A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1215 『椅子と日本人のからだ』

2016-08-12 23:13:28 | 書物
タイトル:椅子と日本人のからだ (ちくま文庫)
シリーズ名:ちくま文庫, [や-42-1]
著者:矢田部英正
カバーデザイン:間村俊一
カバー写真:林雅之
発行:東京 : 筑摩書房
発行日:2011.2
形態:233, ivp ; 15cm
注記:参考文献: 巻末pi
   2004年1月晶文社 刊
内容:
「いつも使っている椅子は腰痛や肩こりがひどくて」「色々試したが、どれもダメだった」。こうした悩みを抱える人たちは数多い。ほんとうに自分の身体に合った椅子とは何だろうか。床坐の文化を持つ日本人ならではの身体技法の研究を踏まえ、自然な立居振舞いや姿勢のなかに、長時間座っても疲れず快適な椅子のヒントを見出す。現代人の生活に欠くことのできない、椅子と姿勢の技術論。

目次
はじめに
第1章 正しい姿勢の理論と実際
第2章 日本文化における椅子と身体
第3章 西洋文化における椅子と身体
第4章 暮らしの中の身体
第5章 暮らしの中の身体と道具
終章 身体技法と物づくり
あとがき
文庫版あとがき 「個」と「全体」を繫ぐもの
解説 生きるための椅子 平出隆

購入日:2016年8月11日
購入店:ブックオフ 京都三条駅ビル店
購入理由:
 別の本を探しに入ったのだが、たまたまいつか読もうと思っていた本書を見つけたので購入。
 最近、矢井田英正氏の『からだのメソッド』という本を知り、昔から身体技法に関心がある身としてぜひ読みたいと思った。調べたら過去の著書もおもしろそうなので、ひとまず文庫の『たたずまいの美学 日本人の身体技法』(中公文庫)、新書の『美しい日本の身体』(ちくま新書)、『日本人の座り方』(集英社新書)を図書館で借りて読んだ。本書は他の著書と内容がかぶる点も多く、私の関心も椅子よりは「日本人のからだ」にあるので、当初は購入を迷った。しかし、解説を平出隆氏が書かれていて、これがまたおもしろいので購入してしまった。

 矢井田氏の著書を読んで気づかされたのが、これまで椅子などの家具をデザインや時代の流行や様式史の視点で見ていたことである。だが、それらの「かたち」が、それぞれの国や地域の身体技法・文化に合わせて生まれた「かたち」であるというあたりまえのことを念頭におくと、「身体論」として椅子や座位が可視化されてくるのであった。また、日本絵画における「座り方」の系譜、分析にいたっては、それだけで展覧会とワークショップができてしまえるような魅力的なテーマである。絵画や彫刻を素材に、座位の視点から作品解説したり、ヨガや整体のワークショップを開催したらどうだろう。



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