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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋研究(348); 四間飛車に居飛車穴熊

2016-11-24 | 大山将棋研究
昭和52年4月、田中寅彦先生と第10回早指し選手権です。
田中先生はまだプロ2年目で大山先生と対局できて張り切っていたのでしょうね。


大山先生の四間飛車に田中先生は居飛車穴熊。居飛穴はデビュー当初からだったのですね。

大山先生は石田流にして

4枚穴熊とダイヤモンド美濃になりました。シンプルな仕掛けで始まります。今なら9筋や8筋を突き捨ててから攻めるところ。

角交換から打ちあって

大山先生としては飛車交換はやりたくないので、香損ですが と金を作っています。

居飛穴で と金攻めは嫌なので、と金は桂馬と交換です。駒の損得はほぼなくなりました。

これで大山先生の攻め駒は4まいになりそう。田中先生は91香92飛が攻めに使えていないわけで、と金を作りましたが攻め駒は3枚。玉の堅さが違うのですが、振り飛車としてはまあまあ指せるわかれです。

田中先生は馬も守りに使おうとしています。大山先生は桂馬を使って攻めます。

大山先生は香損ですが攻めの体制としては十分。田中先生も持ち駒が増えたので、ここからは寄せ合いになります。

大山先生は36を狙われて、受けていてもきりがない(後手の攻め駒が多い)ので寄せ合いです。

どちらも怖そうですが受けていても仕方なく

後手玉は2手すき(次に詰めろがかかる)、先手玉に1手すき以上が必要です。

31歩には42銀、92飛には62歩、というやりとりがあり、速度は変わりません。

でも31歩の効果で、大山先生は竜から行くしかないのでは先手を取られそうですが

金を打たせて47金が好手です。

この飛車は痛そうに見えますが

37の銀を取れば先手玉は3手すき以上。寄らなくなりました。

あとはゆっくり確実に迫ります。

取りになっていないのですが詰めろの金打

あわてて31銀成では53角を食らいます。

投了図。

かなりの好局です。振り飛車党にはとても参考になるでしょう。並べてみてください。
やや振り飛車ペースながら互角の終盤になり、大山先生に受けの好手が出て勝ちになりました。こういう手はどの時点で見えているのでしょうね。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:田中寅彦4段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 2八玉(38)
14 5三銀(62)
15 6七銀(78)
16 3三角(22)
17 3八銀(39)
18 2二玉(32)
19 9六歩(97)
20 1二香(11)
21 7五歩(76)
22 1一玉(22)
23 7八飛(68)
24 2二銀(31)
25 9七角(88)
26 4二角(33)
27 5八金(69)
28 3一金(41)
29 1六歩(17)
30 8五歩(84)
31 1五歩(16)
32 4四銀(53)
33 7六飛(78)
34 8四飛(82)
35 4六歩(47)
36 5一金(61)
37 5六銀(67)
38 4一金(51)
39 4七銀(56)
40 3二金(41)
41 3六歩(37)
42 9四歩(93)
43 7七桂(89)
44 3三銀(44)
45 3七桂(29)
46 7四歩(73)
47 同 歩(75)
48 9七角成(42)
49 同 香(99)
50 9八角打
51 5一角打
52 8七角成(98)
53 7五飛(76)
54 8二飛(84)
55 7三歩成(74)
56 9七馬(87)
57 7四飛(75)
58 7三桂(81)
59 同 角成(51)
60 9二飛(82)
61 6三馬(73)
62 9三飛(92)
63 6二馬(63)
64 6八歩打
65 同 金(58)
66 8六歩(85)
67 7一飛成(74)
68 8七歩成(86)
69 6五桂(77)
70 8六馬(97)
71 5八金(68)
72 7七と(87)
73 8七歩打
74 7六馬(86)
75 5三桂成(65)
76 6六馬(76)
77 4五桂(37)
78 2四銀(33)
79 2六桂打
80 6七と(77)
81 3四桂(26)
82 5八と(67)
83 同 金(49)
84 2五銀(24)
85 2二桂成(34)
86 同 馬(66)
87 5二馬(62)
88 2四桂打
89 4二銀打
90 3六桂(24)
91 同 銀(47)
92 同 銀(25)
93 3七歩打
94 4五銀(36)
95 3一銀(42)
96 同 金(32)
97 4二金打
98 3二金打
99 3一金(42)
100 同 金(32)
101 4五歩(46)
102 3六歩打
103 3四桂打
104 3七歩成(36)
105 同 銀(38)
106 3六歩打
107 2二桂成(34)
108 同 金(31)
109 3六銀(37)
110 2四桂打
111 2五銀(36)
112 3六桂打
113 3七玉(28)
114 3一歩打
115 4二銀打
116 9二飛(93)
117 6二歩打
118 2八銀打
119 4六玉(37)
120 5五銀打
121 3五玉(46)
122 3七銀(28)
123 3一龍(71)
124 3二金打
125 4七金(58)
126 3一金(32)
127 同 銀(42)
128 3二飛打
129 3四歩打
130 5二飛(32)
131 3七金(47)
132 3二飛(52)
133 4二銀打
134 7五角打
135 2二銀(31)
136 同 飛(32)
137 3三歩成(34)
138 同 桂(21)
139 3一金打
140 2一銀打
141 同 金(31)
142 同 飛(22)
143 3二銀打
144 2二金打
145 2一銀成(32)
146 同 金(22)
147 5一飛打
148 3一香打
149 3二歩打
150 5三角(75)
151 同 銀(42)
152 3二金(21)
153 4二金打
154 投了
まで153手で先手の勝ち


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20161124今日の一手<その422>; と金の遅早

2016-11-24 | 今日の一手
20161124今日の一手

10月29日の名南将棋大会から、KさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
桂と歩の交換で、互いに竜と馬を作りあっています。後手は歩切れなので歩もカウントしますが1対1なので先手の駒損です。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は61竜と持ち駒角銀で3枚。
後手の攻め駒は77馬と持ち駒銀桂で3枚。77馬は先手玉に向かっていないので2枚としてもいいです。

総合すれば後手がやや有利です。

☆ 大局観として
駒損の分だけ先手が悪いのですが、あまりそうは見えないと思います。対抗型では玉と反対側の桂香が残っていれば取られやすいわけで、後手が先に(77にいた)桂馬を取っただけです。先手も桂香を拾えば互角、後手の飛車がさばけていない(先手は飛車を成り、角を手持ち)のでその分だけ先手が良くなりそうだ、と判断するところでしょう。経験による大局観(未来の形勢を考えること)です。
今のところ先手玉を守る必要がない(後手が歩切れなので端攻めの心配をしなくてよい)ので攻めるあるいは駒得を目指します。この場合は方向が同じで、4枚目の攻め駒を得て攻撃力を増やし、後手玉の攻略を考えるわけです。ですから効率的な駒得はどれか、ということを考えればよいでしょう。


× 実戦は71竜としました。92飛に83角

とするのは調子がおかしいのですが、81竜では62飛

を気にしたものでしょう。

83角以下93飛72角成99馬81竜55馬

先手は4枚目の攻め駒を持ったのですが、72馬が攻めに働いていません。ここでは馬を作ったものの後手が香得(歩との交換)ですから問題図からあまり変わっていませんね。
この後は

馬で飛車を取って2枚飛車で攻めるのですが、後手玉も堅く、玉頭から迫られて混戦です。後手の勝ちに終わりました。


△ 63角としたほうが桂をすんなり取れそうですが

52銀と打たれると81竜同飛同角成

となります。これはほぼ駒の損得はなしで、後手に銀を打たせた効果があるかどうかという比較です。


△ 72角なら52銀と打たれることはなく

99馬81角成同飛同竜

91の香も取ることはできます。飛2枚と角2枚どちらが強いかという比較。形勢は互角です。


○ 桂馬を取りに行くよりも と金を作るほうが良さそうです。64歩

として後手は歩切れなので と金を阻止することが難しいです。52銀と打っても71竜92飛72角

として63歩成を狙います。と金を作れば後で後手の金銀と交換できる可能性が高く、駒得を期待できます。

後手が64歩には85歩として飛車を逃げると。

63歩成86歩71角85飛53と

として金と交換できます。先手有利。


○ 63歩でもよさそうで

85歩には62歩成86歩64歩

2枚目のと金を作ります。

63歩に44馬なら

71角として52銀にも51竜

なので大丈夫。


△ 72歩としても

と金は作れますが、それで桂香を拾うのは悪くないにしても方向が違います。
この後64歩からと金を作り、後手の飛車の横利きを止めている、という意味なら悪くありません。


△ 71角として

92飛26角成93桂64歩

というのは馬で端を守って手堅いです。この場合はそこまで気にしなくても良さそうではありますが。


× 他には15歩として

端を攻めれば19香が4枚目の攻め駒になります。15同歩に13歩同香25銀

として14歩のねらい。24歩には14歩25歩13歩成同桂14歩

とすれば十分です。

後手は14銀と打って受けます。

14同銀同香25銀13銀

以下47角には55桂~35歩ですから少し無理です。16桂の反撃筋もありますし。後手が銀を手持ちにしていなければ良さそうな手なのですが。



先手の駒損ですが、81の桂馬は簡単に取れそうなので迷いやすいと思います。取れない形なら迷わず と金作りに目が行くところなんですが。後手は81桂や82飛を簡単に逃げる手段がないので急がなくてもよいのです。と金を作ればはっきり先手有利になると思います。

駒得は桂香を拾うだけではなくて、と金(や成り駒)を作ることでも実現するのです。手数がかかるようでも81の桂よりは42金のほうがはるかに価値が高いですね。それを取るほうが良いのです。と金の場合は交換しても受けている方は歩しかもらえないので逃げることも多く、相手が応接(逃げて)してくれれば実質の手数は少なくて済むことが多いです。これをと金の遅早(おそはや)といいます。「遅いようで早い」の略語です。

攻め駒の数で言えば、と金を作れば4枚目の攻め駒になります。この説明のほうがわかりやすいかもしれません。持ち駒の角を使って桂馬を取っても、その角が後手玉から離れてしまうと攻め駒にはなりませんね。だから持ち駒の角銀は攻め駒として温存し、と金を作れば4枚目の攻め駒になる、というのがスマートです。

また、飛と角の価値がどちらが高いかというのは局面で変わるので迷うところです。どちらが効果的に使えるかで判断が変わります。確率で言えば6割から7割くらいは飛車のほうが価値が高いのですが例外はあります。この場合は互いの玉の囲いが飛車による横からの攻めには強く、角の攻めにも(美濃囲いの46歩37歩の形なので)目立った弱点はありませんから飛角交換でも互角です。


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大山将棋研究(347); 中飛車乱戦

2016-11-23 | 大山将棋研究
昭和52年4月、加藤博二先生と第4回名将戦です。


大山先生の中飛車で

加藤先生は右玉を狙っていたのでしょうか。

95歩が早いので、まだ陣形整備できていないとみて、大山先生が動きます。66歩は55歩以下が少し不安、48金なら手堅かったでしょうか。

68玉だったので馬を作ります。

1歩得で馬を作ったので大山先生がポイントを上げました。

加藤先生はこんなところに角が打てました。42金と備えた後だったので、大山先生のうっかり。

65桂を見せられましたが、中央で銀をさばけるので

まだ大山先生のほうが良さそうです。

4筋を攻めます。46同歩には47歩同金左同馬同金38銀ということでしょう。

加藤先生が銀を投入して受けたらこんなところに銀打。馬が死にそうです。

これで死んでいるのですが

加藤先生は飛車と切り違えて

銀を取られたら両取りで返します。うまくバランスを取るものです。

桂馬も取り合い

控えの桂。59玉とかわすのかと思えば

強気に桂を打ちます。

大山先生は銀を入れてから88桂成のつもりですが

63桂成がありました。

それでも香を手に入れると攻めの筋が増えます。

加藤先生は39飛として31香の筋に備えますが、大山先生の52香も攻防です。

33角も強い手ですが、両取りになって

なんだかわけのわからない戦いです。

8筋を狙えば飛車打ちが攻防になるわけですが

竜を作らせる間に底歩で先手玉が堅くなりました。

今度は右辺から。金を追って

歩をたらします。これが案外受けにくくて

銀を取られても と金は大きいです。大山先生が有利になったようです。

馬を移動すれば52の香が働きだします。前に金を追ったのが利いてきました。

馬を追うのですが、86金には79竜で寄せられます。途中にこういう手を織り交ぜます。

加藤先生はうまく56の金を逃げて

香を取るのですが

大山先生はダンスの歩の手筋で銀を取られます。

この香が加藤先生の敗着ですが、代案は難しいです。

57竜からスパークで

寄ってしまいました。


乱戦で始まったのですが、互いに入玉は関係ないのに170手、見ていて面白い将棋です。この棋譜は並べなくてもよいのですが、乱戦になるほど玉の安定度がものを言いますし、互いに安定してくると駒の損得が響いてきます。そういう流れを見ておけばよいでしょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:加藤博二8段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(42)
9 3六歩(37)
10 5二飛(82)
11 9六歩(97)
12 6二玉(51)
13 9五歩(96)
14 7二玉(62)
15 4六歩(47)
16 5四歩(53)
17 4七銀(48)
18 3三角(22)
19 3七桂(29)
20 4五歩(44)
21 6八玉(59)
22 4六歩(45)
23 同 銀(47)
24 8八角成(33)
25 同 銀(79)
26 4七角打
27 4八金(49)
28 3六角成(47)
29 4七歩打
30 3三桂(21)
31 5八金(69)
32 2四歩(23)
33 8六歩(87)
34 4二金(41)
35 8五歩(86)
36 4四銀(43)
37 2三角打
38 4三金(42)
39 4一角成(23)
40 5三飛(52)
41 7七桂(89)
42 5五歩(54)
43 同 歩(56)
44 同 銀(44)
45 同 銀(46)
46 同 飛(53)
47 5七歩打
48 3五歩(34)
49 2九飛(28)
50 5一金(61)
51 2三馬(41)
52 4六歩打
53 5六銀打
54 5二飛(55)
55 4六歩(47)
56 1四銀打
57 2四馬(23)
58 5四飛(52)
59 3四歩打
60 同 金(43)
61 5五銀(56)
62 2四金(34)
63 5四銀(55)
64 同 馬(36)
65 2二飛打
66 3二角打
67 2四飛成(22)
68 3六歩(35)
69 3三龍(24)
70 3七歩成(36)
71 同 金(48)
72 3六歩打
73 同 金(37)
74 6四桂打
75 8四歩(85)
76 同 歩(83)
77 7五桂打
78 7六桂(64)
79 5九玉(68)
80 4二銀打
81 6三桂成(75)
82 同 馬(54)
83 3二龍(33)
84 8八桂成(76)
85 4五金(36)
86 9九成桂(88)
87 3九飛(29)
88 3六歩打
89 同 飛(39)
90 5二香打
91 3三角打
92 3五歩打
93 同 飛(36)
94 3四歩打
95 同 飛(35)
96 4三銀打
97 1一角成(33)
98 3二銀(43)
99 6五香打
100 5三馬(63)
101 3二飛成(34)
102 6四歩打
103 8五歩打
104 6五歩(64)
105 8四歩(85)
106 8九飛打
107 7九歩打
108 同 飛成(89)
109 6九金打
110 8九龍(79)
111 7九歩打
112 8四龍(89)
113 8五歩打
114 7四龍(84)
115 3四歩打
116 3一香打
117 1二龍(32)
118 4四歩打
119 5五金(45)
120 7七龍(74)
121 1三龍(12)
122 6六歩(65)
123 同 歩(67)
124 3六歩打
125 7八金(69)
126 6六龍(77)
127 5六金(55)
128 6三龍(66)
129 1四龍(13)
130 3七歩成(36)
131 6五歩打
132 7五馬(53)
133 6六銀打
134 8五馬(75)
135 8六歩打
136 同 馬(85)
137 7七金(78)
138 7四龍(63)
139 6八玉(59)
140 9六馬(86)
141 6四歩(65)
142 6七歩打
143 同 金(58)
144 6四龍(74)
145 8七銀打
146 9七馬(96)
147 6五金(56)
148 5三龍(64)
149 8六銀(87)
150 9六馬(97)
151 3三歩成(34)
152 6四歩打
153 7五金(65)
154 3三香(31)
155 3四歩打
156 6三桂打
157 7六金(75)
158 6五歩(64)
159 同 銀(66)
160 6四歩打
161 3三歩成(34)
162 6五歩(64)
163 9七香打
164 5七龍(53)
165 同 金(67)
166 同 香成(52)
167 同 玉(68)
168 5六歩打
169 同 玉(57)
170 6四桂打
171 投了
まで170手で後手の勝ち

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東海団体リーグ戦 第70回A級3R

2016-11-23 | 東海団体リーグ
20日は東海団体リーグの日でした。3ラウンドですが空きがあるのでチームは2日目です。


尾張同好会Aは前節3連勝でしたが、この日は上位チームとの対戦で1勝2敗。1-4、1-4、3-2でまだ上位進出が残るところに踏みとどまりました。
まだ残留は確定せず。前々回はチーム4勝5敗で落ちたので安心はできません。

個人成績

私は成績不振で5将に入り、今回はチームと勝ち星連動です。上位チームは5番目でも層が厚いのでなかなか勝たせてもらえませんね。朝から頭の働いていない日で、見落とし、難しい手が見えず、快勝、と尻上がりではあったのですが。

次回は12月25日、クリスマスです。プレゼントはあるかな?
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大山将棋研究(346); 四間飛車に玉頭位取り

2016-11-22 | 大山将棋研究
昭和52年3月、有吉道夫先生と第36期名人挑戦者リーグ(A級順位戦)です。


大山先生の四間飛車に有吉先生は定番の玉頭位取りです。

大山先生は石田流に。

玉の囲いもそこそこに飛車先交換に行きます。

そして美濃囲いを放棄。金美濃かと思ったら

6筋の位を解消するための動きです。64同歩は36歩同歩64角の筋です。

65の位を消せました。

角をどこに据えるかで探り合いがあったのですが、結局13に移動しました。57銀の移動を制限しています。

有吉先生は一瞬の隙をとらえて端攻め。14同飛には15香から44角です。玉が堅いので手を作ればよくなります。

この飛車の位置も角を質駒にできるので好位置。

ですが大山先生は53金左と備えて14歩を払います。

この歩も渋いですね。隙を作らないように注意しています。

有吉先生は8筋の工作。16飛とぶつける筋があるので取りにくいです。

大山先生は8筋を放置して25飛を見せます。となればこれで飛車交換になり

香得ではあります。

有吉先生は66の銀を引き付けるのですが、香を打たれて

金を捨てて香を取る。取り返しても金損なので、これでは苦しいです。

大山先生の93桂は見えませんね。91飛成にも85桂で、玉は中央に逃げようということなんです。

85桂が実現して

金銀を手にいてたので自陣に投入します。

金も打ち付けて

底歩で竜の利きを止めました。

8筋を狙われても攻め駒は少ないです。

7筋から逆襲です。

玉頭を制圧できれば勝ちが見えてきます。

とにかく玉頭に手を入れれば攻防になります。

玉頭を制圧しました。こんなところに両取りがありましたが

持ち駒の銀を使って角を取るだけなので怖くはなく、上から攻めるだけです。

あっさり角を取らないのがいいですね。

投了図。

大山先生の快勝に終わりましたが、こんな勝ち方は真似ができません。駒得というか、先手の攻め駒が少ないので薄い玉でも十分耐えています。玉頭を制圧する指し方もうまいものです。後手をもって並べて堪能しましょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:有吉道夫8段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5六歩(57)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 6八銀(79)
16 4三銀(32)
17 5七銀(48)
18 5二金(41)
19 7五歩(76)
20 3五歩(34)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 7七銀(68)
24 3二飛(42)
25 1六歩(17)
26 4二角(33)
27 2六飛(28)
28 5四歩(53)
29 7六銀(77)
30 3四飛(32)
31 5八金(49)
32 3三桂(21)
33 6六歩(67)
34 5三角(42)
35 6五歩(66)
36 3六歩(35)
37 同 歩(37)
38 4五歩(44)
39 2八飛(26)
40 3六飛(34)
41 3七歩打
42 3四飛(36)
43 6七金(58)
44 6二銀(71)
45 8六歩(87)
46 6四歩(63)
47 8七玉(78)
48 6五歩(64)
49 同 銀(76)
50 6三銀(62)
51 7八金(69)
52 6二金(61)
53 6六銀(57)
54 6四歩打
55 7六銀(65)
56 3五角(53)
57 5七銀(66)
58 1四歩(13)
59 7七角(88)
60 1二香(11)
61 8八玉(87)
62 5三角(35)
63 6六銀(57)
64 3五角(53)
65 5七銀(66)
66 1三角(35)
67 2六飛(28)
68 4四銀(43)
69 1五歩(16)
70 同 歩(14)
71 1四歩打
72 3五角(13)
73 3六飛(26)
74 5三金(52)
75 6六銀(57)
76 1四飛(34)
77 5五歩(56)
78 3二歩打
79 8五歩(86)
80 1六歩(15)
81 5四歩(55)
82 同 銀(63)
83 8四歩(85)
84 同 歩(83)
85 8三歩打
86 1五飛(14)
87 1六香(19)
88 同 飛(15)
89 同 飛(36)
90 同 香(12)
91 3六歩(37)
92 2六角(35)
93 1一飛打
94 1八飛打
95 5七銀(66)
96 5六歩打
97 6八銀(57)
98 5五香打
99 5六金(67)
100 同 香(55)
101 5七歩打
102 9三桂(81)
103 8二歩成(83)
104 同 玉(72)
105 5六歩(57)
106 8五桂(93)
107 同 銀(76)
108 同 歩(84)
109 6三歩打
110 同 金(62)
111 6一飛成(11)
112 8三銀打
113 7六桂打
114 6二金打
115 4一龍(61)
116 5一歩打
117 同 龍(41)
118 5二金(62)
119 4一龍(51)
120 5一歩打
121 8四歩打
122 7二銀(83)
123 8七香打
124 6五銀(54)
125 6七銀(68)
126 7四歩(73)
127 8五香(87)
128 7五歩(74)
129 8三歩成(84)
130 同 銀(72)
131 同 香成(85)
132 同 玉(82)
133 8四銀打
134 7二玉(83)
135 7五銀(84)
136 7四香打
137 6六歩打
138 7六銀(65)
139 同 銀(67)
140 7五香(74)
141 同 銀(76)
142 7六銀打
143 8七銀打
144 同 銀成(76)
145 同 玉(88)
146 7四歩打
147 8四銀(75)
148 7五桂打
149 同 銀(84)
150 同 歩(74)
151 6八桂打
152 7四金(63)
153 2七銀打
154 2八飛成(18)
155 2六銀(27)
156 2九龍(28)
157 7九歩打
158 8六歩打
159 同 角(77)
160 8五歩打
161 7七角(86)
162 8六銀打
163 8八玉(87)
164 7六桂打
165 同 桂(68)
166 同 歩(75)
167 6八角(77)
168 8七銀打
169 投了
まで168手で後手の勝ち


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20161122今日の一手<その421>; 石田流の弱点

2016-11-22 | 今日の一手
20161122今日の一手

10月29日の名南将棋大会から、HさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは少し先手玉のほうが堅いか。
先手の攻め駒は86角1枚。
後手の攻め駒はありません。

総合すれば互角かやや先手の作戦勝ちか。

☆ 大局観として
形勢は互角なのですが、後手陣には不備があります。元をたどれば32金の位置で、角交換していないのですから玉の守りについているべき。また、後手が美濃囲いではないので堅くないということもあります。角の働きにも差がありますね。
つまり後手は手待ちをせず(12香~13香としている)角交換を目指すか、32の金を玉の方に寄せていく方法を考えるべきだったのです。
不備があるというのは、後手の飛車を攻める筋があるのです。


△ 55歩として

実は55歩同歩同銀54歩と交換したところだったのですが、後手は12香から13香と手待ちをしています。
55同歩同銀54歩に53角成

と角を切って、53同角54銀62角43銀打

で終わっていました。(12香の形で実現していたはず)

後手がこの筋に気が付いたら45歩

とするでしょう。(2回目なのでおかしいなあと気が付きそう)
おとなしく45同歩54歩46銀25桂36歩

と飛車を攻めるのもあるのですがせっかく位を守っていた銀が右にいくのは本調子ではありません。

45歩には54歩として

54同銀42角成同金

これで31角から攻められますが、金銀の取り合いでは今一つ。後手が少し指せそうです。


○ 55歩と合わせる筋をやるなら、56銀としてから。

このほうが前の歩交換を生かせます。持久戦にするのはあとで見るとして、84歩くらいなら55歩同歩同銀直54歩53角成同角54銀

として先手優勢なのは前と同じです。47の銀が66なので前よりよいですね。

後手は54歩としないで45歩同歩54歩46銀

としても、先手は36歩から飛車をいじめることができます。これも銀が47より66にいるほうが良いです。

また、54歩の時に44銀同銀と捨てて31角

とするのもかなり有力です。

後手としては43金と中央を厚くするほうが良さそうです。

これでも55歩同歩同銀直54歩53角成同金54銀

として54同金に43銀が利きます。(61角には52歩)駒得になるわけでもないのですが、後手陣が乱れているので十分指せます。
後手は銀が取れずに45歩なのでしょう。

このときは43銀打54飛同銀成同金24歩

銀を損しても24同歩と取れず、と金ができるので先手がやや指せそう。

戻って45歩に53銀成同角43銀は36歩

でだめです。

角を切るのは駒損する激しい変化なので、54同銀と歩を取るほうかもしれません。

どちらで取っても55歩です。54同銀55歩86角同歩36歩54歩37歩成61角

この角打ちが厳しいので先手が指せます。(途中36歩に同歩は47角が嫌味です。)


○ 実戦は36歩と直接飛車を攻めました。

1歩持っているので、36同歩には35歩同飛36銀

で飛車を殺せます。この筋は普通はどこかで45歩と突いたら53か62にいる角の筋が通って反撃が利くものなんですが、その筋がありません。

飛車が死なないように、36歩に25桂が実戦の手順です。

取れば24飛で交換になります。35歩同飛36銀33飛34歩

歩の数が足りています。32金が災いしました。34同飛35歩33飛25飛に64歩と進んで、77桂

が好調子だったはずなんですが、実戦では77桂と跳ねずに27飛65歩同銀64銀左

ここから激しくなってこういう図

いつの間にか後手の攻め駒4枚が集中しています。まだ難しいですが逆転してしまいました。


△ 56銀の後持久戦にすると

これくらいの図です。形勢互角、やや先手もちですが仕掛けるところは難しいです。


× 75歩として

7筋の歩も切ることができればまあまあなのですが、75同歩同銀の時に24歩同歩25歩

とされるのは嫌な筋ですね。

後手は74歩と抑えられないように84歩

としてじっと歩が入るのを待つのが本筋でしょうか。1歩入れば24歩です。


× 77桂は

力をためた手なのですが、84歩56銀85歩97角95歩

95同歩同香53角成同角95香97角成

2枚換えでもこんなところに角を成られてはいけません。


さて、後手陣の金銀角の配置がおかしいというのはわかりましたか?

銀をもって43銀あるいは23銀(角でもいいです)という筋で飛車が死にます。これがたまに出てくる石田流の弱点です。
他には角交換に弱いとか(升田式のように32金が必要で、22角などに備えます。筋違い角で飛車を追われる筋も注意が必要です。)
石田本組みなら端攻めとか。
実戦のように26飛47銀の形で1歩持って36歩同歩35歩というのは、35に駒の応援が利かない時にある筋です。

万能な戦法はないということなんです。

問題図の前にも(問題図でも)53角成という筋を決行するチャンスがあったわけですが、銀取りに歩を打たれたら銀を引く一手だと思わないで、何か手がないかな?と探す習慣があれば見つかることでしょう。
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大山将棋研究(345); 石田流穴熊に位取り

2016-11-21 | 大山将棋研究
昭和52年3月、二上達也先生と第18期王位戦です。


どちらが振るかという出だしですが、二上先生の振り飛車はみたことがありません。

当然ながら大山先生が飛車を振り

穴熊に。位取りになりそうなのでその対策です。

大山先生は石田流に組み、二上先生は左金を上がります。右金も受けに使うわけです。

4筋の位を取り、2筋の歩を交換

して端を伸ばします。

7筋の歩交換には73歩とは謝りません。

7筋を受けてひと段落。

気の金寄りが渋い手です。66角は64角同角同飛が61金に当たります。それを避けた意味もあります。

もう一つ。まるで大山先生が後手を持っているようです。

端を攻められたので反撃のタイミング。

大山先生は少し重く飛車を攻めます。

逃げる手もないので飛車の取り合いです。

互いに香を取り

二上先生は24桂を防ぐ香打ち、攻防の手になりそうです。

馬を引き付けて

大山先生が端をこじ開ければ、二上先生は飛車を打って受けます。

33角成からの2枚換えにも角を投入し

香を打つのが攻防。1,2筋の飛香が変わった形ですが、穴熊を攻略するには最適ですね。

大山先生は3筋を突き捨てて焦点の歩。33同玉には31金です。

二上先生はスパーク。

穴熊ももろいです。

もう馬を逃げる必要はありません。食いついて

気持ちの良い歩で受けなしです。27同金には35桂。

投了図。

二上先生の快勝譜。
二上先生はがちがちに固めるのを好まないのですが、こういう玉の薄い位取りなら向いている気がします。金の移動や馬引きに自陣飛車自陣角、渋い手を連発して気持ちよく勝ちました。後手をもって並べてみましょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:二上達也9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 4二銀(31)
5 6八銀(79)
6 5四歩(53)
7 6七銀(68)
8 4四歩(43)
9 7五歩(76)
10 4三銀(42)
11 9六歩(97)
12 6二銀(71)
13 7八飛(28)
14 4二玉(51)
15 4八玉(59)
16 3二玉(42)
17 3八玉(48)
18 1四歩(13)
19 2八玉(38)
20 8四歩(83)
21 1八香(19)
22 8五歩(84)
23 7六飛(78)
24 5三銀(62)
25 9七角(88)
26 5二金(41)
27 7七桂(89)
28 4五歩(44)
29 1九玉(28)
30 4四角(22)
31 2八銀(39)
32 3三桂(21)
33 5八金(69)
34 2四歩(23)
35 4八金(58)
36 2五歩(24)
37 3九金(49)
38 9四歩(93)
39 3八金(48)
40 2六歩(25)
41 同 歩(27)
42 同 角(44)
43 2七歩打
44 3五角(26)
45 5八銀(67)
46 1五歩(14)
47 7四歩(75)
48 同 歩(73)
49 同 飛(76)
50 6四銀(53)
51 6五桂(77)
52 8六歩(85)
53 同 角(97)
54 4四角(35)
55 7三歩打
56 7一歩打
57 9七香(99)
58 5一金(61)
59 6七銀(58)
60 4一金(51)
61 9五歩(96)
62 同 歩(94)
63 9四歩打
64 6五銀(64)
65 同 歩(66)
66 8八角成(44)
67 7二歩成(73)
68 同 歩(71)
69 7一銀打
70 7三歩(72)
71 8二銀(71)
72 7四歩(73)
73 9一銀成(82)
74 8五歩打
75 9五角(86)
76 9七馬(88)
77 8一成銀(91)
78 2二香打
79 7七角(95)
80 5三馬(97)
81 1二香打
82 同 香(11)
83 1一飛打
84 1三飛打
85 3三角成(77)
86 同 玉(32)
87 4一飛成(11)
88 3二角打
89 1一龍(41)
90 2一香打
91 3六歩(37)
92 4二玉(33)
93 3五歩(36)
94 同 馬(53)
95 3三歩打
96 同 飛(13)
97 1二龍(11)
98 2七香成(22)
99 同 銀(28)
100 同 香成(21)
101 同 金(38)
102 2六歩打
103 同 金(27)
104 同 馬(35)
105 2七歩打
106 4八銀打
107 3八金打
108 3九銀成(48)
109 同 金(38)
110 4八金打
111 2八金(39)
112 3八金打
113 2六歩(27)
114 2七歩打
115 3一銀打
116 5三玉(42)
117 投了
まで116手で後手の勝ち
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大山将棋研究(344); 向い飛車に棒銀

2016-11-20 | 大山将棋研究
昭和52年3月、勝浦修先生と第18期王位戦です。


大山先生の先手向い飛車、急戦含みです。42玉には86歩といくのがなかなか厳しいです。64歩と止めたのでやや落ち着き

角筋が止まって

棒銀になりました。64歩を生かすために棒銀は妥当でしょう。持久戦にはしにくいです。
棒銀の受け方もいろいろありますが(この頃のほうがバリエーションが多かったのかも)

88角と引く、ややおとなしい指し方でした。65歩には

55歩から56金と使います。ただしこれは36歩がマイナスかもしれず、先手の得を生かしているという感じはしません。

金を出てから銀を引くのが少し変わった手順なのですが、これでも飛車交換はできず、75銀も65銀の筋があるので出にくい、つまり棒銀は撃退できます。

73銀にも65金でした。

金銀交換になり、棒銀がさばけたので居飛車が得だという気がするのですが

この垂れ歩は嫌らしいですね。

44角には45銀で嫌味を突きます。44角ではなく74飛だったか。

大山先生は金銀交換に持ち込んで、互角以上になりました。

と金もできて

93桂に61と この交換では価値が違います。大山先生が有利です。

35歩は玉頭の嫌味ですが、と金を引いて使えるのですね。

金をはがして

角取り。これが間に合って大山先生が有利を拡大しています。

勝浦先生は37銀と放り込んで迫ります。

でも大山先生は46銀の時に角を外せるのでどうにかなっているようです。

3筋を受けずに寄せに行きます。先手玉を寄せるには攻め駒不足。まだ詰みはありません。ななめ駒を持たないといけないので

33桂打ちは勝浦先生の勝負手。

後で25桂と銀を取って寄せられるというつもりでしたが、この桂打ちで14銀と逃げられるので足りません。

飛車で食いちぎって迫りますが

手は続くものの詰みまではありませんでした。

投了図。

この定跡はほぼ互角だと思うのですが、と金がうまく活用できて、大山先生が有利になって、そこから一番強い順で進んで大山先生の一手勝ちです。大山先生にしては珍しい勝ち方だという気がしますが、その分新鮮味がありますね。投了図を見て左の飛銀桂が遊んだままです。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:勝浦修8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 8八飛(28)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 3四歩(33)
11 4八玉(59)
12 6四歩(63)
13 3八玉(48)
14 4二玉(51)
15 6六歩(67)
16 3二玉(42)
17 2八玉(38)
18 5二金(61)
19 3八銀(39)
20 7四歩(73)
21 5八金(69)
22 4二銀(31)
23 4六歩(47)
24 7三銀(62)
25 6七銀(68)
26 5三銀(42)
27 1六歩(17)
28 1四歩(13)
29 9六歩(97)
30 9四歩(93)
31 4七金(58)
32 8四銀(73)
33 7八飛(88)
34 7五歩(74)
35 3六歩(37)
36 7二飛(82)
37 8八角(77)
38 7六歩(75)
39 同 銀(67)
40 6五歩(64)
41 5五歩(56)
42 同 角(22)
43 5六金(47)
44 2二角(55)
45 6七銀(76)
46 7三銀(84)
47 6五金(56)
48 8六歩(85)
49 同 歩(87)
50 8二飛(72)
51 7七角(88)
52 6四銀(73)
53 同 金(65)
54 同 銀(53)
55 5九角(77)
56 7五歩打
57 9七香(99)
58 8四飛(82)
59 7二歩打
60 4四角(22)
61 4五銀打
62 6二角(44)
63 5四銀(45)
64 5五銀(64)
65 5三歩打
66 同 金(52)
67 同 銀成(54)
68 同 角(62)
69 7一歩成(72)
70 5六歩打
71 5八歩打
72 9三桂(81)
73 6一と(71)
74 3五歩(34)
75 6二と(61)
76 3六歩(35)
77 5二金打
78 同 金(41)
79 同 と(62)
80 6四角(53)
81 5四金打
82 3七銀打
83 同 桂(29)
84 同 歩成(36)
85 同 銀(38)
86 3六歩打
87 同 銀(37)
88 3五歩打
89 2五銀(36)
90 4六銀(55)
91 6四金(54)
92 同 飛(84)
93 3四歩打
94 3三桂打
95 4一角打
96 2二玉(32)
97 3三歩成(34)
98 同 桂(21)
99 3四桂打
100 同 飛(64)
101 同 銀(25)
102 3七金打
103 同 角(59)
104 同 銀(46)
105 同 玉(28)
106 4五桂打
107 4七玉(37)
108 4六金打
109 同 玉(47)
110 2八角打
111 3五玉(46)
112 2四金打
113 2六玉(35)
114 3七角成(28)
115 1七玉(26)
116 3四金(24)
117 2一飛打
118 投了
まで117手で先手の勝ち
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20161120今日の一手<その420>; 先に守るほうが手堅い

2016-11-20 | 今日の一手
20161120今日の一手

10月29日の名南将棋大会からAさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
飛銀と角金歩の交換で、後手に持ち歩があるので歩は数えませんが、馬と竜を作りあっているほかに と金がります。ですから先手が少し駒得です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。後手は金銀4枚ですが、穴熊のパンツを脱いでいる状態です。
先手の攻め駒は(後手玉に迫っているものだけ数えて)55角と持ち駒金で2枚。63馬を入れるかどうかは微妙、73と を攻めに使うにはもう少しかかります。
後手の攻め駒は34飛89竜と持ち駒桂で3枚。

相穴熊は玉の堅さを重視しますから明らかに先手有利です。

☆大局観として

普通なら劣っているのは攻め駒の数(=攻撃力)ですから、63馬や73と を使うことを考えればよいです。
けれど32飛が38金をにらんでいるのが嫌だなあ、と思うようであれば、かなり穴熊に慣れていると思います。つまり34の飛車をどうにかしたいわけです。
54銀とされたら両取りで困る、と思うのが普通なんですが、穴熊は大駒と金銀の交換は畏れないでよい(ことが多い)です。63の馬には と金のひもがついています。むしろ73桂と と金を払われるのが嫌だなあ、と思うほうが穴熊らしいです。この場合は同角成で困らないのですが、81馬とするか62と とするかを考えておくところかもしれません

つまり、54銀や73桂という手を指されても困らないことを確認したら、34の飛車をどうにか処理する、多くの場合は歩でさえぎる手を考えます。


△ 81馬とするのが自然に見えるかもしれません。

と金を取られないようにして駒得ですから。実は実戦では35歩同飛としてから81馬だったのですが、黙って81馬を先に説明します。
36桂37銀25桂26銀37歩

手順に攻められてこれは後手の調子が良いです。

36桂には37歩が手堅くて

28桂成同金上49銀に48金とかわすと38歩が少し厄介


なので、49銀には39金打ちのほうが良いのでしょう。

これなら先手よしです。

ほかの受けは36桂の時同銀と取ってしまうと

37歩同桂同桂成同角36飛

は嫌な感じです。後手の攻め駒は4枚になっています。

25桂に45馬

はありそうで(これは35歩同飛と呼んでおくと指せない)37桂成同角49銀には35歩

として36の桂馬を取ればよくなりそうなのですが、38銀成同金39金同金同竜

の時に36馬は38金28金同金同角36竜と取られるので失敗です。28銀と打てばもう少し難しいのですが、清算して44飛くらいで後手のペースです。

つまり81馬36桂には37歩。これなら先手が良いです。

また81馬に後手が36歩なら49桂

と受けておいてどうにか受かりそうです。


△ 実戦では35歩と打って

35同飛81馬36桂37銀25桂26銀37歩

だったのですが、これは後手が攻め切れそうです。飛車を取る余裕がないので最初から81馬とした時とあまり変わりません。実戦でも後手があっさり攻めつぶしました。

25桂の時36銀と取っても37歩

で35銀38歩成同金37歩が厳しいので前の変化と同じ。

やはり36桂の時に37歩

が正しいです。これなら先手有利。

戻って、81馬の前に37歩

のほうがいいです。36桂と打たれません。歩切れでもここだけ守っておけばいいのです。


○ 36歩同飛を入れなくて37歩

もよい手です。歩切れにならない代わりに54銀があるのですが、64角63銀の時に

42角成同銀32金21桂63と

で大駒はありませんが4枚の攻めで切れません。自玉は鉄壁なので、相穴熊としては必勝です。


△ 他には36歩もあり

連打では足りないので1回は控えて打つ意味です。37歩同銀25桂28銀37歩

とされても後手は歩切れ。37同桂に17桂成同銀16歩同銀同香同香12歩18香

と端を攻めるのは後手も穴熊なので反撃がきついです。


× 他には62と として

91角成から馬をひいて守ろうという手はあります。36桂に91角成の時に73歩

と止められるのがしゃくですが、これでも37歩としておけばよいです。

ただし54銀とされて

64角では1手パス。それでもよいのかもしれませんが気になります。
54同馬同飛91角成

というのは少し紛れていると思いますが、まだ先手が良いのでしょう。

ならばこの変化は35歩同飛で62と すべきなのか、という気がします。



さて、37歩とするのがしっかりした守り方だとわかっていただけましたか?3歩持っていれば35から連打するところですが、35歩同飛37歩か、単に37歩かは悩むところです。この場合はどちらでもよいのですが。

後手に36桂とされてから37歩でもよいのですが、銀を1枚はがされているので先に打っておくよりも劣ります。

36桂37銀25桂の後で飛車先を止めようとしてももう間に合っていないみたいです。

つまり、受けるなら攻められる前に受けておくのが良い、先に守るほうが手堅いという理屈なんです。
ただし受けたために攻撃力が減ってしまう場合は考えものです。この場合は歩を使うだけですし、3筋に歩が打てなくなっても と金を使えば攻め駒が4枚なので困りません。桂香を取ることもできます。こういう手は逃してはいけません。

さらには と金を作って駒得だと思っていたなら、ゆっくり指そう、しっかり守っておこう、と考えるのが良いのです。終盤の寄せ合いで と金1枚の得なんてないようなものですが、まだ30手も続くような長い終盤だと思えば と金1枚の差は金銀1枚の違いに近くなる(後で交換できる)ものです。


*20171120間違いを直しました。
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大山将棋研究(343); 中飛車に加藤流袖飛車

2016-11-19 | 大山将棋研究
昭和52年3月、中原誠先生と第26期王将戦第6局です。

大山先生の中飛車に中原先生は急戦模様

42金は珍しい手ですね。軽く反撃しようという手です。

これは加藤一二三先生創案の袖飛車。居飛車の囲いのほうが金銀2枚の美濃囲いよりも堅く、攻撃力もある優秀な作戦です。

大山先生はいつもの袖飛車を見せるのですが、これが問題の手で

中原先生が先攻してしまう展開では中途半端です。このとき63銀と42銀の組み合わせがアンバランスで、軽くさばくなら堅い玉のほうが良いわけです。
加藤流の袖飛車は、単に45歩がうまくいかなくても、2筋の継ぎ歩や55歩同歩45歩という攻めのバリエーションがあります。

大山先生は42金の形なので角をさばこうとするのですが、66歩と止められて

24角と取らされてから65歩、これは中原先生の調子が良いです。いつでも64歩の取り込みがあるので手を作りやすく、63銀がたたっています。

大山先生は飛車を切り

銀を引くのは渋いですね。

中原先生は先手で桂をとれるのでリードしています。

こんなところに角打ちがありました。竜を逃げると35歩ですから26飛しかなく

結局は中原先生が先に桂馬を取ったという形です。

それを生かすべく端に手をつけます。

大山先生は底歩から96歩、96同香には92歩ということでしょう。

84香は筋ですが、29歩と止められるのも痛いです。やはり少し中原先生が良いようです。

歩の手筋で金銀の連携を崩し

95歩から94桂。41竜から金をとれるので案外に受けにくいです。

その41竜に51金ですが、じっと51歩でしたか。敗着かもしれません。

52竜があって、受けにくかったのです。62歩に91角と打ち

この歩が取れません。

大山先生はやむなく52金と竜を取ってから63玉に53金、と金ができたので先手の攻め駒の数は足りています。

中原先生は と金を捨てますが角を成り馬を引いて

香車を取って

駒得しながら攻めているので受けはなくなりました。

投了図。

大山先生の作戦ミスで、なるべく定跡を外そうとする序盤がいつものことなのですが、中原先生はうまくとがめてしまうのです。リードした後は優勢を保ちつつ攻めをつなげます。大山先生の受け方がすごいので、いつものような中原自然流とは少しずれていると思うのですが、先手をもって攻めの筋を組み立てるのを見ているだけで読みの訓練になるでしょう。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:中原誠王将
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 6八銀(79)
16 7二銀(71)
17 3六歩(37)
18 4三銀(42)
19 4六歩(47)
20 9四歩(93)
21 9六歩(97)
22 6四歩(63)
23 5七銀(48)
24 3三角(22)
25 2五歩(26)
26 4二金(41)
27 3八飛(28)
28 7四歩(73)
29 3五歩(36)
30 同 歩(34)
31 同 飛(38)
32 3四歩打
33 3六飛(35)
34 6三銀(72)
35 3七桂(29)
36 5四歩(53)
37 2四歩(25)
38 同 歩(23)
39 2五歩打
40 4五歩(44)
41 6六歩(67)
42 4六歩(45)
43 2四歩(25)
44 同 角(33)
45 6五歩(66)
46 5五歩(54)
47 同 角(88)
48 同 飛(52)
49 同 歩(56)
50 5二銀(43)
51 4六銀(57)
52 4三金(42)
53 2二飛打
54 3三角(24)
55 2一飛成(22)
56 1二角打
57 2六飛(36)
58 2一角(12)
59 同 飛成(26)
60 4九飛打
61 5七金(58)
62 1九飛成(49)
63 9五歩(96)
64 4一歩打
65 9四歩(95)
66 9六歩打
67 4五桂(37)
68 1五角(33)
69 3七歩打
70 8四香打
71 2九歩打
72 9四香(91)
73 5四歩(55)
74 同 銀(63)
75 5三歩打
76 6三銀(52)
77 6四歩(65)
78 同 銀(63)
79 9五歩打
80 6七歩打
81 同 金(57)
82 9五香(94)
83 9四桂打
84 7二玉(82)
85 4一龍(21)
86 5一金(61)
87 5二龍(41)
88 6二歩打
89 9一角打
90 7三銀(64)
91 6三歩打
92 5二金(51)
93 同 歩成(53)
94 6三玉(72)
95 5三金打
96 7二玉(63)
97 6二と(52)
98 同 銀(73)
99 8二角成(91)
100 6一玉(72)
101 8三馬(82)
102 5一玉(61)
103 8四馬(83)
104 7三桂(81)
105 4三金(53)
106 同 銀(54)
107 6三歩打
108 9七歩成(96)
109 6二歩成(63)
110 4二玉(51)
111 7三馬(84)
112 投了
まで111手で先手の勝ち

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