宇宙最大の謎「暗黒物質」 証拠捉えた? CERNなど 4月4日観測結果発表
宇宙に大量に存在するとされながら正体不明の「暗黒物質」を、国際宇宙ステーションからの観測で探っている欧州合同原子核研究所(CERN)などのチームが、日本時間4月4日未明に観測結果を発表する。宇宙最大の謎の一つである暗黒物質について、直接的な証拠を初めて捉えたのではないかと期待が高まっている。(SANKEI EXPRESS)
「失望させることはない」。米メディアによると2月、研究代表者のサミュエル・ティン米マサチューセッツ工科大教授が記者団に成果を予告した。チームが暗黒物質の証拠を観測していれば、謎の正体に大きく迫ることが可能になる。
1976年にノーベル物理学賞を受賞したティン教授が主導するのは、ステーション最大の科学装置「アルファ磁気分光器(AMS)」による観測だ。
AMSは、米国や欧州、中国など16の国と地域の研究機関が17年間に約15億ドル(1400億円)かけて開発した。日本は参加していない。2011年5月、スペースシャトル・エンデバーの最後の飛行に搭載され、ステーションの外部に設置。宇宙線と呼ばれる、宇宙を飛び交う高いエネルギーの粒子を調べた。
現在の宇宙論では、星や銀河などの材料となる原子でできた通常の物質は、宇宙全体の質量の5%弱しかなく、大部分は「暗黒」と名付けられた謎の物質やエネルギーとされる。
暗黒物質は1970年代、回転する銀河が遠心力でばらばらにならないことや、遠方の天体からの光が地球に届く途中に重力で曲げられている現象から、光や電磁波では全く見えない重い物質が宇宙空間にあるとして考え出された。
その正体は光を放たない星や、あらゆるものをすり抜けるニュートリノとする説もあったが実験や観測で否定され、現在は未発見の素粒子とする説が有力だ。
その正体は光を放たない星や、あらゆるものをすり抜けるニュートリノとする説もあったが実験や観測で否定され、現在は未発見の素粒子とする説が有力だ。
AMSが狙うのは、銀河系の中心部に大量にあると考えられている未発見の素粒子同士が、衝突したときに出す可能性がある「陽電子」。電子と反対の電荷を持つ陽電子が、電子と比べて過剰に飛来していれば、暗黒物質が出した信号と考えられ、直接の証拠といえるという。
ティン教授は「18カ月の観測で大量の電子と陽電子を観測した。われわれの検出器は感度が良く、暗黒物質以外の天体が出した陽電子を見分けることができるだろう」と話している。
ステーションで別の宇宙線実験をしている早稲田大の鳥居祥二教授は「どんな結果を出してくるのか、研究者たちは注目している」と期待している。
出典: http://sankei.jp.msn.com/science/news/130402/scn13040208330000-n1.htm
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