Recording Words 071 あまり近すぎぬこと

よい着想でも、それがあまり急速に継起して浮かぶときは、マイナスである。なぜなら、着想のあいだの互いの展望がきかなくなるからである。―だからこそ、もっとも偉大な芸術家や著作家たちは、平凡なものを豊富に使用してきた。
（フリードリッヒ・ニーチェ『ニーチェ全集6　人間的、あまりに人間的Ⅱ』中島義生訳、筑摩書房／ちくま学芸文庫、1994年、p.98）

「平凡なものを豊富に使用」すること。それでいいような気がするのだけど・・。人はなぜ非凡を求めるのだろう、と平凡な私は思う。みんな非凡なんだね。