飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

宇宙関連情報:2012-09-06 またまたIT産業から宇宙ベンチャーへ 元シスコシステムズ技術者

2012-09-19 06:12:10 | 佐鳥新の教授&社長日記

打ち上げ時には小さく折りたたまれ、宇宙に到着した時点で大きく広げられる巨大アンテナが実現すると、大幅な打ち上げコストと衛星開発コストダウン、そして衛星の通信能力が大幅に増強される。

そんな需要に答えようと、元システムシステムエンジニアで、衛星にインターネットルータを搭載して宇宙インターネット実現に貢献してきたリック・サンフォード氏。新会社設立でますます元気に。

サンフォードは、新しい拡張式アンテナ開発企業のスペース・グランド・アマルガム(Space Gound Amalgam)社を立ち上げた。同社は、スペースファンデーションのニュースペースビジネス計画競技で優勝し、1000万円規模の資金を勝ち取ったことで一躍脚光を浴びることに。

カリフォルニアのガード(L'Garde)社とパートナーを組み、宇宙の巨大な拡張式開口アンテナを開発する。軽量アンテナの実現が可能になったのは、近年の形状ポリマーとナノマテリアルが開発されたため。ガード社はNASAとの協力で過去にも実証実験を行っている。薄膜構造体を宇宙で風船のように拡張させる実験である。1996年に実施されたこの実験はスパータン(Spartan satellite & Inflatable Antenna Experiment)と呼ばれ、長い棒状の構造体も風船式に拡張させることで、全体が超軽量の構造体として機能することが実証された。

しかし、当時の専門家の意見としては、薄膜自体の耐久性が疑問視されていた。宇宙から飛来する微小隕石が膜に衝突して穴をあける危険性が高いというもの。しかし、今回開発された薄膜には、特定の温度に達すると硬化するポリウレタン樹脂が組み入れられている。この膜は打ち上げ時は柔らかく、宇宙で薄膜を拡張させてから樹脂が硬化することで、微小隕石の衝突から構造体を保護する層が出来あがる。

この巨大アンテナを実用化させるために重要な要素はソフトウェアにあると、サンフォード氏は述べている。サンフォードはシスコシステムで働いていた時は、シスコのインターネットルータを衛星に搭載して衛星自体にインターネットルータの機能を持たせることで、高効率、高機能の衛星利用の通信インフラストラクチャ構築に貢献してきた。この作業ではNASAが協力した。

計画段階だが、アマルガム社によると、2015年にヒューストンのナノラック(NanoRacks LLC)とアストリウムノースアメリカと共同で、国際宇宙ステーションに拡張式アンテナ設置実証実験を予定している。

出典:http://www.spaceref.co.jp/index.html 



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