A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記521 「ON THE ROAD」

2011-06-27 23:18:55 | 書物
タイトル:森山大道 オン・ザ・ロード
編集:中西博之
制作:月曜社
アートディレクション:長谷川充信
発行:月曜社
印刷・製本:光陽社
発行日:2011年6月27日
内容:
展覧会カタログ
B5判変型(タテ238mm×ヨコ190mm)、ソフトカバー400頁(2C+4C+解説・資料)
「オン・ザ・ロード 森山大道写真展」
2011年6月28日(火)~9月19日(月・祝)
国立国際美術館

1960年、ぼくの写真は大阪の路上からはじまっている。そして、半世紀をへて現在にいたるまで、ぼくは延々と長いフィルムの道をカメラを手に歩きつづけてきた。
「On the Road」は、そんなひとりのカメラマンが足でたどったロードマップであり、時間と伴走してきたひとまずの履歴書である。――森山大道

にっぽん劇場写真帖(1968年)、狩人(1972年)、写真よさようなら(1972年)、遠野物語(1976年)、光と影(1982年)、サン・ルゥへの手紙(1990年)、Daido hysteric(1993‐97年)、新宿(2002年)など330余点の写真と、新作カラー「東京」を収録。
(本書、帯より)

にっぽん劇場写真帖
狩人
写真よさようなら
遠野物語 続にっぽん劇場写真帖
光と影
仲治への旅 サン・ルゥへの手紙
Daido hysteric
COLOR
新宿
ブエノスアイレス ハワイ 記録
東京
「森山大道 オン・ザ・ロード」中西博之(国立国際美術館)
「森山大道 ストレイ・ドッグ」サンドラ・S・フィリップス(サンフランシスコ近代美術館写真部門シニア・キュレーター)、甲斐義明・林田新 訳
森山大道年譜 蔦谷典子編
出品リスト

頂いた日:2011年6月27日
場所:国立国際美術館
 内覧会にて頂いた1冊。どうもありがとうございます。
写真家・森山大道は大阪出身だが、関西の美術館での個展は今回が初めて。美術館における森山大道展は川崎市市民ミュージアム、東京都写真美術館などで開催され、それぞれ見ているので新鮮さはない。
 だが、今展は総出品数約500点というボリュームを考えるとベスト・オブ・森山大道といえる決定版として、見応えがある。なお、新作「東京」は、デジタル/カラーになっても森山大道の作風がまったく変わらないことを証明している傑作だ。来年刊行予定の写真集が楽しみだ。
 展示は新作を森山氏本人が、旧作を学芸員の中西氏がディレクションしたという。展示の違いや構成の妙、作品選択などについて考えてみると、興味深い。個人的には、作家本人がディレクションをした新作「東京」はスケール感があってさすが。また、会場出口には森山大道が使用してきたカメラが展示されている。素っ気なくリコーのデジタルカメラGRが展示されているのが、なんだかおかしい。

 カタログは、展覧会の構成を反映したアンソロジーとなっている。すべての写真は掲載されていないものの1ページ・1作品を掲載したことで見やすい。ときどき、写真展のカタログで2~3点の作品を1ページに割りつけたものを見かけるが、やはり見にくいので、今展の編集方針は評価したい。森山ファンならずとも、森山大道の写真集を初めて買うという人にもおすすめしたい1冊だ。