飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

土曜日の実験室

2005-05-21 22:42:07 | 佐鳥新の教授&社長日記
昼ごろに実験室を覗いてみると磁気センサーと磁気トルカの担当しているY君(M1)とA君(B3)が作業していた。磁気トルカというのはひとことで言えば電磁石で、地球磁場との相互作用を利用して人工衛星を姿勢制御する部品である。
夕方に立ち寄ると電子回路設計のエンジニアのHさんが来ていた。水曜日の設計会議で問題となっていた電力効率の改善の件で2人が技術指導していただいているのだろう。

夜には研究室のメーリングリストにU君からハイパースペクトルカメラによる顕微鏡撮影の進捗状況の日報が入っていた。(私の研究室では全員が毎日メーリングリストで日報を書き、誰が今何をやっているのかを全員が把握できるようにしている。)

また今日は朝から北海道工業大学内でオフィス・オートメーション学会第50回全国大会が開催され、16時から当学会からの招待講演として「北海道衛星『大樹』」というタイトルで1時間ほど講演させていただいた。従来の宇宙開発の先入観を打破し、新しい宇宙産業を創出することが21世紀の本格的な宇宙時代に繋がるのだと力説した。

いろいろな人から「宇宙は夢がありますね」と言われることが多いが、この言葉の真意は「私には縁が無い世界だが、久しぶりに希望を感じる話を聞かせてくれてありがとう」という意味だと思う。私は宇宙開発の啓蒙を考える際に重要なのは、講義型ではなく参加型、つまり「自分も中に入ってやってみよう」と思う人を増やすことだと思っている。その意味では大学生を対象としたUNISECのアプローチは的を得ていると思う。
 注: http://www.unisec.jp/
北海道衛星(NPO宇宙空間産業研究会)では企業の経営者を対象とした啓蒙活動を行っているが、これは国民の生活レベルまで目に見える形で宇宙開発の技術を浸透させるためである。当面は宇宙に対する新しい教育と宇宙産業化の2つのベクトルのバランスが重要だと感じる。

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