名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20181106

2018-11-06 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


46銀を生かすには?
A 55銀 B 26飛 C 15歩

第2問


漠然としているようですが、こう指すものでしょう。
A 15同馬 B 66馬 C 86銀

第3問


痛い香打ちですが。
A 87桂 B 86同銀 C 77玉

第4問


やっとチャンスが来ました。
A 72歩 B 41飛 C 76銀
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大山将棋研究(1061);石田流穴熊に位取り(伊藤果)

2018-11-06 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181106
平成3年6月、伊藤果先生と第9回全日本プロです。

伊藤先生の三間飛車で

穴熊です。

大山先生は左美濃に構え

伊藤先生は石田流穴熊ということになりました。

大山先生は6筋の位を取ります。

いつものように3筋の歩を切らせて

引き角から総矢倉へ。変わった指し方です。まあ銀立矢倉にするのならば途中が違うだけですが。

66銀右か48銀で角をぶつけるのではなく、銀を出て3筋をねらいました。

36歩~35歩があるので、伊藤先生は銀を追います。


大山先生は飛車をぶつけました。交換は良い勝負だと思うのですが、後手としては13角を追われて57角成とすることになりそう。

伊藤先生はおとなしく35歩を打って6筋から動きます。

大山先生は角を転回し

伊藤先生は66歩を打たせます。

どこから本格的な戦いが始まるのかと思ったら、伊藤先生は3筋に垂れ歩です。

角を切って

二枚換え。

香もさばきます。

大山先生は馬を作って飛車をいじめます。

伊藤先生は銀もさばいて

香を取ります。角と銀桂香の交換、馬は2枚作られているけれど駒得です。

桂香で玉頭を攻めました。

大山先生は得意の玉の移動です。入玉しようというのですね。

飛車を捕獲できれば展開が開けます。(伊藤先生としては一度14飛か。)

伊藤先生は飛車を見切り、金取り。

取り合いで、先手玉が逃げ出せるかどうかの勝負です。

大山先生の玉は56金を打たせて、ふらふらと上に泳いでいきます。

どうやら入玉は阻止されたようです。

ただし伊藤先生は持ち駒を使い切ったので、先手玉はまだ捕まりません。

大山先生は詰めろ。これは金駒がないと受けがないですね。

必至がかかりました。

穴熊ペースの中盤~終盤だと思うのですが、大山先生はどうにかしのぎました。入玉できないと負けになることが多いものですが、穴熊の形が崩れたので逆転できました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1991/06/20 9:00:00
棋戦:全日本プロトーナメント
戦型:三間飛車
持ち時間:3時間
場所:東京「将棋会館」
手合割:平手  
先手:大山康晴
後手:伊藤果
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3五歩(34)
5 5六歩(57)
6 3二飛(82)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 5二金(41)
15 9六歩(97)
16 8二玉(72)
17 7七角(88)
18 9二香(91)
19 8八玉(78)
20 9一玉(82)
21 7八銀(79)
22 8二銀(71)
23 2六歩(27)
24 1四歩(13)
25 1六歩(17)
26 7一金(61)
27 6七金(58)
28 3四飛(32)
29 8六歩(87)
30 4四歩(43)
31 6五歩(66)
32 4三銀(42)
33 5七銀(48)
34 1三角(22)
35 2五歩(26)
36 3六歩(35)
37 同 歩(37)
38 同 飛(34)
39 3七歩打
40 3四飛(36)
41 6八角(77)
42 3三桂(21)
43 7七銀(78)
44 6二金(52)
45 7八金(69)
46 5二銀(43)
47 9五歩(96)
48 6一銀(52)
49 8五歩(86)
50 7二銀(61)
51 4六銀(57)
52 7四歩(73)
53 2六飛(28)
54 4五歩(44)
55 5七銀(46)
56 7三銀(72)
57 3六飛(26)
58 3五歩打
59 2六飛(36)
60 6四歩(63)
61 同 歩(65)
62 同 銀(73)
63 8六銀(77)
64 7二金(62)
65 7七角(68)
66 6五銀(64)
67 6六歩打
68 5四銀(65)
69 7五歩(76)
70 3六歩(35)
71 同 歩(37)
72 3八歩打
73 1五歩(16)
74 3九歩成(38)
75 1四歩(15)
76 5七角成(13)
77 同 金(67)
78 2九と(39)
79 1五香(19)
80 4六歩(45)
81 同 歩(47)
82 1四香(11)
83 5二角打
84 4三歩打
85 5五歩(56)
86 同 銀(54)
87 5六歩打
88 6四銀(55)
89 4三角成(52)
90 5四飛(34)
91 6五歩(66)
92 7五銀(64)
93 同 銀(86)
94 同 歩(74)
95 3三角成(77)
96 1五香(14)
97 8六銀打
98 7四桂打
99 7五銀(86)
100 8六香打
101 7七玉(88)
102 7三桂(81)
103 7六玉(77)
104 8九香成(86)
105 5五歩(56)
106 7七歩打
107 同 金(78)
108 6八銀打
109 5四歩(55)
110 5七銀成(68)
111 7四銀(75)
112 6二桂打
113 6六玉(76)
114 5六金打
115 7五玉(66)
116 6三銀打
117 同 銀(74)
118 同 金(72)
119 5二馬(43)
120 7四銀打
121 8六玉(75)
122 6七成銀(57)
123 8七金(77)
124 9四歩(93)
125 4一飛打
126 9九成香(89)
127 7二銀打
128 8五銀(74)
129 9七玉(86)
130 6一歩打
131 6三馬(52)
132 投了
まで131手で先手の勝ち
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20181106今日の一手(その780);自然なカウンター

2018-11-06 | 今日の一手

20181106今日の一手

7月28日の名南将棋大会から、HさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度というかほぼ同じ形です。
先手の攻め駒は持ち駒角1枚。
後手の攻め駒は44角65桂で2枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
後手が自陣角を打って、先手が46歩で角をいじめに行ったら、後手は桂を跳ねて攻めた、という局面です。
自陣角の働きが悪くなれば先手が指しやすくなります。玉の囲いが同じなので、少し良くなれば有利優勢になりやすいです。ということでここ数手が優劣を分けます。
基本的には、①駒損しないこと②玉の堅さを保つこと、を心がけます。そして44角をとがめる形になれば先手有利に変わります。


× 実戦は45歩で

前に指した46歩の継続手です。45同銀ならば65桂同歩55銀ですね。しかし77桂成44歩88成桂

飛桂と角の二枚換えになりました。成桂は攻めにも守りにも働いていないので大差ではないのですが、73角から駒を取り合って

やはり桂損です。手番も後手ですから明らかな先手不利。逆転はできませんでした。

工夫するとすれば89飛

一度は飛車を逃げてみます。45銀に49飛56銀77銀同角成41飛成

銀損でも飛車を成って寄せ合い、ならば勝機もあるかもしれませんが先手不利です。

49飛ではなく55銀ならば角を取れて

55同角同歩46桂

二枚換えの駒損で金か銀をはがされますから、これも先手不利。
一度桂損になると形勢を戻すことはできません。


○ 65同桂は自然な応手で

65同歩に45歩同銀55銀

これならば先手の駒得ですね。55同角同歩46桂同銀同銀

先手玉のほうが薄いものの、銀銀と角桂の交換で少し駒得です。73角をねらって54歩、81飛47歩55銀45桂

54歩に72角から馬を作れば駒得が広がりますし、先手玉の薄さをカバーしやすいです。

先手としては45歩ではなく55銀

55同銀45歩46銀44歩

という図を選ぶことができます。やはり73角が残るので先手よし。


△ 55歩は

77桂成同銀46歩同銀45歩

先手から54歩とできない形なので、4筋の位を確保されそうです。ここで56桂を打てるのですが55角同銀同銀

駒得になりましたが、桂取りが残ります。46桂もあるので57金と受けて65桂66銀57桂成同銀

金銀と角桂の交換です。先手玉が薄くなって、馬を作りにくいので難しい形勢です。


× 55銀だと

77桂成89飛55銀45歩で角を取り返して

46銀45歩

銀銀と角歩の交換で、後手の攻め駒が4枚あります。ここで後手番なので57銀打とか攻められて面白くないですね。


△か× 73角は

77桂成89飛81飛

あるいは飛車を取り合うかもしれませんが、やはり駒損です。


△ 受けるほうを見てみます。87飛は

77桂成同飛65歩55銀同銀45歩

というのは駒得になるので先手有利です。

後手は65歩が疑問手で、85歩くらいか。

73角81飛45歩同銀64角成86歩88歩

おとなしく言うことを聞いているようでも、馬を作れば44角よりも働いているという主張があります。

77桂成に同銀もありそうで

85歩同歩77角成同飛85飛87歩

駒得なので65桂~87飛成くらいなら悪くはないでしょう。


△か× 68金はおかしな手で

先手玉が薄くなります。でも後の46桂や49銀を避けているという意味もあります。77桂成同金25桂26銀46歩73角81飛64角成

65歩55銀同銀同歩61飛73馬47銀

これは面白くないですね、少し工夫が必要です。

25桂に45歩を利かせて

37桂成同桂は角が死んでいます。45同銀26銀36銀37歩26角

26同歩37桂成同金同銀成同玉45銀38銀

後手の猛攻を受けきれる自信があればこういう順を選びます。駒得でも歩切れ、81飛~41飛を間に合わされたら悪くなるので難しいです。


△ 68角は堅実な受け方で

77桂成同角46歩同銀45歩55銀左

こうなれば先手が好調です。

後手は77桂成同角のタイミングを工夫するしかないです。取る前に46歩として

46同銀45歩55銀右同銀同銀同角同歩77桂成同角46桂

これならば77角の働きが悪い(けれど73角はある)ので形勢互角くらい。


☆ まとめ
問題図の前で後手は45の位を生かすべく44角と据えたのですが

この角が安定していませんでした。46歩から角をいじめたというのが先手Oさんの好着想だったわけですが、65桂に

本譜45歩は焦りすぎました。77桂成で駒損になってしまったというのが敗着に近いです。(玉の囲いが同等だと、わずかな差が大差になりやすいです。

桂を取ってから45歩同銀55銀

というのは自然な順でした。銀に当たるからという思い込みで間違ってしまったのでしょう。
55銀と捨てて

45歩でも良いです。
相手の読みを信用しないで、(少し先の)カウンターを考えてみましょう。自然な順ならば申し分ないです。


こういうカウンターで駒得になる順がなかった(見つけられなかった)場合は
87飛とか

68角とか

を選べれば、振り飛車党として合格だといえるでしょう。





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