A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記127 「昭和イデオロギー」

2007-11-10 00:07:36 | 書物
タイトル:昭和イデオロギー 思想としての文学
著者:林淑美
装幀:東幸央
発行:平凡社
発行日:2005年8月18日
内容:
戦いの場・賭け金としての文学

この時代を貫くイデオロギーの諸形態。
中野重治、戸坂潤、坂口安吾、‥‥‥
思想としての文学の戦いのうちに、
小林秀雄、堀辰雄、‥‥‥
支配的言説への加担と対抗のうちに、
<奉載>という制度をはじめ、イデオロギー的支配の延命策と
支配的イデオロギーの再生産のからくりを読み取る。昭和という時代の
暗い意味と可能性を浮かび上がらせる果敢な試み。
(本書帯より)

購入日:2007年11月2日
購入店:まつおか書房
購入理由:
東京都写真美術館において開催されている<昭和-写真の1945-1989-第4部「オイルショックからバブルへ」昭和50年代以降>展のための参考図書として。全4部のこの展覧会もいよいよ最終回。第1部の「オキュパイド・ジャパン(占領下の日本)」のときは同時期に行われていた、<モダン日本里帰り 大正シック-ホノルル美術館所蔵品より->展(東京都庭園美術館)を見た。連続して見たことで大正~昭和にかけての美術・写真・時代の様相が立体的に浮かび上がり、過ぎ去った「時代」を検証する試みとして興味深かった。
ならば、最後となる<昭和>展の予習・復習として今度は文学と写真を交差させてみようということで、以前から読んでみたかった林淑美氏の「昭和イデオロギー」を手に取った。私が引っかかりを憶える作家は小林秀雄と坂口安吾だが、それ以外の林氏の専門である中野重治なども本書を通じて文章に触れてみたい。そのテキストの裏には<昭和>展で見てきた/見るであろう「昭和」の映像・イメージが置かれることになるだろう。


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