A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記940 『美少女の美術史』

2014-11-02 23:27:12 | 書物
タイトル:美少女の美術史 -浮世絵からポップカルチャー・現代美術にみる"少女"のかたち
編集:「美少女の美術史」展実行委員会
編集:大橋博之
デザイン:塚原敬史(トリムデザイン)
発行:京都 : 青幻舎
発行日:2014.7
形態:255p ; 26cm
注記:展覧会カタログ
    会期・会場: 2014年7月12日-9月7日:青森県立美術館, 2014年9月20日-11月16日:静岡県立美術館, 2014年12月13日-2015年2月16日:島根県立石見美術館
    主催: 「美少女の美術史」展実行委員会, 青森県立美術館, 静岡県立美術館, 島根県立石見美術館
    執筆: 川西由里, 工藤健志, 村上敬
    掲載作品一覧: p246-255
    おもに図版
内容:
「美少女なんて、いるわけないじゃない。」
日本文化史に脈々と表されてきた“少女”について考える。浮世絵、近代美人画、マンガ、アニメ、現代美術…掲載作家総勢100名超!

目次
ごあいさつ
「美少女の美術史」展企画者座談会「美少女なんて、いるわけないじゃない。」川西由里(島根県立石見美術館)、工藤健志(青森県立美術館)、村上敬(静岡県立美術館)
SECTION 1 楽しんじゃおう!
SECTION 2 アイドル&ヒロイン
SECTION 3 うつくしきもの、それは少女
SECTION 4 少女の一生
SECTION 5 ガールの誕生―少女文化・戦前篇
SECTION 6 ガールの継承―少女文化・戦後篇
SECTION 7 お部屋で/お庭で
SECTION 8 音楽少女
SECTION 9 見立の文化とコスチュームプレイ
SECTION 10 駆けだす少女
SECTION 11 魔法少女と変身願望
SECTION 12 クールビューティー
SECTION 13 観用少女と、見つめ返す少女
SECTION 14 真昼の夢
SECTION 15 祈りと神秘
SECTION 16 乙女の憂い
新作アニメーション《女生徒》
少女をめぐる3つのエッセイ
 川西由里「少女が見る美少女の夢―見る、描く、みせる―」
 工藤健志「「少女」をめぐる断想」
 村上敬「江戸の室内風俗図から明治の外光派少女風俗画へ―少女洋画史への試み―」
掲載作品一覧

購入日:2014年11月2日
購入店:静岡県立美術館
購入理由:
 「美少女の美術史」展は、今年の展覧会スケジュールで知って以来見たかったのだが、ようやく見に行けた。こういう展覧会は国立館ではどう考えても無理で、公立館だからこそ実現できたユニークな企画である。
 表紙からするとサブカルの展覧会かと思えるが、浮世絵や日本画、洋画までも含んだ少女美術・文化を考察する展覧会である。出品作品のバラエティさは図録でも楽しめるが、ぜひ会場に足を運んでほしい。通常の展覧会であればありえない作品同士が隣り合わせに展示されており、実におもしろい。これぞ美術館で作品を見る醍醐味である。また、いわゆる名作・名品が出ているわけではないが、企画者が楽しんで企画・構成していることが伝わる展示で好感がもてる。実際、お客さんも家族連れからカップルまで多く入っていた。次回はどんな企画展をやるのか、今から楽しみである。