名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

20190216今日の一手(その831);奇襲戦法の受け

2019-02-16 | 今日の一手

20190216今日の一手

10月6日の名南将棋大会から、KさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
問題図の前から見てみます。

後手は中飛車の奇襲戦法です。68金上から玉を囲っておけば何でもないのですが、15歩を突かせるというのが後手のねらいです。12香と上がっているので、15同歩同香35角36歩44角

12香成に同飛と取れるというのが先の12香の意味でした。この図でも13歩同桂で難しくはあるのですが。

さて実戦は56歩同歩を入れて15歩

こう指すのならば後手の12香はいらない手です。先手としては57銀16歩46歩35角18歩44角66歩

1筋は謝っても中央で手得しているので十分な序盤でした。

実戦では15同香としたので79角成

79同角15香24歩56飛としたのが問題図です。

☆ 形勢判断をします。
銀香と角の二枚換えで先手が少し駒損です。
玉の堅さは後手のほうが堅いというか戦場から遠いです。(金銀3枚と金銀桂の守りは先手のほうが堅いのですが。)
先手の攻め駒は持ち駒角1枚。
後手の攻め駒は56飛と持ち駒銀香で3枚。15香も加わるかもしれません。

総合すれば明らかに後手有利です。

☆ 大局観として
この端攻めをして銀香と角の二枚換えという筋は結構出てきやすいのですが、損得自体は同等だとしても2枚持っている方が少し得です。攻め駒が増えた効果が大きいのでしょう。2重に評価しているので、駒の損得なしだけど攻め駒の数で劣ると見るものかもしれません。
形勢が良くないので単純に攻め合いは危険です。とりあえずは後手の攻め筋を見つけて、対応策を考えねばなりません。後手からは26香が厳しいです。16飛とか76飛とか飛車を横に使われるのも嫌味です。


× 実戦は23歩成で

一番自然な手ですが、形勢が悪い時には自然な手だけでは勝てません。後手からの26香に27歩を用意した受けの意味もあったのですが、「敵の打ちたいところに打て」で27歩を打たれ、27同飛26香

57歩76飛77歩27香成76歩

飛車の取り合いです。この時に先手玉が戦場に近い(居玉)だというのが痛くて、38成香12飛52歩97角49飛68玉48成香

手順に駒を取られて受けがないです。


× 68玉と囲っておくほうが少し良いのですが、やはり26香を食らいます。

57歩76飛77歩96飛同香28香成

98飛をみられて、玉の移動の効果が薄れています。


× 25飛と浮いて受けるのが手筋ですが、14銀

と打たれて面白くありません。


× 57歩を打つと

16飛17歩76飛

歩切れなので23歩成(か65角か)、27歩同飛26香の筋も嫌ですが、79飛成同金44角

とされるのも嫌な手です。


△ 57銀とすると(57金でも同じようなものです)

1歩節約できます。54飛23歩成56歩46銀57香

今度は飛車を縦に使われて金駒をはがされます。57同銀同香成同角

でも案外に耐えていて、57同飛成同金39角58飛は一応大丈夫です。56歩66角57銀36角

というのもまだつぶれていません。

あるいは19香成55歩14飛

とか、後手に手段も多いですが、先手もそれなりに戦えています。


△か○ 46歩はおとなしい手ですが

26香や16飛を避けています。24歩12角76飛21角成

少し駒得になったのでまあまあです。78銀77歩・・・というのもなんとか互角のわかれです。(桂を取る前に77歩74飛を入れると、51香57歩16歩の時の歩切れが嫌です。)つまり32銀12馬52香57歩16歩24飛78銀

77歩74飛同飛69銀成同玉74歩

というのが進行例です。


× 46角としたほうが角を使えますが、88銀

というのだって気にせねばなりません。23歩成89銀成22歩27歩同飛44桂

角を逃げると26歩や26香があるので困っています。


× 35角は26の地点を守っていますが

55飛46角85飛78金25香

角取りの時の応手が難しいのです。

36歩と受けると

35飛同歩55角

飛車をもらってもうれしくないです。


× あとは角を打つ手で、45角は

55飛23角成52金左

平凡に応じられても25香のねらいが残ります。14角成に11香~18香成というのも嫌です。


△ 65角ならば

53飛54歩51飛23歩成

55香を食らっても、53歩成58香成同金53飛54香

と返すのは先手よしです。

53歩成を同飛として

56歩64歩35角

もぴったりとした反撃です。きわどいバランスですが何とかなるようです。


☆ まとめ
先手不利なので逆転まではいかないのですが
57銀で持ち歩を節約し、銀香交換にされてもまあまあ戦えます。
46歩はおとなしいですが、後手の飛車を2筋方面で使われないので受けやすいかも。角を打っての駒得をねらえます。(これを推奨します。)
あまり良い手に見えませんが、65角ならばなんとか互角に持ち込めるようです。

相手に奇襲戦法を指された時には、相手のねらいを考えねばなりません。多くの場合は平凡な応手で良いのですが、欲張るとひどい目にあいます。駒得やさばき合いを望まず、じっくり指すことが正しい(ことが多い)です。












コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大山将棋問題集 20190215 | トップ | 大山将棋研究(1163);向い... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

今日の一手」カテゴリの最新記事