飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

読書メモ:VLBI技術

2014-05-13 07:27:26 | 佐鳥新の教授&社長日記

書 名:VLBI技術

著者名:高橋冨士信 近藤哲朗 高橋幸雄

出版社:オーム社

ISBN4-274-07852-3

 

VLBIとは超長基線干渉法(Very Long Baseline Interferometry)のことで、地球規模での複数の離れた位置に配置した望遠鏡で受信した電波源の位相変化量から空間構造を計測する技術である。望遠鏡の1個を人工衛星に配置することにより基線距離を大きく稼ぐ手法をスペースVLBIといい、宇宙研の「はるか」という衛星に搭載された。

VLBIについては私が大学院生のときに理学部の電波天文学の授業を受講したときに少し勉強した。本書は概論として読み易いテキスト/サブテキストといえる。

 

第1章 序説

1.1 電波天文学の誕生

1.2 電波干渉計の発想

1.3 原子時計の進歩

1.4 大型アンテナ受信技術の発展

1.5 信号処理技術の超高速化

1.6 測地VLBI技術の発達

1.7 各章の紹介

 

第2章 概論:VLBIひとめぐり

2.1 電波干渉計の基礎

2.2 天体電波源とその座標系

2.3 観測座標系

2.4 伝播遅延

2.5 VLBIの原理

2.6 VLBI技術の歴史

2.7 VLBI観測

2.8 測地VLBIにおけるデータ処理フローの特徴

2.9 VLBI実験協力の経緯

 

第3章 データ処理技術

3.1 フーリエ変換と諸性質

3.2 VLBI等価信号モデル

3.3 1ビットサンプリング

3.4 もっともらしい遅延時間の推定法

3.5 VLBIで扱う相互相関関数

3.6 相関処理装置が行う相関処理

3.7 遅延時間とその変化率の精密決定

3.8 VLBI測定精度とその検証

3.9 リアルタイムVLBI

 

第4章 データ解析

4.1 データ解析の概要

4.2 基準座標系

4.3 物理モデル

4.4 推定パラメータ

4.5 解析方法

4.6 VLBI誤差

4.7 解析方法の課題と改善

 

第5章 測地VLBI

5.1 日本測地座標系の精密測定

5.2 プレート運動と地震

5.3 プレート運動の実測

5.4 プレート境界の地殻変化

5.5 ヒマラヤ衝突と日中接近

5.6 日本付近のプレート運動

5.7 国内VLBI実験

5.8 南極VLBI実験

5.9 地球回転

5.10 その他の実験

 

第6章 VLBI技術の応用分野

6.1 電波天文学

6.2 地球回転精密測定

6.3 首都圏広域地殻変動観測

6.4 深宇宙計測

6.5 電離層観測への応用

 

第7章 終章

7.1 センチ精度からミリ精度へ

7.2 地球を超えて

 


今日のニュース140513

2014-05-13 06:27:16 | 佐鳥新の教授&社長日記

■がれきに負けない水陸両用、指揮拠点を 大震災教訓に新型車両を本格整備

東日本大震災は津波やがれきの影響で被災者の救援活動が思うように進まず、大規模災害時の救助態勢に多くの課題を突き付けた。この教訓を生かすため、総務省消防庁は新型の消防車両を開発し、大震災3年を機に全国へ本格配備を開始。

http://sankei.jp.msn.com/science/news/140512/scn14051215260006-n1.htm

 

■コリン・パウエル × 孫正義 対談 「リーダーシップ論」

日時 618日(水) 10:00 - 12:00 受付開始 9:00

会場 東京国際フォーラム ホールA

プログラム

10:00-11:00

コリン・パウエル氏プレゼンテーション
「Leadership: Taking Charge」

11:00-12:00

コリン・パウエル氏×孫正義対談
「リーダーを目指す人の心得」

http://pac.kir.jp/leadership/?utm_source=NikkeiBP&utm_medium=banner&utm_campaign=leadership_3

 

若田光一宇宙飛行士:あす帰還

http://mainichi.jp/select/science/

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140512-00000133-mai-sctch

 

■時速220万kmで銀河の外れを駆け抜ける星、ユタ大学

天の川銀河の外れを時速220万kmという超高速で駆け抜ける星が見つかった。銀河中心の超巨大質量ブラックホールがはじき飛ばしたものとみられる。

こうした“超高速星”は、同等の明るさのものがここ10年ほどで20個前後見つかっており、LAMOST-HVS1はその中でもっとも太陽系から近い。

http://www.astroarts.co.jp/news/2014/05/12lamost/index-j.shtml