A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記961 『ナンシー関の記憶スケッチアカデミーⅡ』

2014-11-29 23:47:15 | 書物
タイトル:ナンシー関の記憶スケッチアカデミー〈2〉 (角川文庫)
編著者:ナンシー関
カバー版画:ナンシー関
装幀・カバーデザイン:坂本志保
発行:東京 : 角川書店
発行日:2007.4
形態:171p ; 15cm
内容:
与えられたお題を記録のみに頼って描く、それが「記憶スケッチ」。「にわとり」「大仏」「カッパ」など、お題はありふれたもののはずなのに…。2万5千通を超える応募の中から選ばれた珠玉の「症例」が、人間の記憶のあいまいさを暴き出す!
そしてナンシーの<パソコンはじめて物語>、「赤パソコン青パソコン」も同時収録。天才コラムニストの最高傑作第2弾、満を持して登場!

目次
ナンシー関の記憶スケッチアカデミー2
はじめに
1 記憶スケッチ展覧会
 「人魚」
 「にわとり」
 「パイナップル」
 「ギター」
 「カバ」
 「大仏」
 「ラクダ」
 「カッパ」
 「アントニオ猪木」
 「亀」
 「サル」
2 第二回記憶スケッチ学会~幻のお題・天狗を選びつつ~
  参加者:いとうせいこう、押切伸一、みうらじゅん
あとがきにかえて
初出一覧

ナンシー関の赤パソコン青パソコン
著者プロフィール
はじめに
第1回「箱を開ける」
第2回「買い物へ行く」
第3回「他人に聞く」
第4回「お引っ越し」
第5回「年賀状を作る」
第6回「人のパソコンを見に行く」
第7回「いとうせいこうさんと話す」
第8回「ホームページへGO」
第9回「一年を振り返る」
第10回「最終回」
初出一覧

購入日:2014年11月29日
購入店:MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店
購入理由:
 この日の夕刻、大阪府立江之子島文化芸術創造センターにて行われる「enoco[study?]#2 堀川すなお中間発表」の参考文献として購入。

 なぜ記憶スケッチアカデミーなのかというと、堀川さんの公募プランを見て思いついたのである。そのプランは「目の前にある その もの本来の姿はなにか?」をテーマとし、「公の制作場所やワークショップを通じて多くの人と出会い、人はものをどのように見ているか、ということを探り考えたい」という。具体的には、モチーフを1つ決め、複数枚のドローイングをしてもらうのだという。私や他者の見方の差異を視覚的にstudyする試みだが、この時に思い浮かんだのが本書である。

 『記憶スケッチアカデミー』は、与えられたお題を記憶のみに頼って描くもので、雑誌「通販生活」の読者からの投稿をナンシー関がセレクト、コメントした連載である。誰もが知っているお題にも関わらず、1つとして同じかたちには見えないスケッチに抱腹絶倒しつつ、人はいかにものを見ていないか、笑いながらも考えさせられてしまう名著であった。

 ナンシー関の『記憶スケッチアカデミー』は大好きな1冊で、1の単行本を持っていた。私の曖昧な記憶では、つくるビル2Fカフェの本棚に置いておいた気がして、この日のお昼に取りに行ったのだが、いくら探しても見つからない。仕方がないので、梅田駅の書店に立ち寄り、入手可能な本書を手に入れた次第である。1の単行本はどこに行ったんだろうか。また読みたくなってきた。