A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記398 「はないばら」

2010-05-16 22:15:50 | 書物
タイトル:はないばら 秘められた美へ
冊子編集:
行木弥生(千葉大学大学院教育学研究科1年)
深谷文(千葉大学大学院教育学研究科1年)
小野笑(千葉大学教育学部4年)
小野麻菜美(千葉大学工学部4年)
金丸直樹(千葉大学教育学部4年)
儀間南(千葉大学文学部3年)
金城明日美(千葉大学文学部4年)
多田啓太朗(千葉大学工学部3年)
藤田早紀(千葉大学文学部3年)
細谷真樹子(千葉大学法経部4年)
吉田英美(千葉大学工学部4年)
冊子デザイン:太田健司(千葉大学工学部)
撮影:加藤健、坂田峰夫、神野真吾
発行:千葉大学千葉市美術館千葉市民ギャラリー・いなげ
発行日:2010年3月31日
内容:
千葉市民ギャラリー・いなげにて開催された<はないばら 秘められた美へ>(2010年1月13日―1月24日)の展覧会カタログ。
A5判横開き、中綴じ、24頁
出品作家:橋本トモコ、須田悦弘、押江千衣子、坂田峰夫、荒神明香、丸山純子、在知

「花は美しいのか」神野真吾(千葉大学准教授、芸術学)
橋本トモコ「モチーフとしての花」藤田早紀
須田悦弘「木から植物を彫りだす」金丸直樹
押江地衣子 作家コメント
坂田峰夫 作家コメント
荒神明香「造花の風景」金城明日美
丸山純子 作家コメント
在知 作家コメント
学生コメント
作家略歴・出品作品
「展示をつくる」
旧神谷伝兵衛別荘について

頂いた日:2010年4月19日
出品作家の方より郵送にて頂いた1冊。カタログが制作されるとは知らなかったので、とてもうれしい。どうもありがとうございます。
それにしても今年の1月に見た展覧会なのに懐かしい。それは、自分が引越しをしたせいだろうか。冬にしては強い日差しが降り注ぐ中、人気のない庭園が頭に映像として焼きついている。その日、引越しが決まった後だったせいか落ち着かない心持ちだったが、稲毛への旅で心も少し落ち着いてきたことが思い出される。どうやら私は移動をすると思考や精神が回りだすようだ。帰りの京成線の車窓から見える千葉の風景を眺めながら、今後は千葉の風景を見ることも少ないのだと感慨深く思ったものだった。
 さて、だらだらと追憶に耽ってしまったが、本展は千葉大学の授業の一環として開催された展覧会である。そのため、カタログも学生の手により作られているようだ。疑問なのは、なぜ作家紹介を学生と作家本人が書いている場合の2種類があるのかよくわからない。信じられないのは書いた学生の名前がアルファベットで表記されているのである。例えば、K.N.のように。西洋美術や日本美術の展覧会カタログにある作品解説を参考にしたのかもしれないが、出品作家7名、24頁のカタログでイニシャル表記はないだろう。学生の文章も短すぎて、ただの感想でしかなく、わざわざ掲載するほどのことなのかと思わざるをえない。
 また、「学生コメント」ページは、学生が作家と接した印象、展覧会を通して得た経験や感想を書いているのだが、どれも短く、感想文の域を出るものではない。雑誌にある編集後記のようなつもりなのだろうが、全員がコメントを寄せる必要はないだろう。
 しかし、上記の冊子編集欄をご覧になれば分かるように、参加学生たちは一般大学に在学中の美術とは縁のない人たちである。そのため、ここで「批評」をやる必要もない。つまり、感想文でいいのである。私が切に願うのは、こうして現代美術と出会った彼ら/彼女たちが今後も(現代美術の)展覧会を見続けてくれることである。ある意味では、そのような観客こそ今もっとも求められていると言えるのではないだろうか。



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