは34飛とする変化で、これも25桂37歩成の時に34飛とするのも考えられます。激しさ背は劣るので、後手としては32金取りを受けるか、取り合うかという選択肢があって、読み合いが複雑です。

いずれにせよ感覚だけでは選べない(失敗がひどい)ので、こういう形にしてしまったら仕方ないです。感覚派の意見としては、玉を囲いきるまでに手数をかけすぎているのではないかと思えます。






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